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TJ・ディラショー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
TJディラショーから転送)
TJ・ディラショー
2017年
本名 タイラー・ジェフリー・ディラショー
(Tylor Jeffery Dillashaw)
生年月日 (1986-02-07) 1986年2月7日(38歳)
出身地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
カリフォルニア州ソノラ[1]
居住 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
コロラド州デンバー
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
身長 168 cm (5 ft 6 in)
体重 61 kg (134 lb)
階級 バンタム級 (2010年 - )
フライ級 (2019年)
リーチ 170 cm (67 in)
拠点 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
コロラド州デンバー
チーム チーム・アルファメール (2009年 - 2015年)
エレベーション・ファイトチーム (2015年 - 2017年)
トレイニング・ラボ (2017年 - )
ハンティントンビーチ・アルティメット・トレーニングセンター (2018年 - )
ラドウィック・マーシャル・アーツ
トレーナー ドゥエイン・ラドウィック (ヘッドコーチ、キックボクシング)
マーク・ムニョス (レスリング)
サム・カラヴィッタ (コンディショニング)
フィリップ・デラ・モニカ (ブラジリアン柔術)
ランク バン・ムエタイ (黒帯)
ブラジリアン柔術 (紫帯)
レスリング NCAAディビジョン1
現役期間 2010年 -
総合格闘技記録
試合数22
勝利17
ノックアウト8
タップアウト3
判定6
敗戦5
ノックアウト3
判定2
アマチュア総合格闘技記録
試合数1
勝利1
敗戦0
その他
大学 カリフォルニア州立大学フラトン校
子供 1人
ウェブサイト https://www.tjdillashaw.com/
総合格闘技記録 - SHERDOG
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TJ・ディラショーTJ Dillashaw1986年2月7日 - )は、アメリカ合衆国男性総合格闘家カリフォルニア州ソノラ出身。元UFC世界バンタム級王者。

来歴

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高校・大学とレスリング部に所属。高校時代に優秀な成績を収めたことでカリフォルニア州立大学フラトン校にフルライドの奨学金(学費だけでなく寮費・生活費も受け取れる奨学金)を受けて入学、NCAAディビジョン1で活躍した。

大学卒業後に大学時代のレスリングコーチだったマーク・ムニョスの伝手で総合格闘技の練習を始め、2010年にプロ総合格闘家デビュー[1]。4勝無敗の戦績でThe Ultimate Fighterに参加した。

The Ultimate Fighter

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2011年リアリティ番組The Ultimate Fighter」のシーズン14マイケル・ビスピン率いるチーム・ビスピン所属で参加。バンタム級トーナメント1回戦でチーム・ミラーのローランド・デロームを一本勝ちで下し、準決勝ではダスティン・ペイグに3-0の判定勝ちを収め決勝進出を果たした。

2011年12月3日、The Ultimate Fighter 14 Finaleのバンタム級トーナメント決勝でジョン・ドッドソンと対戦し、左フックでダウンを奪われパウンドで1RTKO負け。キャリア5戦目で初黒星を喫した[2]

UFC

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2012年2月15日、UFC本戦初出場となったUFC on Fuel TV 1でワレル・ワトソンと対戦し、3-0の判定勝ち[3]

2013年10月9日、UFC Fight Night: Maia vs. Shieldsでバンタム級ランキング5位のハファエル・アスンソンと対戦し、1-2の判定負け。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。海外のMMAメディアサイトの採点では13人中10人の記者がディラショーの勝利を支持した[4]

2014年1月15日、UFC Fight Night: Rockhold vs. Philippouでバンタム級ランキング7位のマイク・イーストンと対戦し、3-0の判定勝ち[5]

UFC世界王座獲得

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2014年5月24日、UFC 173のUFC世界バンタム級タイトルマッチで王者ヘナン・バラオンに挑戦。試合前はブックメーカーオッズで1.1倍対6.7倍と圧倒的不利と見られていたが[6]、1Rに右フックでダウンを奪うなど序盤からバラオンを圧倒し、5Rに左ハイキックでぐらつかせ、直後にパンチ連打からの左フックでダウンを奪い、追撃のパウンドで下馬評を覆すTKO勝ちを収め王座獲得に成功。ファイト・オブ・ザ・ナイトとパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを同時受賞した。当初は同大会で水垣偉弥と対戦する予定であったが、バラオンに挑戦予定だったハファエル・アスンソンが欠場したため、アスンソンの代わりとしてバンタム級タイトルマッチに出場する事となった[7]

2014年8月30日、UFC 177のUFC世界バンタム級タイトルマッチで挑戦者ジョー・ソトと対戦。5Rに右ハイキックからの左ストレートでKO勝ち。王座の初防衛に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。当初は同大会でヘナン・バラオンと再戦する予定であったが、バラオンが試合前日に体調不良となり欠場したため、同大会で別の選手と対戦予定であったソトが急遽王座挑戦することが決まった[8]

2015年7月25日、UFC on FOX 16のUFC世界バンタム級タイトルマッチでバンタム級ランキング1位の挑戦者ヘナン・バラオンと再戦し、スタンドパンチ連打で4RTKO勝ち。2度目の王座防衛に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[9]

2015年10月、長年所属したチーム・アルファメールを離脱しエレベーション・ファイトチームに移籍した。

2016年1月17日、UFC Fight Night: Dillashaw vs. CruzのUFC世界バンタム級タイトルマッチでバンタム級ランキング1位の挑戦者ドミニク・クルーズと対戦。一進一退の攻防を繰り広げたものの、僅差で1-2(47-48、49-46、46-49)の5R判定負け。3度目の防衛に失敗し、王座から陥落した。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[10]

2016年7月9日、UFC 200でバンタム級ランキング3位のハファエル・アスンソンと再戦し、3-0の判定勝ち。3年9カ月越しのリベンジを果たした[11]

2016年12月30日、UFC 207でバンタム級ランキング2位のジョン・リネカーと対戦し、3-0の判定勝ち[12]

UFC世界王座再獲得

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2017年4月、リアリティ番組The Ultimate Fighter」の25シーズンにコーディ・ガーブラントと共にそれぞれのチームのコーチを務めた[13]

2017年11月4日、UFC 217のUFC世界バンタム級タイトルマッチで元チームメイトの王者コーディ・ガーブラントに挑戦。1R終盤に右フックでダウンを奪われるも、2R中盤に左ハイキックでダウンを奪い返し、最後は右フックでダウンを奪い、追撃のパウンドで2RKO勝ち。王座再獲得に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[14]

2018年8月4日、UFC 227のUFC世界バンタム級タイトルマッチでバンタム級ランキング1位の挑戦者コーディ・ガーブラントとダイレクトリマッチを行う。1R中盤に右フックの3連発でダウンを奪い、1R終盤にスタンドパンチ連打でTKO勝ち。王座の初防衛に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[15]

2019年1月19日、UFC Fight Night: Cejudo vs. DillashawのUFC世界フライ級タイトルマッチで一階級下のUFC世界フライ級王者ヘンリー・セフードに挑戦し、右フックでダウンを奪われパウンドで開始32秒のTKO負け。フライ級王座獲得に失敗した[16]

ドーピング・世界王座返上

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2019年3月20日、ディラショーがインスタグラムでヘンリー・セフード戦で自身にアンチ・ドーピング規則違反があったため、バンタム級王座を返上することを発表した。この直後にニューヨーク州アスレチック・コミッションはディラショーに1年間の出場停止と1万ドルの罰金を科したことを発表した[17]。4月9日、調査と裁定を完了した米国アンチドーピング機関(USADA)が、ディラショーのアンチ・ドーピング規則違反が、2019年1月19日に開催されたUFC Fight Night: Cejudo vs. Dillashawの試合後に実施された競技内薬物検査での組換えヒトエリスロポエチン(rHuEPO)の陽性反応検出だったこと及び、ディラショーに2年間の出場停止を科したことを発表した[18][19][20]

2021年7月24日、2年半ぶりの復帰戦となったUFC on ESPN: Sandhagen vs. Dillashawでバンタム級ランキング2位のコーリー・サンドヘイゲンと対戦し、2-1の5R判定勝ち。なお、ディラショーは1R終盤に左膝の内側半月板をバケツ柄状断裂、外側半月板と後十字靱帯を断裂し試合後に手術を受けた[21][22]

2022年10月22日、UFC 280のUFC世界バンタム級タイトルマッチで王者アルジャメイン・スターリングに挑戦。開始直後にテイクダウンを奪われた際に左肩を脱臼し、2RにパウンドでTKO負け。王座獲得に失敗した[23]

2022年12月5日、UFCへ引退を通知したことが発表された[24]

ファイトスタイル

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独特の構えとステップで角度をつけたポジションから繰り出す鋭く精度が高いパンチと、ノーモーションで見えづらい変則的なハイキックを得意としている。また、2015年にチーム・アルファメールからエレベーション・ファイトチームに移籍してからは、テイクダウン能力やグラウンドでの攻防が向上し穴のないオールラウンダーとなった。さらに、5Rをフルに動き続ける豊富なスタミナと優れたリカバリー能力を持つ。

人物・エピソード

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戦績

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総合格闘技

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総合格闘技 戦績
22 試合 (T)KO 一本 判定 その他 引き分け 無効試合
17 8 3 6 0 0 0
5 3 0 2 0
勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
× アルジャメイン・スターリング 2R 3:44 TKO(パウンド) UFC 280: Oliveira vs. Makhachev
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2022年10月22日
コーリー・サンドヘイゲン 5分5R終了 判定2-1 UFC on ESPN 27: Sandhagen vs. Dillashaw 2021年7月24日
× ヘンリー・セフード 1R 0:32 TKO(パウンド) UFC Fight Night: Cejudo vs. Dillashaw
【UFC世界フライ級タイトルマッチ】
2019年1月19日
コーディ・ガーブラント 1R 4:10 TKO(スタンドパンチ連打) UFC 227: Dillashaw vs. Garbrandt 2
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2018年8月4日
コーディ・ガーブラント 2R 2:41 KO(右フック→パウンド) UFC 217: Bisping vs. St-Pierre
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2017年11月4日
ジョン・リネカー 5分3R終了 判定3-0 UFC 207: Nunes vs. Rousey 2016年12月30日
ハファエル・アスンソン 5分3R終了 判定3-0 UFC 200: Tate vs. Nunes 2016年7月9日
× ドミニク・クルーズ 5分5R終了 判定1-2 UFC Fight Night: Dillashaw vs. Cruz
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2016年1月17日
ヘナン・バラオン 4R 0:35 TKO(スタンドパンチ連打) UFC on FOX 16: Dillashaw vs. Barao 2
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2015年7月25日
ジョー・ソト 5R 2:20 KO(右ハイキック→パウンド) UFC 177: Dillashaw vs. Soto
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2014年8月30日
ヘナン・バラオン 5R 2:26 TKO(左フック→パウンド) UFC 173: Barao vs. Dillashaw
【UFC世界バンタム級タイトルマッチ】
2014年5月24日
マイク・イーストン 5分3R終了 判定3-0 UFC Fight Night: Rockhold vs. Philippou 2014年1月15日
× ハファエル・アスンソン 5分3R終了 判定1-2 UFC Fight Night: Maia vs. Shields 2013年10月9日
ウゴ・ヴィアナ 1R 4:22 TKO(パウンド) UFC on FOX 7: Henderson vs. Melendez 2013年4月20日
田村一聖 2R 0:26 KO(左ハイキック→パウンド) UFC 158: St-Pierre vs. Diaz 2013年3月16日
ヴァウアン・リー 1R 2:33 ネッククランク UFC on Fuel TV 4: Munoz vs. Weidman 2012年7月11日
ワレル・ワトソン 5分3R終了 判定3-0 UFC on Fuel TV 1: Sanchez vs. Ellenberger 2012年2月15日
× ジョン・ドッドソン 1R 1:54 TKO(左フック→パウンド) The Ultimate Fighter 14 Finale
【バンタム級トーナメント 決勝】
2011年12月3日
テイラー・マコーストン 3R 1:07 TKO(パンチ連打) Capitol Fighting Championships 2010年11月20日
マイク・スアレス 1R 2:42 リアネイキドチョーク Rebel Fighter: Domination 2010年10月2日
ブランドン・ドラッカー 1R 2:46 リアネイキドチョーク Fight For Wrestling 1 2010年5月22日
シーザー・スクラヴォス 5分3R終了 判定3-0 KOTC: Legacy 2010年3月26日

総合格闘技エキシビション

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勝敗 対戦相手 試合結果 大会名 開催年月日
ダスティン・ペイグ 5分3R終了 判定3-0 The Ultimate Fighter: Team Bisping vs. Team Miller 2011年7月12日
ローランド・デローム 2R 1:44 ギロチンチョーク The Ultimate Fighter: Team Bisping vs. Team Miller 2011年7月6日
マット・ジャガーズ 1R終了 TKO(棄権) The Ultimate Fighter: Team Bisping vs. Team Miller 2011年6月7日

獲得タイトル

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  • 第3代UFC世界バンタム級王座(2014年)
  • 第6代UFC世界バンタム級王座(2017年)

表彰

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  • UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(3回)
  • UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(5回)
  • World MMA Awards アップセット・オブ・ザ・イヤー(2014年/ヘナン・バラオン戦)

脚注

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  1. ^ a b c TJ・ディラショー UFC公式サイト
  2. ^ 【TUF14】黄金の左一閃。ドッドソン、バンタム級ウィナーに MMAPLANET 2011年12月4日
  3. ^ UFC on FUEL Results: T.J. Dillashaw Beats Walel Watson MMA Fighting 2012年2月15日
  4. ^ Raphael Assunção defeats T.J. Dillashaw MMA Decisions 2013年10月9日
  5. ^ UFC Fight Night 35 results: T.J. Dillashaw outclasses Mike Easton for unanimous decision win Bloody Elbow 2017年1月15日
  6. ^ UFC 173 Betting Preview: Renan Barao Heavily Favored vs. TJ Dillashaw ODDSSHARK.COM
  7. ^ UFC 173 results, photos: T.J. Dillashaw destroys Renan Barao to win title MMA Junkie 2014年5月25日
  8. ^ UFC 177 Results: TJ Dillashaw Grabs Late Knockout Over Joe Soto Yahoo!ニュース 2014年8月31日
  9. ^ TJ Dillashaw stops Renan Barao again, defends bantamweight title ESPN 2015年7月26日
  10. ^ UFC FIGHT NIGHT 81 RESULTS: DOMINICK CRUZ REGAINS TITLE WITH SPLIT DECISION OVER TJ DILLASHAW MMA Weekly 2016年1月18日
  11. ^ UFC 200 results: TJ Dillashaw gets revenge, shuts out Raphael Assuncao MMA Mania 2016年7月9日
  12. ^ UFC 207: TJ Dillashaw steamrolls John Lineker in dominant fashion Fansided 2016年12月31日
  13. ^ Watch: Team Alpha Male Confront TJ Dillashaw On TUF 25 Over Infamous “Snake In The Grass” Move In Heated Scene Pundit Arena 2017年4月27日
  14. ^ UFC 217 Results: T.J. Dillashaw Knocks Out Cody Garbrandt to Reclaim Bantamweight Title Cageside Press 2017年11月5日
  15. ^ UFC 227 results, highlights: TJ Dillashaw knocks out Cody Garbrandt to retain bantamweight title CBSスポーツ 2018年8月5日
  16. ^ UFC Brooklyn results: Henry Cejudo blasts T.J. Dillashaw by 1st-round TKO; Greg Hardy disqualified Sporting News 2019年1月20日
  17. ^ T.J. Dillashaw announces he's 'voluntarily relinquishing' UFC title after adverse USADA findingMMA Junkie 2019年3月20日
  18. ^ USADA suspends Dillashaw 2 years for EPO useESPN 2019年4月10日
  19. ^ What TJ Dillashaw's 2-year PED suspension means for UFCESPN 2019年4月10日
  20. ^ TJ Dillashaw Accepts Sanction for Violation of UFC Anti-Doping PolicyUSADA 2019年4月9日
  21. ^ T.J. Dillashaw reveals recovery timetable following knee surgery, hopes to fight for UFC title in early 2022 MMA Fighting 2021年8月9日
  22. ^ T.J. Dillashaw to undergo knee surgery after UFC on ESPN 27 win over Cory Sandhagen MMA Junkie 2021年7月27日
  23. ^ UFC 280: Aljamain Sterling Capitalizes on T.J. Dillashaw Injury for Successful Title Defense Cageside Press 2022年10月22日
  24. ^ T.J. Dillashaw notifies UFC of retirement following latest shoulder surgeryMMA Fighting 2022年12月5日
  25. ^ Team Alpha Male fighter: T.J. Dillashaw was 'one of the worst training partners of all time' SBNATION 2016年7月29日
  26. ^ T.J. Dillashaw’s 12 Tattoos & Their Meanings Body Art Guru

関連項目

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外部リンク

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前王者
ヘナン・バラオン
第3代UFC世界バンタム級王者

2014年5月24日 - 2016年1月17日

次王者
ドミニク・クルーズ
前王者
コーディ・ガーブラント
第6代UFC世界バンタム級王者

2017年11月4日 - 2019年3月20日

空位
次タイトル獲得者
ヘンリー・セフード