西浦博
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にしうら ひろし 西浦 博 | |
---|---|
生誕 |
1977年 大阪府 |
居住 |
日本 タイ イギリス ドイツ オランダ 中国 |
国籍 | 日本 |
研究分野 |
医学 保健学 |
研究機関 |
エバーハルト・カール大学 テュービンゲン ユトレヒト大学 香港大学 東京大学 北海道大学 |
出身校 |
宮崎医科大学医学部卒業 広島大学大学院 保健学研究科博士課程修了 |
影響を 受けた人物 |
ロイ・アンダーソン ロバート・メイ |
プロジェクト:人物伝 |
西浦 博(にしうら ひろし、1977年 - )は、日本の医師、医学者、保健学者(理論疫学・医療管理学・衛生学)。学位は博士(保健学)(広島大学・2006年)。北海道大学大学院医学研究院教授。
東京都立荏原病院内科・感染症科臨床研修医を経て、エバーハルト・カール大学テュービンゲン医系計量生物学研究所研究員、ユトレヒト大学博士研究員、香港大学公衆衛生大学院助理教授、東京大学大学院医学系研究科准教授などを歴任した。
来歴
生い立ち
1977年、大阪府にて生まれ[1]、兵庫県神戸市にて育った[1]。幼いころから、ロボットコンテストやソーラーカーの開発に興味を持っていた[1]。そのため、神戸市立工業高等専門学校に進学し[1]、電気工学科にて学んだ[2]。しかし、兵庫県南部地震によって引き起こされた阪神・淡路大震災に罹災し[1]、被災者を救助するAMDAの医師の姿に心を打たれ[2]、一転して医学の道を志す[2]。1996年(平成8年)4月、宮崎医科大学に進学し[3][註釈 1]、医学部の医学科にて学んだ[3][註釈 2]。学生インターンとして発展途上国での麻疹とポリオの予防接種対策に参画したところ[2]、医学者のロイ・アンダーソンらの著した『Infectious Diseases of Humans -- dynamics and control』[4]を紹介され[2]、感銘を受ける[2]。2002年(平成14年)3月、宮崎医科大学を卒業した[3]。同年5月から2003年(平成15年)3月にかけて、東京都立荏原病院にて内科や感染症科の臨床研修医として非常勤で勤務した[3][註釈 3]。その後、タイに渡り、2003年(平成15年)4月より同年10月までマヒドン大学の熱帯医学校の大学院にて学んだ[3]。2004年(平成16年)4月、広島大学の大学院に進学し[3]、保健学研究科にて学んだ[3]。大学院生として「Mathematical and statistical epidemiology of emerging/re-emerging infectious diseases with particular emphasis on inference of key parameters」[5]と題した博士論文を執筆した。また、その間、2004年(平成16年)4月から2005年(平成17年)3月にかけて、イギリスのインペリアル・カレッジ・ロンドンの医学部にて客員研究員を務め[3]、かつて感銘を受けたロイ・アンダーソンから直接指導を受け[2][6]、感染症疫学について研究していた[3]。2006年(平成18年)3月、広島大学の大学院における博士課程を修了し[3]、博士(保健学)の学位を取得した[5][7]。
医学者、保健学者として
まだ大学院生だった2005年(平成17年)4月から、ドイツのエバーハルト・カール大学テュービンゲンの医系計量生物学研究所にて研究員となっており[3]、2007年(平成19年)8月まで勤務した[3]。その傍ら、2006年(平成18年)4月から2007年(平成19年)8月にかけて、長崎大学の熱帯医学研究所にて特任准教授を兼任した[3]。2007年(平成19年)9月より、オランダのユトレヒト大学にて博士研究員となり[3]、理論疫学を研究した[3]。その後、さきがけ主任研究者となり[3]、2011年(平成23年)3月までユトレヒト大学に在籍した[3]。2011年(平成23年)4月、香港特別行政区の香港大学に転じ[3]、2013年(平成25年)4月まで公衆衛生大学院の助理教授を務めた[3]。2013年(平成25年)6月には東京大学に転じ[3]、大学院の医学系研究科で准教授に就任した[3]。医学系研究科においては、国際社会医学講座を受け持った[3]。2016年(平成28年)3月まで東京大学に在籍し[3]、翌月より北海道大学に転じ[3]、大学院の医学研究院にて教授に就任した[3]。大学院においては、社会医学分野を受け持った[3]。
人物
- 8割おじさん
- 2019年から2020年にかけての日本での新型コロナウイルス感染症の流行に際して、厚生労働省のクラスター対策班に参画した。流行拡大を防ぐには人との接触を8割削減することが必要と提唱し、インターネット上で「8割おじさん」[8]と呼ばれるようになり、自身も名乗るようになった[8]。なお、名付け親は、ともにクラスター対策にあたっていた医学者の押谷仁とされる[8]。
- 基本的対処方針等諮問委員会での審議
- 緊急事態宣言の是非を審議する基本的対処方針等諮問委員会の委員である押谷仁は[註釈 4]、審議当日の朝に西浦の主張に直接耳を傾け「どこまで頑張れるかわからないけれども、8割おじさんの願いが叶うように精一杯やってみよう」[8]と応じている。また、西浦らは基本再生産数を「2.5」とする前提で資料を作成していたが[8]、基本的対処方針等諮問委員会の審議の場に提出された資料では値が「2.0」に改竄されていた[8]。提出された資料の値に疑問を感じた委員長の尾身茂から、西浦に直接「これで大丈夫なのか?」[8]と確認の電話があったことで、西浦に無断で資料の値が改竄されていたことが発覚した。
- 休業要請の2週間見送り
- 緊急事態宣言の発出に際し、新型コロナウイルス担当大臣の西村康稔は7都府県知事に対して休業要請を2週間見送るよう要求した。一方、東京都庁は休業要請を打ち出そうとしており、国と都が対立した。この問題について、ジャーナリストの田﨑史郎は、国が休業要請を2週間先送りにしようとしたのは西浦の意見に基づくものだと主張している[9]。『羽鳥慎一モーニングショー』に出演した田﨑は、西村康稔に電話で聞いたと前置きしたうえで、専門家の「2週間やめたら効果が出る可能性があります」[9]という意見を西村が都府県に伝えただけに過ぎないと主張した[9]。さらに、その専門家が誰なのかという話題になると、田﨑は「それ、西浦さんがおっしゃっていますよね」[9]「データ、先週の金曜日に出しましたでしょ? 彼の予測で」[9]などと発言し、休業要請を2週間先送りしようとしたのは西浦の意見によるものと主張した[9]。
- この報道を知った西浦は、そのような提案はしていないと反論し[10]、「休業補償2週待つっていうニュース、耳を疑いました」[10]とコメントしている。さらに西浦は、田﨑を名指しして「田崎さんのソースは官◯ですね。ぷんぷん。休業は補償つきで今すぐやらないといけません」[10]と重ねて反論した。さらに西浦は、田﨑の発言について「『西浦が2週様子を見てから休業補償』と言ったという田崎=西村ラインの嘘話」[11][12]と痛烈に批判している。
略歴
- 1977年 - 大阪府にて誕生[1]。
- 2002年 - 宮崎医科大学医学部卒業[3]。
- 2002年 - 東京都立荏原病院内科・感染症科臨床研修医[3]。
- 2004年 - インペリアル・カレッジ・ロンドン医学部客員研究員[3]。
- 2005年 - エバーハルト・カール大学テュービンゲン医系計量生物学研究所研究員[3]。
- 2006年 - 広島大学大学院保健学研究科博士課程修了[3]。
- 2006年 - 長崎大学熱帯医学研究所特任准教授[3]。
- 2007年 - ユトレヒト大学博士研究員[3]。
- 2011年 - 香港大学公衆衛生大学院助理教授[3]。
- 2013年 - 東京大学大学院医学系研究科准教授[3]。
- 2016年 - 北海道大学大学院医学研究院教授[3]。
著作
編纂
- 西浦博編『感染症数理モデルの実用化と産業及び政策での活用のための新たな展開』九州大学マス・フォア・インダストリ研究所、2014年。
寄稿、分担執筆、等
脚注
註釈
- ^ 宮崎医科大学は、のちに旧宮崎大学と統合・再編され、宮崎大学となった。
- ^ 宮崎医科大学医学部は、のちに宮崎大学医学部の源流の一つとなった。
- ^ 東京都立荏原病院は、のちに東京都から財団法人東京都保健医療公社に移管され、荏原病院となった。
- ^ 押谷が委員を務める基本的対処方針等諮問委員会は、新型インフルエンザ等対策閣僚会議の新型インフルエンザ等対策有識者会議の下に設置されている組織である。新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の是非等を審議する組織であり、新型インフルエンザだけでなく新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言も所管している。なお、名称が類似しているが、新型コロナウイルス感染症対策本部の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の下に設置されている組織ではない。
出典
- ^ a b c d e f 久米宏ラジオなんですけど「数理モデルで感染症対策 西浦博さん(北海道大学大学院教授)」『数理モデルで感染症対策西浦博さん(北海道大学大学院教授)』TBSラジオ、2019年3月23日。
- ^ a b c d e f g 藤田正美「数理モデルで感染症を食い止める――『経験と勘』を超えてエビデンスに基づく対策を」『数理モデルで感染症対策を効果的に - POLICY DOOR ~研究と政策と社会をつなぐメディア~』
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae af ag ah ai aj 「西浦博」『西浦 博 (Hiroshi Nishiura) - マイポータル - researchmap』国立情報学研究所、2020年4月4日。
- ^ Roy M. Anderson and Robert M. May, Infectious diseases of humans -- dynamics and control, Oxford University Press, 1992.
- ^ a b 「書誌事項」『CiNii 博士論文 - Mathematical and statistical epidemiology of emerging/re-emerging infectious diseases with particular emphasis on inference of key parameters』国立情報学研究所。
- ^ 西浦博・森田朗「感染症対策の政策形成に数理モデルを活用する」『感染症対策の政策形成に数理モデルを活用する|SciREX 科学技術イノベーション政策における「政策のための科学」推進事業』科学技術イノベーション研究センター。
- ^ 学位授与番号甲第3913号。
- ^ a b c d e f g 岩永直子・千葉雄登「『このままでは8割減できない』――『8割おじさん』こと西浦博教授が、コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由」『「このままでは8割減できない」 「8割おじさん」こと西浦博教授が、コロナ拡大阻止でこの数字にこだわる理由』2020年4月11日。
- ^ a b c d e f 「『2週間の休業要請見送り』で田崎史郎と西村大臣がデマ! 根拠にされた西浦教授が『田崎=西村ラインの嘘話』『休業はすぐに』」『「2週間の休業要請見送り」で田崎史郎と西村大臣がデマ!根拠にされた西浦教授が「田崎=西村ラインの嘘話」「休業はすぐに」|LITERA/リテラ』ロストニュース、2020年4月10日。
- ^ a b c 「『2週間の休業要請見送り』で田崎史郎と西村大臣がデマ! 根拠にされた西浦教授が『田崎=西村ラインの嘘話』『休業はすぐに』」『西浦教授が“そんな提案はしていない”と反論 「田崎さんのソースは官◯ですね」とも|LITERA/リテラ』ロストニュース、2020年4月10日。(原文ママ)
- ^ 「『2週間の休業要請見送り』で田崎史郎と西村大臣がデマ! 根拠にされた西浦教授が『田崎=西村ラインの嘘話』『休業はすぐに』」『安倍首相の「2週間後にピークアウト」発言も西浦教授の分析を歪曲・悪用したデマだった|LITERA/リテラ』ロストニュース、2020年4月10日。(原文ママ)
- ^ Hiroshi Nishiura『Hiroshi NishiuraさんはTwitterを使っています』ツイッター、2020年4月10日。
関連人物
関連項目
外部リンク
- Hiroshi Nishiura's Website - 西浦の公式ウェブサイト
- Hiroshi Nishiura (@nishiurah) - X(旧Twitter)
- 西浦 博 - researchmap
- 西浦 博 - J-GLOBAL
- 西浦 博 - KAKEN 科学研究費助成事業データベース
- 論文一覧(KAKEN、IRDB)
- 北海道大学大学院医学研究院社会医学分野衛生学教室 | Department of Hygiene, Graduate School of Medicine, Hokkaido University - 西浦が所属する研究室の公式ウェブサイト