ルブ・エル・ヒズブ
ルブ・エル・ヒズブ(۞英語: Rub el Hizb、アラビア語: ربع الحزب、rubʿ al-ḥizb、「ルブ・アル=ヒズブ」)は、八つの頂点がある星型多角形(八芒星)の記号の一種で、二つの正方形を重ねた形である。イスラム教の伝統的なシンボルの一つとなっており、イスラム圏の国の国章にも多く採用されている。
アラビア語で、ルブは「四分の一」を、ヒズブは「まとまり」「集まり」を意味する。クルアーン(イスラームの聖典)は114の章(スーラ)に分かれているが、各スーラの長さはばらつきが大きい。朗読を容易にするため、クルアーン全体を、長さがだいたい等しくなるように60に分けた巻を「ヒズブ」と呼ぶ(30に分けた巻を「ジュズウ」と呼ぶ)。各ヒズブはさらに四等分されており、四分の一(ルブ)毎に星形のマーク(۞)が書かれている。このマークが、ルブ・エル・ヒズブである。
イスラームの書道(カリグラフィー)においては、ルブ・エル・ヒズブは章の終わりを示すシンボルとして用いられる。Unicodeでは、ルブ・エル・ヒズブは U+06DE で表される。
使用
[編集]ルブ・エル・ヒズブは次のようなものに使われている。
- モロッコにあったマリーン朝およびサアド朝の旗
- トルクメニスタンの国章
- ウズベキスタンの国章
- カザフスタンの政党・アザト党の旗 [2]
- カザフスタンの税関の旗
- カザフスタンで1990年代に使われ、現在の国旗のもととなった非公式な国旗
- ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争時の、ボスニア・ヘルツェゴビナ共和国内務省の特別警察部隊「ボスナ」の徽章。ボスナはサラエヴォ包囲では重要な役割を果たした
- カイロ地下鉄のマーク
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1258年から1659年にかけてのモロッコの国旗
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2003年以降のトルクメニスタンの国章
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1992年7月2日に制定されたウズベキスタンの国章
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1990年代に用いられたカザフスタンの非公式な旗
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カザフスタンの税関旗
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カザフスタンのアザト党の旗
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『インディ・ジョーンズ/最後の聖戦』の舞台となる、架空のハタイ共和国の国旗
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1844年のイスリーの戦い(Battle of Isly)でフランス軍がモロッコ軍から奪った戦利品の旗
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カイロ地下鉄のロゴ
アル=クッズの星
[編集]「アル=クッズの星」(英語: al-Quds star, アラビア語: نجمة القدس, najmat al-Quds)は、エルサレム(アラビア語でアル=クッズ、アル=クドゥス)のシンボルとして用いられるルブ・エル・ヒズブの一種である。ウマイヤ朝が建てた岩のドームの八角形の平面図に基づいてデザインされた。
2009年のアラブ文化首都にエルサレム(アル=クッズ)が選ばれた際のロゴマークや、ヨルダン川西岸地区のラマッラーに本店を置くアル=クッズ銀行のロゴマークなどに用いられている。