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2023年2月17日 (金) 14:45時点における版
異修羅 | |
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ジャンル | バトルファンタジー[1] |
小説 | |
著者 | 珪素 |
イラスト | クレタ |
出版社 | KADOKAWA |
掲載サイト | カクヨム 小説家になろう |
レーベル | 電撃の新文芸 |
連載期間 | カクヨム:2017年6月30日 - 小説家になろう:2017年7月2日 - |
刊行期間 | 2019年9月17日 - |
巻数 | 既刊7巻(2023年2月現在) |
漫画:異修羅 新魔王戦争 | |
原作・原案など | 珪素(原作) クレタ(キャラクター原案) |
作画 | メグリ |
出版社 | 講談社 |
掲載誌 | 月刊少年マガジン |
レーベル | KCデラックス |
発表号 | 2021年4月号 - |
発表期間 | 2021年3月5日[2] - |
巻数 | 既刊2巻(2021年12月現在) |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | ライトノベル・漫画 |
ポータル | 文学・漫画 |
『異修羅』(いしゅら)は、珪素による日本のライトノベル作品。イラストはクレタが担当している。電撃の新文芸(KADOKAWA)より2019年9月から刊行されている。『カクヨム』にて2017年6月から[3]、『小説家になろう』で同年7月からそれぞれ連載されている[4]。
2020年3月にはYouTubeの「電撃文庫チャンネル」にて若本規夫のナレーションによるスペシャルPVが公開された[5]。
2021年3月5日発売の『月刊少年マガジン』(講談社)4月号より、メグリの作画によるコミカライズが連載中[2]。作画は「カクヨム発『異修羅』作画コンペ」にて選出[2]。
内容
本作は、過去に「本物の魔王」による大きな被害をうけたファンタジー世界を舞台に、「修羅」と呼ばれる強者達の殺し合いを描いている[7]。 物語に登場する「修羅」たちは、単に戦闘で強いだけの存在ではなく、超人的な精神を持つ者もいれば、圧倒的な物量で勝負する者もいる[7]。 本作は群像劇であり、話数ごとに異なるキャラクターにスポットがあてられる[8]。 第1巻では大国家・黄都と都市国家との間戦争を描く[8]一方、第2巻では大災害の中で修羅が殺し合う様子が描かれている[7]。第3巻ではこれらを踏まえたうえで、黄都に修羅たちが集い、勇者を決めるためのトーナメント戦「六合上覧」が開かれる様子が描かれている[8]。
あらすじ
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登場キャラクター
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修羅
- 柳の剣のソウジロウ
- 声:梶裕貴[6]
- 柳生新陰流の最後の使い手である小柄な少年[8]。
- 世界詞のキア
- エルフの少女。この世界の理である詞術を操る力を持ち、言葉を発しただけでその通りとなる[8]。
- 音斬りシャルク
- 死者の骨で作られたスケルトンの槍兵で、移動速度の速さを強みとする[8]。生前の記憶がなく、それを求めて様々な陣営を転々としている[8]。
- 星馳せアルス
- 世界中を旅するワイバーンの冒険者で、マジックアイテムの扱いにも長けている[7]。また、本来ワイバーンは腕が存在しないのに対し、アルスには3本腕が映えている[7]。
- 地平咆メレ
- とある村に住まう巨人で、超大型の弓を武器とする。心優しくて力もあるほか、修羅の中でも珍しく人間とのかかわりも深い[7]。
- 海たるヒグアレ
- 植物生命体マンドレイクで、即死の猛毒を有している。加えて、身体から伸びる蔓でナイフを操る[7]。
- 絶対なるロスクレイ
- 黄都二十九官の一員[7]。
その他
- 静寂なるハルゲント
- 本物の魔王
- 世界の破壊を引き起こした人物。第1巻の時点ではすでに死亡しており、人となりもはっきりしていないが、人々の話題に上がったり、物語を動かすきっかけとなる[7]。書籍四巻で客人であることが判明した。
用語
作風・特徴
本作は「メインの物語がそのままトーナメント形式で進行する」という特徴があり、WEB小説では珍しい形式となっている[9]。また、WEB版での「一人ひとりにスポットを当てた後に、大会を開催する構成」は作者によれば「『喧嘩商売』で闘士のエピソードが紹介され、続編『喧嘩稼業』でメインの大会が始まるという形を意識している」とのこと[9]。また、キャラクター紹介の最後に入るキャラクターの特徴を説明する文章(作者はこれを「異修羅構文」と呼んでいる)も、『喧嘩稼業』のナレーションが好きであることから意識して書いているという[9]。
作者は戦闘描写を書く上で「戦いのなかで自分の考えを上回られた側が敗北する」という点をこだわっており[9]、それに加えて「ただ負けたからといって敗者を弱く見せないこと」も気を付けているという[9]。これは「負けたキャラクターも負けた上で最強である」と読者に感じて欲しいという作者の考えによるものである[9]。
制作背景
作者が以前から参加していたネットゲームのコミュニティ『戦闘破壊学園ダンゲロス』では、仲の良いプレイヤー同士でカクヨムにオリジナル小説を投稿し、互いに読みあうことが流行っていた[9]。作者自身もそれに興味を持ち、プレイヤーの一人と「カクヨムに小説を投稿して、どちらが星(評価点)を取れるか勝負しよう」という話になり、これがきっかけでカクヨムで本作を書くようになった[9][注 1]。
書籍化に際には「12万文字の加筆[注 2]」が話題となったが、こうなった経緯について作者は「WEB版のように個別のエピソードだけを書くと、書籍の1巻としては厳しい。作者としてはトーナメント参加者全員に感情移入してもらい、その上で勝者を予想してほしいと考えた時に丸々新しいエピソード書けばいいのではないかと提案した」と述べている[9]。
トーナメントに参加する最強の16名のキャラクター設定について、作者はまずファンタジー世界で代表的な種族をなるべく被らないようにピックアップし、そのうえでその種族が一番力を発揮できる職業を考え、その二つの組み合わせからどのような強さを持っているのかを考える[9]。そこからその人物の送ってきた人生やその人物の考え方を決めていく[9]。
評価
書評家・ライターのタニグチリウイチは本作について「今は弱者である主人公が、強大な壁を突破していくカタルシスがシリーズの読みどころになっている。しかし、誰もが最強で、誰もが英雄の『異修羅』シリーズの設定は、そうしたカタルシスを得るための拠り所がなく、辿り着くべきゴールも見えない。長大なストーリーを引っ張っていく上ではハンディとなるが、だからこそ読み手に『誰かを推しに決め、強さの行方を追っていく』という独自の楽しみ方ができる」と述べている[10]。
『このライトノベルがすごい!2020』のコーナー「わたしのおすすめライトノベル」では『七つの魔剣が支配する』や『ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン』の著者・宇野朴人が本作を選んでいる[11]。
『このライトノベルがすごい!2021』では単行本・ノベルス部門と新作部門でダブル1位を獲得している[12]。翌年の『このライトノベルがすごい!2022』では単行本・ノベルス部門で5位を獲得している[13]。
既刊一覧
小説
- 珪素(著) ・ クレタ(イラスト) 『異修羅』 KADOKAWA〈電撃の新文芸〉、既刊7巻(2023年2月17日現在)
- 「新魔王戦争」2019年9月17日初版発行(同日発売[14])、ISBN 978-4-04-912564-1
- 「殺界微塵嵐」2020年3月17日初版発行(同日発売[15])、ISBN 978-4-04-912895-6
- 「絶息無声禍」2020年8月12日初版発行(同日発売[16])、ISBN 978-4-04-913205-2
- 「光陰英雄刑」2021年2月17日初版発行(同日発売[17])、ISBN 978-4-04-913532-9
- 「潜在異形種」2021年9月17日初版発行(同日発売[18])、ISBN 978-4-04-913739-2
- 「栄光簒奪者」2022年7月17日初版発行(7月15日発売[19])、ISBN 978-4-04-914157-3
- 「決凍終極点」2023年2月17日発売[20]、ISBN 978-4-04-914864-0
漫画
- 珪素(原作) ・ クレタ(キャラクター原案) ・ メグリ(作画) 『異修羅 新魔王戦争』 講談社〈KCデラックス〉、既刊2巻(2021年12月16日現在)
- 2021年7月16日発売[1][21]、ISBN 978-4-06-523797-7
- 2021年12月16日発売[22]、ISBN 978-4-06-525794-4
脚注
注釈
出典
- ^ a b ““本物の勇者”を決める、異世界×バトルロワイヤル「異修羅」コミカライズ1巻”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年7月16日) 2021年11月20日閲覧。
- ^ a b c ““本物の勇者”を決める闘争描く「異修羅」コミカライズ連載が月マガで始動”. コミックナタリー (ナターシャ). (2021年3月5日) 2021年11月20日閲覧。
- ^ “異修羅(珪素) - カクヨム”. カクヨム 公式サイト. 2021年12月13日閲覧。
- ^ “異修羅 - 小説家になろう”. 小説家になろう 公式サイト. 2021年12月13日閲覧。
- ^ “若本規夫ナレーションのPV公開! 電撃の新文芸が贈るバトル群像劇『異修羅』第2巻、3月17日発売!”. アニメ!アニメ!. (2020年3月16日) 2021年11月20日閲覧。
- ^ a b “小説「異修羅」TVアニメ化決定!ソウジロウ役は梶裕貴&ユノ役は上田麗奈”. コミックナタリー (ナターシャ). (2023年2月12日) 2023年2月12日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j “独占インタビュー「ラノベの素」 珪素先生『異修羅』”. ラノベニュースオンライン (2020年3月17日). 2021年11月20日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m このラノ2021, pp. 64–71.
- ^ “全員が最強! 修羅たちが戦う『異修羅』シリーズは先が読めないからこそ面白い”. Real Sound. (2020年8月28日) 2021年11月20日閲覧。
- ^ 『このライトノベルがすごい!2020』(宝島社発行、ISBN 978-4-8002-9978-9)95頁
- ^ “このライトノベルがすごい!2021:『異修羅』が単行本・ノベルズ部門1位を獲得 電撃の新文芸が同部門を席巻”. ラノベニュースオンライン. (2020年11月24日) 2021年11月20日閲覧。
- ^ このラノ2022, p. 56.
- ^ “異修羅I 新魔王戦争”. KADOKAWA. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “異修羅II 殺界微塵嵐”. KADOKAWA. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “異修羅III 絶息無声禍”. KADOKAWA. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “異修羅IV 光陰英雄刑”. KADOKAWA. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “異修羅V 潜在異形種”. KADOKAWA. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “異修羅VI 栄光簒奪者”. KADOKAWA. 2022年7月18日閲覧。
- ^ “異修羅VII 決凍終極点”. KADOKAWA. 2023年2月17日閲覧。
- ^ “異修羅 新魔王戦争 1(漫画)”. 講談社. 2021年11月20日閲覧。
- ^ “異修羅 新魔王戦争 2(漫画)”. 講談社. 2021年12月16日閲覧。
参考文献
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2021』宝島社、2020年12月8日。ISBN 978-4-299-01056-8。
- 『このライトノベルがすごい!』編集部『このライトノベルがすごい!2022』宝島社、2021年12月9日。ISBN 978-4-299-02264-6。
外部リンク
- 異修羅 - カクヨム
- 異修羅 - 小説家になろう
- 『異修羅』電撃文庫・電撃の新文芸公式サイト
- 『異修羅 新魔王戦争』月刊少年マガジン公式サイト
- TVアニメ『異修羅』公式サイト
- TVアニメ『異修羅』公式 (@ishura_anime) - X(旧Twitter)