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ヴォルフィード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
VOLFIEDから転送)
ヴォルフィード
Volfied
ジャンル 陣取りゲーム
対応機種 アーケード (AC)
開発元 タイトー中央研究所
発売元 タイトー
デザイナー 三辻富貴朗
プログラマー こばやしよしのり
つかのとしあき
おきよういち
音楽 小倉久佳
美術 三辻富貴朗
讃岐平
栗城源也
人数 1 - 2人(交互プレイ)
メディア 業務用基板(1.41メガバイト
稼働時期 INT 1989071989年7月
対象年齢 CEROA(全年齢対象)IARC:3+
デバイス 4方向レバー
1ボタン
CPU MC68000 (@ 8 MHz)
サウンド Z80 (@ 4 MHz)
YM2203 (@ 4 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
縦モニター
320×240ピクセル
60.00Hz
パレット8192色
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ヴォルフィード』 (Volfied) は、タイトーから1989年にリリースされたアーケードゲーム。ジャンルは陣取りパズルゲームである。

QIX』(1981年)、『スーパークイックス』(1987年)の続編にあたる。グラフィック性能の向上による、とある惑星上でのスペースバトルという設定が、後付ながらも単純なルールに奥行きを持たせている。全16ステージ。

家庭用は1989年PCエンジン1991年メガドライブ(北米版タイトル『Ultimate Qix』)、FM TOWNSAmigaAtari STコモドール64PC/AT互換機2005年EZアプリにそれぞれ移植され、2008年にPCエンジン版がWii用ソフトとしてバーチャルコンソールにて配信。2024年アーケードアーカイブスの1作品としてPlayStation 4版とNintendo Switch版がされた。

その他、PlayStation用ソフトとして『SIMPLE1500シリーズ Vol.80 THE 陣取り ~ヴォルフィード1500~』(2001年)のタイトルで発売された他、PlayStation 2用ソフト『タイトーメモリーズII 下巻』に収録された。

PCエンジン版はゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」においてシルバー殿堂入りを獲得した。

ゲーム内容

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システム

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ルールはおおむね『QIX』を踏襲しており、詳しいルールは同項を参照のこと。本作ではブロックくずしに対する『アルカノイド』(1986年)のようにゲーム性を高めたリメイクが施されているのが特徴で、QIXに比べて以下のような変更がなされている。

  • 自機のラインを引く際の移動速度が一種類のみ。純粋に「どれだけの陣地を得てクリアしたか」のみを得点として評価する設計。
  • ラインを引いている間、それまで引いた場所へ引き返すことができる。
  • 自機の移動範囲内を邪魔する「スパークス」に相当するキャラが存在しない。
  • ライン作成中に、引いたラインに敵に触れた際に即ミスとならない。ライン上で自機に向かっていくスパークが発生し、それが自機に到達するとミス。接触前に領域を完成させた場合はミスとならない。
  • 敵を破壊するショット発射などのアイテムが手に入る。各面にはアイテムブロックが存在する(アイテムの無い面もある)。アイテムブロックを囲んで切り落とすとアイテム獲得となる。
  • 敵のバリエーションが豊富。各面にはそれぞれ1体のボスキャラ(『QIX』におけるクイックス)と数体の雑魚キャラが存在する。各面のボスキャラは生物を機械化したようなデザインで、それぞれ異なった動きをし、弾を発射してくる。
    • この発射された弾は、ラインを引いていない間では自機がバリア(シールド)で覆われ被弾を回避する。逆にラインを引いている間はバリアを解除するため、被弾するとミスになる。バリアは有限であり、展開中に時間経過で減少する。

アイテム

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エネルギーブロックを囲むと出現する。

  • レーザー(L) - ザコが倒せるレーザーを一定時間発射できる。ボスには無効。
  • スピード(S) - プレイヤー機がスピードアップ。
  • クラッシュ(C) - ザコを一掃出来る。
  • パワー(P) - プレイヤー機の残りシールド数が止まる。
  • タイマー(T) - 一定時間敵が停止する。
  • スペシャルショット(☆) - ボスを倒せるショットを発射できる。出現させるだけでも10万点の高得点。

クリアの条件

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  • フィールド全体の80%以上を切り取る。80.0%占領でクリアだが、99.9%に近づくほど、ボーナス点は高得点になる(最高は99.9%の50万点)。
    • ボスを最初のライン1本で80%以上を囲むことに成功すると、占領率に関わらず100万点のボーナス点が入る。ヴォルフィードにおける最大のボーナスで、得点の桁の最大が7桁のため、熟練していれば容易にカウンターストップができる。
  • スペシャルショットでボスキャラを破壊する。得点は10万点。
  • 6面のボスが分離した際にフィールドで分割して再合体できないようにするとクリアとなる。得点は1万点。ただし、ボスを分離した際に占領率が1%以内であれば100万点が得られる。
  • ある条件でフィールドの範囲に拠らずに敵が一定時間動けなくなると強制的にステージクリアとなる。得点は10万点。

ミスの条件

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  • ライン作成中に自機が敵や敵弾と接触。
  • 作成中のラインに敵や敵弾が接触すると発生するスパークが、ライン完成前の自機と接触。ただしPCエンジン版ではスパークが発生せず即ミスとなる。
  • 時間が長くかかった場合に出る機雷(アーケード版)や完成ライン上のスパーク(PCエンジン版)に自機が接触。
  • シールドの量が0になると張れなくなり、シールドラインに敵や敵弾が接触。囲み終わった完成ライン上で接触してもミスになってしまう。PCエンジン版ではライン作成中に移動を止めたらそのライン上にスパークが発生する。

移植版

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No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 ヴォルフィード 日本 198912271989年12月27日
PCエンジン タイトー タイトー 3メガビットHuCARD[1] TP01005 -
2 日本 ヴォルフィード
アメリカ合衆国 Ultimate Qix
日本 199101251991年1月25日
アメリカ合衆国 1991年
メガドライブ タイトー タイトー 2メガビットロムカセット[2] 日本 T-11103
アメリカ合衆国 11046
-
3 ヴォルフィード 日本 199112011991年12月1日
FM TOWNS ビング ビング CD-ROM - -
4 Volfied アメリカ合衆国 1991年
ヨーロッパ 1991年
Amiga
Atari ST
コモドール64
PC/AT互換機
Empire Software Empire Software フロッピーディスク - - 北米ではコモドール64版、PC/AT互換機版のみ発売
5 日本 SIMPLE1500シリーズ Vol.80
THE 陣取り ~ヴォルフィード1500~

アメリカ合衆国 Qix Neo
日本 200112202001年12月20日
アメリカ合衆国 200312012003年12月1日
PlayStation ディースリー・パブリッシャー 日本 ディースリー・パブリッシャー
アメリカ合衆国 Mud Duck Productions
CD-ROM 日本 SLPM 86971
アメリカ合衆国 SLUS-01561
-
6 ヴォルフィード 日本 2005年12月14日[3]
ボーダフォンライブ!
EZアプリ
タイトー タイトー ダウンロード - -
7 タイトーメモリーズII 下巻 日本 200703292007年3月29日
PlayStation 2 タイトー タイトー DVD-ROM SLPM-66713 - アーケード版の移植
8 ヴォルフィード 日本 200811182008年11月18日
Wii タイトー タイトー ダウンロード
バーチャルコンソール
- - PCエンジン版の移植
9 ヴォルフィード 日本 202203022022年3月2日
イーグレットツー ミニ 瑞起[4]
※本体の開発元
タイトー プリインストール - - アーケード版の移植
10 ヴォルフィード 日本 2024年3月28日[5][6][7]
PlayStation 4
Nintendo Switch
タイトー ハムスター ダウンロード
アーケードアーカイブス
- - アーケード版の移植
OLDバージョン、NEWバージョンを収録
PCエンジン版
  • 1989年12月27日発売。基本仕様は業務用と同様だが、75パーセント囲みでステージクリアや引いたラインを消せないなど内容には若干の差もあり。画面レイアウトを横側にスコアなど情報を表示し、ラウンド数が全40ラウンドへと大幅に増えていたりとアレンジ移植に近い。EDでは自機のパイロットが女性であることが判明した。
メガドライブ版
  • 1991年1月25日発売。概ね業務用準拠での仕様の移植で全16ラウンド(EDはラウンド17表記)。画面レイアウトは横置きの家庭用モニターに合わせて横長のフィールドとなっている。メガドライブ版の独自仕様として、Aモード(業務用と同じルール)、Pモード(引いたラインは消せない、アイテムブロックの中身が固定)、Qモード(引いたラインは消せない、アイテムは出現せす別ボタンで高速移動が可能と初代クイックス準拠の仕様)の3種類のモードが用意されていた。
FM TOWNS版
  • 1991年ビングより発売。業務用準拠だがCDDA演奏によるBGM演奏あり。画面レイアウトは横側にスコアなどの情報表示とPCエンジン版と同様。
PlayStation版
PlayStation 2版
PlayStation 4 / Nintendo Switch版
  • 2024年3月28日アーケードアーカイブスハムスターより発売。OLDバージョンとNEWバージョンを収録。「こだわり設定」ではスコアのカンスト上限の変更、モニター画面反転(敵の動きやパターンなどに変化が現れる)、バージョン・モニター画面反転の有無・難易度の情報表示の有無といった設定が可能。

スタッフ

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アーケード版
  • ゲーム・デザイナー:MTJ(三辻富貴朗
  • ソフトウェア:Y.K(こばやしよしのり)、TKN(つかのとしあき)、OKI(おきよういち)
  • キャラクター・デザイン:MTJ(三辻富貴朗)、T.S(讃岐平)、KRK(栗城源也)、IWB(いわぶちしのぶ)、TECチーム、V.Pチーム
  • サウンド:OGR(小倉久佳
  • ハードウェア:OHR(おはらたかし)
  • インストラクション:NGI(永井寛保)

評価

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評価
レビュー結果
媒体結果
ファミ通30/40点 (PCE)[8]
(シルバー殿堂)
26/30点 (MD)[9]
Your Sinclair77% (AC)[10]
月刊PCエンジン86/100点 (PCE)
マル勝PCエンジン31/40点 (PCE)
PC Engine FAN20.43/30点 (PCE)[1]
The Games Machine74% (PCE)[11]
Aktueller Software Markt5/12点 (PCE)[11]
5/12点 (Amiga)[12]
7/12点 (ST)[13]
5/12点 (ST)[13]
5/12点 (C64)[14]
8/12点 (DOS)[15]
7.8/12点 (MD)[16]
Amiga Power80% (Amiga)[12]
Amiga Action80% (Amiga)[12]
Commodore Format90% (C64)[14]
Raze64% (MD)[16]
メガドライブFAN17.09/30点 (MD)[2]
BEEP!メガドライブ29/40点 (MD)[17]
メガドライブ大全肯定的 (MD)[18]
受賞
媒体受賞
第3回ゲーメスト大賞年間ヒットゲーム29位[19]
アーケード版

ゲーム誌『ゲーメスト』(新声社)誌上で行われていた「第3回ゲーメスト大賞」(1989年度)において年間ヒットゲームで29位を獲得した[19]

PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では8・7・8・7の合計30点(満40点)でシルバー殿堂入りを獲得[8]、『月刊PCエンジン』では85・85・85・90・85の平均86点、『マル勝PCエンジン』では8・7・8・8の合計31点(満40点)、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、20.43点(満30点)となっている[1]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で305位(485本中、1993年時点)となっている[1]

項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 3.13 2.91 3.50 3.89 3.19 3.82 20.43
メガドライブ版
  • ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計26点(満40点)になっている[9]
  • ゲーム誌『メガドライブFAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、17.09点(満30点)となっている[2]
項目 キャラクタ 音楽 操作性 熱中度 お買得度 オリジナリティ 総合
得点 2.44 2.40 2.73 3.27 2.85 3.40 17.09
  • ゲーム誌『BEEP!メガドライブ』の「BEメガ・ドッグレース」では7、6、8、8の合計29点[17]。レビュアーは「画面は横になったがほぼ完璧な移植で3モードがあるのが素晴らしく結構長く遊べる」「この内容で4900円なのは評価点」「リメイクであるため本作を面白いと思えるかは個人差がありQIXより一般向けにアレンジされているが、それでもハマった」と好評価する者と「個人的にオリジナルの不気味さが好みだった」とする者で分かれた。また、「パッドでは操作性がかなり低下してしまう」とした[17]
  • ゲーム本『メガドライブ大全』(2004年太田出版)では、「当時のライバル機、PCエンジンでも発売されて、『見栄えはPCエンジン、ゲームの中味はメガドラ版』と評価を二分する形となった」、「アーケード版は、伸ばしたラインを敵に触られても、しばらく持ちこたえるが、PCエンジン版は即死してしまう。魅惑の『一発でボスを囲んで瞬殺(10万点)』ができない。(中略)ゲーセンと同じ攻略法を家庭でも使えるメガドラ版は捨てがたい」と評している[18]

脚注

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  1. ^ a b c d 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、7頁。 
  2. ^ a b c 「7月号特別付録 メガドライブ&ゲームギア オールカタログ'93」『メガドライブFAN』第5巻第7号、徳間書店、1993年7月15日、95頁。 
  3. ^ 「ボーダフォンライブ!」に新コンテンツが登場!名作、陣取りアクションゲーム『ヴォルフィード』を配信開始!!”. ニュースリリース[モバイル]. タイトー (2005年12月12日). 2005年12月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年4月12日閲覧。
  4. ^ EGRET II mini(瑞起公式サイト)
  5. ^ 【アケアカ】『ヴォルフィード』Switch/PS4で3月28日配信。パワーアップアイテムを駆使しながらクリアーを目指す陣取りパズルゲーム”. ファミ通.com. KADOKAWA (2024年3月27日). 2024年3月28日閲覧。
  6. ^ 簗島 (2024年3月27日). “「アーケードアーカイブス ヴォルフィード」,3月28日配信。1989年にタイトーから発売された陣取りゲーム”. 4Gamer.net. Aetas. 2024年3月28日閲覧。
  7. ^ 緑里孝行 (2024年3月27日). “「アーケードアーカイブス ヴォルフィード」が3月28日より配信開始! タイトーの陣取りゲームがアケアカに登場”. GAME Watch. インプレス. 2024年3月28日閲覧。
  8. ^ a b ヴォルフィード まとめ [PCエンジン]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年5月17日閲覧。
  9. ^ a b ヴォルフィード まとめ [メガドライブ]” (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2016年4月9日閲覧。
  10. ^ Volfied for Arcade (1989)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月27日閲覧。
  11. ^ a b Volfied for TurboGrafx-16 (1989)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月27日閲覧。
  12. ^ a b c Volfied for Amiga (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月27日閲覧。
  13. ^ a b Volfied for Atari ST (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月27日閲覧。
  14. ^ a b Volfied for Commodore 64 (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月27日閲覧。
  15. ^ Volfied for DOS (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月27日閲覧。
  16. ^ a b Volfied for Genesis (1991)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2018年4月27日閲覧。
  17. ^ a b c BEEP!メガドライブ 1991年2月号 28ページ
  18. ^ a b 「Chapter 03 1990年」『メガドライブ大全(企画・編集:CONTINUE)』太田出版、2004年9月29日、65頁。ISBN 9784872338805 
  19. ^ a b 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、20 - 21頁、ISBN 9784881994290 

関連項目

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  • QIX(1981年)

外部リンク

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