こやまゆかり
こやま ゆかり | |
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本名 | 藤野 由雅利[注 1] |
生誕 |
????年12月23日[注 2] 大阪府摂津市 |
職業 | 漫画家 |
活動期間 | 1988年 - |
ジャンル | 女性漫画 |
代表作 | ホリデイラブ、バラ色の聖戦、スイート10、あなたにホの字、他多数[2] |
公式サイト | こやまゆかりオフィシャルサイト[リンク切れ] |
こやま ゆかり(本名:藤野 由雅利、12月23日 - )は、日本の漫画家。大阪府摂津市生まれ、茨木市在住(1991年時点[1])。吹田東高校卒業[1]。
経歴
[編集]昼間は会社員(OL)として働きながら夜間は漫画制作という生活で投稿した『プリテンダー』が「第12回mimi 新人まんが賞」の佳作を受賞し、1988年、『mimi Carnival』9月号(講談社)に掲載されデビューを果たす[注 3]。
デビューから4ヶ月後には、その後長期シリーズとなる『あなたにホの字』(全11巻)の読切1作目『恋の?温泉旅行』を同誌12月号に描いた[6][7]。以降、『mimi(月2回刊行時代のFORTNIGHTLY mimi)』や『Kiss』(講談社)などを主な活動の場としている。女性視点での多くの恋愛ドラマを発表。
1991年、作者の地元タウン誌インタビューで漫画家になった経緯を問われると、子供の頃から仕事にしようと考えた事はなかったが、ストーリーを書くのが好きで誰かに読んで貰いたくて『mimi』に応募・入賞したのがキッカケで担当者から誘われたと答えている。また漫画家として特別に修業をした経験はなく自己流な事、目標とする漫画家として『柴門ふみ』の名前を挙げ、「人間を描ける漫画家になりたい」と語っている[1]。
1992年『Kiss』創刊4月号では、まだ新人漫画家である自身の新連載『肩ごしに投げキッス』(見開きカラー扉絵)が巻頭を飾らせていただいたと、同誌の20年間を振り返る企画クロニクルに於いて「1番の思い出」としてエッセイ漫画に描いた[8]。
高い作家性から原作の提供も多く、『Kiss』2017年8月号より『やんごとなき一族』の連載を開始[9]。丸7年続いた代表作の一つ『バラ色の聖戦』の巻数に次ぐ長期シリーズとなっている(2024年12月現在:既刊17巻[10])。
人物
[編集]- 『バラ色の聖戦』(『Kiss』2009 - 2017年連載)の制作秘話を語ったインタビューでは、こやま自身も既婚者で漫画家として働きながら、主人公の真琴同様に家事や子育てをこなしていた事や、夫の理解なしでは両立は出来なかったと吐露している(2022年[11])。
- 1990年に結婚し1996年に出産で、育児をしながら仕事との両立は寝るヒマもないほどハードな日々だが、それもいつか漫画のネタになると考え頑張っていると2000年頃の追っかけ取材で語った[1]。妊娠中も出産後も容赦なく、出産時は陣痛が始まっても連載のネームを仕上げてFAXし、出産2時間後には担当編集者より公衆電話でお祝いの言葉と共に退院したらOKしたネームの原稿に取り掛かってと依頼された逸話も[8]。
- 作者こやまは大阪府出身だが、2016年8月に高知県四万十市の市立中央公民館にて、四万十市ゆかりの漫画家として原画展を開催している[12]。
作風・評価
[編集]等身大かつ時代を切り取ったストーリー[注 4]は、多くの社会人女性や主婦層を中心に支持されている[要出典]。
恋愛に関わる普遍的な女性の喜びや悩みや不遇な立場を扱う作品は、年代を超えた共感を呼び、ロングセラーとなっている[要出典]。
2017年に連載終了した『バラ色の聖戦』(2011年テレビドラマ化)が、2年後、デジタル配信書店『BookLive』の「少女マンガ・女性マンガ部門2019年上半期ランキング」第1位を獲得するなど(集計期間:2019年1 - 6月[5][14])、読者から息の長い支持をされている。
同作品の掲載誌『Kiss』元編集長・鈴木学は、同誌の看板作品であり読者から圧倒的な支持を得ていたと、編集長イチオシ漫画特集記事でコメント[15]。また『Kiss』という雑誌にはドラマチックな恋愛漫画があるというイメージを作り上げたメイン作家の1人として作者の名を挙げ、創刊から20年間中心で活躍している功績を称えた(2014年11月時点[16])。
作品リスト
[編集]漫画
[編集]- 最後の
電話 -読み切り傑作集-:1997年11月11日発売【全1巻[17]】 ISBN 978-4-06-325748-9 ※デビュー作「プリテンダー」を収録。 - ホリデイラブ 〜夫婦間恋愛〜【全8巻】(原作:こやまゆかり、漫画:草壁エリザ)
- やんごとなき一族【講談社「kiss」で連載中、既刊17巻】
- バラ色の聖戦【全20巻】
- スイート10【全7巻】
- 1/2の林檎【全14巻】
- あなたにほの字【全11巻[13]】
- バツイチ物語(×−物語)【全9巻】
- 指輪の約束【全4巻】
- ダブルベッド【全1巻】
- 5年目の意地っぱり【全1巻】
- 肩ごしに投げキッス【全2巻】
- オフィスメイト【全3巻】
- ポアソン【講談社:全13巻】(原作:こやまゆかり、漫画:霜月かよ子)
- Your Song【全1巻】(共著:こやまゆかり他多数、原作:平松愛理)
テレビドラマ化
[編集]- スイート10 TBS愛の劇場 2008年3月
- バラ色の聖戦 テレビ朝日日曜ナイトプレミア 2011年9月
- ホリデイラブ テレビ朝日金曜ナイトドラマ 2018年1月
- やんごとなき一族 フジテレビ木曜劇場 2022年4月
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 1991年2月掲載インタビューより[1]。※「北摂」とは大阪府北部の高槻市・茨木市・摂津市・吹田市・箕面市を中心にした地域で、その地域出身・在住・在勤の著名人のインタビューをまとめた本。なお、作者こやまの生年月日は未記載。
- ^ 下部に記載の著者プロフィールより[2]。なお初期作品の『あなたにホの字』シリーズや『5年目の意地っぱり』等の単行本情報ページも同様の掲載がある。
- ^ 目次に新人まんが賞の件およびp.188に初出誌を明記[3]+初出誌の目次「近況報告」に兼業である旨を掲載[4]。その後結婚退職するまでの2・3年間、会社員と漫画家の兼業だった[5]。
- ^ 2018年1月、初期代表作『あなたにホの字』復刻電子版販売のPR記事より[13]。
出典
[編集]- ^ a b c d e 『北摂109人』 2000, p. 210-211.
- ^ a b 『最後の電話』 1997, p. 0.
- ^ 『最後の電話』 1997, p. 155-188.
- ^ 『mimiカーニバル』9月号 1988, p. 351-385.
- ^ a b 大門磨央(取材・文) (2020年1月6日). “芦屋のセレブは浮気公認!? 女性漫画家が描く”上流階級”の真実”. FRIDAYデジタル. コミック紹介コラム. 講談社. 2024年8月5日閲覧。
- ^ “『あなたにホの字(1)』(こやま ゆかり):講談社漫画文庫”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2024年8月4日閲覧。
- ^ “Mimi carnival 1988年12月号:第10巻第12号”. 国立国会図書館サーチ. 国立国会図書館. pp. 235-279. 2024年8月4日閲覧。
- ^ a b 「クロニクル全集」『Kiss 2013年6月号:特別付録(通巻483号)』第22巻第8号、講談社、2013年4月25日、ASIN B00C9ILQXQ。
- ^ “Kissでこやまゆかり「やんごとなき一族」始動&「海月姫」が連載再開”. コミックナタリー. ナターシャ (2017年6月25日). 2024年8月6日閲覧。
- ^ “。 「こやまゆかり」の本・マンガ【新作・新刊順】”. ダ・ヴィンチWeb. KADOKAWA. 2024年12月17日閲覧。
- ^ FRaUマンガ部: “夫の許可ナシで働けない?『やんごとなき一族』著者の『バラ色の聖戦』が可視化したもの”. FRaU. Kiss30周年・短期連載 #6回. 講談社. p. 2 (2022年5月5日). 2024年8月4日閲覧。
- ^ “【終了】四万十市で「こやまゆかり 原画展」開催”. 横山隆一記念まんが館. 平成28年度 四万十市まんが文化振興事業. 四万十市教育委員会. 2024年8月4日閲覧。およびチラシ詳細“こやまゆかり原画展チラシ” (PDF). 国立国会図書館. インターネット資料収集保存事業. 四万十市 (2016年7月). 2024年8月7日閲覧。
- ^ a b “TVドラマ化漫画「ホリデイラブ」や「バラ色の聖戦」で知られる人気漫画家こやまゆかり代表作「あなたにホの字」全11巻が発売”. PR TIMES:プレスリリース. 株式会社ボーテ (2018年1月19日). 2024年8月7日閲覧。
- ^ “少女マンガ・女性マンガ 上半期ランキング2019”. ブックライブストア. BookLive. 2024年8月5日閲覧。
- ^ “女性マンガ誌の編集長24名が選ぶ!今年完結したイチオシマンガ”. コミックナタリー. 特集・インタビュー. ナターシャ (2016年12月20日). 2024年8月5日閲覧。
- ^ “編集長の部屋 (5) 中編:Kiss 鈴木学編集長-初代Kiss編集長にさんざん言われたんです。「ヌカ味噌くさい漫画を作るなよ」って(笑)。”. トキワ荘プロジェクト公式サイト. NPO法人NEWVERY (2014年11月12日). 2024年8月5日閲覧。
- ^ “『最後の電話』(こやま ゆかり)”. 講談社コミックプラス. 講談社. 2024年8月3日閲覧。
参考文献
[編集]- こやまゆかり「プリテンダー」『Young Girl’s Comic:mimi Carnival 9月号』第10巻、第9号、講談社、351-385頁、1988年、1988年9月1日。全国書誌番号:00055597。
- 池谷綱記 編『北摂とびっきり109人:CITY LIFE BOOK』(第1版第1刷)有限会社シティライフNEW、2000年(2000年10月25日発行)、210-211頁。ISBN 4-924931-11-X。全国書誌番号:21382354。「本名・出生地・学歴など」
外部リンク
[編集]- こやまゆかりオフィシャルサイト
- ホリデイラブ読者の感想・体験談
- こやまゆかり (@yukarik0327) - X(旧Twitter)