あなたはしっかり私のもの
「あなたはしっかり私のもの」(I've Got You Under My Skin)は、コール・ポーターが作詞・作曲した楽曲。1936年のミュージカル映画『踊るアメリカ艦隊』(エレノア・パウエル主演)の挿入歌としてヴァージニア・ブルースの歌唱で使用され、その年の第9回アカデミー賞歌曲賞にノミネートされた。
この楽曲のカバー・バージョンは1936年にレイ・ノーブルがアル・ボウリーの歌唱で最初にヒットさせ、その後もジャズアレンジで多くの歌手がカバーしているが、フランク・シナトラがカバーしたバージョンがシナトラの代表的楽曲として広く浸透した[1]。1966年には、フォー・シーズンズのカバーが全米9位のヒットとなった。フォー・シーズンズのバージョンは、シナトラとは全く違う独自のアレンジになっていて、邦題「君はしっかり僕のもの」である[1]。
under the skin という言葉は、「本心・内心、秘かに」といったニュアンスで和訳されることが多く、under my skinという言い回しには、「いらいらする、どうしようもなく好きになる」といった皮膚感覚・身体的ニュアンスがあり、この楽曲の、I've got you under my skin, I've got you deep in the heart of me という歌詞は、「君の虜になっている、君は僕の心の底にいる」「心の奥深くに君は僕の一部なんだ」という意味である[1]。楽曲全体からは、「君」を自分のものとして獲得したという内容ではなく、うまくいかない関係だと分かっている「僕」の頭の中で、You never can win, Use your mentality, Wake up to reaity (勝てるはずかない、頭を使って、現実に目を覚ませ)いう理性の警告の声が繰り返されても、「心の奥深く」に「君」がいて「君の虜になっている」という叶わぬ思いの切ない恋の歌である[1]。
フランク・シナトラ版
[編集]「あなたはしっかり私のもの」 | ||||||||
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フランク・シナトラの楽曲 | ||||||||
収録アルバム | 『Songs for Swingin' Lovers』 | |||||||
リリース | 1956年3月 | |||||||
規格 | レコード | |||||||
ジャンル | ポピュラー、ジャズ、 | |||||||
時間 | 3分40秒 | |||||||
レーベル | キャピトル | |||||||
作詞者 | コール・ポーター | |||||||
作曲者 | コール・ポーター | |||||||
プロデュース | ヴォイル・ギルモア | |||||||
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フォー・シーズンズ版
[編集]「君はしっかり僕のもの」 | ||||||||
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フランキー・ヴァリ & フォー・シーズンズ の シングル | ||||||||
B面 | Huggin' My Pillow | |||||||
リリース | ||||||||
ジャンル | ポップ・ミュージック、ブルー・アイド・ソウル | |||||||
時間 | ||||||||
レーベル | フィリップス | |||||||
作詞・作曲 | コール・ポーター | |||||||
プロデュース | ボブ・クルー | |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
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フランキー・ヴァリ & フォー・シーズンズ シングル 年表 | ||||||||
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フォー・シーズンズのバージョンは、フランク・シナトラの「オール・ブルー・アイズ」色を払拭したフォー・シーズンズらしい独自のアレンジになっている[1]。邦題は「君はしっかり僕のもの」[1]。リードボーカルのフランキー・ヴァリをはじめ、彼らのコーラスの歌唱力の高さが証明される美しい楽曲に仕上がっている[1]。
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おもなカバー・アーティスト
[編集]- アル・ボウリー(1936年) - アルバム『The Al Bowlly Story 1928-41』(2003年)収録。
- リー・ウィレイ(1937年) - アルバム『The Complete Young Lee Wiley, 1931-1937』(1991年)収録。
- スタッフ・スミス(1940年) - アルバム『Onyx Club Spree』(1997年)収録。
- キャブ・キャロウェイ(1943-44年) - アルバム『That Old Black Magic』(2020年)収録。
- ジュディ・ガーランド(1947年)
- ビング・クロスビー (1947年12月) – アルバム『Bing Crosby Sings Cole Porter Songs』(1949年)収録。
- リンカーン・チェイス(1952年)
- ペギー・リー(1953年) - 『Black Coffee』収録。
- ダイナ・ワシントン with クリフォード・ブラウン(1954年) – アルバム『Dinah Jams』収録。
- スタン・ケントン(1954年) - アルバム『Portraits on Standards』収録。
- フランク・シナトラ(1956年) - アルバム『Songs for Swingin' Lovers』収録。上記参照。
- エラ・フィッツジェラルド(1956年) – アルバム『Ella Fitzgerald Sings the Cole Porter Songbook』収録。
- チェーザレ・シエピ with ローランド・ショウ オーケストラ(1958年) – アルバム『Easy to Love (Songs of Cole Porter) 』収録。
- シャーリー・バッシー (1959年) – アルバム『The Fabulous Shirley Bassey』収録。
- ヘレン・メリル(1960年) – アルバム『Parole e musica』収録。
- レイ・コニフ(1960年) - アルバム『Say It with Music (A Touch of Latin) 』収録。
- アーサー・キット(1962年) – アルバム『The Romantic Eartha』収録。
- セリジオ・フランチ(1964年)
- メル・トーメ(1964年) – アルバム『That's All』収録。
- マイーザ(1964年) - アルバム『Maysa』収録。
- ジュリー・ロンドン (1965年) – アルバム『All Through the Night: Julie London Sings the Choicest of Cole Porter』収録。
- ビル・エヴァンス with ジム・ホール(1966年) – アルバム『Intermodulation』収録。
- フランキー・ヴァリ & フォー・シーズンズ(1966年) - アルバム『25th Anniversary Collection』(1987年)収録。上記参照。
- ルー・エリオット(1967年) - アルバム『Sings Way Out from Down Under』収録
- サミー・デイヴィスJr.(1968年) - アルバム『I've Gotta Be Me』収録。
- グロリア・ゲイナー(1976年) - アルバム『I've Got You』収録。
- フリオ・イグレシアス(1985年) - アルバム『Libra』収録。
- ホセ・ホセ(1985年) - アルバム『At Puerto Rico in 1985』収録。
- ラピアーズ (The Rapiers)(1987年) - アルバム『1961』収録。
- ジェイムズ・ダレン(1990年) - アルバム『This One's from the Heart』収録。
- ネナ・チェリー(1990年) - 『Red Hot + Blue』収録。
- スティーヴ・バートン(1991年頃) - アルバム『Only for a While』(2009年)に収録。
- ジェラルド・ケリー(1992年) - アルバム『Play Me Some Porter, Please』収録。
- リタ・ライス(1992年) - アルバム『The Great American Songbook, volume 1』収録。
- ボノ & フランク・シナトラ(1993年) - シングル「Stay (Faraway, So Close!)」に収録。映画『時の翼にのって/ファラウェイ・ソー・クロース!』、その後に1994年の映画『ジュニア』でも使用。
- マーガレット・ウルリッヒ & デール・バーロウ(1994年) - アルバム『Kate Ceberano and Friends』収録。
- ザ・フォー・フレッシュメン(1994年) - アルバム『Voices in Standards』収録。
- ラトルズ(1996年) - アルバム『 The Rutles Archaeology』(2007年)収録。
- ルイ・プリマ & キーリー・スミス(1996年) - 『Capitol Collectors Series: Louis Prima』収録。
- ジョー・ロヴァーノ(1996年) - アルバム『Celebrating Sinatra』収録。
- ジェイムズ・ダレン(1998年) - テレビドラマ『スタートレック:ディープ・スペース・ナイン』で歌唱。アルバム『This One's from the Heart』(1999年)に収録。
- ビレリ・ラグレーン(1998年) - アルバム『Blue Eyes』収録。
- ジョーボックス(1998年) - アルバム『My Scrapbook of Fatal Accidents』収録。
- 山下達郎 (1998年) - 村上“ポンタ”秀一『Welcome To My Life』収録。
- ダイアナ・クラール(1999年) - 『When I Look In Your Eyes』収録。
- ジェイミー・カラム(1999年) - アルバム『Heard It All Before』収録。
- ペリー・コモ (2004年) - アルバム『Papa Loves Mambo – The Very Best of Perry Como』収録。
- T.J. Graham(2004年) - アルバム『Memphis Jazz Box』収録。
- カーリー・サイモン(2005年) - アルバム『Moonlight Serenade』収録。
- マイケル・ブーブレ(2005年) - アルバム『It's Time』収録。
- ボビー・コールドウェル(2005年) - アルバム『Come Rain or Come Shine』収録。
- マイケル・ボルトン(2006年) - アルバム『Bolton Swings Sinatra』収録。
- LauriBeth Quinlivan(2006年) - アルバム『On Angel's Strings』収録。
- クリフ・リチャード(2009年) - アルバム『Bold as Brass』収録。
- クリス・ボッティ(2009年) - アルバム『Chris Botti in Boston』(featuring キャサリン・マクフィー) 収録。
- シーザー(2009年) - フランク・シナトラ・トリビュートアルバム『His Way, Our Way』収録。
- ディアナ・マーティン(2009年) - アルバム『Volare』収録。
- ロッド・スチュワート(2010年) - アルバム『Fly Me to the Moon... The Great American Songbook Volume V』収録。
- ランドー・ユージン・マーフィー・ジュニア(2011年) - アルバム『That's Life』収録。
- ジャーメイン・ジャクソン(2012年) - アルバム『I Wish You Love』収録。
- ミーナ・マッツィーニ(2012年) - アルバム『12 (American Song Book)』収録。
- Cristian Rosemary(2013年) - スペイン語タイトルは「Bajo mi Piel」
- チェリー・ポッピン・ダディーズ(2014年) - アルバム『Please Return the Evening』収録。
- スティーヴン・マグリオ (Steven Maglio)(2015年) - アルバム『Sinatra en Bossa Nova』収録。
- ジョセフィン・ベーカー(2010年) - アルバム『Les génies de la chanson』収録。
- シール(2017年) - アルバム『Standards』収録。
脚注
[編集]参考資料
[編集]- ヴェリー・ベスト・オブ・フランキー・ヴァリ&フォー・シーズンズ (ライナーノーツ). フランキー・ヴァリ&ザ・フォー・シーズンズ. ワーナーミュージック・ジャパン. 2017. WCR26211。