コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ザ・ダウンワード・スパイラル

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
The downward spiralから転送)
『ザ・ダウンワード・スパイラル
The Downward Spiral』
ナイン・インチ・ネイルズスタジオ・アルバム
リリース
録音 1992年 - 1993年、ロサンゼルス
ジャンル インダストリアル・ロック
オルタナティヴ・ロック
時間
レーベル ナッシング・レコードインタースコープ・レコード
プロデュース トレント・レズナーフラッド
ナイン・インチ・ネイルズ アルバム 年表
プリティ・ヘイト・マシーン
(1989年)
ザ・ダウンワード・スパイラル
(1994年)
ザ・フラジャイル
(1999年)
テンプレートを表示

ザ・ダウンワード・スパイラル』(The Downward Spiral)は、ナイン・インチ・ネイルズ1994年3月に発表したセカンド・アルバムである。アメリカビルボード誌で初登場2位を記録し、現在に至るまでナイン・インチ・ネイルズの代表作と言われ続けている。

リリースはナッシング・レコードから、配給はインタースコープ・レコードが手がけている。

『ローリング・ストーン誌が選ぶオールタイム・グレイテスト・アルバム500』に於いて、122位にランクイン[1]

収録曲

[編集]

以下にアメリカ盤(オリジナル)の収録曲を記載する。ヨーロッパ盤の収録曲も同様であるが、日本盤のみジョイ・ディヴィジョンのカヴァー"Dead Souls"が10曲目に収録されている。

  1. Mr. Self Destruct
  2. Piggy
  3. Heresy
  4. March Of The Pigs
  5. Closer
  6. Ruiner
  7. The Becoming
  8. I Do Not Want This
  9. Big Man With A Gun
  10. A Warm Place
  11. Eraser
  12. Reptile
  13. The Downward Spiral
  14. Hurt

特徴

[編集]

当時のトレント・レズナーの心理状態、1990年代のアメリカを取り巻く厭世観がはっきりと表れた作品である。当時のレズナーの心理状態としては1曲目のタイトルが「Mr. Self Destruct(ミスター自己破滅願望)」となっているように自己嫌悪、または"Eraser"と言うタイトル(あるいはその歌詞)で聴く事の出来るような疎外感がテーマとなっている。しかしその一方で"Closer"では他者とのコミュニケーション願望が表れているなど、矛盾や混沌に満ちた作品でもある。そうした自己の中に生まれた混乱は更に閉塞感までを生み出し、それ故に作品全体が大変に陰鬱な雰囲気で覆われている。

同じようなテーマを持った作品にピンク・フロイド1979年に発表した「ザ・ウォール」があり、その類似性についてはレズナー本人が「ザ・ウォール」からインスピレーションを受けて作成したと公言している。

制作にまつわるエピソード

[編集]
  • 本作をレコーディングする際に、レズナーは家を借りている(「LE PIG Studio」と名付けられた)。その家は1969年チャールズ・マンソンによって起こされた「シャロン・テート殺人事件」の現場となった家であった。レズナーは知らずに借りたという事だが、レコーディング終了後にこの家を手放している。現在この家は取り壊されているが、玄関のドアだけは取り壊しの前にレズナーが持ち帰り、新たなスタジオであるニューオリンズのNothing Studioの入り口に取り付けられた。殺人事件の時、このドアにはチャールズ・マンソンの信者たちによるPIGという殴り書きが残されており、さらにその文字は殺害されたシャロン・テートの血によって書かれていた。
  • 本作からは"March Of The Pigs"、"Closer"がシングル・カットされ、両曲ともビデオ・クリップも作成された。"Closer"のビデオは作中に十字架に張り付けられたサルが出てくるシーンが問題となり、テレビではその部分はカットされている。また、その後に"Eraser"、"Hurt"の2曲のライブ映像がそのままビデオ・クリップとなった。
  • リリース後にツアーの一環で1994年に開催された『ウッドストック 1994』に出演した。メンバー全員が泥まみれになったまま行われたステージングは大きな話題となった。その模様を収めた海賊版ビデオも多数出回るが、中には日本の衛星放送を録画しただけの劣悪な物もあった。公式な作品としては"The Only time"、"Sanctified"のパフォーマンスが、ビデオ作品集『Closure』に収録されるに留まった。

脚注

[編集]
  1. ^ The 500 Greatest Albums of All Time” (英語). Rolling Stone (2020年9月22日). 2021年12月28日閲覧。

外部リンク

[編集]