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ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Next Time You See Meから転送)
「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」
リトル・ジュニア・パーカーシングル
B面 マイ・ドリー・ビー
リリース
規格 シングル (SP盤、7インチ盤)
録音
ジャンル
時間
レーベル デューク (Duke 157)[1]
作詞・作曲
  • アール・フォレスト
  • ビル・ハーヴィー
チャート最高順位
リトル・ジュニア・パーカー シングル 年表
Mother-in-Law Blues (1956年)Next Time You See Me (1957年)That's All Right (1958年)
 
ミュージックビデオ
「Next Time You See Me」 - YouTube
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ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー (Next Time You See Me)は、アール・フォレストとビル・ハーヴィーが作詞・作曲し、1956年ジュニア・パーカーが当時の芸名リトル・ジュニア・パーカー名義で最初にレコーディングした楽曲である [2]。パーカーがデューク・レコードと契約後初めてチャート入りした楽曲であり、彼にとってR&Bポップス両方のチャートで最も大きな成功を収めた楽曲の一つである[3]。「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」は、グレイトフル・デッドなど様々なアーティストによって演奏、レコーディングがされている。

オリジナル・バージョン

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ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」はミッドテンポの12小節ブルースのシャッフルであり、途中ブレイクが入る。ホーンが効いたリズム・セクションがパーカーの滑らかなヴォーカルを盛り立てる[4]。他のジュニア・パーカーの楽曲の多くと同じく、「"標準的なブルースと比較してよりメロディアスである"」[5]。シンガー、音楽ライターのビリー・ヴェラはパーカーのアプローチを以下のように解説している:

ホーン・セクションのフロントに立つのは、ジュニア・パーカーが自身のサウンドをそのように捉えていたということだ。彼はシンガーであって、シャウターではなかった。彼の歌声は甘く、彼にとって最初のヒットとなったこの曲でわかる通り、ヴィブラートは躍動感を感じさせるものであった[5]

ホーン・セクションは、バンド・リーダーのビル・ハーヴィーがテナー・サックス、ジョー・スコットがトランペット、プルーマ・デイヴィスがトロンボーンという面々で、ピアノはコニー・マクブッカー、パット・ヘアがギター、ハンプ・シモンズがベース、ソニー・フリーマンがドラムスを務めた[5]。(「The Blues Discography 1943-1970 The Classic Years」には、ギターはフロイド・マーフィーと記されている[1]。)

この曲は次のコーラスで始まる:

お前が次に俺に会うときは状況が変わっているよ
そう、お前が次に俺に会うときは状況が変わっているよ
もしそれで傷つくようならば、ダーリン、それは全てお前のせいさ

リリースとチャート・アクション

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1957年デューク・レコードは「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」をシングルとしてリリースした。B面は「マイ・ドリー・ビー」であった。この曲はビルボード誌のR&Bチャートの5位、そしてHot 100チャートの74位を記録した[3]。『Junior's Blues: The Duke Recordings, Vol. 1』(1992年)を始め、複数のパーカーのコンピレーション・アルバムに収録されている[4]

リメイク

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パーカーは、1969年のアルバム『Blues Man』でこの曲を再度取り上げている。レコーディングは、同年ニューヨークで行なわれた[1]

カバー・バージョン

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グレイトフル・デッドによるバージョン

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ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」は、グレイトフル・デッドの結成時にロン・"ピッグペン"・マッカーナンが持ち込んだブルース、R&Bの楽曲のうちのひとつであった[6]。マッカーナンがヴォーカルとハーモニカを担当し、1967年にはコンサートにおけるレパートリーとなっていた[7]

バンドの本を執筆したオリヴァー・トレーガーによると、彼らは2つの異なるバージョンを演奏していた。彼の説明によるとそのひとつは、ドライヴ感のあるアップテンポな演奏、もうひとつはよりレアで哀愁を感じさせるテイクで、(ジェリー・)ガルシアとのデュエットとして歌われた[6]

彼らは1970年代初頭にしばしばこの曲を演奏し、『Hundred Year Hall』(1972年4月26日録音)[8]、『Europe '72 Volume 2』(1972年4月14日録音)[9]、そして『Rockin' the Rhein with the Grateful Dead』(1972年4月24日録音)[10]といったアルバムに収録された。

その他のバージョン

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ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」はジャンルを超えた幅広いアーティストによってレコーディングされている。

アーティスト名 収録アルバム
1958年 フランキー・ライモン 『Rock 'n' Roll with Frankie Lymon』
1958年 アール・グラント 『The Versatile Earl Grant』
1961年 ナンシー・ウィルソン シングル
1968年 ジェイムズ・コットン カット・ユー・ルース
1979年 デイヴィッド・"ハニーボーイ"・エドワーズ 『Mississippi Delta Bluesman』
1980年 ダグ・サーム 『Hell of a Spell』
1981年 ジョー・サンプル & デイヴィッド・T・ウォーカー 『Swing Street Cafe』
1982年 ラリー・デイヴィス 『Funny Stuff』
1986年 クラレンス・"ゲイトマウス"・ブラウン 『Real Life』
1998年 ジョン・プライマー 『Blues Behind Closed Doors』
2023年 ポール・キャラック 『Don't Wait Too Long』

[11]

脚注

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  1. ^ a b c d The Blues Discography 1943-1970 The Classic Years, Les Fancourt & Bob McGrath (Eyeball Productions)
  2. ^ Palmer, Robert (1981). Deep Blues. Penguin Books. p. 250. ISBN 978-0-14-006223-6. https://archive.org/details/deepblues00palm/page/250 
  3. ^ a b Whitburn, Joel (1988). Top R&B Singles 1942–1988. Menomonee Falls, Wisconsin: Record Research. p. 319. ISBN 0-89820-068-7. https://archive.org/details/joelwhitburnstop00whit/page/319 
  4. ^ a b Koda, Cub. “Junior's Blues: The Duke Recordings, Vol. 1 – Review”. AllMusic. 2024年10月30日閲覧。
  5. ^ a b c Vera, Billy (1992). Junior's Blues – The Duke Recordings Volume One (Album notes). Junior Parker. MCA/デューク. pp. 4–5. MCAD-10669。
  6. ^ a b Trager, Oliver (1997). The American Book of the Dead. Touchstone Books. pp. 260, 286. ISBN 978-0684814025 
  7. ^ Shenk, David; Silberman, Steve (2015). Skeleton Key: A Dictionary for Deadheads (eBook ed.). Crown Publishing. ISBN 978-1101905630 
  8. ^ Planer, Lindsay. “Grateful Dead: 『Hundred Year Hall: 4-26-72』 – Review”. AllMusic. 2024年10月30日閲覧。
  9. ^ Unterberger, Richie. “Grateful Dead: 『Europe '72, Vol. 2』 – Review”. AllMusic. 2024年10月30日閲覧。
  10. ^ Planer, Lindsay. “Rockin' the Rhein with the Grateful Dead』 – Review”. AllMusic. 2024年10月30日閲覧。
  11. ^ Second Hand Songs: Next Time You See Me 2024年10月31日閲覧

外部リンク

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