コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

復活 (小説)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これはこのページの過去の版です。61.46.182.251 (会話) による 2009年9月21日 (月) 13:48個人設定で未設定ならUTC)時点の版 (日本における訳書)であり、現在の版とは大きく異なる場合があります。

復活』(ふっかつ、ロシア語: Воскресение)はレフ・トルストイの晩年の長編小説で、彼の代表作の一つに数えられる。1899年、雑誌への連載で発表。若い貴族とかつて恋人だった女の、贖罪と魂の救済を描き、それを通じて社会の偽善を告発する。

作者はこの作品の印税を、当時弾圧を受けていたドゥホボル教徒のカナダへの移住のために献金した。1901年、トルストイはロシア正教破門されたが、その直接の理由は、『復活』の中で「聖書を勝手に解釈したり正教を冒涜したりした」ととられたためである。これは一般民衆の反発を買ったが、現在に至るも破門は解除されていない。

当時実際にあった類似の事件に触発され、また作者自身の過去の行状に対する悔恨の情を織り交ぜながら書いたといわれる。

あらすじ


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


若い貴族ネフリュードフは殺人事件の裁判に陪審員として出廷するが、被告人の一人である若い女を見て驚く。彼女は、彼がかつて弄んで捨てた、下女カチューシャその人だったのだ。彼女は彼の子供を産んだあと、そのために娼婦に身を落とし、ついに殺人に関わったのである。

カチューシャが殺意をもっていなかったことが明らかとなり、本来なら軽い刑罰で済むはずだったのだが、手違いでシベリアへの徒刑が宣告されてしまう。ネフリュードフはここで初めて罪の意識に目覚め、恩赦を求めて奔走し、ついには彼女とともに旅して彼女の更生に人生を捧げる決意をする。

主な訳書

日本における受容

日本では早くから博愛主義の作家としてのトルストイが受け入れられ、なかんずく『復活』は彼の代表作として知られていた。ただしこれは作品の宗教的・社会的な面よりも、悲恋物語として受け入れられた面が強い。

1905年内田魯庵によって初めて翻訳された。1914年島村抱月によって舞台化されて大人気を呼び、カチューシャ役・松井須磨子の歌う『カチューシャの唄』も人口に膾炙した。カチューシャも参照。

テレビドラマ

1981年NHK総合テレビ銀河テレビ小説の枠内で、舞台を日本に翻案されたドラマが作られ、放映された。

主演は原田美枝子

');