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「スレイヤーズ」の版間の差分

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所属国不明の都市・村: タフォーラシアを国に移動
2015405b (会話 | 投稿記録)
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:; ダブオン・シティ
:; ダブオン・シティ
:: 15年前までラルティーグ王国の首都だった大規模な街。街中には大きな総合病院が存在し、建物は巨大で白く5階建ての円柱形である。この病院は魔道士協会やスィーフィードの教会、呪術士ギルドが提携し、各種呪術、薬草による治療の専門家をそろえており、「この病院で治せない怪我や病気は世界中のどこでも治せない」とさえも言われている。
:: 15年前までラルティーグ王国の首都だった大規模な街。街中には大きな総合病院が存在し、建物は巨大で白く5階建ての円柱形である。この病院は魔道士協会やスィーフィードの教会、呪術士ギルドが提携し、各種呪術、薬草による治療の専門家をそろえており、「この病院で治せない怪我や病気は世界中のどこでも治せない」とさえも言われている。

; タフォーラシア王国<!---ポコタが王子と呼ばれているので--->
: [[スレイヤーズREVOLUTION]]に登場したTVアニメオリジナルの国。魔道都市だった時のサイラーグの末裔が、数百年前に作った国。世間では、一夜にして消えた町として伝説になっている。デュラム病という疫病が過去に蔓延し、当時その病を治す手立てがなく、近隣の国も、巻添えを恐れ援助をせず、ある魔道士がこの国を訪れ、救おうとしたが彼の目の前でこの国は霧の中に消えた、という言い伝えが残っている。しかし、ポコタに言わせると、自分から姿を消したそうである。
: 冥王(フェブリゾ)の技に似た方法で、国民は一時的な魔法の眠りに置かれており、同時に人々の目から隠すため国全体を霧で隠した。
: ちなみに、デュラム病は、リナ達の時代には治療法が既に確立しているが、魔法の封印をかけた魔道士(赤法師レゾ、又の名を盲目の賢者、レゾ=グレイワーズである)の行方が不明になっている(実は既に、リナ達によってレゾは倒されている)。
: しかし、ポコタが「封印をかけた本人が死亡した場合、封印は解かれる」と発言していることから、今の封印が持続しているのは、不自然といえる。


; 沿岸諸国連合
; 沿岸諸国連合
: 名称から海沿いにある国々の連合体らしいが、地図では内陸に深く食い込んでおり、沿岸諸国といいつつ内陸国が多いと思われる。それ以外は不明。
: 名称から海沿いにある国々の連合体らしいが、地図では内陸に深く食い込んでおり、沿岸諸国といいつつ内陸国が多いと思われる。それ以外は不明。
; ラグド王国
:; ラグド王国
: 沿岸諸国連合に所属する小王国。国土は地方領程度しかないが、土地条件に恵まれ大国や魔族の被害も他国と比べると少なく、作物もそこそこ採れる平和な国。しかし、近年魔道士の大臣が国軍の大半や、現地の魔道士協会所属の魔道士を巻き込んだ大規模な反乱をおこし、国都では大規模な市街地戦が行われた。ちなみにこの反乱は[[リナ・インバース]]と[[白蛇のナーガ]]の活躍によって鎮圧された。
:: 沿岸諸国連合に所属する小王国。国土は地方領程度しかないが、土地条件に恵まれ大国や魔族の被害も他国と比べると少なく、作物もそこそこ採れる平和な国。しかし、近年魔道士の大臣が国軍の大半や、現地の魔道士協会所属の魔道士を巻き込んだ大規模な反乱をおこし、国都では大規模な市街地戦が行われた。ちなみにこの反乱は[[リナ・インバース]]と[[白蛇のナーガ]]の活躍によって鎮圧された。
; フェルゴル
:; フェルゴル
: ラグド王国の隣国。魔道士協会が存在する。
:: ラグド王国の隣国。魔道士協会が存在する。
; ルヴィナガルド共和国
:; ルヴィナガルド共和国
: 沿岸諸国連合に属している国だが、海に面していない。これといった産業もなく、特産品も船の建材に使われるルヴィナ杉のみ。かつては王国だったが、国王が人と亜魔族を用いた兵器の開発を行っていたため、周辺諸国の介入により共和国になる。
:: 沿岸諸国連合に属している国だが、海に面していない。これといった産業もなく、特産品も船の建材に使われるルヴィナ杉のみ。かつては王国だったが、国王が人と亜魔族を用いた兵器の開発を行っていたため、周辺諸国の介入により共和国になる。
; イルマード公国
:; イルマード公国
: 沿岸諸国連合に属する国。海に面しているが、国土は狭く他国の地方領程度しかない。しかし観光および避暑地として有名で「有名な観光地を上げろ」と聞かれた際には必ず名前が出てくるそうである。各国の富裕層がこの国に別荘を構えており、それなりに豊かな国である。
:: 沿岸諸国連合に属する国。海に面しているが、国土は狭く他国の地方領程度しかない。しかし観光および避暑地として有名で「有名な観光地を上げろ」と聞かれた際には必ず名前が出てくるそうである。各国の富裕層がこの国に別荘を構えており、それなりに豊かな国である。
; リハード王国
:; リハード王国
: 沿岸諸国の片隅にある国。首都の城下町は大都市といえるほど大きくない。隣国のセレニアス王国との仲は険悪。ちなみにこの国の諜報員達の綿密な調査の結果、「リナ=インバースとは巨大な体格と薄青い肌、額に生えた小さな角をいつも前髪で隠しており、月のない夜しか活動しない存在」だということが判明した。
:: 沿岸諸国の片隅にある国。首都の城下町は大都市といえるほど大きくない。隣国のセレニアス王国との仲は険悪。ちなみにこの国の諜報員達の綿密な調査の結果、「リナ=インバースとは巨大な体格と薄青い肌、額に生えた小さな角をいつも前髪で隠しており、月のない夜しか活動しない存在」だということが判明した。
; セレニアス王国
:; セレニアス王国
: リハード王国の隣にある国。リハード王国とは非常に仲が悪い。
:: リハード王国の隣にある国。リハード王国とは非常に仲が悪い。


==== 所属国不明の都市・村 ====
==== 所属国不明の都市・村 ====
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; トルク・シティ
; トルク・シティ
: 湖に面した街で漁業や農業によって発展してきた。人口増加に伴い農業は衰退したが、漁業は相変わらず盛んで、近くにある湖でしか獲れない水ダコや水イカを使った料理は珍味として有名。
: 湖に面した街で漁業や農業によって発展してきた。人口増加に伴い農業は衰退したが、漁業は相変わらず盛んで、近くにある湖でしか獲れない水ダコや水イカを使った料理は珍味として有名。

==== アニメオリジナル ====
; タフォーラシア王国<!---ポコタが王子と呼ばれているので--->
: [[スレイヤーズREVOLUTION]]に登場したTVアニメオリジナルの国。魔道都市だった時のサイラーグの末裔が、数百年前に作った国。世間では、一夜にして消えた町として伝説になっている。デュラム病という疫病が過去に蔓延し、当時その病を治す手立てがなく、近隣の国も、巻添えを恐れ援助をせず、ある魔道士がこの国を訪れ、救おうとしたが彼の目の前でこの国は霧の中に消えた、という言い伝えが残っている。しかし、ポコタに言わせると、自分から姿を消したそうである。
: 冥王(フェブリゾ)の技に似た方法で、国民は一時的な魔法の眠りに置かれており、同時に人々の目から隠すため国全体を霧で隠した。
: ちなみに、デュラム病は、リナ達の時代には治療法が既に確立しているが、魔法の封印をかけた魔道士(赤法師レゾ、又の名を盲目の賢者、レゾ=グレイワーズである)の行方が不明になっている(実は既に、リナ達によってレゾは倒されている)。
: しかし、ポコタが「封印をかけた本人が死亡した場合、封印は解かれる」と発言していることから、今の封印が持続しているのは、不自然といえる。


== あらすじ(小説版) ==
== あらすじ(小説版) ==

2008年8月2日 (土) 19:00時点における版

Template:継続中の作品

スレイヤーズ
ジャンル ファンタジー
小説
著者 神坂一
イラスト あらいずみるい
出版社 富士見書房
掲載誌 月刊ドラゴンマガジン
レーベル 富士見ファンタジア文庫
刊行期間 1989年 - 連載中(すぺしゃる)
巻数 本編全15巻
短編既刊31巻(2008年7月現在)
テンプレート - ノート

スレイヤーズ』(Slayers) は、富士見ファンタジア文庫から刊行されている神坂一ライトノベル。また、これを原作とするアニメ漫画ラジオドラマゲーム作品である。

原作のイラストあらいずみるい。第1回ファンタジア長編小説大賞〈準入選〉受賞作。

概要

本作は基本的に主人公・リナ=インバースの視点で描かれる一人称小説である。但し外伝においては、一部に別のキャラクターの視点および三人称形式のエピソードも見られる。ファンタジア長編小説大賞の第1回では大賞作品が出ていないため、事実上の最優秀作品。本作は1989年の同賞受賞後シリーズ化され、続編や外伝が「月刊ドラゴンマガジン」(富士見書房)で連載されたのちに、単行本として富士見ファンタジア文庫から刊行されている。

ライトノベルにおいて、長編系統と短編系統を平行して発表するという手法を確立した作品である。この手法は以後の富士見ファンタジア文庫の多くの作品で踏襲されており、さらに近年では他レーベルのライトノベル作品や漫画作品でも同様の手法で発表される作品が出現している。

本編自体は2000年発刊の第15巻『デモン・スレイヤーズ!』で終了しているが、その後もギャグ中心の外伝『スレイヤーズすぺしゃる』が継続して連載されている。「月刊ドラゴンマガジン」創刊号から連載されていた『風の大陸』(竹河聖)の連載が2005年3月号をもって終了したことにより、2007年7月現在の同誌掲載作品の中では『すぺしゃる』が最古参である。

slay の一般的な意味は「殺害する」「絶滅させる」であるが、「(冗談などで人を)笑わせる、唸らせる」の意味もある。本編は魔族を滅すると言う意味での slayers であるが、外伝の『すぺしゃる』では、読者を爆笑させると言う意味での slayers である。

アニメ化された1995年頃から女性ファンが目立ち始める。この現象は、女性ファンを遠ざける要素が希薄であった点が、支持の土台として挙げられる。主人公が自他共に認める美少女で、尚且つ、長編・短編どちらも女性キャラクターの存在感が強い本作なれど、男性ファンの歓心を誘う性的描写に乏しい。ナーガの如く扇情的なコスチュームのキャラクターも稀に存在するものの、この場合は典型的な「悪の女キャラ」のパロディであり、ギャグの要素が強くファンサービスの意味合いは薄い。アニメや漫画では入浴シーンなどもあったが、どちらかと言えばほのぼのとしたギャグ要素に近いものであった。小説では入浴シーン等はほぼなく、代わりに悪党キャラがリナに対して「犯す」旨の発言や行動を取ろうとする場面がいくつかある(当然ながら全て未遂に終わる)。後述の虐殺シーン等もそうだが、特に本編では色々な意味でアニメや漫画よりも殺伐とした世界観が色濃く出ている。

業績・作品展開

本作は『ライトノベル』というジャンルを一般層にまで広げた、いわば「ライトノベルの金字塔」的作品で、部数は全シリーズで八桁にも及ぶ2000万部にものぼるという。小説以外にも、漫画アニメテーブルトークRPGコンピュータRPGなど様々に展開されており、『新世紀エヴァンゲリオン』や『機動戦艦ナデシコ』と並んでメディアミックスビジネスモデルを完成させた、日本アニメビジネスにおいても重要な位置づけを持つ作品である。

漫画版は義仲翔子による本編の漫画化『超爆魔道伝スレイヤーズ』ほか、あらいずみるい本人による短編や、トミイ大塚によるすぺしゃる、『水竜王の騎士』編が発表されている。

1994年スーパーファミコンバンプレストよりRPGとしてゲーム化されている。その後も他機種において『スレイヤーズわんだほ~』、『スレイヤーズ ろいやる』、『スレイヤーズ ろいやる2』と発売されていく。あまり知られていないが、スーパーファミコン版の前にPC98用ゲームも発売されている(ストーリーはSFC版とは別)。

1995年にはテレビアニメ化・劇場アニメ化された。テレビアニメ版はその後『スレイヤーズNEXT』『スレイヤーズTRY』とシリーズ化され、劇場版もシリーズ化されており、さらにOVA版も制作されている。また2008年2月に、第四・五期の製作も決定したことが発表された(分割2クール)。これらの作品についてはスレイヤーズ (アニメ)の項を参照のこと。

同じく富士見ファンタジア文庫の代表作品である『魔術士オーフェン』とのコラボレーション企画である『スレイヤーズVSオーフェン』では、両作品の主要キャラクター達が共演している。彼らが異世界の亜神ヴォイム(リナ&オーフェンいわく「ぽいもの」)に召喚されて騒動を巻き起こすというもので、スレイヤーズ側の時系列は第一部の後半、5~6巻の間あたりと思われる(ゼルガディスとアメリアが登場する事、ゼロスについて特に言及がない事、ガウリイが光の剣を所持している事などから)。


注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。


世界観

『スレイヤーズ』の世界は、中世ヨーロッパを基調としており、人間以外にドラゴンエルフゴブリンなども存在する、典型的なトールキン系統のファンタジー世界となっている。魔法も日常に当然に存在し、その発生メカニズムや個々の術の作用も、断片的ながら系統立てて語られている。

リナたちのいる世界の構造は、『「混沌の海」に立てられた杖の上に平面世界が皿のように乗っている構造となっており、この世界以外にもいくつかの他世界が存在する。それぞれの世界では、「魔王」と「神々」が互いに勢力を争って抗争している。魔王はこの世界を支える杖を欲して世界を滅ぼそうとしている。』という世界観が通説となっている。リナたちの世界でも、「赤眼の魔王(ルビーアイ)」シャブラニグドゥと「赤の竜神(フレアドラゴン)」スィーフィードという、赤が象徴する魔王と神が争い、約5000年前に赤眼の魔王は七つに分けられて封印され、赤の竜神は分身を四体残して滅びている。なお、他世界の様子の一部は、同原作者のSF小説『ロスト・ユニバース』中にて描写されている。

魔族が目標とする世界の滅びとは、通常よくある世界観とは大きく異なり、滅びの際には自身らも全て滅び去るという事である。但しあくまで自身を含む世界全ての滅びにより混沌の海へと還るのが目的であって、自身等といった個体の滅びは目的対象外である。対極に位置するのが世界の存続を目的とする神々である。

魔族

本作において魔族は、全ての生きとし生けるものにとって最大の脅威として描かれている。同時に、存在し続けることを望む生物とは決して相容れない存在である。魔族は怒りや不安、恐怖、悲しみといった人間の負の感情を糧としており、これらを得るために時として積極的に人間に危害を加える。魔族の設定ではクトゥルフ神話の影響もあるとも言われる。

魔族は精神生命体であり、実体は人間動物のような物理的肉体を持たず、幽霊に近い存在である(スレイヤーズ世界においては幽霊もまた別に登場する)。普段はアストラルサイド(精神世界面)に存在しているが、物理世界へ現れる場合は、人間を始めとした物質生物をモデルにした仮の肉体を纏って現れる(一部例外的に生物をモデルとしないオブジェや日用品などの姿をとる場合もある)。そして実体が物理法則から外れているため、アストラルサイドに対しても影響力を持つ物理攻撃(魔力の宿った武器、精神力を上乗せした攻撃など)か、対象より上位の魔族の力を借りた黒魔術、もしくはアストラル系の精霊魔術や神聖魔法でなければ、ダメージを与えることはできない。そのため一般人にとっては為す術がない相手で、人間相手ならば無敵に近い主人公リナにとっても、苦戦を免れない厄介な相手である。

魔族は基本的に、魔王-高位魔族(ダメージを受けても人間の姿のまま)-中位魔族(ある程度のダメージで人間の姿を取れなくなる)-下位魔族(元から人間の姿を取れない)の序列に分かれている。高位魔族と呼べるのは、魔王の5人の腹心及びその側近クラスまでで、中位魔族にはカンヅェルやマゼンダなどが、下位魔族にはセイグラムやギオ=ガイア、デュグルド、グドゥザなどがいる。ただし、これはあくまで人間によるランク付けであり、腹心の側近である将軍および神官は魔族の編成では「中級魔族」の範疇に入れられることが「あとがき」でシャブラニグドゥの口によって語られている。魔族の力の目安に、「いかに人間に近い姿がとれるか」というものがあり、基本的に人の姿をとれる魔族はそうでないものに比べて強力ということになっている。下位魔族はきちんとした人間の姿をとることが出来ず、顔の半分がのっぺらぼうだったり、半透明の巨人だったりと、人間っぽい形をした化け物といった姿しか取れない。また中位魔族の場合も、ある程度力を失うと人の姿をとることが出来なくなる。

このようにある程度以上の力をもった魔族は、自分自身の物理世界への干渉力を制御することができる。物理世界での姿を解くさまは、人間の目からみると空気に溶け込んだように見える。この応用で、姿を解いてすぐさま別の地点で物質肉体を生成する「空間渡り」や、対象との物理的な距離に関係なくアストラルサイドから目標に対して攻撃することもできる。ただし純粋な精神生命体である魔族は、己のもつ力こそがその存在の拠り所であり、他の存在に頼ることはそれだけで自らの存在を危うくすることとなる。したがって純魔族は人間等と異なり、他者の力を借りる術を用いることができない。同様に純魔族は、単なる捕食対象にすぎない人間に対して、己の存在が揺らぐために本気の攻撃ができず(自分は本気を出さなければ人間にすら勝てない卑小な存在である、と認める事になる為)、そこに人間の付け入る隙がある。しかしながら、これには例外もあり、魔竜王ガーヴは人間と混ざった状態であるためか、人間相手に精神世界面からの攻撃ができるような発言をしている。

なお、魔族のとは、大幅にダメージを負い、物質世界へ現れる力を失った状態を指す。対して、滅びとはその存在が完全に消え失せた状態を指す。そのため、たとえ死んだとしてもやがて力を回復して復活する(ただし下位魔族は不完全な状態で亜魔族として復活してしまう事もある)が、滅びた魔族は二度と復活しない。

亜魔族

下位魔族よりもさらに下位の魔族として存在するレッサー・デーモンやブラス・デーモン等は、自力では物質世界へ現れることができず、上位の純魔族や人間の魔道士等に召喚される必要がある。召喚され、自我の低い動物などへ憑依している状態を亜魔族と呼ぶ。

本来自我の強い人間には憑依してもデーモンにはならないが、何らかの方法で自我を破壊して憑依すればデーモンになる。その場合元となった人間の運動能力しだいでは純魔族並みの力を持つデーモンを生み出すことができる。自我の強い人間に憑依すると人間がデーモンの能力を身に付ける。

亜魔族には物理的な実体があるため、通常の物理攻撃でもダメージを与えられる。ただし、その皮膚は三流剣士のなまくら剣などはじき返し、純魔族同様、四大元素の力を借りた術も殆ど効かない。作中では、非常識に強いリナ達に雑魚扱いされているが、一般人から見れば亜魔族でも十分脅威の存在である。

なお、高位の魔族にむりやり具現させられた場合には、物理世界でも本来の姿を取ることができる。

魔法

この世界の魔法は、混沌の言語(カオス・ワーズ)と呼ばれる呪文によって因果律を狂わせ、精神世界面(アストラル・サイド)に干渉して引き出す力とされる。魔力が高い種族なら呪文は必要なく、簡単な動作や声などで使うことができる。系統としては、力を借りる相手となる者によって黒魔術、精霊魔術、神聖魔法に大別されるが、用途に合わせて各系統の一部を攻撃呪文とし、それ以外と分けることが実際には多い。

また、詠唱の為のルールは全ての呪文に基本的には共通しており(アニメ版の神聖魔術は使用言語が異なっているようではあるが)、バルスロッドとゼラス・ブリット、ドラグスレイブとギガスレイブのように、術のメイン構成文がまったく同じでも、力を借りる者が異なれば威力も現象もまったく異なる術になる。

黒魔術(黒魔法)
魔族から力を借りる事で行使される術。作中では攻撃呪文としての黒魔術が最も使用頻度が高く、「竜破斬(ドラグ・スレイブ)」はドラスレと略され主人公リナの代名詞的・必殺技的存在になっている。攻撃呪文の中には魔王やその腹心の力を借りた術もあり、それらは「冥王~」や「覇王~」等、個々の魔族の称号を冠している。こうした魔族の力を借りた術は、借りる対象が滅ぶと使用が出来なくなり、また力を借りた相手もしくはそれより格上に属する魔族には原則として一切通用しない(この原則として、という部分がクライマックスの伏線となっている)。魔族自身は、自己の力のみを拠り所にしている関係上、扱うことが出来ない。攻撃呪文としての黒魔術は、攻撃力の大半を直接相手の精神世界面に叩きつけて攻撃し、その余剰エネルギーが爆発等の物理現象として具現化している。
精霊魔術(精霊魔法)
地水火風の四大元素に加え、「精神」の属性を加えた五属性の精霊から力を借りた術、主に相手の精神に作用する術、回復・防御・浄化作用がある術(白魔術)等、複数の形態が存在する。精神に作用する術は攻撃用黒魔術と同じく精神世界面に直接叩きつけるが、地水火風の術は具現化した上で物理的な作用を相手に与える。そのため地水火風の術では、精神世界の存在である魔族にはダメージを与えられない(例外として「雷花滅撃吼(ラザ・クロウヴァ)」風の元素を用いた術だが肉体と精神にダメージを与える術なので魔族にもダメージを与えられる)。
白魔術が精霊魔術の一部でしかないのは、この世界では長らく魔族の結界により神の力が届かないでいたからで、奇跡や祝福に属する"それっぽい"術等が白魔術と呼ばれている。
魔族であっても必要があれば使用は出来るが、黒魔術を使えないのと同じ理由で自身にダメージを受ける。また、レッサーデーモンが使う「炎の矢」は実は精霊魔術ではなく、自らの魔力で具現させた物である(純魔族ではないので他者の力を借りた術を使ってもダメージはないが)。
神聖魔法
黒魔術にも精霊魔術にも属さない術で、小説版では黄金竜(ゴールデン・ドラゴン)のミルガズィアが、TVアニメ版三作目のTRYでは黄金竜(ゴールド・ドラゴン)のフィリアが用いる。魔族による結界崩壊後に神の力を借りて唱えているようだが詳細不明。
複合魔法
異なる系統の魔法を同目標に同時発動させ呪文の相互干渉により、元の呪文を超える効果を生み出す。複数の高レベルの術者の連携が必要なこともあり、スレイヤーズ世界ではほとんど研究されていない。術の組み合わせによっては元の呪文を超える効果を生み出すこともあるが、互いに打ち消しあったり、下手をすれば、魔力が暴走して大爆発することもある。小説版ではゼルガディス、アメリアとシルフィールが「崩霊裂(ラ・ティルト)」と「竜破斬(ドラグ・スレイブ)」の複合をフィブリゾ戦で使用し、TV版ではゼロスとフィリア、リナがダークスターとの決戦で使用した。
なお、原作小説中に複合魔法と言う言葉は一切出てこない。
分類不可能な術及び補足
魔族(もしくは魔族と融合した人間のうち数名)などが使う術(空間渡り、ラウグヌト・ルシャヴナ、レッサーデーモンの「炎の矢」や人型、及び本編15巻の強化デーモンが使用する光の盾)、斬妖剣に施した2種の紋様呪法など、術の原理が上記魔術と異なる術がいくつか存在する。これらは自分自身を力の源とした黒魔術といえなくもないが、「精神集中の為の呪文」を必要とする者としない者がいたり、使用する術の現象が、力を行使する者に関係なく同一だったりと、一線を画している。また、重破斬・神滅斬は形式上「黒魔術 / 攻撃呪文」に分類されるが、「力を借りる源」たる金色の魔王は実際には「神・魔族・精霊」に分類する事が不可能な存在であり、「力の源」によって分類する上記三種類の術に分類する事は厳密には不可能である。暴走させれば世界を滅ぼす術でもあり、そのため「禁呪」と呼ばれることがある。また上記3種(+魔族のみが成し得る分類不能な術)に分類される術であっても、使用に道義、倫理的に問題があるとされる術も「禁呪・邪法」と呼ばれ区別されることがある。

地理

スレイヤーズの舞台となる地域はヨーロッパ程の面積があり、1000年前の降魔戦争の時に張られた神封じの結界や魔族と自然の脅威等によって外界とは完全に隔絶している。故に他地域との長距離交易は行われていないが、リナ達の時代には国家間での大きな戦争は起こっておらず、陸地の沿岸では各国の港を結ぶ交易船が行きかう等地域内での交流は盛んな様である。

国家は王国帝国公国連邦共和国等様々な国家体制を持つ国が存在する。

エルメキア帝国
東に位置する帝制国家。かなり広い領土を保有しているが冥王フィブリゾが担当する、滅びの砂漠に面しているので砂漠が多いと思われる。聖槍騎士団(グングニル・ナイツ)という有名な騎士団を保有している。ガウリイの故郷らしいが詳細は不明。滅びの砂漠との境界あたりにはガルムという子牛程の大きさの、黒い巨犬が生息している。この巨犬は獰猛、残忍で口から炎の吐息を吐くが、魔道士の召喚魔法によって呼び出され、使役されることがある。
カルマート公国
首都はカルマート・シティ。魔道関連の施設が少ない。
ウェゼンディ・シティ
カルマート公国の西端の都市。ラルティーグ王国、ディルス王国へと続く街道の分岐点にあり、交易の町として栄えている。
ソラリア・シティ
カルマート公国の南端の都市。都市を壁が囲むが、都市が大きくなるにつれ、壁を増築していったせいで、不規則に走る壁によって、いくつもの区画に分断されており、慣れていない人間にとっては動きにくい。街の端にある開発途上の区画は、整備などは行われておらず、とりあえず片っ端から家が建てられている、といった感もある。一時期、城のまわりには怪しい施設ができており、そこでは、ベルギス一味により非道な人体実験が行われていた。
聖王国セイルーン
地図では海に面してはいないが、かなりの大国。首都は白魔術都市の名でも知られるセイルーン・シティ。
セイルーン・シティ
聖王国セイルーンの首都が置かれている都市で白魔術関連の施設が多い。赤の竜神(スィーフィード)を信仰しており聖王都、白魔術都市などとも呼ばれる。都市は六芒星の形に区画されており、都市そのものが魔方陣となっている。都市と結界の中心部には王宮が存在する。
ゼフィーリア王国
リナの故郷でもあり屈強な人間が多いそうで、あとがきによると「なまくらな剣などをはじき返す電撃竜(プラズマ・ドラゴン)を包丁一本で仕留められる若い女性がごろごろいる」そうである。極秘部隊を有した永遠の女王(エターナルクイーン)という女王が国を治めている。
ディルス王国
首都はガイリア・シティ。南の国境はラルティーグ王国と接している。北の魔王が住むカタート山脈や竜たちの峰(ドラゴンズ・ピーク)に近い。魔族による権力掌握が二度行われている。
ガイリア・シティ
ディルス王国の首都が置かれている大都市。街の周辺は街壁に囲まれている。一度火事で市街の大半が焼失した。その後も街中でレッサー・デーモンが出現するなどのトラブルに見舞われた。
ルアルド・シティ
ディルス王国南端の町。ラルティーグ王国との国境近くにあり、交易が盛ん。
ライゼール帝国
元老院が存在する。主要都市はサイラーグ・シティとアトラス・シティ。
アトラス・シティ
リトハーン公が治める大きな街。交通の要所に存在し、街のあちこちに露店や屋台が立ち並び昼間は連日多くの人々で賑わっていた。第2部終了時にはデーモン達の襲来を受け、街壁の一部が壊れており、物流も細くなり露店も少なく人通りもまばらになっていた。
サイラーグ・シティ
ライゼール帝国のほぼ真ん中にある街。かつては魔道士協会の本部が置かれ魔道都市と呼ばれていたが、100年以上前にザナッファーによって都市ごと壊滅し死霊都市というあだ名が付けられた。以後植えられたフラグーンを中心に復興し、大きな街になっていたが、コピーレゾの手によって再び跡形もなく破壊され、フラグーンを残して街は荒野と化す。第1部終了時に冥王フィブリゾによって、一時的に再現されるがフィブリゾが倒されたことにより消失。その後も赤眼の魔王が異世界を創るなど、事件が何度も起きたため『不幸の博覧会といっても過言ではない、世界一不幸な都市』とリナに称される。第2部終了時には復興が始まっており、街の形が出来ている。
クリムゾン・タウン
大きな湖に浮かぶ無数の小島が橋で結ばれ、そこから発展した大きな街。街には縦横に運河が走り街中の主要な交通は、運河を行き交う小舟である。建物の外壁は白で統一されており、夕日に照らされ建物が紅く染まることからクリムゾン(紅)という名前になった。街の地下に小島が点在する、巨大な地底湖が存在する。
ラルティーグ王国
首都は15年前までダブオン・シティだったが、血生臭い跡目争いの結果、商業活性化を公の理由として別の街に遷都された。ちなみにこの国には「世界動物愛護連盟」という名前の動物愛護団体の支部が12存在していた。
セレンティア・シティ
東西南北其々にスィーフィードの分身である神々を祀った分院と、中央にそれらを統括するスィーフィードを祀った本院が存在する宗教都市。寺院都市とも呼ばれる、各国から巡礼者に来る者もいる。14巻開始の少し前に本院は火災によって焼失し、それに伴った跡目騒動が発生し街は騒然としていた上、その煽りを受けて起きた別の事件をきっかけに各寺院を統括していた神官長他多数の神官が命を落とした。
ダブオン・シティ
15年前までラルティーグ王国の首都だった大規模な街。街中には大きな総合病院が存在し、建物は巨大で白く5階建ての円柱形である。この病院は魔道士協会やスィーフィードの教会、呪術士ギルドが提携し、各種呪術、薬草による治療の専門家をそろえており、「この病院で治せない怪我や病気は世界中のどこでも治せない」とさえも言われている。
沿岸諸国連合
名称から海沿いにある国々の連合体らしいが、地図では内陸に深く食い込んでおり、沿岸諸国といいつつ内陸国が多いと思われる。それ以外は不明。
ラグド王国
沿岸諸国連合に所属する小王国。国土は地方領程度しかないが、土地条件に恵まれ大国や魔族の被害も他国と比べると少なく、作物もそこそこ採れる平和な国。しかし、近年魔道士の大臣が国軍の大半や、現地の魔道士協会所属の魔道士を巻き込んだ大規模な反乱をおこし、国都では大規模な市街地戦が行われた。ちなみにこの反乱はリナ・インバース白蛇のナーガの活躍によって鎮圧された。
フェルゴル
ラグド王国の隣国。魔道士協会が存在する。
ルヴィナガルド共和国
沿岸諸国連合に属している国だが、海に面していない。これといった産業もなく、特産品も船の建材に使われるルヴィナ杉のみ。かつては王国だったが、国王が人と亜魔族を用いた兵器の開発を行っていたため、周辺諸国の介入により共和国になる。
イルマード公国
沿岸諸国連合に属する国。海に面しているが、国土は狭く他国の地方領程度しかない。しかし観光および避暑地として有名で「有名な観光地を上げろ」と聞かれた際には必ず名前が出てくるそうである。各国の富裕層がこの国に別荘を構えており、それなりに豊かな国である。
リハード王国
沿岸諸国の片隅にある国。首都の城下町は大都市といえるほど大きくない。隣国のセレニアス王国との仲は険悪。ちなみにこの国の諜報員達の綿密な調査の結果、「リナ=インバースとは巨大な体格と薄青い肌、額に生えた小さな角をいつも前髪で隠しており、月のない夜しか活動しない存在」だということが判明した。
セレニアス王国
リハード王国の隣にある国。リハード王国とは非常に仲が悪い。

所属国不明の都市・村

バモンド・シティ
交易が盛んな商業都市。下町の治安はあまり良くない。
ベルナ・シティ
絹織物等で名の通った街。中心街には高級住宅地が存在し、それを取り巻くように商店等が並びその外側には庶民の住む下町が広がっている。織物等の工房はさらに下町の外に存在する。
カルミドール・シティ
呪術師ミシェールが所有する、広大な森に周りを囲まれた小さな城下町。町から離れた丘の上に、領主であるロード・カシミオンの城が存在する。
ティアギアス・シティ
大小5本の街道が交差しており、交通の中継地点として栄えている宿場町。この町の魔道士協会にはかつて歴史研究部門が存在してた。
モンローズの町
有名なワインの名産地。周辺の山にワイン造りの盛んな村々が点在し、それらの村から集められたワインの集積地になっている。
トルク・シティ
湖に面した街で漁業や農業によって発展してきた。人口増加に伴い農業は衰退したが、漁業は相変わらず盛んで、近くにある湖でしか獲れない水ダコや水イカを使った料理は珍味として有名。

アニメオリジナル

タフォーラシア王国
スレイヤーズREVOLUTIONに登場したTVアニメオリジナルの国。魔道都市だった時のサイラーグの末裔が、数百年前に作った国。世間では、一夜にして消えた町として伝説になっている。デュラム病という疫病が過去に蔓延し、当時その病を治す手立てがなく、近隣の国も、巻添えを恐れ援助をせず、ある魔道士がこの国を訪れ、救おうとしたが彼の目の前でこの国は霧の中に消えた、という言い伝えが残っている。しかし、ポコタに言わせると、自分から姿を消したそうである。
冥王(フェブリゾ)の技に似た方法で、国民は一時的な魔法の眠りに置かれており、同時に人々の目から隠すため国全体を霧で隠した。
ちなみに、デュラム病は、リナ達の時代には治療法が既に確立しているが、魔法の封印をかけた魔道士(赤法師レゾ、又の名を盲目の賢者、レゾ=グレイワーズである)の行方が不明になっている(実は既に、リナ達によってレゾは倒されている)。
しかし、ポコタが「封印をかけた本人が死亡した場合、封印は解かれる」と発言していることから、今の封印が持続しているのは、不自然といえる。

あらすじ(小説版)

原作の時間軸は、外伝『すぺしゃる』が本編より前の話で、本編は、第8巻『死霊都市の王』までが第一部、第9巻『ベゼルドの妖剣』以降が第二部と分けられている。また『すぺしゃる』も第8巻『恐るべき未来』を境にして第一部・第二部と便宜上分けられている(第二部からは原則として前後編の構成となり、中編作品ともいえる)。

『すぺしゃる』
姉の「世界を見て来い」の一言がきっかけで旅にでた、自称天才美少女魔道士リナ=インバース。魔道技術や観光にも興味を示すものの、行き先の決め手となるのはやはりおいしい食べ物のあるところ。旅の途中、白蛇(サーペント)のナーガと名乗る、自称リナのライバルである非常識な女魔道士と知り合い、以後金魚のフンのように事あるごとにナーガにつきまとわれる。リナは世界各地で仕事の依頼を受けつつ、ナーガを始めとした様々なキャラクターと珍騒動を繰り広げる。
第1巻『スレイヤーズ!』
旅の途中、リナがいつものように森で盗賊に絡まれているところを、通りすがったガウリイが成り行きで助ける。ガウリイは見た目がまだ頼りないリナの保護者をかって出、アトラス・シティまでの道筋を同行する。一行は途中、賢者の石を狙うゼルガディス、赤眼の魔王(ルビーアイ)シャブラニグドゥの一片を秘めた赤法師レゾと対峙する。幾多の攻防の末ゼルガディスはレゾを裏切り、レゾは念願の賢者の石を手に入れるが、同時に魔王として覚醒する。リナ達は苦戦を強いられるものの、何とか覚醒したレゾを打ち破る。アトラス・シティ到着後、リナはガウリイの持つ伝説の武器「光の剣」に興味を示し、旅を共にするようになる。
第一部
リナ達一行はその後も旅を続けるが、関わる様々な事件全てに何故か魔族が絡んでくる。そしてアメリアや謎の神官ゼロスらを一行に加え、徐々に話の核心へと近付いてゆく。ゼロスの導きで異界黙示録(クレア・バイブル)に辿り着いた際、ついに冥王(ヘルマスター)フィブリゾが姿を現し、魔族の反逆者魔竜王(カオスドラゴン)ガーヴと共に、リナが魔族と関わりあってきた原因が明らかになる。それはリナがレゾを倒した際に使用した「重破斬(ギガ・スレイブ)」というオリジナルの術が、「金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)」という魔王や神を超越した存在から力を借りたものだったからであった。その力で世界を滅ぼそうと(混沌に戻そうと)画策するフィブリゾと、それに異を唱え妨害を続けるガーヴ。これまでの事件はそれぞれが陰で糸を引いていた結果だった。しかしガーヴはフィブリゾの力の前に為す術なく敗れ、リナは人質となったガウリイを救うべく、フィブリゾと対峙することを決意する。
第二部
リナとガウリイは、第一部のラストで失った「光の剣」に代わる武器を求め、二人で旅を再開する。途中ルークミリーナというトレジャーハンターコンビと知り合うが、求めていた伝説の武器はなかなか手に入らない。そんな中またも各地で起きる不吉な兆候を示す事件の数々。竜族の長老ミルガズィアによれば、今度は覇王(ダイナスト)グラウシェラーが約1000年前に起きた降魔戦争を再現しようと画策しているとのこと。それを何としても回避しようとリナ達は奮闘するが、ついにミリーナの身に起きた事件が元で、ルークの中に秘められていた赤眼の魔王シャブラニグドゥの一片が覚醒し、ルークは魔王としてリナに戦いを挑む。そしてリナ達はやがて『魔を滅せし者達(デモン・スレイヤーズ)』として伝説になる。

登場人物

既刊一覧

スレイヤーズ (本編 全15巻)2部構成。第1部は1~8巻まで。第2部は9~15巻。

  1. スレイヤーズ! (1990年1月17日、ISBN 4829123451
  2. アトラスの魔道士 (1990年8月20日、ISBN 4829123699
  3. サイラーグの妖魔 (1991年2月18日、ISBN 4829123885
  4. 聖王都動乱 (1991年10月17日、ISBN 4829124121
  5. 白銀の魔獣 (1992年7月13日、ISBN 4829124547
  6. ヴェゼンディの闇 1993年3月12日、ISBN 4829124954
  7. 魔竜王の挑戦 (1993年12月10日、ISBN 4829125365
  8. 死霊都市の王 (1994年7月28日、ISBN 4829125756
  9. ベゼルドの妖剣 (1995年6月20日、ISBN 4829126337
  10. ソラリアの謀略 (1995年12月21日、ISBN 4829126582
  11. クリムゾンの妄執 (1996年7月25日、ISBN 4829126930
  12. 覇軍の策動 (1997年4月18日、ISBN 4829127406
  13. 降魔への道標 (1998年11月27日、ISBN 4829128569
  14. セレンティアの憎悪 (1999年7月21日、ISBN 4829129042
  15. デモン・スレイヤーズ! (2000年5月10日、ISBN 4829129662
  • 第1巻のみ、表紙イラストが、初期の版の「リナが魔法を炸裂させるシーンを正面から煽り」から、途中の版より「リナとガウリイの2ショット」に差し替えられている。
  • 上記とは別に、2008年から再び表紙イラスト、巻末あとがきが差し替えられたもの及び作者による一部加筆修正されたものが随時発売している。

スレイヤーズ すぺしゃる (外伝、短編集)

  1. 白魔術都市の王子 (1991年7月17日、ISBN 4829124059
  2. リトル・プリンセス (1992年3月16日、ISBN 4829124318
  3. ナーガの冒険 (1992年10月13日、ISBN 4829124644
  4. 魔道士協会の陰謀 (1993年6月11日、ISBN 4829125063
  5. 戦え! ぼくらの大神官 1993年10月12日、ISBN 4829125276
  6. 打倒! 勇者様 (1994年10月12日、ISBN 4829125918
  7. がんばれ死霊術士 (1995年1月17日、ISBN 4829126043
  8. 恐るべき未来 (1995年7月20日、ISBN 482912637X
  9. イリーズの旅路 (1996年4月19日、ISBN 4829126817
  10. 破壊神はつらいよ (1996年10月25日、ISBN 4829127112
  11. 激走! 乗合馬車 (1997年7月18日、ISBN 4829127597
  12. 家政婦は見たかもしんない (1997年12月16日、ISBN 4829127899
  13. 仰げば鬱陶し (1998年7月17日、ISBN 4829128267
  14. ホーンテッド・ナイト? (1999年10月13日、ISBN 4829129239
  15. エイプリルの事件簿 (2000年7月14日、ISBN 4829129832
  16. スクランブル・グリル (2000年12月20日、ISBN 4829113162
  17. 小さな濃いメロディ (2001年6月20日、ISBN 4829113626
  18. 跡継騒動 森林レンジャー (2001年12月20日、ISBN 4829113987
  19. るなてく・へすてばる (2002年7月18日、ISBN 4829114509
  20. ミッション・ポシブル (2003年2月20日、ISBN 4829114983
  21. 汝その名はスイートポテト (2003年8月20日、ISBN 4829115440
  22. Gハンター・フォルクス (2004年2月20日、ISBN 4829115890
  23. ブレイク・オブ・ディスティニー (2004年10月25日、ISBN 4829116544
  24. 地底王国の驚異 (2005年4月20日、ISBN 4829117109
  25. 騎士道のススメ (2005年10月20日、ISBN 482911763X
  26. ミッシング・セイント (2006年4月25日、ISBN 4829118113
  27. スタンプ・トゥ・キル (2006年7月25日、ISBN 4829118393
  28. ポーション・スクランブル (2007年1月25日、ISBN 978-4-8291-1893-1
  29. 魔法の老女プリンシア (2007年7月20日、ISBN 978-4-8291-1944-0
  30. 白銀の弾丸 (2008年1月19日、ISBN 978-4-8291-3258-6
  • 第1巻~第7巻の書き下ろしはスレイヤーズ えくせれんとであり、第9巻~第30巻のはスレイヤーズ すぺりおぉるである。また、第9巻から前編後編の2部構成となっている。

スレイヤーズ すまっしゅ (外伝、短編集)

  • スレイヤーズREVOLUTIONが始まったの合わせて、タイトルを「すぺしゃる」から「すまっしゅ」に変更。神坂一は理由として「小説でこの巻数は、新規の人は入って来きにくいだろー」[1]を挙げている。
  1. 獅子の試練を乗り越えて (2008年7月19日、ISBN 978-4-8291-3307-1[1]

スレイヤーズ でりしゃす (小型本、角川mini文庫)

  1. リナちゃん♥おしゃれ大作戦 (1997年3月6日初版発行 ISBN 4-04-700142-2
  2. 呪術士の森 (1997年7月10日初版発行 ISBN 4-04-700177-5
  3. 巨大生物の山 (1998年7月25日初版発行 ISBN 4-04-700248-8
  4. るなてく・へすてばる (1999年7月12日初版発行 ISBN 4-04-700278-X
  • 現在はすべて絶版であり、該当作品は富士見ファンタジア文庫の「すぺしゃる」に収録されている。

えんさいくろぺでぃあ スレイヤーズ (ファンブック、著:ドラゴンマガジン編集部)

1998年9月24日初版発行 ISBN 4-8291-7385-8

スレイヤーズVSオーフェン(秋田禎信との合作。ドラゴンマガジン2001年4月号増刊「ファンタジアバトルロイヤル」に加筆訂正と書き下ろし短編を加えたもの)

2005年7月10日発行 ISBN 4829175842

アニメ

テレビアニメ・ラジオドラマ・劇場用アニメ・OVAに関する事項はスレイヤーズ (アニメ)を参照。

漫画

  • 超爆魔道伝 (作画:義仲翔子、原作:神坂一)
  1. 第1巻 闇の伝説編 (1995年8月29日初版発行 ISBN 4-04-712108-8
  2. 第2巻 闇の伝説編 (1996年4月1日初版発行 ISBN 4-04-712118-5
  3. 第3巻 闇の伝説編 (1996年6月27日初版発行 ISBN 4-04-712120-7
  4. 第4巻 RETURN編 (1997年4月7日初版発行 ISBN 4-04-712132-0
  5. 第5巻 死霊都市編 (1997年7月1日初版発行 ISBN 4-04-712135-5
  6. 第6巻 白銀の魔獣編 (1998年7月31日初版発行 ISBN 4-04-712166-5
  7. 第7巻 異界黙示録編 (2000年11月29日初版発行 ISBN 4-04-712250-5
  8. 第8巻 死霊都市の王編 (2001年8月30日初版発行 ISBN 4-04-712276-9
  • 原作小説第1巻のように、闇の伝説編第1巻の表紙イラストが、初期の「リナが魔法を炸裂させるシーンを正面から煽り」から、途中の版より「リナとガウリイの2ショット」に差し替えられている。
  1. 第1巻 (2000年4月28日初版発行 ISBN 4-04-712229-7
  2. 第2巻 (2001年1月30日初版発行 ISBN 4-04-712261-0
  3. 第3巻 (2001年4月26日初版発行 ISBN 4-04-712266-1
  4. 第4巻 (2001年9月25日初版発行 ISBN 4-04-712279-3
  • 水竜王の騎士 (作画:トミイ大塚、原作:神坂一、案:あらいずみるい)
  1. 第1巻 (2003年4月28日初版発行 ISBN 4-04-712328-5
  2. 第2巻 (2003年9月1日初版発行 ISBN 4-04-712340-4
  3. 第3巻 (2004年3月1日初版発行 ISBN 4-04-712350-1
  4. 第4巻 (2004年6月1日初版発行 ISBN 4-04-712357-9
  5. 第5巻 (2004年10月1日初版発行 ISBN 4-04-712372-2) 
  6. 第6巻 (2005年2月1日初版発行 ISBN 4-04-712386-2
  • 原作小説版第2部の正統続編に当たる内容だという神坂一氏の発言がある。
  • 新スレイヤーズ ファルエシスの砂時計 (作画:、原作:神坂一、キャラクター原案:あらいずみるい)
    「ドラゴンマガジン増刊 スレイヤーズ・レジェンド」(上下巻)掲載

ゲーム

コンピュータゲーム

一見するとコンピュータRPGにしやすそうな世界観であるが、主人公とその関係者が「世界最強レベルに強い」という設定のため、「最初は弱い主人公が経験を積んで成長していく」という一般的なコンピュータRPGの作劇が使えないという問題がある。そのあたりの再現性をどうするかを苦心してデザインされたゲームも多い。

スーパーファミコン版以降のゲーム全作に共通する件として「最強の戦士」が実はリナでもガウリイでも、はたまたナーガでもなく、実はフィル王子だったりする(「平和主義者クラッシュ」はゲーム中ほぼ無敵の威力を誇っている)。

  • スレイヤーズ
    • 1994年6月24日発売(スーパーファミコン
    • テレビCMが放送された。このときリナの配役は冬馬由美、ナーガ役は川村万梨阿
    • 原作者である神坂一が制作に参加した為、原作と整合性のある、小説版スレイヤーズらしいシナリオが特徴で、ファンの評価も未だ高い。当時は本作が原作の第三部で完結編とされており、そのため原作に先んじる形で斬妖剣(ブラストソード)が登場している。原作最終巻にはこの作品への伏線と思われる場面が存在する[2]
  • スレイヤーズ ろいやる2
    • 1998年9月3日発売(セガサターン)
    • 1999年7月1日発売(プレイステーション)
  • スレイヤーズわんだほ~
    • 1998年10月22日発売(プレイステーション)
コンピュータゲーム以外

富士見書房の『マギウス』のサプリメントとしてテーブルトークRPG化もされている(詳細は該当記事を参照)。また、TCG『スレイヤーズふぁいと』も発売されている。

日本では未発売であるが、日本のアニメの世界観を再現したテーブルトークRPG『Big Eyes, Small Mouth』(略称『BESM』。題名の「大きな眼・小さな口」は日本アニメのキャラクターデザインを示す)を発売しているアメリカのゲーム制作会社Guardians of Orderより、BESMでスレイヤーズを遊ぶためのサプリメント(追加ルール・データ集)と、汎用ルールであるd20システムを採用して制作されたテーブルトークRPG『The Slayers d20』(ISBN 978-1894525855)が発売されている。

脚注

  1. ^ 「すまっしゅ」第1巻あとがきより
  2. ^ リナがこのゲームで初登場しストーリーの中核に関わる、ある人物らしい人影を目撃する。その後の第二部の展開に人影の人物は関与していない。

外部リンク


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