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Raspberry Pi

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Raspberry Pi 1
ファイル:Raspberry Pi Logo.svg
Raspberry Pi Model-B
販売開始 2012年2月29日[1]
価格 $20, $25, $35
種類 シングルボードコンピュータ
プロセッサー ARM1176JZF-S[2]
周波数 700 MHz
メモリ 256 MB (Model A, Model B rev 1),
512 MB (Model B rev 2, Model B+)
ストレージ SD Card Slot
(SD or SDHC card)
接続 USB, HDMI
ポート GPIO, UART, I²C, SPI
電源 3.5 W (model B),
3.0 W (model B+)
重量 45 g
寸法 85 mm × 56 mm(コネクター部の突起は含まない)
Raspberry Pi 2
販売開始 2014年2月2日[3]
価格 $35
種類 シングルボードコンピュータ
プロセッサー ARM Cortex-A7 4コア
周波数 900 MHz
メモリ 1 GB
ストレージ SD Card Slot
(SD or SDHC card)
接続 USB, HDMI
ポート GPIO, UART, I²C, SPI
電源 3 W
重量 45 g
寸法 85 mm × 56 mm(コネクター部の突起は含まない)

Raspberry Pi(ラズベリーパイ)は、ARMプロセッサを搭載したシングルボードコンピュータイギリスのラズベリーパイ財団(Raspberry Pi Foundation)によって開発されている。

概要

Raspberry Piは、かつてイギリスで教育用コンピュータとして普及したエイコーン社BBC Micro(1981年)の再来として、学校で基本的なコンピュータ科学の教育を促進することを意図している[4][5][6][7][8]。Model A、Model Bという名称もBBC Microに由来しており、サポートされるコンピュータ言語の中にはBBC Microで利用されたBBC Basicも含まれており、ハードウェア的にはエイコーン社が開発したARMプロセッサを搭載している。また、エイコーンのOSであるRISC OSも、Raspberry Pi用がRISC OS Open Limitedより公式リリースされている。

現在、25米ドルの「Model A」と35米ドルの「Model B」「Model B+」の3つのバージョンがリリースされている。Model Bは2012年2月29日に受注が開始され[9]、法的手続きの関係などにより予定出荷時期が直前で延期されるトラブルはあったものの、製品は出荷された[10]。 CPUプロセッサコアとして700 MHzのARM1176JZF-S、GPUにVideoCore IV、当初出荷分は256MB、後の出荷分は512MBに増量したDRAMを内蔵したBroadcom BCM2835 SoCを搭載している[2]。内蔵ハードディスクソリッドステートドライブを搭載しない代わりに、SDメモリーカード(SDカード)を起動および長期保存用のストレージに利用する[11]

2014年6月にはModel Bの改良版であるModel B+の出荷が開始された。Model B+ではUSBポートが4つに増設された他、消費電力が低減されている。また、ストレージが、SDカードからMicro SDカードに変更された。Model B+のGPIOヘッダーピンは40ピンとなり、Model Bの26ピンに対して拡張がされ、そのままで上位互換性を保っている。このため、Model B用の拡張ボードをModel B+で使用できる場合も多い。しかし、拡張ボードの形状によっては使用できないものがある。

このボードは、OSにLinuxを使用して走らせることを意図している。DebianをカスタムしたRaspbianの使用が推薦されている。他にsoft float版DebianArch Linuxがサポートされている。これはSoCのBCM2835に提供されているファームウェアが基本的にLinuxを前提としてデザインされており、詳細な内部情報の入手にはNDAの締結が必要[12]といった事情もあるが、第三者の有志によりNetBSDFreeBSD[13]などを動作させることが行われている。また、RISC OSは公式のダウンロードがある。

財団が推薦しているプログラミング言語Pythonであるが、普通のLinuxであるから、ARM Linuxで実行可能な他のどんな言語も利用できる。

2014年6月11日までに、累計300万台販売された[14]

ハードウェア

仕様

Raspberry Pi 1
Model A Model A+ Model B Model B+
ターゲット価格[5] $25 $20 $35[15][16]
SoC[5] Broadcom BCM2835 (CPU, GPU, DSP, SDRAM)[2]
CPU 700 MHz / ARM1176JZF-S コア (ARM11 ファミリ)[17]
GPU Broadcom VideoCore IV,[18] OpenGL ES 2.0 (24 GFLOPS)
1080p 30fps H.264/MPEG-4 AVC High Profile デコーダー[2], MPEG-2, VC-1

メモリから流用できるGPUメモリ量(16/32/64/128/256設定可能)

メモリ (SDRAM) 256MB (GPU共有) 512MB (GPU共有)、2012年10月14日以前の発送分は256MB[19] 512MB (GPU共有)
USB 2.0 ポート[11] 1 2 (統合USBハブ)[20] 4 (統合USBハブ)
映像入力 15ピンMIPIカメラインターフェース(CSI)
コネクターに、別途Raspberry Piカメラを接続することで取り込み可能である。
映像出力[5] コンポジット RCA (PAL / NTSC) , HDMI 1.3 / 1.4[21]
音声出力[5] 3.5 mm ジャック, HDMI
ストレージ[11] SDメモリーカード / MMC / SDIO カードスロット MicroSDメモリーカード SDメモリーカード / MMC / SDIO カードスロット MicroSDメモリーカード
ネットワーク[5][11] なし 10/100 Mbps イーサネット (RJ45)[20]
低レベル周辺機器[注釈 1] GPIOヘッダーピン26ピン。内訳:8 × GPIO, UART, I²C, SPIと2つのチップセレクト, +3.3 V, +5 V[注釈 2][注釈 3], 接地[18][22]
GPIOヘッダーピン40ピン。 GPIOヘッダーピン26ピン。内訳:8 × GPIO, UART, I²C, SPIと2つのチップセレクト, +3.3 V, +5 V[注釈 4][注釈 5], 接地[18][23]
GPIOヘッダーピン40ピン。
電源 300 mA (1.5 W)[5] 300 mA (1.5 W)より低い 700 mA (3.5 W) 600 mA (3.0 W)
電源ソース[5] 5V / microUSB または GPIO
大きさ 85.0 mm × 56.0 mm (3.35 in × 2.20 in)[24]
(ただし、コネクター部の突起は含まない)
OS Debian, Fedora, Arch Linux[25]
Raspberry Pi 2
Model B
ターゲット価格[5] $35
SoC BCM2836
CPU ARM Cortex-A7 900MHz 4コア
GPU Broadcom VideoCore IV
Raspberry Pi 1と同じ
メモリ (LPDDR2) 1 GB
USB 2.0 ポート 4
映像入力 15ピンMIPIカメラインターフェース(CSI)
コネクターに、別途Raspberry Piカメラを接続することで取り込み可能である。
映像出力[5] コンポジット RCA (PAL / NTSC) , HDMI 1.3 / 1.4[21]
音声出力[5] 3.5 mm ジャック, HDMI
ストレージ[11] MicroSDメモリーカード
ネットワーク[5][11] 10/100 Mbps イーサネット (RJ45)[20]
低レベル周辺機器 GPIOヘッダーピン40ピン
電源 600 mA (3.0 W)
電源ソース[5] 5V / microUSB または GPIO
大きさ 85 mm × 56 mm (3.3 in × 2.2 in)[26]
(ただし、コネクター部の突起は含まない)
OS Debian, Fedora, Arch Linux, Windows 10[25]
注釈
  1. ^ Model BのRev.1とRev.2では、GPIOポートのピンの配列が異なっているので注意が必要である。
  2. ^ Raspberry Piの内部は3.3Vの電源で動作している。Raspberry PiのGPIO入力には3.3Vを用いる。決して5Vを接続してはいけない。
  3. ^ Raspberry PiのGPIOポートの3.3Vの電源を供給するピンと、5Vの電源を供給するピンは隣り合っており、誤って短絡(ショート)させると故障の原因になるので配線には注意が必要である。もし、全く5Vの電源を使用しない場合には、5Vのピンに何らかの覆いをしたほうが安全である。
  4. ^ Raspberry Piの内部は3.3Vの電源で動作している。Raspberry PiのGPIO入力には3.3Vを用いる。決して5Vを接続してはいけない。
  5. ^ Raspberry PiのGPIOポートの3.3Vの電源を供給するピンと、5Vの電源を供給するピンは隣り合っており、誤って短絡(ショート)させると故障の原因になるので配線には注意が必要である。もし、全く5Vの電源を使用しない場合には、5Vのピンに何らかの覆いをしたほうが安全である。

ソフトウェア

2012年2月19日、ラズベリーパイ財団は、SDカードから起動できるオペレーティングシステムのSDカードイメージを発表した。 イメージに含まれるOSは、Debian 6.0(Squeeze)に基づいていて、LXDE デスクトップ環境Midori ブラウザに加えて、様々なプログラミングツールを使用できる。また、このOSはRaspberry Pi だけでなく様々な他のプラットフォーム上でエミュレートできるように QEMU 上で実行できる[27]

ラズベリーパイ財団は、その後、カナダのセネカカレッジで開発された[28] Fedora バージョンをリリースする予定[29]。財団は、プログラムをやりとりするためのアプリケーションストアを開設予定。

2013年11月21日、RaspberryPi Foundation は、数式処理ソフトである Mathematica のサブセット版及びその記述言語である Wolfram Language を、RaspberryPi の標準イメージ環境である Raspbian に向けて無償提供することを発表した[30][31]。Raspberry Pi の性能から、現在出回っている典型的なコンピュータ上で動作させた場合と比較して、5 % - 10 % 程度の実行速度となるとしているが[30]、今後は「Remote Development Kit」の名称で、コーディング等を行う外部コンピュータと、実際に Mathematica を実行する RaspberryPi を接続するインターフェースの提供・公開が予定されている[30]

関連項目

参照

  1. ^ Raspberry Pi: We are Live
  2. ^ a b c d BCM2835 Media Processor; Broadcom.
  3. ^ Raspberry Pi 2 on sale now at $35 | Raspberry Pi
  4. ^ Raspberry Pi: Cheat Sheet
  5. ^ a b c d e f g h i j k l m FAQs”. Raspberry Pi Foundation. 6 October 2011閲覧。
  6. ^ Cellan-Jones, Rory (5 May 2011). “A £15 computer to inspire young programmers”. BBC News. March 4, 2012閲覧。
  7. ^ Price, Peter (3 June 2011). “Can a £15 computer solve the programming gap?”. BBC Click. 2 July 2011閲覧。
  8. ^ Bush, Steve (25 May 2011). “Dongle computer lets kids discover programming on a TV”. Electronics Weekly. 11 July 2011閲覧。
  9. ^ Richard Lawler, 29 February 2012, Raspberry Pi credit-card sized Linux PCs are on sale now, $25 Model A gets a RAM bump, Engadget
  10. ^ カードサイズPC「Raspberry Pi」今度こそ出荷開始、一枚 約2800円 (動画) engadget日本語版 2012-04-17
  11. ^ a b c d e f Verified USB Peripherals and SDHC Cards; eLinux.org
  12. ^ http://www.raspberrypi.org/faqs のQ「But I demand the documentation for the chip. Give it to me!」への答えを見よ
  13. ^ http://kernelnomicon.org/?p=261
  14. ^ Raspberry Pi at Buckingham Palace, 3 million sold | Raspberry Pi
  15. ^ Introducing Raspberry Pi Model B+”. Raspberry Pi Foundation. 2014年8月7日閲覧。
  16. ^ Bowater, Donna (2012年2月29日). “Mini Raspberry Pi computer goes on sale for £22”. The Daily Telegraph (London). http://www.telegraph.co.uk/technology/news/9112841/Mini-Raspberry-Pi-computer-goes-on-sale-for-22.html 
  17. ^ ARM1176JZF-S Revision:r0p7 Technical Reference Manual
  18. ^ a b c Q&A with our hardware team”. Raspberry Pi Foundation. 20 September 2011閲覧。
  19. ^ http://jp.rs-online.com/web/generalDisplay.html?id=raspberrypi&file=questions
  20. ^ a b c SMSC LAN9512 Website; smsc.com
  21. ^ a b Embedded Linux Wiki: Hardware Basic Setup
  22. ^ Raspberry PI GPIO Connector; eLinux.org
  23. ^ Raspberry PI GPIO Connector; eLinux.org
  24. ^ Final PCB artwork
  25. ^ a b FAQs”. Raspberry Pi. 3 November 2011閲覧。
  26. ^ Final PCB artwork
  27. ^ linuxnews showing the first release of Debian Squeeze for Raspberry running on QEMU
  28. ^ Chung, Emily (24 February 2012). “$35 computer 'Raspberry Pi' readies for launch”. CBC.ca. http://www.cbc.ca/news/technology/story/2012/02/23/technology-raspberry-pi-cheap-computer.html 28 February 2012閲覧。 
  29. ^ Raspberry foundation announcing "first root filesystem available for download"
  30. ^ a b c 青木 大我 (2013年11月22日). “RasberryPi、数式処理ソフト「Mathematica」を同梱。個人利用は無料”. INTERNET Watch / Impress Watch Corporation. 2013年11月23日閲覧。
  31. ^ 行正和義 (2013年11月22日). “Raspberry Pi、数式処理ソフト「Mathematica」を無料でバンドル”. ASCII.jp×デジタル / KADOKAWA CORPORATION. 2013年11月23日閲覧。

外部リンク

公式サイト
非公式サイト
技術情報
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