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「海上コンテナ」の版間の差分

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* 冷凍コンテナ (reefer container) - [[生鮮食品]]・[[冷凍食品|冷凍食材]]や[[定温輸送]]が必要な化学品などの輸送のためのコンテナ。  基本的には内部に電動の冷却・加温ユニットを備え、+20℃から-25℃くらいまでの冷却・保温が可能である。  少数ながら冷凍及び冷蔵扱いコンテナ本体に冷却・加温ユニットが一切無く、コンテナ本体の特殊通風孔を通して外部より冷気を循環させて冷却するタイプや、ドライアイスを詰め込み冷却する特殊なタイプもある。  積載貨物の一部化学薬品・原料には積み込みから積み出しまでの間は、常に一定の温度に保つ必要のある特殊品もあり、これらを専用に輸送する冷凍コンテナには、二組の完全独立した冷却ユニットが両妻壁側に装備された特殊な仕様の冷凍コンテナ(ダブルユニット型、ツインユニット型とも呼ばれる)も存在する。  海上コンテナ船輸送の最大の難点は輸送時間がかる事とで、船上では担当船員が定期的に冷却・加温ユニットの点検や記録を管理してはいるものの人員的管理ミスリスクもある為に、この様な特殊品輸送には一組の冷凍ユニット運転不能に備えて予備的にもう一組の冷凍ユニットを搭載している。  通常時は自動交互運転方式となっていて、異常時は自動的に切り替わる。  尚、このコンテナの積み込み口は片側又は、両側に設置してある。  日本国内では20フィート型の運用が数社([[日本ファインケム]]、[[化薬アクゾ]]、[[日本油脂]]等)確認されているが、40フィート型は未確認である。
* 冷凍コンテナ (reefer container) - [[生鮮食品]]・[[冷凍食品|冷凍食材]]や[[定温輸送]]が必要な化学品などの輸送のためのコンテナ。  基本的には内部に電動の冷却・加温ユニットを備え、+20℃から-25℃くらいまでの冷却・保温が可能である。  少数ながら冷凍及び冷蔵扱いコンテナ本体に冷却・加温ユニットが一切無く、コンテナ本体の特殊通風孔を通して外部より冷気を循環させて冷却するタイプや、ドライアイスを詰め込み冷却する特殊なタイプもある。  積載貨物の一部化学薬品・原料には積み込みから積み出しまでの間は、常に一定の温度に保つ必要のある特殊品もあり、これらを専用に輸送する冷凍コンテナには、二組の完全独立した冷却ユニットが両妻壁側に装備された特殊な仕様の冷凍コンテナ(ダブルユニット型又は、ツインユニット型とも呼ばれる)も存在する。    海上コンテナ船輸送の最大の難点は輸送時間がかる事とで、船上では担当船員が定期的に冷却・加温ユニットの点検や記録を管理してはいるものの人員的管理ミスリスクもある為に、この様な特殊品輸送には一組の冷凍ユニット運転不能に備えて予備的にもう一組の冷凍ユニットを搭載している。  通常時は自動交互運転方式となっていて、異常時は自動的に切り替わる。  尚、このコンテナの積み込み口は片側又は、両側に設置してある。  日本国内では20フィート型の運用が数社([[日本ファインケム]]、[[化薬アクゾ]]、[[日本油脂]]等)確認されているが、40フィート型は未確認である。




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* フラット・ラック・コンテナ (flat rack container) - ドライ・コンテナに積載できない大型[[機械]]、[[木材]]、[[インゴット]]などを積載するため、天井・両側壁が無く土台となる床の他に両妻壁(トラックの荷台で言う前後の壁の部分)又は、四隅柱若しくは幾つかの柱だけの開放型のコンテナ。  柱すら無いものはフラット・ベッド又は、プラットホームベースともいう。  尚、これらの妻壁、柱構造は完全固定型、折倒し可能型等に構造区分される。  又、折倒し型は積載物無しの場合は数段に積み重ねが出来るが、この状態での船舶以外へ積み込んでの回送輸送([[トラック]]・[[鉄道]]利用時)はごく一部の物を除き、構造安全上出来ない。  但し、参考事例として[[国際輸送]]は出来ないが、日本国内専用の[[JR貨物]]指定の同様構造コンテナは段積み[[回送輸送]]が出来る。  通常は海損防止のため船倉内に船積みされるが、その際に[[デッドスペース]]が発生するため海上運賃は高い。  日本の12フィート[[鉄道コンテナ]]を3個積載して、1個の[[40フィート]]海上コンテナとして輸送できるものもある。[http://www.designnewsjapan.com/news/200410/01auto_mitsubishi040930.html]
* フラット・ラック・コンテナ (flat rack container) - ドライ・コンテナに積載できない大型[[機械]]、[[木材]]、[[インゴット]]などを積載するため、天井・両側壁が無く土台となる床の他に両妻壁(トラックの荷台で言う前後の壁の部分)又は、四隅柱若しくは幾つかの柱だけの開放型のコンテナ。  柱すら無いものはフラット・ベッド又は、プラットホームベースともいう。  尚、これらの妻壁、柱構造は完全固定型、折倒し可能型等に構造区分される。  又、折倒し型は積載物無しの場合は数段に積み重ねが出来るが、この状態での船舶以外へ積み込んでの回送輸送([[トラック]]・[[鉄道]]利用時)はごく一部の物を除き、構造安全上出来ない。  但し、参考事例として[[国際輸送]]は出来ないが、日本国内専用の[[JR貨物]]指定の同様構造コンテナは段積み[[回送輸送]]が出来る。  通常は海損防止のため船倉内に船積みされるが、その際に[[デッドスペース]]が発生するため海上運賃は高い。  日本の12フィート[[鉄道コンテナ]]を3個積載して、1個の[[40フィート]]海上コンテナとして輸送できるものもある。[http://www.designnewsjapan.com/news/200410/01auto_mitsubishi040930.html]   更に、近年制作費の安い中国、韓国から12フィート鉄道コンテナを逆輸入するための、アダプター的役目の1個のみ搭載できる四角形骨組みだけの20フィートラック型コンテナもある。  但し、積載効率が非常に悪く輸送コストもかかるので、試作品や冷凍コンテナのユニット無し本体のみ等、特殊な事情時に運用される。




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* 基本的に海上コンテナは[[船会社]]や[[物流輸送]]、[[リース]]専門会社の所有物である事が殆どの為、輸出のコンテナ詰めをする際には空コンテナを船会社等から引き取り、また輸入貨物を出して空になったコンテナは船会社等に返却する。  タンクコンテナはその性質から同一荷主が使い回す事が殆どの為、荷主の所有物(S.O.C.=shipper's own container)であることが多い。  しかし、近年では積荷の性質上に派生する修理・点検やタンク内外の洗浄メンテナンス外、各国の諸事情による検査手続きの複雑化等の膨大な維持費節約や効率化の観点から、タンクコンテナリース専門の会社も多数存在する。
* 基本的に海上コンテナは[[船会社]]や[[物流]]輸送専門会社、[[リース]]専門会社の所有物である事が殆どの為、輸出のコンテナ詰めをする際には空コンテナを船会社等から引き取り、また輸入貨物を出して空になったコンテナは船会社等に返却する。  タンクコンテナはその性質から同一荷主が使い回す事が殆どの為、荷主の所有物(S.O.C.=shipper's own container)であることが多い。  しかし、近年では積荷の性質上に派生する修理・点検やタンク内外の洗浄メンテナンス外、各国の諸事情による検査手続きの複雑化等の膨大な維持費節約や効率化の観点から、タンクコンテナリース専門の会社も多数存在する。


《2006,11,29加筆改定編集》
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2006年11月28日 (火) 18:50時点における版

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コンテナ(神戸海洋博物館・神戸港)
コンテナ(アメリカ・ニュージャージー州・ポートエリザベス)

コンテナ (container) とは、内部に物を納めるための容器である。

概説

一般的には、アルミニウムなどで製造され規格化された大きさの直方体の箱で、箱の中に輸送物をいれ航空機鉄道貨物自動車船舶などで国内・国外輸送を行う。

規格化されているために、同じ規格のコンテナ対応のすべての船やトラックなどの輸送手段で収納可能である。さらに船舶鉄道貨物自動車など異なった輸送手段間(インターモーダル)の積み替えが非常に簡単であり、工場で荷を詰めたコンテナをそのままトレーラーで運びコンテナ船や飛行機、列車に乗せ、海外で再度トレーラに載せ倉庫や店舗へ直送することができる。またコンテナ荷役は機械化されており、物流にかかる手間や時間を大幅に圧縮している。

以前から日本国内でよく知られているのは、日本国有鉄道が鉄道貨物輸送に採用して、「戸口から戸口へ」のキャッチフレーズで引っ越し荷物の輸送などでもなじみのあった貨物用コンテナであるが、これは国内ローカルの基準であり、世界で最も一般的なのは海上コンテナ(海上輸送用の規格サイズが国際的に統一されており、俗にISOコンテナといわれる)であろう。また、航空機用には、海上コンテナとは別のサイズの貨物コンテナ規格がある。

なお、前記の貨物輸送に使われる大型のもののほか、個別配送の通い箱として使われる人間が持ち運べる大きさの小型の物や、一般家庭で衣類を収納保管するための衣装ケースなどの合成樹脂製の箱もコンテナと呼ばれる。

ここでは、主に国内外の一貫貨物輸送(物流用)に使われる大型のものを述べる。

海上コンテナ

鉄道貨車(コンテナ車)に積載された生牛乳用20ft海上コンテナ
2段積み(ダブルスタック)されたアメリカのコンテナ車

海上コンテナのISO規格

  • 海上コンテナの長さは主に20フィート(6,058mm)、40フィート(12,192mm)、の2種類がある。  幅は8フィート(2,438mm)、高さは8フィート6インチ(2,591mm)だが、近年9フィート6インチ(2,896mm)の背高コンテナ(クンロク、High Cubeとも呼ばれる)も普及している。  なお長さが45フィート(13,600mm)のものもあるが、それを積載したシャーシが公道を走れないので日本国内ではまれである。


  • 海上コンテナの最大総重量(自重も含めたコンテナ全体の制限重量)は20フィートで20,320~30,480kg、40フィートで24,000~30,480kgである。


  • 海上コンテナの自重(=Tare Weight)はドライコンテナで20ftが約2,300kg、40ftが約3,800kg。冷凍コンテナで20ftが約2,800kg、40ftが約4,200kg程度である。

海上コンテナの種類

  • ドライ・コンテナ (dry container) - 一般貨物に利用される。  箱型トラックの荷台部分の様な細長い箱型のコンテナで、圧倒的本数を占めコンテナの基本中の基本タイプ。  積み込み口は殆どが後部片妻一方開きタイプであるが、片側又は両側面が全面折戸式に開くタイプや、片側又は両側の一部分に開口戸があるタイプなど積荷や作業環境に応じた特殊なタイプも少数ながら存在する。


  • ハイ・キューブ・コンテナ (high cube container) - 通常のコンテナより背が高く、9フィート6インチあるコンテナ。  海外では早くから広範囲に普及していたが、日本国内では道交法による高さ制限等の問題で殆ど普及していなかったものの、近年の法令改正による道路環境整備や運搬シャーシ及び牽引トラクタ等の規制緩和で急速に増え、ドライ・コンテナ、冷凍コンテナに集中的に見られる。  尚、ハイ・キューブ・コンテナの本来の目的は、軽量品貨物を従来の8フィート6インチコンテナへ目一杯に詰め込んでも最大積載重量を大幅に下回ることが多く、少しでも多くの貨物を合法的に積載する為に開発された。  又、日本国内に流通しているハイ・キューブ・コンテナは殆どが40フィートタイプであり、20フィートタイプは極まれである。  一般的には背高コンテナとも言われているが、日本国内の荷役従事関係者では『クンロク』とも呼ばれている。


  • 冷凍コンテナ (reefer container) - 生鮮食品冷凍食材定温輸送が必要な化学品などの輸送のためのコンテナ。  基本的には内部に電動の冷却・加温ユニットを備え、+20℃から-25℃くらいまでの冷却・保温が可能である。  少数ながら冷凍及び冷蔵扱いコンテナ本体に冷却・加温ユニットが一切無く、コンテナ本体の特殊通風孔を通して外部より冷気を循環させて冷却するタイプや、ドライアイスを詰め込み冷却する特殊なタイプもある。  積載貨物の一部化学薬品・原料には積み込みから積み出しまでの間は、常に一定の温度に保つ必要のある特殊品もあり、これらを専用に輸送する冷凍コンテナには、二組の完全独立した冷却ユニットが両妻壁側に装備された特殊な仕様の冷凍コンテナ(ダブルユニット型又は、ツインユニット型とも呼ばれる)も存在する。    海上コンテナ船輸送の最大の難点は輸送時間がかかる事とで、船上では担当船員が定期的に冷却・加温ユニットの点検や記録を管理してはいるものの人員的管理ミスリスクもある為に、この様な特殊品輸送には一組の冷凍ユニット運転不能に備えて予備的にもう一組の冷凍ユニットを搭載している。  通常時は自動交互運転方式となっていて、異常時は自動的に切り替わる。  尚、このコンテナの積み込み口は片側面又は、両側面に設置してある。  日本国内では20フィート型の運用が数社(日本ファインケム化薬アクゾ日本油脂等)確認されているが、40フィート型は未確認である。



  • ハンガー・コンテナ (hangar container) - 外観はドライ・コンテナと変わらないが、内部にハンガーをかけられる取り外し可能なパイプ状のラックが多数備わっているコンテナ。  衣類を畳まずに吊るした状態で輸送することが出来るので、商品の折れ傷み防止や積載品数の増加、梱包資材の節約、荷役労働環境の大幅な改善等の経費削減効果が大きく、近年注目されて来ている新しい輸送方法の一つ。


  • フラット・ラック・コンテナ (flat rack container) - ドライ・コンテナに積載できない大型機械木材インゴットなどを積載するため、天井・両側壁が無く土台となる床の他に両妻壁(トラックの荷台で言う前後の壁の部分)又は、四隅柱若しくは幾つかの柱だけの開放型のコンテナ。  柱すら無いものはフラット・ベッド又は、プラットホームベースともいう。  尚、これらの妻壁、柱構造は完全固定型、折倒し可能型等に構造区分される。  又、折倒し型は積載物無しの場合は数段に積み重ねが出来るが、この状態での船舶以外へ積み込んでの回送輸送(トラック鉄道利用時)はごく一部の物を除き、構造安全上出来ない。  但し、参考事例として国際輸送は出来ないが、日本国内専用のJR貨物指定の同様構造コンテナは段積み回送輸送が出来る。  通常は海損防止のため船倉内に船積みされるが、その際にデッドスペースが発生するため海上運賃は高い。  日本の12フィート鉄道コンテナを3個積載して、1個の40フィート海上コンテナとして輸送できるものもある。[1]   更に、近年制作費の安い中国、韓国から12フィート鉄道コンテナを逆輸入するための、アダプター的役目の1個のみ搭載できる四角形骨組みだけの20フィートラック型コンテナもある。  但し、積載効率が非常に悪く輸送コストもかかるので、試作品や冷凍コンテナのユニット無し本体のみ等、特殊な事情時に運用される。


  • オープン・トップ・コンテナ (open top container) - 天板の代わりに幌が張ってあり、クレーン等により上部開口部からの荷役ができるため、ドライ・コンテナに積載できない高さのある貨物や、ドアからの作業が困難な重量物等を積載することのできる無蓋コンテナ。  尚、コンテナ本体より高さのある貨物を天井シートが盛り上がる様に積載する場合も多々るので、この様な場合はフラット・ラック・コンテナ同様に船倉内ではデッドスペースが発生するため、海上運賃は高い。  又、区分上は別タイプとなるが、外観はドライ・コンテナと変わりはないものの、屋根の天板部分全体をクレーン等で吊り上げ開閉するタイプも少数ながら流通している。  但し、このタイプは当然盛り上がる様に積載する事は出来ないが、船倉内でのデッドスペースは発生しない。  他、少数ながら高さが4~6フィート程のハーフ型も専用貨物輸送用として存在する。


  • カー・ラック・コンテナ


  • ペン・コンテナ


  • ベンチレーター・コンテナ


  • バルク・コンテナ


  • 基本的に海上コンテナは船会社物流輸送専門会社、リース専門会社の所有物である事が殆どの為、輸出のコンテナ詰めをする際には空コンテナを船会社等から引き取り、また輸入貨物を出して空になったコンテナは船会社等に返却する。  タンクコンテナはその性質から同一荷主が使い回す事が殆どの為、荷主の所有物(S.O.C.=shipper's own container)であることが多い。  しかし、近年では積荷の性質上に派生する修理・点検やタンク内外の洗浄メンテナンス外、各国の諸事情による検査手続きの複雑化等の膨大な維持費節約や効率化の観点から、タンクコンテナリース専門の会社も多数存在する。

《2006,11,29加筆改定編集》

海上コンテナとコンテナ船

  • コンテナを運搬する貨物船をコンテナ船といい、コンテナのみを運搬するものをフルコンテナ船という。


  • コンテナ船では、20フィートコンテナを前後に2個並べた上に40フィートコンテナを重ねることができものが多い。しかしどんな船でも40フィートコンテナの上に20フィートコンテナを乗せることはできない。


  • コンテナ船の荷役において、船倉にはコンテナが左右にずれない様にするためのセルガイドという鋼鉄製の枠に沿って上から積み込むが、甲板上では個々のコンテナを1本20kg以上もある鋼鉄のバーやターンバックル等の機材で固定(ラッシング)する必要があるが、その作業は全て人力である。


  • コンテナを積み卸し専用の岸壁クレーンをガントリークレーンといい、揚貨能力はおよそ35トン以上、作業のスピードは熟練工の場合1時間に40本以上も行う。


  • コンテナ船の規模は、TEU(twenty-foot equivalent units、20フィートコンテナ1個の大きさ)という単位で表されることが多い。1TEUは6.1m × 2.44m × 2.6mでおよそ39 m³である。コンテナ船の大型化は年々進み、1980年代末にはパナマ運河を通れないほどの大きさ(オーバーパナマックス)の4000TEUクラスが登場したが、2000年代に入り6000TEU、8000TEUという超巨大船まで就航している。

海上コンテナの陸上輸送

  • 車高規制:背高コンテナをコンテナシャーシに積載した場合、荷台の高さ約1,200mmを含めれば約4,100mmとなり、日本の道交法で定められた車高3800mmを超えてしまう。  しかしこの種のコンテナを積載した状態で高さが3,800mm以下となる超低床車体の開発が不可能であることや、海上と陸上を一貫輸送するコンテナの性格から貨物が分割できないものであることから、道路交通法第57条3項の規定の対象としない特例措置として取り扱うこととなり、定められたルートに限り通行が可能になった。大型コンテナ積載車の通行が必要とされる「幹線道路網」は全国で約2万9000キロメートルとされており、その内47区間(560キロメートル)でいまだ通行が制限されている。  これについて国交省は、2010年代半ばまでに解消する計画を持っている(2006年6月現在)。事業費は約9,000億円。


  • 重量規制:これまでISO規格海上コンテナの陸上輸送は、道路交通法上20フィートで20,320kg、40フィートで24,000kgまでのものに限られていた。  これはフル積載されたコンテナはそのままでは陸送できないことを意味し、陸海一貫輸送ができないことに海外の不満が強かったが、1995年3月に閣議決定された規制緩和推進計画によって、認定を受けた3軸トレーラとトレーラヘッドによる輸送がようやく認められるようになり、20フィートで24,000kg、40フィートで30,480kgまでの輸送が合法となった。  なお、3軸トラクタ・トレーラへ切り替える輸送業者の負担を考慮し、既存の車両に必要な構造変更を施したものについては2008年3月末まで使用の継続が認められている。


  • 海上コンテナのサイズは鉄道コンテナより大きいが、JR貨物では鉄道貨車(コンテナ車)の改良を進めており、海上用コンテナを搭載可能なコンテナ車も存在する。

鉄道コンテナ

アメリカ合衆国ヨーロッパなどでは、ISO規格コンテナの使用が一般的で、コンテナ貨車を 100両以上連ねた長大な貨物列車(俗に「マイル・トレイン」と呼ばれる)が効率的な物流手段として日常的に運転されている。車両限界に余裕のあるアメリカなどでは、コンテナを上下2段に積み重ねて輸送する「ダブルスタック車」も見られる。

日本

19D-13524 根室本線新富士駅にて 海上輸送対応鉄道コンテナ
規格外コンテナに表示されている規格外マーク《通称、ハローマーク》
エンジン付冷凍コンテナ
国鉄時代に製造されたコンテナ

日本国内の事情(道路上の輸送、輸送単位など)に基づく独自の 12フィート (ft)(3.6m、積載量5t)のものが主体である。   ごく一部 15フィート(4.5m)のものもある。   最近は輸送列車や化成品輸送列車のコンテナ列車化、モーダルシフト化が進んでおり、大型コンテナも増えてきている。   中にはISO規格海上コンテナと同規格の鉄道コンテナも存在する。 12フィートコンテナも、輸送障害等を考慮し海上輸送可能な船舶積載時に使用する隅金具装備のコンテナが増備されている。   鉄道コンテナ私有の規制が緩やかになった為、海上コンテナ同様多数の運送事業者やリース会社が所有し、多種多様になって来ている。  



現在の日本における鉄道コンテナの規格は、次の様に定められている。

  • 1種(12フィートコンテナ):長さ3715mm、幅2450mm、高さ2500mm、最大総重量6.8t


  • 2種(20フィートコンテナ):長さ6058mm、幅2490mm、高さ2500mm、最大総重量13.5t


  • 3種(30フィートコンテナ):長さ9125mm、幅2490mm、高さ2500mm、最大総重量13.5t


※、上記の規格より各数値が大きい場合は規格外コンテナとされ、積載貨車や運用区間が限定される場合がある。   規格外コンテナは黄色のひし形マークに、高さ(H)、長さ(L)、幅(W)、総重量(G)を意味する HLWG の英数字が書き込まれているマークが付けられ、その内のどれかの値が規格内であればその部分は黒く塗りつぶされる。



日本国内の鉄道独自のコンテナには、エンジン付冷凍コンテナがある。  通常の冷凍コンテナは冷凍機がモーター駆動の為、外部電源が必要であるが通常の貨車には電源装置が無いため、発電専用の予備発電機を搭載した二重系統仕様の専用電源コンテナを積んだ貨車の前後を、電源引き通しを設けた貨車で挟む形の列車に積載する必要があった。  この方式だと長時間輸送中は多少の途中停車駅で点検等はするも、それ以外は乗務員等の目に触れないため万一の発電機停止等のトラブルにより、積荷が変質するなどの致命的打撃はほぼ免れる。  しかし、積載貨車が限定されるためコンテナ運用の自由度は低く、更に貨車に積込・積降し時の付帯する諸作業に膨大な手間暇がかかった(集中式)。


その欠点を解消すべく、各コンテナに独立した小型ディーゼルエンジン発電機を装着し、その電源で冷凍機を駆動する方式になった(分散式)。  この方式だと、トラックに発電機を積む必要も無く、発送者から荷受人に渡るまで冷凍機を停める事もなくコンテナ内部の温度センサーでの完全自動運転により、最大約100時間程度の無給油連続運転輸送が出来る。  ただし、スペース等の関係から発電機は一台のみで、集中式の様な二重発電機能は一切無く、又限られた非常に狭いスペースに発電機設備一式を押し込んでいるので、発電エンジンの高温排気熱や激しい振動等に長時間晒される為に、日頃のメンテナンスを怠ると発電停止による積荷の変質事故は無論、最悪は走行火災を起こしコンテナ本体や貨車、周りの環境に多大な被害を及ぼす。  近年には(分散式)の古い冷凍コンテナによる走行火災も数件発生している。  本土と北海道を結ぶ青函トンネル内では、走行火災事故やエンジンからの排熱による火災報知器の誤作動を防ぐためにエンジンを完全に一時的に止めなければならない。  エンジンの停止始動は、青函トンネル前後の地上に設置された装置からの指令を受信することにより行なわれるが、受信装置が付いてないエンジン付冷凍コンテナもある。  リモコン装置が付いていないコンテナは、青函トンネルの通過を禁止されており、それらの冷凍コンテナ両側には《青函トンネル通過禁止》の表記が義務付けられているが、古いタイプには未表記も多数存在する。

関連項目


《2006,11,28加筆改定編集》

航空機用コンテナ

航空機へのコンテナ積載作業。女満別空港にて

飛行機のメーカーや機種、運行する航空会社に応じて作られているといわれる。飛行機内部の限られた貨物スペースに搭載する関係から1辺が1~2m程度、長くても6m程度で、海上用や鉄道用に比べると非常に小さい。円筒形をした飛行機の断面に合わせるため、四角の箱のほか、台形のものも多い。軽量化が優先されているため強度が弱く、損傷が多いといわれている。その為、航空機用コンテナを空港と航空貨物会社の市内営業所等の間で輸送する場合、屋根付きのトラックウィング車等)が使用される場合が多い。他のコンテナ同様、保冷機能を有したものもある。変わったものでは競走馬専用のコンテナや貨客兼用機(コンビ型)用の客室乗務員休憩室コンテナがある。


歴史

コンテナの発明

コンテナ化は貨物の荷役作業はもとより、物流全般、港湾倉庫船舶鉄道の設計や仕組みまで激変させた、20世紀物流革命の最も重要な要素である。船舶用コンテナの発明者は全米有数の陸運業者を裸一貫から創業したマルコム・マクリーン (Malcolm McLean) といわれる。そのアイデアは1930年代、彼がニュージャージーのトラック運転手だった時代にまでさかのぼるが、実現したのは彼が船会社「シーランド (Sea-Land)」(現・マースクライン、Maersk Line)を設立した1950年代だった。

かつては貨物船荷役は、いくらかのクレーンを補助的に使うほかは、基本的に陸仲士沖仲士といわれる港湾労働者たちが大勢で人手で行っていた。彼らは岸壁に停泊した本船に数日がかりで荷物の積み下ろしを行っていた。港の沖では、無数の本船が岸壁の順番待ちをしており無駄な時間をすごしていた。こうした港湾での待ち時間は、世界的な船のスケジュールや、陸上輸送工場生産のスケジュールをも狂わせていた。はしけにより沖仲士が海上で荷役作業をすることがあったが、風が強く海が荒れている場合などは大変危険な作業であった。

陸上での、トラックから倉庫や船への積み下ろし作業も、手間と時間がかかるものだった。個人トラック業者だったマクリーンは、積んできたトラックの荷物が船に積まれていくのを岸壁でじっと待つ間、トラックから荷物を降ろしてまた本船の船倉に並べなおすよりは、いっそのことトラックごと船に積んでしまえばどんなに楽になるだろうと思っていた。

コンテナの実用化

マクリーンが陸運会社を大きくした1950年代後半、彼はかねてからのアイデアを実現に移すべく中古貨物船を購入して改造し、トレーラーをそのまま船倉に乗り入れさせて積み込む貨物船(RO-RO船)を実現した。だがこれはトレーラーの車輪や運転席の分だけ無駄なスペースが必要で、もっと効率的に詰め込むため、彼はトレーラーの運転席・車台部分と荷物の入った部分を分離させ、荷物の入った箱型の部分を規格化して「コンテナ」にし、一方船側の船倉全体に規格化されたコンテナを積み木のように積み固定するためのガイドレールを縦横に設けた「コンテナ船」を発明した。このコンテナを運ぶクレーンは当面は船にも設置したものの、基本的に船には余計なクレーンは設置せずに、港の岸壁にコンテナ積み下ろし用の「ガントリークレーン」を設置して、将来はこれを世界中の港に整備すべきだとした。

コンテナの世界制覇

コンテナ船(デンマーク・コペンハーゲン)

このコンテナ化により、船に積んだコンテナを別の港で規格化された車台を持つトレーラーにおろしてそのまま客先まで運ぶという、海陸一貫輸送がついに実現した。彼はこれらのコンテナ船を持つ会社を海陸一貫の理想をこめてシーランドと名づけ、アメリカ国内航路だけでなく海外航路にも乗り出した。アメリカの同業者や欧州日本の船会社も追随し、1970年代には世界各地の主要港で港湾労働者の「コンテナ化反対運動」のさなか、コンテナ専用埠頭が次々完成した。 この時代、日本の神戸港がコンテナ取扱個数世界一を誇っていた。

世界中の航路を2000TEU級の大型船が往来し、ガントリークレーンを使いわずか一日以内で貨物の積み下ろしを完了させて次の港へ向かうという、定時性が高く圧倒的に早いコンテナ時代が到来し、世界の貿易物流のありようが、わずか十数年で根底からがらりとかわってしまった。コンテナ船に対応できない従来型の埠頭や倉庫は放棄され、急速に寂れていった。

コンテナの更なる拡大

世界最大のコンテナ船、Emma Maersk 。全長約400m、最大積載量14,500TEU

1980年代末には、貨物が急増する日本・アジア~北米間の海上輸送に対応するため、狭いパナマ運河を通るのをあきらめて4000TEU級の巨大船が建造され、オークランドロングビーチなど太平洋側の港で船から大陸横断鉄道の貨物列車の台車(コンテナ車)に直接コンテナをおろして、全米へ走らせることにした。コンテナを一度に大量に運ぶ船の導入により、効率化と運賃競争激化への対応をめざしたものである。また、鉄道で西海岸から東海岸に運送したほうが、すべて船で運ぶより到着時間が早いメリットもあった。さらに、9.6フィート高のコンテナや、45フィート長の大型コンテナも登場する。

近年は中国の「世界の工場化」にともない輸送量がさらに増える一方運賃競争も激しさを増し、コンテナ船会社同士の国境を越えた合併が相次ぎ、船自体も8000TEU、9000TEU、14500TEUという全長300mを超える超大型船が運行されるようになった。これにあわせ、世界中の港ではガントリークレーンの大型化や岸壁の水深を深くする作業に追われている。今日では一年間の船舶輸送のうち、90%以上がコンテナ化され、年2億個以上のコンテナが輸送されている。

ISOによるコンテナ標準化で、陸運会社鉄道会社は、ISO標準コンテナに合わせた大きさのトレーラーや貨車の車台に置き換える作業を進めるはめになった。また、まちまちの大きさだった貨物用パレットも、ISO標準コンテナに合うサイズに標準化されてきており、独自のパレット規格にこだわってきた日本の各業者も標準化が急務となっている。

特徴

コンテナ貨物列車(イギリス)
手荷物用の貨物空輸コンテナー

以下は、貨物輸送用コンテナについての説明である。

メリット

  • 丈夫な箱で保護されているので個別の積荷の梱包が簡略化できる。また、コンテナは再利用が可能なため、梱包コストが削減できる。
  • 一定量の輸送物がまとまっているので輸送機関の間の積み替えが簡略化できる(貨車⇔トラック⇔貨物船相互間でコンテナごと積み替えられる)。これにより、ドア・ツー・ドアの一貫輸送が可能となる。
  • 輸送手段と切り離した状態でコンテナに入れたまま保管でき、倉庫代わりになる。コンテナに入れたままコンテナターミナルや地面に野積みすることで、倉庫や上屋に貨物を入れる手間が省ける。
  • 輸送中の水濡れなどの事故が少ない。また、海上輸送において、これまで甲板積みができなかった貨物も、コンテナ船であれば甲板積みが可能となる。
  • 荷役の機械化によるコンテナ船荷役の高速化・停泊日数の短縮、コンテナ船自体の高速化などにより、輸送コスト・時間が大幅に縮減でき、しかも時刻表どおりの定時性が実現できる。

デメリット

  • 大型の荷役機械(フォークリフトクレーンなど)が必要である。
  • コンテナの重さが運賃に加算される場合もある。
  • ロットの小さい貨物はFCL(フル・コンテナ・ロード)貨物とすることができず、相積貨物を探して混載しなければならない。

種類

輸送手段ごと

  • 船舶用: 上記の海上(ISO)コンテナ。特に大型のものが多く、日本の道路法では走れないサイズのものもある。
  • 鉄道用: 日本の鉄道の車両限界の関係で独自に大きさが定められている。また、向きを変えることで新幹線在来線の両方に対応できるよう配慮されている。(ただし新幹線によるコンテナ輸送は計画はされたものの、実際には行われていない。もとから計画のみで実行の意図がなかったとも言われる。新幹線の項目に詳しい。)
  • 航空用: 軽量化や機内の積載効率を考慮して独自の規格となっている。

大手コンテナ輸送業者

世界の11大コンテナ輸送会社
(左表は船舶数順、右表はコンテナ輸送数順(TEU) 1TEU = 20フィートコンテナ)
2006年5月28日
会社名 船舶数 会社名 TEU
マースクライン(サフマリン含む)
デンマークアメリカ
549 マースクライン(サフマリン含む)
(デンマーク、アメリカ)
1,723,170
メディテラニアン・シッピング・カンパニー(MSC)
スイス
299 メディテラニアン・シッピング・カンパニー(MSC)
(スイス)
893,503
CMA-CGMフランス 256 CMA-CGM(フランス) 507,500
エバーグリーン(長栄海運)(台湾 153 エバーグリーン(長栄海運)(台湾) 439,538
中国遠洋運輸公司グループ(COSCO)(中国 118 アメリカン・プレジデント・ラインズ(APL)
シンガポール、アメリカ)
315,879
チャイナ・シッピング0(中海集運、CSCL)(中国) 111 ハンジン・セネター韓国ドイツ 298,173
日本郵船(NYK)(日本) 105 チャイナ・シッピング(中海集運、CSCL)(中国) 290,089
アメリカン・プレジデント・ラインズ(APL)
(シンガポール、アメリカ)
99 中国遠洋運輸公司グループ(COSCO)(中国) 289,800
パシフィック・インターナショナル・ラインズ(PIL)
(シンガポール)
97 日本郵船(NYK)(日本) 281,722
Zimイスラエル 93 OOCL香港 237,318
CSAVグループチリ 83 CSAVグループ(チリ) 215,992

(出典: BRS-Alphaliner)

  • 2005年8月、マースク・シーランドはP&Oネドロイド(イギリスオランダ)の買収を完了した。2006年よりマースクラインの統一ブランドで運用されている。

コンテナを使った居住・貯蔵空間

日本の建築家、坂茂が設計したノマディック・ミュージアム。これは大量に余っている海上コンテナ156個を積み上げて建設された仮設美術館で、2005年から2006年にかけて内部の写真展と共にニューヨークやサンタモニカを巡回した。

コンテナは強度があり、耐久性も高く、規格化され、積み上げることや切断することができ、移動可能で、世界中にあふれており比較的安いため、理想的な建築材料とも言える。コンテナを買い取って物置代わりに使う家庭や、建築現場やイベント会場での仮設オフィス、空き地でのカラオケボックスに使う会社などは以前からあったが、コンテナを多数組み合わせてオフィスアパート学校アトリエ、シェルター(避難小屋)、仮設住宅などを作っている一般家庭や会社、あるいは建築家も世界的に増えている。

1991年湾岸戦争で、コンテナは当初の予定にない様々な使われ方をした。多国籍軍の物資を運ぶだけでなく、換気のために穴を開けることで、間に合わせの居住空間や捕虜の移動用としてもコンテナは使われた。コンテナは敵の攻撃に備える遮蔽物としても使われ、壁面に土嚢を積みことで対戦車ロケット弾RPG)にも耐えうる簡易要塞を構築した。

1990年代以降、北アメリカには、貿易赤字に伴って比較的安いコンテナが大量にあふれることになった。工業製品はアジアから、一部はヨーロッパから、コンテナに積載されて北アメリカに来るが、北アメリカから輸出する製品は少なく、船会社はそれなりの費用をかけて空コンテナを大量に送り返す必要があった。空コンテナの返送費より新品のコンテナを中国などで買う費用の方が安い場合もあるため、コンテナを一方的にアジアからアメリカに送り、不要になった中古コンテナのアメリカでの新たな使い道を見つける必要が生じている。

キルギスタンなど中央アジアでは、ドルドイ(Dordoi、дордои)と呼ばれる巨大迷路のようなバザールがISOコンテナを積み上げて形成されている。ドルドイは首都ビシュケクをはじめ大きな町で、あらゆる商品、特に衣服などを扱う市場として設置され、市民以外にもカザフスタンをはじめ多くの遠来の客や商人を呼び込んでいる。

関連項目

外部リンク

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