えにわコミュニティバス
えにわコミュニティバスとは、北海道恵庭市で2系統が運行されているコミュニティバス。愛称は「ecoバス」。
概要
[編集]それまで恵庭市内におけるバス路線は、北海道中央バスの千歳線やジェイ・アール北海道バスの恵庭線などが存在したが、JR千歳線近辺や国道36号近辺に集中していた。そのため、これらの路線でカバーできない地域を連絡する循環型の運行系統となっている[1]。恵庭市内のJR恵庭駅、JR恵み野駅、JR島松駅の3駅と、大型ショッピングセンターなどの商業施設、学校や図書館の公共施設、病院などが循環型のバス路線で結ばれているのが特徴である[2]。
運行受託事業者
[編集]- 循環Aコース : 富士ハイヤー - 2018年4月1日よりジェイ・アール北海道バス(長沼営業所)から移管した。
- 循環Bコース : 千歳相互観光バス[3] - 2013年4月1日より北海道中央バス(大曲営業所)から移管した。
運賃・乗車券
[編集]1乗車あたり、大人200円・子供(小学生以下)100円の均一運賃である[4]。障がい者は半額(介護者も含む)、未就学児童は保護者1名につき2名まで無料となる[4]。現金もしくは回数券で支払うが、各バス会社のカードやIC乗車券類(ジェイ・アールバスカードなど)は利用できない[4]。
通学運賃が以下の通りに設定されている。
回数券は1000円(100円×12枚)、500円(50円×12枚)の2種類が発行されている[4]。恵庭市バス(国鉄バス長恵線廃止代替)の回数券と相互利用が可能である[5]。バス車内か富士交通株式会社営業所で回数券が販売されている[4]。
乗継券は乗り継ぎ券発券停留所(JR恵み野駅東口 - JR恵み野駅西口)で運転手に乗継券を受け取る[6]。乗り継ぎ指定停留所(JR恵み野駅東口またはJR恵み野駅西口)から乗車し、下車後に乗り継ぎ券を運賃箱に入れる[6]。
車両
[編集]各系統ともそれぞれ専用のバスを用いている。35人乗り程度の小さめのバスで、車体色をそれぞれ路線のシンボルカラーに揃えている。
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恵庭島松線で使用していた車両(2009年)
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恵庭東線で使用していた車両(2009年)
沿革
[編集]2001年9月1日から2002年2月28日までの6か月間で試験運行が実施され[7]、2002年11月1日に通年での運行開始した[8][9]。2010年12月1日に3ルートとジェイ・アール北海道バスが運行していた恵庭線を統合し、乗り換え無しで市内全体を8の字に巡回する3路線を運行する実証運行を行った[10]。3路線のシンボルカラーと花の名前(さくら、すずらん、なのはな)の愛称がつけられていた[11]。2012年4月1日に実証運行の結果を判断し3路線を本格運行となった[10]。2013年4月1日に千歳相互観光バスは恵庭市から委託され運行している[3]。2016年6月にスマホなどでバスの位置情報が分かるバスロケーションサービスを導入[10]。12月1日から位置情報が分かるデジタルサイネージを恵庭駅西口の待合所で運用を始めた[12]。のちに恵み野駅、島松駅にも導入した[10]。2017年1月25日からパソコンのウェブサイトでエコバスの運行状況を確認できるようになった[13]。2018年4月1日に路線とダイヤ改正によって8の字巡回路線を単純化し、右回りを循環Aコース、左回りを循環Bコースとした[10]。2019年に恵み野駅東口と西口を乗り継ぐための乗継券やスマートフォンから購入できる定期券の導入、「恵み野南1丁目」停留所を新設した[14]。2021年に「道の駅花ロードえにわ」に「はなふる」停留所を新設した[1]。
年表
[編集]- 2001年(平成13年)9月1日 - 試験運行開始[7]。
- 2002年(平成14年)11月1日 - 通年での運行開始[9]。
- 2010年(平成22年)12月1日 - 路線とダイヤ改正された新ルートでの実証運行開始[10]。
- 2012年(平成24年)4月1日 - 実証運行の結果を判断し3路線を本格運行[10]。
- 2013年(平成25年)4月1日 - 千歳相互観光バスがBコース一部を委託[3]。
- 2016年(平成28年)
- 2017年(平成29年)1月25日 - 運行状況をパソコンのウェブサイトで確認可能[13]。
- 2018年(平成30年)4月1日 - 路線とダイヤ改正[10]。
- 2019年(平成31年)4月1日 - 乗継券・スマートフォン定期券導入、停留所新設[14]。
- 2021年(令和3年)4月1日 - 停留所新設[1]。
路線
[編集]現行路線
[編集]運行系統は原則として、市内を右回りする循環Aコース(車両色 ■)は島松駅→恵み野駅東口→恵庭駅東口→恵庭駅西口→恵み野駅西口→島松駅で循環運行[15]。市内を左回りする循環Bコース(車両色 ■)は循環Aコースの逆回りで循環運行[15]。
循環Aコース
[編集]循環Aコースの主要バス停留所[15][16] | |
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恵庭北高校 図書館 方面 |
JR島松駅 - 恵庭北高校 - 恵み野旭小学校 - 恵み野中学校 - 図書館 - ▲JR恵み野駅東口→ |
文教大学 黄金郵便局 方面 |
→JR恵み野駅東口 - 恵み野病院 - はなふる - 中島公園 - 中島会館 - 恵明中学校 - 文教大学 - 黄金ふれあいセンター - 黄金郵便局 - JR恵庭駅東口→ |
恵庭南高校 川沿大通 方面 |
→JR恵庭駅東口 - 和光会館 - 消防署南出張所 - 森永乳業 - 恵庭公園・駒場町4丁目 - 恵庭南高校 - 日の出団地 - 川沿大通 - ビッグハウス - えにわ市民プラザ - 恵庭シティーホール - 緑町・えにあす - JR恵庭駅西口→ |
市役所 北恵庭駐屯地 方面 |
→JR恵庭駅西口 - 市役所・市民会館 - 恵庭第一病院 - 有明団地 - 豊栄神社・かしわのもり - 恵庭中学校 - 北恵庭駐屯地 - 香華殿 - 柏陽会館 - ▲JR恵み野駅西口→ |
島松寿町 島松公民館 方面 |
→JR恵み野駅西口 - フレスポ恵み野 - 寿団地 - ラルズマート島松店 - 島松公民館 - JR島松駅 |
▲は乗り継ぎ券発券停留所。
循環Bコース
[編集]循環Bコースの主要バス停留所[15][16] | |
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島松公民館 島松寿町 方面 |
JR島松駅 - 島松公民館 - ラルズマート島松店 - 寿団地 - フレスポ恵み野 - ▲JR恵み野駅西口→ |
北恵庭駐屯地 市役所 方面 |
→JR恵み野駅西口 - 柏陽会館 - 香華殿 - 北恵庭駐屯地 - 恵庭中学校 - 豊栄神社・かしわのもり - 有明団地 - 恵庭第一病院 - 市役所・市民会館 - JR恵庭駅西口→ |
川沿大通 恵庭南高校 方面 |
→JR恵庭駅西口 - 緑町・えにあす - 恵庭シティーホール - えにわ市民プラザ - ビッグハウス - 川沿大通 - 日の出団地 - 恵庭南高校 - 恵庭公園・駒場町4丁目 - 森永乳業 - 消防署南出張所 - 和光会館 - JR恵庭駅東口→ |
黄金郵便局 文教大学 方面 |
→JR恵庭駅東口 - 黄金郵便局 - 黄金ふれあいセンター - 文教大学 - 恵明中学校 - 中島会館 - 中島公園 - はなふる - 恵み野病院 - ▲JR恵み野駅東口→ |
図書館 恵庭北高校 方面 |
→JR恵み野駅東口 - 図書館 - 恵み野中学校 - 恵み野旭小学校 - 恵庭北高校 - JR島松駅 |
▲は乗り継ぎ券発券停留所。
過去の路線
[編集]運行系統(2010年12月1日 - 2018年3月31日)
[編集]- JR恵み野駅東口 - 恵み野病院前 - ファッションセンターしまむら前 - 柏木中通郵便局前 - 香華殿前 - 北恵庭駐屯地 - 恵庭中学校 - 豊栄神社前 - 大安寺前 - えにわ市民プラザ - 市役所 - JR恵庭駅西口
- JR恵庭駅西口 - 恵庭シティホール前 - えにわ市民プラザ - ビッグハウス前 - 川沿大通 - 日の出団地 - 恵庭南高校前 - 恵庭公園 - 森永乳業前 - 消防署南出張所 - 和光会館 - 旭団地 - JR恵庭駅東口
- JR恵庭駅東口 - 黄金郵便局前 - 黄金デイサービスセンター前 - 文教大学前 - 総合体育館前 - 恵明中学校 - 恵庭第一病院前 - 市民会館前 - 恵庭幼稚園 - 有明団地 - ユーアイプラザ前 - 中島会館 - 中島公園 - 道と川の駅 - 保健センター - 恵み野中学校 - 図書館 - JR恵み野駅東口
運行系統(2002年11月1日 - 2010年11月30日)
[編集]- 恵庭西線[19]
- 愛称は「すずらんコース」、シンボルカラーは■緑。恵み野駅の東側を巡回したのち、恵庭駅の西側を循環運転し恵庭駅へ至る6の字型の系統。平日8.5往復、土曜・休日6往復が運行されていた。北海道中央バス(大曲営業所)の担当[20]。
- 恵庭東線[21]
- 愛称は「さくらコース」、シンボルカラーは■オレンジ。恵み野駅の東側を恵庭西線とやや異なる経路で巡回したのち、西側に抜けて北恵庭駐屯地方面へ至り、その後恵庭駅西口から恵庭駅の東側を巡回して恵庭駅東口へ至る6の字型に近い系統。平日8.5往復、土曜・休日6往復が運行されていた。ジェイ・アール北海道バス(長沼営業所)の担当[20]。
- 恵み野駅 - 図書館 - 恵み野旭小学校 - 恵み野小学校 - 柏陽町3丁目 - 北恵庭駐屯地 - 市民情報サロン - 市役所 - 恵庭駅西口 - 福住郵便局 - 恵明中学校 - 文教大学前 - 黄金中通 - 恵庭駅東口
- 恵庭島松線[22]
- 愛称は「なのはなコース」、シンボルカラーは■青。島松駅から恵庭駅までを蛇行する形で南北に結ぶ路線。既存バス路線の便の悪い西島松地区・北柏木地区も経由していた。平日8往復、土曜・休日6往復。ジェイ・アール北海道バス(長沼営業所)の担当[20]。
- 島松駅 - 島松公民館 - 島松仲町 - 西島松通 - 北柏木町1丁目 - 柏陽会館 - 恵み野小学校 - 図書館 - 恵み野駅 - 中島町4丁目 - 有明団地 - 市民情報サロン - 市役所 - 恵庭駅西口
参考文献
[編集]- 「『新恵庭市史』部門史編」恵庭市 2022年発行
脚注
[編集]- 出典
- ^ a b c “地域公共交通確保維持改善事業に関する事業評価結果について 令和3年度別紙4” (PDF). 恵庭市. p. 1 (2022年1月18日). 2024年7月6日閲覧。
- ^ “JR駅や各種施設を結ぶ公共交通網”. 恵庭市企画振興部 まちづくり推進課. 2019年6月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月5日閲覧。
- ^ a b c “いよいよ4月からエコバスを運行!”. 城代家老のブログ(千歳相互観光バス専務) (2013年3月31日). 2013年9月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g 路線図・時刻表・運賃・定期券 2023年10月13日 恵庭市 2024年7月6日閲覧。
- ^ “変更となります 代替バスの運行内容”. 広報えにわ 2002年10月15日お知らせ号. p. 2. 2004年11月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月5日閲覧。
- ^ a b “乗り継ぎについて” (PDF). 恵庭市. 2024年7月6日閲覧。
- ^ a b “市内循環バス試験運行について”. 恵庭市. 2002年5月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月5日閲覧。
- ^ “第3章 地球温暖化対策の推進 えにわコミュニティバスの運行” (PDF). 全国市長会. p. 2 (2005年). 2024年7月5日閲覧。
- ^ a b 「JR年表」『JR気動車客車編成表 '03年版』ジェー・アール・アール、2003年7月1日、193頁。ISBN 4-88283-124-4。
- ^ a b c d e f g h i えにわコミュニティバス(エコバス)「『新恵庭市史』部門史編」2022年 恵庭市 289-291頁 2024年7月6日閲覧。
- ^ “マスコットキヤラクター、コースの愛称”. 恵庭市 (2008年5月15日). 2009年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月6日閲覧。
- ^ a b “エコバス、位置情報を克明に JR恵庭駅西口にモニター”. 苫小牧民報 (2016年12月1日). 2017年2月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月5日閲覧。
- ^ a b “エコバスの運行状況をパソコン(Web)で確認できます!”. 恵庭市 (2017年9月8日). 2017年11月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月5日閲覧。
- ^ a b “エコバスの路線・ダイヤについて”. 恵庭市 (2019年4月16日). 2019年5月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月5日閲覧。
- ^ a b c d “路線図” (PDF). 恵庭市. 2024年7月6日閲覧。
- ^ a b “時刻表” (PDF). 恵庭市. 2024年7月6日閲覧。
- ^ a b c d e “市内中心部路線図”. 恵庭市 (2013年8月16日). 2014年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月6日閲覧。
- ^ a b c d e “ecoバス時刻表(2013)”. 恵庭市 (2013年8月16日). 2014年12月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月6日閲覧。
- ^ “恵庭西線(すずらんコース)時刻表”. 恵庭市 (2003年12月15日). 2005年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月6日閲覧。
- ^ a b c “ecoバス運行開始”. 恵庭市. 2005年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月6日閲覧。
- ^ “恵庭東線(さくらコース)時刻表”. 恵庭市 (2003年12月15日). 2005年12月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月6日閲覧。
- ^ “恵庭島松線(なのはなコース)時刻表”. 恵庭市 (2003年12月15日). 2005年3月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年7月6日閲覧。
関係項目
[編集]外部リンク
[編集]- えにわコミュニティバス
- バスロケーションシステム - エコバスのリアルタイム位置情報確認。
- 恵庭市