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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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(やま)、山岳(さんがく)は周囲よりも高く盛り上がった地形や場所のことを言い、平地と比べ、傾斜した地形から成る。平坦かつ標高の高い地形は高地高原という。通常、陸上のものを指して山といい、海中の山は海山という。人工的に作った山は築山という。比較的小規模な山を丘陵、岡と呼ぶことがあるが、山との区別は明確でない。山の定義に、周囲との相対的な高さが用いられる場合もあり、例えばブリタニカ百科事典では、相対的に2,000フィート(610m)の高さを持つものを山としている。

山の高さ

富士山
ヒマラヤ山脈
エベレスト
マッキンリー
キリマンジャロ
マッターホルン

山の高さ(標高)は、海面を基準とすることが一般的であり、海面からの標高を海抜(かいばつ)という。地球上の最高峰(最も高い山)はヒマラヤ山脈エベレスト(海抜8844m)とされているが、海抜以外の指標により最高峰を選ぶことも可能である。例えば、地球中心から見た最高峰は南米アンデス山脈チンボラソ山(海抜6310m)である。地球は自転の遠心力により赤道付近がふくらんでおり、そのため、赤道からわずか150kmにあるチンボラソ山は、エベレストより2150mも地球中心から見て高くなっている。ハワイマウナケア山も海抜では4205mだが、太平洋底から一気に9000mもせり上がっており、基盤部分からの標高では世界最高峰となっている。七大陸最高峰も参照。)

太陽系の最高峰は火星オリンポス山である。また、日本の最高峰は富士山(海抜3776m)、最も低い山は大阪市の天保山(海抜4.53m)である(他に仙台市の日和山(海抜6.05m)や徳島市の弁天山(海抜6.08m)などを最も低いとする議論がある)。

山の形成

山は、大陸移動(プレート移動)に伴う褶曲断層運動隆起火山活動堆積浸食などの地理的要因により形成される。ヒマラヤ山脈やアルプス山脈は、かつて2つの大陸プレートに挟まれた浅い海だったが、大陸プレート同士の衝突により地面が押し上げられて成立した。このような山の成立過程を造山運動という。ロシアのウラル山脈や北米東岸のアパラチア山脈は、ずっと以前の造山運動の痕跡である(造山運動終了後に浸食などで削られた)。断層運動により断層面から見た一方が上昇又は下降することにより山が形成されることもあり、例としては日本の六甲山地養老山地などがある。地殻変動に伴って地面が上昇する隆起により山が形成された例には、日本の北上山地阿武隈高地などがある。火山活動を成因とする山は、富士山阿蘇山のような活火山のほか、荒島岳のようにかつての火山が浸食されてできたものもある。

山の気候と生物

山の気候は平地と大きく異なる。山では気象が変化しやすく、風も強く、降水量も多い。それは地上に近いほど気温が高くなり、遠いほど寒くなる。山は起伏が激しいためその暖かい空気と寒い空気が混じりあい、雲が発生しやすいためである。また、標高が100m上昇するごとに気温は0.6度(摂氏)下降するとされており、気温も低い。そのため、標高が高くなれば植生や生態系も異なってくる。特に海抜数千メートルの高山では気象環境は過酷であり、そのような環境に適応した特殊な植物・動物が生息している。これを高山植物高山動物という。

山と人間

人間にとって山は必ずしも生活しやすい場所ではない。気象は激しく、食物も得難い。地面が傾斜しているため、居住や農耕には余り適さない。気圧が低いため、高山病などに陥ることもある。しかし、人間は山に対して畏怖の念とともに憧憬を抱き続けた。

世界の多くの地域では、山に対する信仰が生まれている(詳しくは山岳信仰を参照のこと)。山岳信仰には、山へ登るという形態もあれば、山を敬遠して眺めるだけという形態もあった。このうち前者が、近代に入って信仰色が希薄化・消滅し、余暇としての登山へと変わり、山は余暇・娯楽の場としてとらえられる様になっていった。現代では、登山のみならず、スキーキャンプなど多様な余暇活動が行われている。また、山を眺めることについても、信仰色が薄まっていき、現代では山岳展望という新たな余暇活動として楽しむ人が増えている。

また、超短波以上の周波数で発射する送信所の多くは山に設置されている。

山の部分名称

  • 上の部分 - 山頂、頂(いただき)、剣が峰(けんがみね、火山の噴火口の周縁・富士山頂)、山巓(さんてん)
  • 中間部分 - 山腹(さんぷく)、中腹(ちゅうふく)
  • 下の部分 - 山麓(さんろく)、麓(ふもと)、山すそ

主な山(山岳)

各大陸と日本の最高峰のみここでは掲載する。その他の有名な山は山の一覧を参照。

関連項目

外部リンク

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