SUSE
種類 | 非公開会社 |
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業種 | ソフトウェア |
設立 | フュルト (1992年9月2日 )[1] |
創業者 |
|
本社 | 、 |
事業地域 | 多国籍 |
主要人物 | Nils Brauckmann(CEO) |
製品 | |
売上高 | US$253.8 million(2016)[2] |
従業員数 | 1000[3] |
親会社 | EQT |
ウェブサイト |
www |
SUSE(/ˈsʊːsʌ/ soo'-suh[4][5])はドイツを拠点とし、ビジネス顧客向けのLinux製品を開発・販売する、オープンソースソフトウェア多国籍企業である。1992年に創設され、企業向けに商用Linuxを販売した初の会社となった。SUSEはコミュニティ支援でopenSUSEを開発しているopenSUSEプロジェクトの主要なスポンサーである。
歴史
[編集]1992年9月2日、Roland Dyroff、Burchard Steinbild、Hubert MantelそしてThomas FehrがSoftware and Systems Development Corporation(独: Gesellschaft für Software und Systementwicklung mbH)を創設した。SuSEという名前はSoftware- und System-Entwicklung(英: Software and Systems Development)の頭字語である[1]。最初に販売されたLinux製品はSlackwareを拡張したLinuxディストリビューションであり、フロッピーディスク40枚から構成された。S.u.S.EはSlackwareの創設者であるパトリック・ボルカーディングと協力してこのディストリビューションをドイツ語に翻訳した。このディストリビューションの中核部はSlackwareのままであったが、1996年5月にS.u.S.EはFlorian La Rocheにより発表されたJurixをベースとした独自のLinuxディストリビューションをリリースした。
1997年、S.u.S.E.はカリフォルニア州オークランドにオフィスをオープンし、1998年にフュルトからニュルンベルクへと本社を移転した。1998年12月に社名がS.u.S.E.からSuSEへと変更され、その翌年にSUSEは6つの国内支店と4つの国際支店(アメリカ、チェコ、イギリス、イタリア)をオープンした。2002年11月25日にRichard SeibtがCEOとなった。香港ではSUSEの製品はTriTech Distribution Limitedにより配布される[6]。
ノベルによる買収
[編集]2003年11月4日、ノベルは2億1,000万USドルでSuSE Linux AGの買収を発表した[7]。ノベルはNetWareカーネルから移行中であり、この買収をNetWare顧客に対する移行パスとして利用した[8]。2004年1月13日に買収が完了し[9]、社名がSuSE Linux AGから、SuSE Linux GmbHおよびSUSE Linux Products GmbHへと変更され、ノベルの子会社になった。SUSE Linux Products GmbHはSUSE Linux開発への完全な責任があり、Markus Rexが率いた。移行中にパートナーと販売組織は両方ともノベルに集約された。Richard SeibtがノベルEMEAのCEOとなったが、2005年5月9日に退任した。
2005年8月にopenSUSEコミュニティプロジェクトが開始され、外部のユーザーや開発者にSUSE Linuxの開発が公開された。SUSE Linux EnterpriseはopenSUSEコミュニティを利用して開発されている。
Attachmateによる買収
[編集]2011年4月27日にノベルはThe Attachmate Groupにより買収されたが、その新しいオーナーの下でもSUSEは独立した会社のままであった[10]。2012年6月、ノベルの所有中に解雇された多くの元SUSE技術者が戻ってきた[11]。
Attachmateとマイクロフォーカスの合併
[編集]2014年11月20日にThe Attachmate Groupとマイクロフォーカスとの合併が決定し、マイクロフォーカスはSUSEの新しい親会社となった[12][13]。2016年11月、マイクロフォーカスがヒューレット・パッカード・エンタープライズ (HPE) のソフトウェア資産を買収したことに伴い、SUSEが HPE のソフトウェア資産、人材を継承して吸収した[14]。SUSEはマイクロフォーカスグループ内における半自律的なビジネスユニットとして経営されており、元社長であるNils BrauckmannがCEOおよびマイクロフォーカスグループの重役メンバーに昇格している[15]。
EQTへの売却
[編集]2018年7月、マイクロフォーカスからEQTに売却されることが発表[16]。2019年3月15日に買収が完了し、再び独立企業となった[17][18]。
製品
[編集]2006年7月にSUSE Linux Enterprise 10プラットフォームが開始され、このプラットフォームはほぼ同一のコードベースを搭載したサーバとデスクトップの両方の基盤となった。
サーバ
[編集]SUSE製の主要なサーバLinuxディストリビューションはSUSE Linux Enterprise Server ("SLES") である。このディストリビューションは物理的、仮想的、さらにクラウドによるワークロードに適しており、巨大な組織をターゲットとしている。全てのバージョンが、x86、ARM[19] 、x86-64、POWER[20]、IBM S/390とzSeries[21] 、またはItaniumなどの多様なプロセッサアーキテクチャで利用可能である。SUSE Linux Enterprise Server 11および12の体験版はサイトから利用可能である[22]。SLESはAmazon EC2[23]、Microsoft Azure[24]およびGoogle Compute Engine上で[25]、オンデマンドまたはBring-Your-Own-Subscription ("BYOS") イメージの両方で利用可能である。
サーバ製品ベースの提供物
[編集]- SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications[26] - SAPのワークロードに最適化されたLinuxオペレーティングシステム。
- SUSE Linux Enterprise Point of Service[27] - 小売産業向けLinuxオペレーティングシステムで、ユーザータッチポイントと店内サーバに合わせたLinuxのバージョンが含まれる。
- SUSE Linux Enterprise High Performance Computing[28] - ハイパフォーマンスコンピュータ用のインフラソリューション。
- SUSE Linux Enterprise High Availability Extension[29] - オープンソースの密結合クラスタリングとストレージレプリケーション技術[30]の統合スイート。
- SUSE Linux Enterprise Real Time Extension - SUSE Linux Enterprise Serverのアドオンで、一般的用途のオペレーティングシステムをリアルタイムオペレーティングシステムに変える。
サーバ製品の特殊なエディション
[編集]SUSE Linux Enterprise Serverには、各パートナーシップの背景で作成された、最適化されたエディションがいくつかある。これらのエディションは基本となるサーバ製品から開発されている:
- SLES for VMware[31] - 権利はVMware vSphereに含まれていた。製品の提供終了が発表されている。
- SLES for Amazon EC2[23]
- SLES for Microsoft Azure[24]
- SLES for Raspberry Pi[32] - Raspberry Pi 3 Model B用に作られたARM用SUSE Linux Enterprise Serverの特別なパッケージバージョン。
デスクトップ
[編集]- SUSE Linux Enterprise Desktop[33] - Novell Linux Desktopの後継。
- SUSE Linux Enterprise Workstation Extension[34] - SUSE Linux Enterprise Serverにデスクトップ機能と追加するアドオン拡張。
- LibreOfficeオフィス製品スイート[35] - SUSEが配布およびサポートしており、さらにSUSEからLibreOfficeとして販売されている。
管理およびクラウド
[編集]以下にSUSEソフトウェア管理およびクラウドツールを挙げる:
- SUSE OpenStack Cloud[36] - Infrastructure-as-a-Serviceプライベートクラウドを開発して管理するための、OpenStackをベースとした自動化されたクラウドコンピューティングプラットフォーム。
- SUSE Manager[37] - パッケージやパッチ管理、システムプロビジョニング、および監視用であるSpacewalkをベースとした、包括的Linuxサーバ管理ツール。
- SUSE Enterprise Storage[38] - コスト効率、復元力、さらにスケーラブルなストレージのためにコモディティサーバやディスクドライブを使用することを可能とする、Cephをベースとしたソフトウェア定義ストレージツール。
- SUSE Container as a Service Platform[39] - Kubernetesをベースとした、コンテナベースアプリケーションおよびサービス用プラットフォームを開発およびホストするためのアプリケーション。
- SUSE Studio[40] - オペレーティングシステム、設定、アプリケーションおよびデータを含んだシステムイメージをビルドするフリーのウェブベースのツール。
合併と買収
[編集]SUSEの最初の技術買収は2016年で、ドイツのIT企業であるit-novumからopenATTIC、オープンソースであるCeph、およびストレージ管理フレームワークなどのソフトウェア資産を買収した[41]。
脚注
[編集]- ^ a b “SUSE History”. SUSE. 29 January 2013閲覧。
- ^ “Micro Focus Annual Report”. Micro Focus (April 30, 2016). 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE welcomes 1000th employee”. www.suse.com. 2017年6月2日閲覧。
- ^ SUSE (3 April 2019). How do you say SUSE?).
- ^ SuSE FAQ - ウェイバックマシン(2002年6月6日アーカイブ分)
- ^ “tritech”. www.ttdist.com. 2016年1月4日閲覧。
- ^ Shankland, Stephen (4 November 2003). “Novell to acquire SuSE Linux”. CNET. 29 January 2013閲覧。
- ^ “Novell Announces Agreement to Acquire Leading Enterprise Linux Technology Company SUSE LINUX”. Novell (4 November 2003). 29 January 2013閲覧。
- ^ “Novell Completes Acquisition of SUSE LINUX”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SuSE becomes separate Attachmate division”. ComputerWeekly.com (18 May 2011). 29 January 2013閲覧。
- ^ DiDidio, Laura (June 2012). “Michael Miller Q&A: SUSE and Attachmate Group”. ITIC. 29 January 2013閲覧。
- ^ “The Attachmate Group Completes Acquisition of Novell”. The Attachmate Group (27 April 2011). 29 January 2013閲覧。
- ^ https://www.novell.com/ja-jp/news/press/2014/11/micro-focus-international-completes-merger-with-the-attachmate-group.html Micro Focus International、Attachmate Groupとの合併完了を発表
- ^ https://www.suse.com/newsroom/post/2016/suse-acquires-openstack-iaas-and-cloud-foundry-paas-talent-and-technology-assets-from-hpe-to-accelerate-growth-and-entry-into-new-markets/
- ^ “Micro Focus International plc Announcement of Board Changes”. otp.investis.com. 2017年6月5日閲覧。
- ^ “SUSE Partners with Growth Investor EQT to Continue Momentum, Strategy Execution and Product Expansion”. 2018年7月3日閲覧。
- ^ https://www.suse.com/c/ja/news/suse-completes-move-to-independence-reaffirms-commitment-to-customers-partners-and-open-source-communities-as-industrys-largest-independent-open-source-company/
- ^ “2019年3月20日 SUSE,ふたたび独立企業になる”. 技術評論社 (2019年3月20日). 2019年5月20日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise Server for ARM”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise Server on IBM Power Systems”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise Server for z Systems and LinuxONE”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “Linux Downloads”. SUSE. 29 January 2013閲覧。
- ^ a b “SUSE Linux Enterprise Server for Amazon EC2”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ a b “SUSE Linux Enterprise Server for Azure”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise Server for Google Compute Engine”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications”. 2017年5月11日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise Point of Service”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise High Performance Computing”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise High Availability Extension”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ Distributed Replicated Block Device (DRBD)
- ^ “SUSE Linux Enterprise Server for VMware”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise Server for Raspberry Pi”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise Desktop”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Linux Enterprise Workstation Extension”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Partners with Collabora to Deliver Commercial LibreOffice Support”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE OpenStack Cloud”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Manager”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Enterprise Storage”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE CaaS Platform”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Studio”. 2017年10月16日閲覧。
- ^ “SUSE Poised for Greater Growth in Software-defined Storage Market by Acquiring openATTIC Storage Management Assets from it-novum”. www.suse.com. 2017年6月5日閲覧。
外部リンク
[編集]関連項目
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