「総合衛生管理製造過程」の版間の差分
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よく「総合衛生管理製造過程(HACCP)」という表記を見るがこれは誤りである。HACCP の考え方は総合衛生管理製造過程の一部分に取り入れられているだけでありHACCP そのものではない。 |
よく「総合衛生管理製造過程(HACCP)」という表記を見るがこれは誤りである。HACCP の考え方は総合衛生管理製造過程の一部分に取り入れられているだけでありHACCP そのものではない。 |
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総合衛生管理製造過程が認証制度であるため、[[日本]]では「HACCP を取る」という表現がよくされているが、HACCP は認証を取るものではなく毎日行うものである。 |
総合衛生管理製造過程が認証制度であるため、[[日本]]では「HACCP を取る」という表現がよくされているが、HACCP は認証を取るものではなく毎日行うものである。(但し、カナダではHACCP が認証制度であり、ISO 22000 もHACCP 認証制度であることから認証制度の是非には議論が分かれている。) |
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日本では「HACCP 対応工場」「HACCP 対応機器」などがあるが、海外では40年以上前に建築された工場でHACCP を行っており、これらがなくてもHACCP は可能だが、総合衛生管理製造過程では施設、設備なども管理項目に入っているためこれらのものが横行している。HACCP を行うのは施設や機器ではなく人である。もっともHACCP を行いやすい工場や機器というものは存在し、概して日本については中小企業が老朽施設で製造していることがほとんどであるため、現実問題としては、HACCP導入するにあたって施設・工程の改善は必要であるが、これはHACCP そのものではなくその前段階のはなしである。 |
日本では「HACCP 対応工場」「HACCP 対応機器」などがあるが、海外では40年以上前に建築された工場でHACCP を行っており、これらがなくてもHACCP は可能だが、総合衛生管理製造過程では施設、設備なども管理項目に入っているためこれらのものが横行している。HACCP を行うのは施設や機器ではなく人である。もっともHACCP を行いやすい工場や機器というものは存在し、概して日本については中小企業が老朽施設で製造していることがほとんどであるため、現実問題としては、HACCP導入するにあたって施設・工程の改善は必要であるが、これはHACCP そのものではなくその前段階のはなしである。 |
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以上のことから総合衛生管理製造過程はHACCP の考え方を導入したシステムであるが、本来のHACCP からみると大きな逸脱した部分があることがわかる |
以上のことから総合衛生管理製造過程はHACCP の考え方を導入したシステムであるが、本来のHACCP からみると大きな逸脱した部分があることがわかる |
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==用語など== |
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;品質と安全 : 安全性は品質の中に含まれると考える人がいるが、実際は相反する場合も多く別のものと考える方がよい。海外では品質と安全は別部門で管理している場合がある(大規模な企業が多い)。HACCP を行うと品質が向上する場合もあるが、これは効率の良い管理を行った結果として生じた副産物でありHACCP で扱うものはあくまでも安全性である。 |
;品質と安全 : 安全性は品質の中に含まれると考える人がいるが、実際は相反する場合も多く別のものと考える方がよい。海外では品質と安全は別部門で管理している場合がある(大規模な企業が多い)。HACCP を行うと品質が向上する場合もあるが、これは効率の良い管理を行った結果として生じた副産物でありHACCP で扱うものはあくまでも安全性である。 |
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;[[WHO]] (World Health Organization、世界保健機関) :1948 年発足した保健衛生を管轄する国連の専門機関。 |
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;FAO (Food and Agriculture Organization of the United Nations; 国連食糧農業機関): 世界の栄養水準や農業生産を向上させるために1945 年に設立された国連の機関であり、各国が平等な立場で協定や政策を論じる場を提供している。 |
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;Codex Alimentarius (コーデックス委員会): FAO とWHO が共同で管理運営をしている食品の国際基準の策定を行う機関であり、消費者の健康を守ることと、世界共通の基準を設定することによって食品の貿易の公正化を図ることを目的としている。 |
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;[[HACCP]] :総合衛生管理製造過程では危害分析重要管理点と訳されているが、正確な訳としては危害要因分析と必須管理点。食品の安全を管理するための世界でもっとも受け入れられている手法。 |
;[[HACCP]] :総合衛生管理製造過程では危害分析重要管理点と訳されているが、正確な訳としては危害要因分析と必須管理点。食品の安全を管理するための世界でもっとも受け入れられている手法。 |
2005年5月9日 (月) 03:38時点における版
総合衛生管理製造過程(そうごうえいせいかんりせいぞうかてい、通称マル総)は厚生省が HACCP 考え方を取り入れてつくった食品の安全管理の認証制度である。 現在、容器包装詰加圧加熱殺菌食品(缶詰、レトルト食品など)、魚肉練り製品(かまぼこ、はんぺんなど)、乳・乳製品、清涼飲料水がこの認証項目となっている。
本来のHACCP で扱うのは安全性のみであるが総合衛生管理製造過程では品質やHACCP を行う前段階であるGMP やPRP(用語の欄で説明)までも含まれている、このため欧米で行われているHACCP と比較すると非常に複雑であり、実践は難しい。 雪印乳業がこの認証を取得していながら大規模な食中毒(雪印集団食中毒事件)を発生させたことからわかるように、この認証制度の効果は低い。
よく「総合衛生管理製造過程(HACCP)」という表記を見るがこれは誤りである。HACCP の考え方は総合衛生管理製造過程の一部分に取り入れられているだけでありHACCP そのものではない。
総合衛生管理製造過程が認証制度であるため、日本では「HACCP を取る」という表現がよくされているが、HACCP は認証を取るものではなく毎日行うものである。(但し、カナダではHACCP が認証制度であり、ISO 22000 もHACCP 認証制度であることから認証制度の是非には議論が分かれている。)
日本では「HACCP 対応工場」「HACCP 対応機器」などがあるが、海外では40年以上前に建築された工場でHACCP を行っており、これらがなくてもHACCP は可能だが、総合衛生管理製造過程では施設、設備なども管理項目に入っているためこれらのものが横行している。HACCP を行うのは施設や機器ではなく人である。もっともHACCP を行いやすい工場や機器というものは存在し、概して日本については中小企業が老朽施設で製造していることがほとんどであるため、現実問題としては、HACCP導入するにあたって施設・工程の改善は必要であるが、これはHACCP そのものではなくその前段階のはなしである。
以上のことから総合衛生管理製造過程はHACCP の考え方を導入したシステムであるが、本来のHACCP からみると大きな逸脱した部分があることがわかる
用語など
- GMP(Good Manufacturing Practice; 適正製造基準)
- HACCP の前段階である前提条件プログラム (PRP) の中心となる基準。合衆国では法規制として定められている。GMP のありかたは国により多少異なり、カナダではGMP=PRP となっているが、合衆国ではGMP に基づきPRP を構築するものとされている。
- PRP あるいはPP (Prerequiste program; 前提条件プログラム)
- HACCP を行う上で土台となる基礎的な管理プログラム。ここでは前出のGMP に基づいた教育訓練や、清浄化・衛生化作業のプログラムなどの他にリコールプログラム、トレーサビリティー、品質管理なども管理項目に入れられる。また、HACCP はラインごとに計画するものだがPRP は工場全体で同じ計画を用いる。PRP とHACCP はお互いに影響しあうものだが、その性格が異なるため別々のプログラムで管理するものである。(これを同じプログラムで管理しているのが総合衛生管理製造過程)
- 品質と安全
- 安全性は品質の中に含まれると考える人がいるが、実際は相反する場合も多く別のものと考える方がよい。海外では品質と安全は別部門で管理している場合がある(大規模な企業が多い)。HACCP を行うと品質が向上する場合もあるが、これは効率の良い管理を行った結果として生じた副産物でありHACCP で扱うものはあくまでも安全性である。
- HACCP
- 総合衛生管理製造過程では危害分析重要管理点と訳されているが、正確な訳としては危害要因分析と必須管理点。食品の安全を管理するための世界でもっとも受け入れられている手法。