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Real Time Messaging Protocol

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
RTMPから転送)

Real Time Messaging Protocol (RTMP) とは、Adobe が開発している、Adobe Flash プレーヤーとサーバーの間で、音声・動画・データをやりとりするストリーミングのプロトコル。元々は Macromedia が開発していて、Adobe に買収された。プロトコルの仕様は公開されている[1]

RTMP プロトコルは多数の変種がある。

  1. RTMP (素のプロトコル) - TCP 上で動き、デフォルトのポート番号は1935
  2. RTMPS - HTTPS を使い、SSL で暗号化されたプロトコル
  3. RTMPE - ディフィー・ヘルマン鍵共有に基づき暗号化されたRTMP。設計に欠陥があり、中間者攻撃が可能という脆弱性が存在する[2][3]ため、RTMPSを使う方が望ましい[3]
  4. RTMPT - HTTP で包んだ物。RTMP, RTMPS, RTMPE を含めることができる。
  5. pRTMP - Primetime DRMのかかったRTMP。

RTMP の主要な利用法は Flash Video を再生することだが、Adobe LiveCycle Data Services ES など、他のアプリケーションにも使用されている。

WebコンテンツでHTML5への移行が進んでFlashが利用されなくなってからは、動画配信もHTTPへの置き換えが進み、RTMPの利用は下火となっている[4]

概要

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RTMP (RTMFP を除く) は TCP 上のプロトコルで、持続的接続を使い、(HTTPとの比較で)低レイテンシ通信を実現する。ストリームをスムーズに配信し、できるだけ多くの情報を送れるようにするために、ストリームをフラグメントに分割し、そのサイズはクライアントとサーバーの間で動的に交渉する。デフォルトのフラグメントサイズは音声は64バイト、動画とその他のデータタイプは128バイトである。複数のストリームのフラグメントは、インターリーブされ、単一の接続上に多重化される。データチャンクが十分大きく、フラグメントのヘッダーは1バイトしかないので、オーバーヘッドは小さい。しかしながら、実際は、個々のフラグメントは典型的にはインターリーブされない。代わりに、インターリーブと多重化はパケットレベルで行われ、複数のアクティブなチャンネルが、それぞれの帯域、レイテンシ、Quality of Service が要求を満たすように RTMP パケットが作られる。このようにパケットがインタリーブされるときは、独立に扱われ、フラグメントレベルではインタリーブされない。

RTMP は複数のチャンネルを定義していて、それの上でパケットが送受信され、それぞれは独立に動く。例えば、RPC リクエストとレスポンスを扱うチャンネル、動画ストリームを扱うチャンネル、オーディオストリームを扱うチャンネル、帯域外コントロールメッセージ (フラグメントサイズ交渉など) を扱うチャンネルなどがある。典型的な RTMP のセッションの間では、複数のチャンネルは同時にアクティブになる。RTMP データがエンコードされるとき、パケットヘッダーが生成される。パケットヘッダーは、送信するチャンネルのID、必要なら生成された時刻のタイムスタンプ、パケットペイロードの大きさなどを含む。このヘッダーの後に、実際のペイロード内容が続く。これは、現在のフラグメントサイズに基づき送信される前に分割される。パケットヘッダー自身は決して分割されることはなく、パケットの最初のフラグメントのデータのサイズに含まれない。別の言い方をすると、実際のパケットペイロード(メディアデータ)だけが、分割の対象となる。

より上のレイヤーでは、RTMP は MP3 や AAC や Flash Video を含み、Action Message Format を使いリモートプロシージャコールができる。全てのリモートプロシージャコールサービスは非同期で扱われ、単一のクライアントサーバーリクエストレスポンスモデルが使われ、リアルタイム通信は必要とされない[5]

HTTP トンネリング

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RTMP Tunneled (RTMPT) において、RTMP データはカプセル化されて、HTTP で交換され、クライアント(この場合は、メディアプレーヤー)からのデータはサーバーの80番ポート (HTTPのデフォルト)に送られる。

HTTPヘッダーのため、トンネル化されていない RTMP メッセージよりも RTMPT はメッセージが大きくなるが、クライアントがファイアウォールの背後にいて、HTTP や HTTPS 以外の通信がブロックされているようなケースなど、RTMP で通信できないケースでも通信ができる。

プロトコルは、POST のボディに AMF メッセージを含める形で送信される。例としては、

POST /open/1 HTTP/1.1

がコネクションをオープンするのに使われる。

クライアントソフトウェア

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最も広く使われている RTMP クライアントは Adobe Flash Player である。RTMP サーバーから音声や動画の再生ができる。

RTMP を部分的にサポートしているオープンソースのメディアプレーヤーは Xbmc があり、原始的な RTMP ストリームをサポートしている。RTMPE はサポートしていない。

サーバーソフトウェア

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RTMP を実装しているサーバーの一覧

RTMFP

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RTMP は TCP 上で動作するが、Real Time Media Flow Protocol (RTMFP) は UDP 上で動作するストリーミングプロトコル。ボイスチャットビデオチャット用。

  • crtmpserver の研究者が RTMFP プロトコルのリバースエンジニアリングを行っている。
  • Blue5 - RTMPE と RTMFP のオープンソース版を作成するプロジェクト。

参照

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外部リンク

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