国府津
国府津(こうづ)
- 日本の奈良時代から平安時代に、令制国の国府への水運のために設けられた港。国府が内陸等にある場合はその外港。
- 陸奥国(宮城県)の国府津が地名化したもの。
- 香津町-宮城県塩竈市にある地名で、「国府津(こうづ)」が転化して「香津(こうづ)」となった。塩竈市には「東北地方の海の警察」である、海上保安庁の第二管区海上保安本部が置かれている。
- 相模国の国府津が地名化したもの。曽我物語や太平記に古宇津といった形等でその名が見られる。
国府津(こうづ)とは、神奈川県小田原市の東部にある地区である。
概要
小田原市の東部、森戸川の河口付近を占め、相模湾に面する。地名は、この地に相模国府の港があったことに由来する。隣接地区はすべて小田原市内で、小八幡、前川(飛地も含む)、田島、上町の各地区と接している。一部に一丁目から五丁目の住居表示がされている。
地形は、東部が大磯丘陵、西部が酒匂川低地となっており、両者の境界が神縄・国府津-松田断層帯による崖になっている。戦前は海を見下ろす丘陵地を中心に政財界人の別荘が置かれた。文人達もよく訪れたという。
道路は、南部相模湾沿いに国道1号(旧東海道)、西湘バイパスが東西に走り、西湘バイパスには国府津インターチェンジと下り線の西湘パーキングエリアがある。地区北端を小田原厚木道路が東西に走るが、地区内にインターチェンジはない。県道では、神奈川県道72号松田国府津線や神奈川県道717号沼田国府津線が地区西部を走っている。
鉄道は、地区北部を東海道新幹線が横断するが、駅はなく、一部が弁天山トンネルに入っている。南部に東海道本線、西部に御殿場線が走り、地区内にその分岐駅・国府津駅がある。1887年(明治20年)に東海道本線が国府津まで開業し、翌年・1888年に小田原・箱根方面への小田原馬車鉄道(後に路面電車・1920年廃止)が開業すると、国府津駅は両者の乗換駅となり、駅前には「国府津館」等の旅館が立ち並ぶようになった。現在でも商店街の一部にその当時の建築物を見ることができる。また、1934年(昭和9年)に丹那トンネルが開通するまでは、東海道本線は現在の御殿場線経由で、その急勾配を上るための機関車の増結が国府津駅で行われたため、優等列車の停車駅でもあった。なお、現在のJR東日本国府津車両センターは国府津地区ではなく、隣接する田島地区にある。
現在、西部は工業地帯となっており、日立グローバルストレージテクノロジーズの工場等がある。
主な施設・名所
- 小田原市立国府津小学校
- 小田原市立国府津中学校
- 国府津館
- 西湘パーキングエリア - 西湘バイパス下り線のみ。
- 菅原神社 - 小田原市指定天然記念物のムクノキがある。
- 真楽寺 - 親鸞上人が植えたとされるボダイジュが小田原市の天然記念物に指定されている。
- 蓮台寺 - アニメーション作家・大藤信郎の墓がある。
外部リンク