ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー
「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」 | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リトル・ジュニア・パーカー の シングル | ||||||||
B面 | マイ・ドリー・ビー | |||||||
リリース | ||||||||
規格 | シングル (SP盤、7インチ盤) | |||||||
録音 | ||||||||
ジャンル | ||||||||
時間 | ||||||||
レーベル | デューク (Duke 157)[1] | |||||||
作詞・作曲 |
| |||||||
チャート最高順位 | ||||||||
| ||||||||
リトル・ジュニア・パーカー シングル 年表 | ||||||||
| ||||||||
|
ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー (Next Time You See Me)は、アール・フォレストとビル・ハーヴィーが作詞・作曲し、1956年にジュニア・パーカーが当時の芸名リトル・ジュニア・パーカー名義で最初にレコーディングした楽曲である [2]。パーカーがデューク・レコードと契約後初めてチャート入りした楽曲であり、彼にとってR&B、ポップス両方のチャートで最も大きな成功を収めた楽曲の一つである[3]。「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」は、グレイトフル・デッドなど様々なアーティストによって演奏、レコーディングがされている。
オリジナル・バージョン
[編集]「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」はミッドテンポの12小節ブルースのシャッフルであり、途中ブレイクが入る。ホーンが効いたリズム・セクションがパーカーの滑らかなヴォーカルを盛り立てる[4]。他のジュニア・パーカーの楽曲の多くと同じく、「"標準的なブルースと比較してよりメロディアスである"」[5]。シンガー、音楽ライターのビリー・ヴェラはパーカーのアプローチを以下のように解説している:
ホーン・セクションのフロントに立つのは、ジュニア・パーカーが自身のサウンドをそのように捉えていたということだ。彼はシンガーであって、シャウターではなかった。彼の歌声は甘く、彼にとって最初のヒットとなったこの曲でわかる通り、ヴィブラートは躍動感を感じさせるものであった[5]。
ホーン・セクションは、バンド・リーダーのビル・ハーヴィーがテナー・サックス、ジョー・スコットがトランペット、プルーマ・デイヴィスがトロンボーンという面々で、ピアノはコニー・マクブッカー、パット・ヘアがギター、ハンプ・シモンズがベース、ソニー・フリーマンがドラムスを務めた[5]。(「The Blues Discography 1943-1970 The Classic Years」には、ギターはフロイド・マーフィーと記されている[1]。)
この曲は次のコーラスで始まる:
お前が次に俺に会うときは状況が変わっているよ
そう、お前が次に俺に会うときは状況が変わっているよ
もしそれで傷つくようならば、ダーリン、それは全てお前のせいさ
リリースとチャート・アクション
[編集]1957年、デューク・レコードは「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」をシングルとしてリリースした。B面は「マイ・ドリー・ビー」であった。この曲はビルボード誌のR&Bチャートの5位、そしてHot 100チャートの74位を記録した[3]。『Junior's Blues: The Duke Recordings, Vol. 1』(1992年)を始め、複数のパーカーのコンピレーション・アルバムに収録されている[4]。
リメイク
[編集]パーカーは、1969年のアルバム『Blues Man』でこの曲を再度取り上げている。レコーディングは、同年ニューヨークで行なわれた[1]。
カバー・バージョン
[編集]グレイトフル・デッドによるバージョン
[編集]「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」は、グレイトフル・デッドの結成時にロン・"ピッグペン"・マッカーナンが持ち込んだブルース、R&Bの楽曲のうちのひとつであった[6]。マッカーナンがヴォーカルとハーモニカを担当し、1967年にはコンサートにおけるレパートリーとなっていた[7]。
バンドの本を執筆したオリヴァー・トレーガーによると、彼らは2つの異なるバージョンを演奏していた。彼の説明によるとそのひとつは、ドライヴ感のあるアップテンポな演奏、もうひとつはよりレアで哀愁を感じさせるテイクで、(ジェリー・)ガルシアとのデュエットとして歌われた[6]。
彼らは1970年代初頭にしばしばこの曲を演奏し、『Hundred Year Hall』(1972年4月26日録音)[8]、『Europe '72 Volume 2』(1972年4月14日録音)[9]、そして『Rockin' the Rhein with the Grateful Dead』(1972年4月24日録音)[10]といったアルバムに収録された。
その他のバージョン
[編集]「ネクスト・タイム・ユー・シー・ミー」はジャンルを超えた幅広いアーティストによってレコーディングされている。
年 | アーティスト名 | 収録アルバム |
---|---|---|
1958年 | フランキー・ライモン | 『Rock 'n' Roll with Frankie Lymon』 |
1958年 | アール・グラント | 『The Versatile Earl Grant』 |
1961年 | ナンシー・ウィルソン | シングル |
1968年 | ジェイムズ・コットン | 『カット・ユー・ルース』 |
1979年 | デイヴィッド・"ハニーボーイ"・エドワーズ | 『Mississippi Delta Bluesman』 |
1980年 | ダグ・サーム | 『Hell of a Spell』 |
1981年 | ジョー・サンプル & デイヴィッド・T・ウォーカー | 『Swing Street Cafe』 |
1982年 | ラリー・デイヴィス | 『Funny Stuff』 |
1986年 | クラレンス・"ゲイトマウス"・ブラウン | 『Real Life』 |
1998年 | ジョン・プライマー | 『Blues Behind Closed Doors』 |
2023年 | ポール・キャラック | 『Don't Wait Too Long』 |
脚注
[編集]- ^ a b c d The Blues Discography 1943-1970 The Classic Years, Les Fancourt & Bob McGrath (Eyeball Productions)
- ^ Palmer, Robert (1981). Deep Blues. Penguin Books. p. 250. ISBN 978-0-14-006223-6
- ^ a b Whitburn, Joel (1988). Top R&B Singles 1942–1988. Menomonee Falls, Wisconsin: Record Research. p. 319. ISBN 0-89820-068-7
- ^ a b Koda, Cub. “Junior's Blues: The Duke Recordings, Vol. 1 – Review”. AllMusic. 2024年10月30日閲覧。
- ^ a b c Vera, Billy (1992). Junior's Blues – The Duke Recordings Volume One (Album notes). Junior Parker. MCA/デューク. pp. 4–5. MCAD-10669。
- ^ a b Trager, Oliver (1997). The American Book of the Dead. Touchstone Books. pp. 260, 286. ISBN 978-0684814025
- ^ Shenk, David; Silberman, Steve (2015). Skeleton Key: A Dictionary for Deadheads (eBook ed.). Crown Publishing. ISBN 978-1101905630
- ^ Planer, Lindsay. “Grateful Dead: 『Hundred Year Hall: 4-26-72』 – Review”. AllMusic. 2024年10月30日閲覧。
- ^ Unterberger, Richie. “Grateful Dead: 『Europe '72, Vol. 2』 – Review”. AllMusic. 2024年10月30日閲覧。
- ^ Planer, Lindsay. “『Rockin' the Rhein with the Grateful Dead』 – Review”. AllMusic. 2024年10月30日閲覧。
- ^ Second Hand Songs: Next Time You See Me 2024年10月31日閲覧