さいだん座ミュー星b
さいだん座μ星b | ||
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さいだん座μ星b, Celestia
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星座 | さいだん座 | |
発見 | ||
発見日 | 2000年12月12日 | |
発見者 | ポール・バトラー, ジェフリー・マーシー | |
発見場所 | カリフォルニア州, アメリカ合衆国 | |
発見方法 | ドップラー分光計 | |
現況 | 公表 | |
軌道要素と性質 | ||
軌道長半径 (a) | 1.497 au[1] (2.239×108 km) | |
近点距離 (q) | 1.304 au (1.951×108 km) | |
遠点距離 (Q) | 1.689 au (2.526×108 km) | |
離心率 (e) | 0.128[1] | |
公転周期 (P) | 643.25 ± 0.90 日[1] 1.7611 年 | |
近点引数 (ω) | 22.0 ± 7.0 °[1] | |
前回近点通過 | JD 2452365.6 ± 12.6[1] | |
準振幅 (K) | 37.78 ± 0.40 m/s | |
さいだん座μ星の惑星 | ||
恒星 | ||
視等級 | +5.15[2] | |
スペクトル分類 | G3IV - V[2] | |
質量 | 1.08 ± 0.05 M☉[2] | |
半径 | 1.245 ± 0.255 R☉[2] | |
表面温度 | 5700.0 ± 100.0 K[2] | |
金属量 [Fe/H] | 0.28 ± 0.04[2] | |
年齢 | 64.1億年[2] | |
位置 | ||
赤経 (RA, α) | 17h 44m 08.7s | |
赤緯 (Dec, δ) | −51° 50′ 03″ | |
距離 | 49.9 光年 (15.3 pc[2]) | |
物理的性質 | ||
下限質量 | 1.676 MJ[1] (533 M⊕) | |
他のカタログでの名称 | ||
HD 160691 b | ||
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さいだん座μ星b(さいだんざミューせいb、Mu Arae b)またはHD 160691 bは、さいだん座μ星の周囲を公転する太陽系外惑星である。国際天文学連合 (IAU)が定めている公式名はQuijoteである。
少なくとも木星質量の1.5倍であり、公転周期は643.25日である。2002年12月12日に発見が公表され、当初は高い軌道離心率を持つと考えられていた[3]。最近のモデルでは、さいだん座μ星には4つの惑星が存在し、さいだん座μ星bの軌道離心率の小さい惑星となっている[1]。惑星自体は表面が岩石ではなくガスの木星型惑星と考えられ、軌道半径は1.497天文単位と液体の水を持ちうるハビタブルゾーンの範囲に入っている。つまり、もしこの惑星が衛星を持つとするとそこでは生命を維持できる可能性がある。しかし、生物の自然発生にとっては、主星からの紫外線が強すぎる可能性もある[4]。さらに、地球程度の大きさの衛星が木星型惑星の周囲に形成されるのかもはっきりとは分かっていない[5]。
名称
[編集]2014年7月、国際天文学連合 (IAU)は存在が確定している太陽系外惑星とその恒星に正式名称を与えることを企画した[6]。その過程には一般の人々からのノミネートや投票などもあった[7]。最終的に、2015年12月にIAUはこの惑星の名称がQuijoteに決定されたことを発表した[8]。この名称はスペインのPamplona天文台によって投稿された名前である。Quijoteの由来は小説ドン・キホーテに登場するドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャに由来する[9]。また、キホーテは普通英語ではQuixoteで綴られることが多いが、原語の通りQuijiteとなっている。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g F. Pepe; A. C. M. Correia; M. Mayor; O. Tamuz; J.Couetdic; W. Benz; J.-L. Bertaux; F. Bouchy et al. (2007). “The HARPS search for southern extra-solar planets. VIII. μ Arae, a system with four planets”. アストロノミー・アンド・アストロフィジックス 462 (2): 769–776. Bibcode: 2007A&A...462..769P. doi:10.1051/0004-6361:20066194.
- ^ a b c d e f g h “Planet mu Ara b”. 太陽系外惑星エンサイクロペディア (2015年5月5日). 2019年7月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。
- ^ R. Paul Butler; C. G. Tinney; Geoffrey W. Marcy; Hugh R. A. Jones; Alan J. Penny; Kevin Apps (2001). “Two New Planets from the Anglo-Australian Planet Search”. アストロフィジカル・ジャーナル 555 (1): 410–417. Bibcode: 2001ApJ...555..410B. doi:10.1086/321467.
- ^ Andrea P. Buccino; Guillermo A. Lemarchand; J. D. Pablo (2006). “Ultraviolet Radiation Constraints around the Circumstellar Habitable Zones”. Icarus 183 (2): 491 – 503. Bibcode: 2005astro.ph.12291B. doi:10.1016/j.icarus.2006.03.007.
- ^ R. Canup; W. Ward (2006). “A common mass scaling for satellite systems of gaseous planets”. Nature 441 (7095): 834 – 839. doi:10.1038/nature04860. PMID 16778883 .
- ^ “NameExoWorlds: An IAU Worldwide Contest to Name Exoplanets and their Host Stars”. IAU (2014年7月9日). 2020年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。
- ^ “The Process”. IAU (2015年8月7日). 2015年8月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。
- ^ “Final Results of NameExoWorlds Public Vote Released”. IAU (2015年12月15日). 2020年2月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。
- ^ “The approved names”. IAU (2015年12月15日). 2015年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年4月19日閲覧。