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ぎょしゃ座イオタ星

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ぎょしゃ座ι星[1]
Iota Aurigae
星座 ぎょしゃ座
見かけの等級 (mv) 2.69[1]
位置
元期:J2000.0[1]
赤経 (RA, α)  04h 56m 59.62109s[1]
赤緯 (Dec, δ) +33° 09′ 57.9585″[1]
赤方偏移 0.000059[1]
視線速度 (Rv) 17.78 km/s[1]
固有運動 (μ) 赤経: 6.79 ミリ秒/年[1]
赤緯: -14.88 ミリ秒/年[1]
年周視差 (π) 6.61 ± 0.38ミリ秒[1]
(誤差5.7%)
距離 490 ± 30 光年[注 1]
(151 ± 9 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) -3.2[注 2]
ι星の位置
物理的性質
半径 55 R[2]
質量 5.5 M[2]
スペクトル分類 K3II [1]
光度 726 L
表面温度 4,060 K[2]
色指数 (B-V) +1.53[3]
色指数 (U-B) +1.78[3]
色指数 (R-I) +0.82[3]
他のカタログでの名称
ぎょしゃ座3番星[1]
BD +32 855[1]
FK5 181[1], HD 31398[1]
HIP 23015[1], HR 1577[1]
SAO 57522[1]
Template (ノート 解説) ■Project

ぎょしゃ座ι星(ぎょしゃざイオタせい、ι Aur / ι Aurigae)は、ぎょしゃ座恒星で3等星。橙色の輝巨星で、星間塵のせいで約0.6等級暗く見える[4]

惑星系の探索

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2007年6月25日から29日にギリシアのサントリーニ島で開催されたExtreme Solar Systems conferenceで Reffert らは、「視線速度の変化から、ぎょしゃ座ι星には、互いに2:1の軌道共鳴の関係にある2つの褐色矮星が伴星として存在している」という説を発表した[5]。これら2つの伴星は約2年と4年の軌道周期を持つとされた。最低質量は得られておらず、今までのところその存在は確認されていない。これまで天体の存在は検出されていないが、767日と1586日の周期で起きる明瞭な視線速度の変化が検出されている[6]

名称

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固有名の Hassaleh は、チェコの天文学者アントニン・ベチバーシュ (Antonin Bečvář) の著した星図で付けられた名前で、意味も由来も不明[7]。1996年に刊行されたプラハプラネタリウムのブックレットに拠ると、如何なるギリシア、ラテン、アラビアの文献にも拠らない、全く恣意的な命名であったとされている[7]。2017年6月30日、国際天文学連合の恒星の固有名に関するワーキンググループは、Hassaleh をぎょしゃ座ι星の固有名として正式に承認した[8]

アラビア語で「御者のかかと」を意味するAl Ḳaʽb dhiʽl ʽInān を縮めたアルカブ (Al Kab) という名前で知られた[4]ジェフリー・チョーサーが1391年に著したアストロラーベの取り扱い方の説明書 Treatise on the Astrolabe では、アストロラーベ上の目印に用いられている。中国では五車一と呼ばれる。

脚注

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注釈

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  1. ^ a b パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算
  2. ^ 視等級 + 5 + 5×log(年周視差(秒))より計算。小数第1位まで表記

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r Results for iot Aur”. SIMBAD Astronomical Database. 2015年10月4日閲覧。
  2. ^ a b c Harper, Graham M. (1992). “The outer atmospheres of the ‘hybrid’ bright giants: the chromospheres of α TrA (K4 II), ι AUR (K3 II), γ Aql (K3 II) and θ Her (K1 II)”. Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 256 (1): 37-64. Bibcode1992MNRAS.256...37H. doi:10.1093/mnras/256.1.37. ISSN 0035-8711. 
  3. ^ a b c 輝星星表第5版
  4. ^ a b Jim Kaler. “Al Kab”. STARS. 2017年7月29日閲覧。
  5. ^ Reffert, S. et al. (2008), “Two brown dwarfs in resonance around a K3II giant”, Extreme Solar Systems, ASP Conference Series, Vol. 398, proceedings of the conference held 25-29 June 2007, at Santorini Island, Greece, pp. 115, http://ciera.northwestern.edu/Santorini2007/all_abstracts.pdf 
  6. ^ Hekker, S. et al. (2008). “Precise radial velocities of giant stars”. Astronomy & Astrophysics 480 (1): 215-222. arXiv:0801.0741. Bibcode2008A&A...480..215H. doi:10.1051/0004-6361:20078321. ISSN 0004-6361. 
  7. ^ a b Paul Kunitzsch; Tim Smart (2006). “Appendix”. A Dictionary of Modern star Names: A Short Guide to 254 Star Names and Their Derivations (2 ed.). Sky Publishing. p. 62 
  8. ^ IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2017年7月29日閲覧。

外部リンク

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