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「枕草子春曙抄」の版間の差分

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'''枕草子春曙抄'''(まくらのそうししゅんしょしょう)は、単に「春曙抄」ともいい、『[[枕草子]]』の注釈書である。著者は[[江戸時代|江戸]]初期の著名な古典学者[[北村季吟]](1624-1705)。刊記がないため、正確な出版年月日は明らかではないが、漢文による跋文に[[延宝]]2年([[1674年]])とあることから、これ以後の出版と考えられる。12巻。[[享保]]14年([[1729年]])発梓本では巻ごとに1冊に分けられ、巻末に[[壺井義知]]著『[[枕草子装束撮要抄|清少納言枕草子装束撮要抄]]』(「装束抄」)1冊が合綴されて袋綴じ13冊となっている。ほかに『装束抄』が付かない六冊本もある。
'''枕草子春曙抄'''(まくらのそうししゅんしょしょう)は、単に「春曙抄」ともいい、『[[枕草子]]』の注釈書である。著者は[[江戸時代|江戸]]初期の著名な古典学者[[北村季吟]](1624-1705)。底本は能因本。刊記がないため、正確な出版年月日は明らかではないが、漢文による跋文に[[延宝]]2年([[1674年]])とあることから、これ以後の出版と考えられる。12巻。[[享保]]14年([[1729年]])発梓本では巻ごとに1冊に分けられ、巻末に[[壺井義知]]著『[[枕草子装束撮要抄|清少納言枕草子装束撮要抄]]』(「装束抄」)1冊が合綴されて袋綴じ13冊となっている。ほかに『装束抄』が付かない六冊本もある。


「[[清少納言]]枕草子者、[[中古文学|中古]]之遺風、[[日本語|和語]]之俊烈也。并義於[[紫式部|紫女]][[源氏物語]]、尤当閲翫之者也」で始まる「延宝二年七月十七日甲寅北村季吟書」の跋を持つ。能因本系統の枕草子本文に、詳細な傍注・標注・校合・考証などを施す。近世における枕草子注釈の最高峰として、同じ年に刊印された[[加藤盤斎]](1625-1674)の『[[清少納言枕草紙抄]]』を圧倒したばかりでなく、[[明治]]まで版を重ねて広く流布した([[元禄]]の頃にはすでに[[海賊版]]が横行したという)。
「[[清少納言]]枕草子者、[[中古文学|中古]]之遺風、[[日本語|和語]]之俊烈也。并義於[[紫式部|紫女]][[源氏物語]]、尤当閲翫之者也」で始まる「延宝二年七月十七日甲寅北村季吟書」の跋を持つ。能因本系統の枕草子本文に、詳細な傍注・標注・校合・考証などを施す。近世における枕草子注釈の最高峰として、同じ年に刊印された[[加藤盤斎]](1625-1674)の『[[清少納言枕草紙抄]]』を圧倒したばかりでなく、[[明治]]まで版を重ねて広く流布した([[元禄]]の頃にはすでに[[海賊版]]が横行したという)。


==テキスト==

『枕草子春曙抄』上下巻 新典社 1976-1977年(影印本)<br />
『訂正増補枕草子春曙抄』(鈴木弘恭による訂正増補。『春曙抄』に諸家の説を補い、訂正を加えたもの)青山堂 1893年<br />
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2009年3月16日 (月) 09:17時点における版

枕草子春曙抄(まくらのそうししゅんしょしょう)は、単に「春曙抄」ともいい、『枕草子』の注釈書である。著者は江戸初期の著名な古典学者北村季吟(1624-1705)。底本は能因本。刊記がないため、正確な出版年月日は明らかではないが、漢文による跋文に延宝2年(1674年)とあることから、これ以後の出版と考えられる。12巻。享保14年(1729年)発梓本では巻ごとに1冊に分けられ、巻末に壺井義知著『清少納言枕草子装束撮要抄』(「装束抄」)1冊が合綴されて袋綴じ13冊となっている。ほかに『装束抄』が付かない六冊本もある。

清少納言枕草子者、中古之遺風、和語之俊烈也。并義於紫女源氏物語、尤当閲翫之者也」で始まる「延宝二年七月十七日甲寅北村季吟書」の跋を持つ。能因本系統の枕草子本文に、詳細な傍注・標注・校合・考証などを施す。近世における枕草子注釈の最高峰として、同じ年に刊印された加藤盤斎(1625-1674)の『清少納言枕草紙抄』を圧倒したばかりでなく、明治まで版を重ねて広く流布した(元禄の頃にはすでに海賊版が横行したという)。

テキスト

『枕草子春曙抄』上下巻 新典社 1976-1977年(影印本)
『訂正増補枕草子春曙抄』(鈴木弘恭による訂正増補。『春曙抄』に諸家の説を補い、訂正を加えたもの)青山堂 1893年

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