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スピッティング・イメージ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Spitting Imageから転送)
スピッティング・イメージ
ジャンル 政治風刺
ブラックコメディ
声の出演 Chris Barrie
Harry Enfield
Jon Glover
Louise Gold
Steve Nallon
Kate Robbins
John Sessions
et al.
国・地域 イギリス
シリーズ数 18
話数 131
各話の長さ 30-60 分
製作
製作 Spitting Image Productions
Central Independent Television
配給 [TV Studios
放送
放送チャンネルITV
放送期間26 February 1984 - 18 February 1996
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スピッティング・イメージ』(Spitting Image)は、Peter Fluck、Roger Law、Martin Lambie-Nairnらによって制作されたイギリスの風刺人形劇である。このシリーズはSpitting Image ProductionsによってCentral Independent Television向けに制作され、18エピソードがITV(Channel 3)ネットワークで放映された。シリーズは数多くの賞に入選・入賞しており、英国テレビアカデミー賞を10回、ポピュラーアート・エミー賞を2回(1985,1986年)受賞している[1]

シリーズでは、人形劇を用いて1980年代から1990年代のセレブを風刺しており、英国マーガレット・サッチャー首相やジョン・メージャー首相などの政治家、米国ロナルド・レーガン大統領、イギリス王室一家などの人形が登場する。

なお、スピッティング・イメージ(spitting image)とは「生き写し」[2]「瓜二つ」[3][4]という意味である。

反応

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初回エピソード放送時には、東ミッドランドテレビ局を開局したエディンバラ候に配慮して、英国王室にまつわるパロディはカットされていた。しかし再放送時にはこれらは復活している[5]

初回エピソードの視聴者は790万人であったが、経営的な理由により、後に急に低下していった。それは製作費が260万ポンドと、他のプライムタイム番組のほぼ倍であったためである。

シリーズは当初13エピソードで計画されていたが、後に12エピソードまでにカットされた[5]

番組から誕生した楽曲「The Chicken Song」は1986年に全英シングルチャートの1位を獲得した。

放送日時

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全てのエピソードとスペシャルは日曜日に放送され、たいてい午後10時であった。また海外でも放映され、カナダではCBCテレビにて日曜の夜(1980年代末)、米国NBCネットワークでは数度プライムタイムに特集が組まれた。

シリーズ

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シリーズ エピソードナンバー 放送時刻
Series 1 1984 26 February - 17 June 12 episodes Mostly 10pm
Series 2 1985 6 January - 24 March 11 episodes Mostly 10pm
Series 3 1986 6 January - 2 Nov 18 episodes Mostly 10pm
Series 4 1987 1 November - 6 December 6 episodes Mostly 10pm
Series 5 1988 6 November - 11 December 6 episodes Mostly 10pm
Series 6 1989 11 June - 9 July 5 episodes Mostly 9.30pm
Series 7 1989 12 November - 17 December 6 episodes Mostly 10.05pm
Series 8 1990 13 May - 24 June 6 episodes Mostly 10.05pm
Series 9 1990 11 November - 16 December 6 episodes Mostly 10.05pm
Series 10 1991 14 April - 19 May 6 episodes Mostly 10.05pm
Series 11 1991 10 November - 15 December 6 episodes Mostly 10.05pm
Series 12 1992 12 April - 17 May 6 episodes Mostly 10.05pm
Series 13 1992 4 October - 8 November 6 episodes 10.05pm
Series 14 1993 16 May - 20 June 6 episodes 10.45pm
Series 15 1993 7 November - 12 December 6 episodes 10pm
Series 16 1994 1 May - 5 June 6 episodes 10pm
Series 17 1994 6 November - 18 December 7 episodes 10pm
Series 18 1996 14 January - 18 February 6 episodes Mostly 11.15pm

スペシャル

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タイトル 放映時刻 長さ
Down And Out In The White House 1986 14 September 9.45pm 45 minutes
The Spitting Image 1987 Movie Awards 1987 Saturday 4 April 10.45pm 30 minutes
Election Special 1987 Thursday 11 June 10pm 45 minutes
A Non-Denominational Spitting Image Holiday Special 1987 27 December 10pm 30 minutes
The Ronnie And Nancy Show 1988 17 April 9.30pm 30 minutes
Bumbledown - The Life and Times of Ronald Reagan 1988 Saturday 29 October 10.15pm 45 minutes
The Sound Of Maggie 1989 Saturday 6 May 10.10pm 45 minutes
Election Special 1992 Wednesday 8 April 10.40pm 30 minutes
The Spitting Image Pantomime 1993 26 December 10pm 30 minutes
Ye Olde Spitting Image 1995 1 January 10.45pm 30 minutes

登場人物

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政治家

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マーガレット・サッチャー役の人形

サッチャー政権期のイギリスの政治家が多々登場する。最も目立つのはマーガレット・サッチャー自身であり、スーツを着用し、小便器で用を足し、葉巻カッターを用いる男装家の暴君として描かれていた。

第1シーズンでは、サッチャーはおっとりした隣人のジェレミー・フォン・ウィルコックス氏から、労働組合や失業問題について助言を求めていた(彼はおそらく若き日のアドルフ・ヒトラーである)。ウィルコックス氏はソ連と労働組合とを比較し、冬には攻撃を行わないよう助言する。彼は、失業問題については彼らを軍隊に入隊させるべきであるとし、またSSとは「男の大きな結束」であることをサッチャーに教える。

サッチャー政権の閣僚は以下が登場する。

サッチャー政権の後継者ジョン・メージャーは、妻ノーマとエンドウ豆の食事を楽しむ退屈な灰色のキャラクターであり、よく首相官邸ネズミ捕獲長の猫のハンフリーに嘲笑される存在として描かれる。彼はサッチャーの辞任前は、頭上に回転アンテナが付いたロボットとして描かれていた。

野党労働党の政治家は以下が登場する。

前首相のハロルド・ウィルソンジェームズ・キャラハンハロルド・マクミランアレック・ダグラス=ヒュームらは、「Exchequers」という非常に制限を受けた老人ホームで生活している。キャラハンはウィルソンを苦しめるのが楽しみで、ウィルソンは何度も脱出を試みる。

労働党党首を務めたアーサー・スカーギルは国家鉱山労働組合の代表として登場し、鉱山について無知な、大きな鼻のエゴイストとして描かれる。

1994年になるとトニー・ブレアの人形が登場し、初期は灰色のショートパンツ、ブレザー、帽子を身に着けた公立校のスクールボーイであり、労働党を"I'M THE LEADER" というキャッチフレーズで率いる人物として描かれていた。党首になってからは人形が変更され、重要な発言をした後、笑顔でニヤリと笑う人物として描かれるようになった。副党首のジョン・プレスコットは、でぶで失敗の多いアシスタントであり、巨大なジャック・ストローを眼鏡を掛け、きしんだ声のロビン・クックとともに描かれる。

王室

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外国の政治家

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ゴルバチョフ人形

米国大統領ロナルド・レーガンは、愚か者として描かれ、核兵器に取りつかれており、顧問であるエドウィン・ミースキャスパー・ワインバーガーと比較して頼りない。ベッドサイドには「Nuke(核爆弾)」「Nurse(看護婦)」と書かれたボタンが2つあり、よく押し間違える。

ソ連指導者のミハイル・ゴルバチョフは、額に鎌と槌のあざがある。取り巻きはプレジネフに似て描かれ、多くは「da(はい)」と答えるか、またはジャガイモについて話し合っている。ソ連の場面は屋内でも雪が降り、テレビは極めて映りが悪く描かれている。

フランスのフランソワ・ミッテランは、ベレー帽にニンニクの花輪を付けて描かれている。南アフリカのピーター・ウィレム・ボータは、巧みにレイシストの意見を表明し、反反アパルトヘイトのバッジを身に着けている。ドイツのアドルフ・ヒトラーダウニング街9番に隠れ家があった。

ほか、ウガンダのイディ・アミン、ジンバブエのロバート・ムガベ、フィリピンのフェルディナンド・マルコス夫妻、イランのルーホッラー・ホメイニー、イラクのサッダーム・フセインが登場する。

また、米国のリチャード・ニクソンヘンリー・キッシンジャージョージ・H・W・ブッシュダン・クエール、ソ連のコンスタンティン・チェルネンコライサ・ゴルバチョワボリス・エリツィンも登場する。

スポーツ選手

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サッカー選手ポール・ガスコインゲーリー・リネカー

イングランドサッカー監督ボビー・ロブソンは、愛称Rubbishoとして心配性の老人として描かれている。 選手のポール・ガスコインも出演し、1990 FIFAワールドカップにおける西ドイツとの準決勝対戦のシーンをパロディして、よく絶叫している。

クリケット選手イアン・ボサムは暴力的な薬物依存者、マイク・ガッティングは高音で話す人物として描かれる。レスター・ピゴットは字幕付きで放送される。ボクシング選手フランク・ブルーノは彼のトレードである笑いと台詞"where's 'Arry?"と共に描かれ、クリス・ユーバンクは舌足らずな人物とされる。スヌーカー選手スティーブ・デイビスは特にニックネームがなかったが、彼自身が面白い人物であった。

セレブ

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日本での展開

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1980年代に「スピッティング・イメージ 渡る世間にツバぺっぺっ!」というタイトルでビデオソフト・レーザーディスクソフトが2巻リリースされた。1巻目は二ヵ国語収録で、景山民夫監修のもと、シティボーイズワハハ本舗のメンバーなどが日本語の吹き替えを担当したが、2巻目は日本語字幕のみのリリースだった。そして1994年にはテレビ番組「ラスタとんねるず'94」の1コーナーとして、本番組を日本流にアレンジした「SPITTING IMAGE JAPAN」が放送された。

脚注

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  1. ^ “British TV scoops Emmys”. The Times (London): p. 11. (November 26, 1986) 
  2. ^ デイビッド・セイン『何から何まで言ってみる 暮らしと仕事の英語表現8000』語研、2009年、340頁。ISBN 978-4-87615-203-2
  3. ^ 長尾和夫、マケーレブ英美『英会話は、ほめ言葉でうまくいく!』三修社、2009年、13頁。ISBN 978-4-384-05535-1
  4. ^ Spitting Image(瓜二つ)マンツーマン英会話の担任Ella先生の発音付き、ICHWAY、2014年8月11日 12:28。
  5. ^ a b “Royal Family cut from TV satire”. The Times: p. 3. (Feb 25, 1984) 

外部リンク

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