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*寒気の南下は一時的で広い範囲で平均気温が平年を1℃以上上回る暖冬だった。日本海側では少雪だった。 |
*寒気の南下は一時的で広い範囲で平均気温が平年を1℃以上上回る暖冬だった。日本海側では少雪だった。2月に南岸低気圧の通過があり、関東地方から[[東北地方]]の太平洋側で大雪が降った。 |
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*一冬を通して全国的暖冬。北日本、東日本、西日本で平年を1度以上上回った。日本海側は少雪で寒気の流れ込みも一時的であった。 |
*一冬を通して全国的暖冬。北日本、東日本、西日本で平年を1度以上上回った。日本海側は少雪で寒気の流れ込みも一時的であった。 |
2007年10月15日 (月) 05:31時点における版
暖冬(だんとう)とは、平年(1971~2000年の平均)に比べて気温の高い冬のことである。気象庁による3階級表現で12月から2月の平均気温が「高い」に該当した場合の冬をいう。暖冬による影響は農作物の過剰生産、少雪による水資源の不足など経済活動に大きな影響をもたらす。以下は特に断り書きのない限り、日本の事例について記述する。
暖冬の原因
暖冬の直接的な原因は冬型の気圧配置が長続きせず、北極圏やシベリアの寒気団が日本列島上空に流れ込む現象が一時的あるいは全く発生しないことによる。また、エルニーニョ現象が発生すると暖冬傾向になりやすいと考えられている。地球規模の気候変動や地球温暖化との関連で長期的に暖冬傾向が強まるとの考えもある。
なお、暖冬年は少雪となると思われるが、年によっては降雪量が平年を上回ることがあり、寒冬年の降雪量を上回る事すらあるため、必ずしも降雪量が平年を下回るとは限らない。また、日本列島の南海上を東進する南岸低気圧の通過が増加するため、冬型の気圧配置で積雪することが殆どない関東地方などの太平洋側で降雪量が増加することがある。特に1998年はその典型である。
1987年以降の暖冬異変
日本では1987年から1995年にかけて暖冬年が続くようになり、それまで頻繁に訪れていた寒冬年が激減し、1996年が寒冬になるまで9年間連続で暖冬が続いた。特に1989年、1990年、1993年、1998年は記録的な暖冬であったためマスメディア等から「暖冬異変」と言われたほどであった。1998年頃からは北日本の暖冬傾向は鈍化し、2001年、2003年、2006年が寒冬になる等、北日本では暖冬年も多いが寒冬年も現れるようになった。東日本と西日本、南西諸島では1990年代ほどの暖冬ではないが、依然として暖冬年が多い傾向にある。2000年代では2002年、2004年、2007年が記録的暖冬となり、特に2007年は積雪の殆どない北日本のスキー場などがマスメディアにより度々報道された。
この暖冬の要因は地球温暖化が関わっているとされるが、地球温暖化のみで全てが説明できる訳ではなく、はっきりとした原因はわかっていない。近年では、北極の寒気を周期的に蓄積と放出を繰り返す北極振動(AO)や北大西洋振動(NAO)の関連性も指摘されているが、両者の周期性は複雑であるため、現在でも詳しい事は解明されていない。
社会への影響
農業
直接的には白菜、大根などの冬野菜の生育が早まり供給過剰になることがある。これは価格の下落につながり廃棄処分になることもある。一方、ハウス栽培等での燃料代が少なくて済むメリットもある。中期的には少雪により春以降の農業用水不足が稲作などに悪い影響を与える可能性がある。
消費生活
暖房に必要なエネルギーが少なくて済むメリットがある。負の影響は冬物衣料の売れ行きが不振になったり、雪や氷を観光資源とする観光産業が打撃を受ける。またスキーなどのウィンタースポーツが雪不足のため不振になったり、競技の開催が延期や中止となることもある。
生態系
クマなど本来冬眠する動物が冬眠しなかったり冬眠から覚めるのが早くなったりする。えさを求めて人家付近に出没し危害を加えたり、それに伴い多くの頭数が駆除されることによって生態系への悪影響が心配される。
熱帯系の外来生物など、本来冬の低温を生き延びることのできない生物が春まで生存し繁殖するようになることにより生態系のバランスが崩れる。
過去の主な暖冬
- この冬は2006-2007年に並ぶ記録的暖冬だった。
- 1月の前半は寒さが厳しかったがその他の時期はかなり暖冬傾向となり、特に2月は全国で記録的な高温となった。この年は3月も気温がかなり高めで、桜の開花は全国的に平年よりかなり早かった。和歌山県の潮岬では、本州の観測地点としては史上最も早い記録となる3月10日に桜が開花した(なお、潮岬の桜の開花の平年は3月末頃)。
- この年は本格的な冬の寒さの到来が大幅に遅く、12月は月前半を中心に記録的な高温となった。12月の下旬後半以降は強い寒気が南下して寒さが続く時期と暖気の影響で気温がかなり上がる時期とが交互に現れたが、冬(12~2月)平均では北日本を除き暖冬となった。
- 冬型の気圧配置や寒気の南下が弱く暖冬となり、特に1月は顕著な高温となった。日本海側では降雪量が少なく、太平洋側では低気圧や前線の影響を受けやすく降水量が多かった。
- この年も冬型の気圧配置や寒気の南下が弱く、前年に引き続いて暖冬となった。前年と同様に日本海側では少雪、太平洋側では低気圧や前線の影響を受けやすく多雨となった。一方、春から夏にかけては少雨状態が続き、盛夏期を中心に記録的な渇水に襲われた。
- 東日本では歴代2位の高温となった冬で、平均気温は全国的に1度以上高かった。2月は東日本を中心に顕著な高温となった。
- 北日本では周期的に寒気の影響を受けやすかったが、東日本、西日本では強い寒気の南下は一時的で暖冬となり、日本海側では少雪だった。しかし、本州南岸を低気圧が通過しやすかったため、関東地方では頻繁に降雪、積雪があった。日本ではこの年から現在まで暖冬傾向の冬が頻発している。
- この年は寒冬になる傾向があるラニーニャでありながら記録的暖冬になり、スキー場が営業できない等の影響が出た。また日本海側の降雪量は著しく少なく、一冬を通して寒波の流入も少なかった。
- 1月後半に非常に強い寒波の流入はあったものの、12月は高温傾向で、2月は全国的に記録的な高温となった。1月31日から2月1日にかけて東日本では南岸低気圧による大雪に見舞われる。
- この年は西日本では並冬だったが、北日本では42年ぶりの記録的暖冬となり、北海道では平均気温は平年を2~3℃上回った。
- 寒気の南下は一時的で広い範囲で平均気温が平年を1℃以上上回る暖冬だった。日本海側では少雪だった。2月に南岸低気圧の通過があり、関東地方から東北地方の太平洋側で大雪が降った。
- 一冬を通して全国的暖冬。北日本、東日本、西日本で平年を1度以上上回った。日本海側は少雪で寒気の流れ込みも一時的であった。
- 20世紀最大規模のエルニーニョ現象の影響で西日本では戦後2番目の暖冬となった。また関東地方では南岸低気圧の通過が多発したため記録的大雪に見舞われた。なお、この年の南岸低気圧の多発は暖冬の影響と言えるが、一般に南岸低気圧による関東の大雪は暖冬・寒冬にかかわらず発生する。
- 短期間の強い寒波は何度かあったが、全体的には移動性高気圧に覆われ晴れて暖かい日が多く、気温は北海道で平年並の他は暖冬となった。
- 12月から1月初めまでは冬らしく推移したが、それ以降は暖冬傾向が強まり、1月、2月の平均気温は平年を大きく上回った。特に北海道で2月は記録的な暖冬となった。また3月~4月は極端な暖春となり桜の開花も全国で記録的な早さだった。
- 北日本、関東地方で顕著な暖冬となった。また、例年より低気圧の影響を受けやすかった北海道オホーツク海側では記録的な大雪となった。西日本でも暖冬傾向だったが、1月を中心に周期的に寒気の影響を受けやすかったため寒暖の変動が大きく、特に1月下旬は強い低温となる時期があった。
- この年は12月になっても冷え込みが弱く平年を大きく上回る暖かさが続き、12月5日には台風崩れの温帯低気圧が北上して暖気の影響を受けたため、関東地方では夏日となる地点が続出した。この顕著な高温傾向は12月下旬前半にかけて続いた。それ以降はようやく寒気の影響を受けるようになり、1月~2月も平均気温では平年並であったが寒暖の変動が大きく、1月下旬から2月上旬は強烈な寒波が襲来し気温が平年を大きく下回り大雪となった地点が続出した。冬(12~2月)平均では12月の顕著な高温が反映して東日本と南西諸島で暖冬となったものの、北日本日本海側や新潟県山間部では12月下旬後半以降の冬型の気圧配置や低気圧の影響で降雪量が多く、平均気温も平年並みであった。
- 1989年同様に豪雪地帯でも記録的少雪であった。スキー場は営業ができない等の影響が発生。国内の平均気温は、気象庁の統計開始以来1949年と並ぶ1位タイの歴史的暖冬となった。[1]東京都心の初雪観測が3月16日で史上最も遅い記録となった。2006年12月、2007年1月の世界の月平均気温は1891年の統計開始以来最も高く地球規模での温暖化、北半球での暖冬が観測されている。[2]
暖冬の周期性
過去の暖冬を見ても分かるが、西暦において末尾が9の年は暖冬になる確率が非常に高くその意味では理由は不明だが暖冬10年周期があるともいえる。