NINJA GAIDEN 2
ジャンル | アクションゲーム |
---|---|
対応機種 | Xbox 360 |
開発元 | Team NINJA |
発売元 | テクモ |
人数 | オフライン:1人 |
メディア | DVD-ROM |
発売日 |
2008年6月5日(Xbox 360) |
対象年齢 |
CERO:Z(18才以上のみ対象) ESRB: M(17歳以上対象) BBFC: 18 OFLC: MA(15歳以上のみ対象) OFLC: R18 USK: 発売禁止 |
売上本数 | 110万本出荷[1] |
『NINJA GAIDEN 2』(ニンジャ ガイデン2)は、Team NINJAが開発、テクモから発売された3Dタイプのアクションゲームである。通称「ニンジャガ2」。テクモのXbox 360ソフトとして最後の作品となる。
概要
[編集]前ハードであるXbox専用ソフトとして好セールスを記録した前作『NINJA GAIDEN』(後にアップグレード版の「NINJA GAIDEN BLACK」とPlayStation 3用に「NINJA GAIDEN Σ」が発売された)の続編として、ゲームの売りである難易度の高さとそれに比例した高いゲームバランスを継承しており、演出面も次世代ハードに相応しく徹底的な強化が成されている。
主人公リュウ・ハヤブサが振るう武器や忍術、システムについても調整が施され、新しい武器・忍術の追加に伴い幾つかの武器やシステムが廃止された。
一つの舞台で戦いを展開した前作と違って世界中を巡る物語となっており、一度クリアしたステージは再訪しない一方通行のステージクリア方式となった。ステージの内容も前作が探索要素が強かったのに対して一本道の構成になっている。
ストーリーは前作よりも忍者龍剣伝シリーズを想起させる要素が強く、特に『忍者龍剣伝II 暗黒の邪神剣』とはいくつかのキーワードも共通している。
攻撃によって敵の四肢が欠損するという描写があるため、日本でのレーティングはCERO:Zとされている。この描写に対してTEAM NINJAを率いていた、監督の板垣伴信は「ゲームシステム上(敵にとどめを刺す「滅却の法」の発動条件として)必要な表現である」とコメントしており、日本語版においても一切の表現規制を行っていないと明言している。
また板垣監督はこの作品をもって、「NINJA GAIDEN」シリーズは終了と発表し、それを裏付けるかのように本ゲームの発売日を境にテクモを退社。同時に社に対して成功報酬未払いにおける訴訟を発表した。しかし2010年、新生Team NINJAによって続編の『NINJA GAIDEN 3』が発売された。
2008年7月末の追加コンテンツとタイトルアップデートにてゲームの進行を妨げる問題が起こり、修正パッチのリリースに1ヶ月以上も要した。
2009年にPlaystation 3で新要素を追加したリメイク版の「NINJA GAIDEN Σ2」が発売された。
ストーリー
[編集]東京の高層ビルに構えられたアンティークショップ「村正」。骨董品の整理をする店主ムラマサの元へソニアと名乗る女性が入ってくる。彼女は闇の一族が邪神を復活させようと暗躍し始めたことを知り、リュウ・ハヤブサへその事を伝えようとしていたのだ。しかしムラマサはリュウの居場所など知らぬよと彼女へ告げる。
突如として地蜘蛛一族の追っ手が店を襲撃し、逃亡しようとしたソニアはすぐ捕らえられてしまう。と次の瞬間、地蜘蛛一族の怨敵、龍の末裔である隼一門の超忍リュウ・ハヤブサが姿を現した。瞬く間に追っ手を蹴散らしたリュウであったが、ソニアは何処かへ連れ去られてしまう。
ムラマサから事の成り行きを聞いたハヤブサはソニアを救出するため、高層ビルに巣食う地蜘蛛一族に対し闘いを開始した。
登場人物
[編集]- リュウ・ハヤブサ
- 声:堀秀行
- 本作の主人公。古来より魔神を封ずる任にあたる隼一門の忍者にして龍剣の継承者。超絶的な身体能力と剣の腕を持ち、更には数多の武具と忍法を使いこなす現代の超忍。前作『NINJA GAIDEN』においてヴィゴル帝国を統べる邪神・神聖皇帝の野望を打ち砕き、更には魔刀黒龍丸を奪って世界を手中に収めようとした叔父・ムライを討ち倒した。今作では地蜘蛛一族との因縁を絶ち、再びの邪神復活を阻止するため世界各国を駆け回る。口数は前作より若干増えたものの、忍者龍剣伝シリーズやデッドオアアライブシリーズに比べてかなり少なく、素顔を晒す事もしない。
- ソニア
- 声:鈴木麻里子
- 本作のヒロイン。CIAの女性エージェント。邪神復活の陰謀を知り、リュウ・ハヤブサへそれを伝える為に東京へとやって来た[注 1]。その後もリュウをサポートするためにヘリの操縦など様々な場所で活躍する。リュウのような超人的な能力は持たないが、聡明で行動的な彼女は愛用の拳銃を武器に躊躇うことなく危険に身を投じる。しかしあくまで普通の人間であるため、冥府や魔道に至る戦いに向かうリュウに「もうついて来るな」と言い放たれる。それでも密かに後を付けていたが、その途中でアレクセイの手に落ち、邪神復活の生贄に捧げられかける。リュウによって救出された後は彼を見送り、邪神が倒されるとリュウと共に富士山を脱出した。明確な正体は最後まで不明。
- 忍者龍剣伝シリーズのヒロインのアイリーン・ルゥを彷彿させる設定の持ち主であり、終盤に邪神の生贄として敵に捕まるのも同様。しかし後のシリーズではNINJA GAIDENにおけるアイリーンとして再設定され、ソニアとしては登場しなくなった。
- ムラマサ
- 声:青野武
- アンティークショップ「村正」の店主である年齢不詳の老人。ゲーム中に回復アイテム等の販売や武器の鍛錬を請け負ってくれる。前作『NINJA GAIDEN』ではヴィゴル帝国で店を開いていたが現在は東京に店を移している。世界各地に設置された彼の像が店の役割を果たしてくれる(通常人が足を踏み入れられない冥界にも存在する)。刀や鍛冶、邪神の歴史に詳しく、彼自身も居合いの達人であり、富士の麓にてリュウの窮地を救った。その際に手製のおむすびをリュウに手渡す。アイテムの説明にルネサンス期頃にムラマサらしき老人が西洋の地を訪れて、作った鍵などを残していったという記述[注 2]が幾つか存在する。
- ジョウ・ハヤブサ
- 声:若本規夫
- リュウの父であり、ムライの兄。隼一門の現頭首で一族の歴史においても稀代の強さを誇ると言われている龍の忍者。黒龍丸事件の際はリュウに龍剣を預け、山篭りと称して隼の里を一年以上留守していたが、実のところは魔神との戦いに身を投じていた。今作ではその戦いの傷を癒すため療養中である。
- あやね
- 声:山崎和佳奈
- 霧幻天神流覇神門のくノ一。 隼一門のために働き、諜報活動の任にあたっている。物語終盤で、ジョウから託された「龍の勾玉」をリュウに渡す。
- 幻心(げんしん)
- 声:大友龍三郎
- 隼一門とは数世紀に渡る因縁がある地蜘蛛一族の忍者達を束ねるもう一人の超忍。通称、地蜘蛛の邪忍王。隼一門に対する憎悪に満ちており、リュウと幾度と激しく剣を交える事になる。邪神の眷属と手を組み隼の城を襲撃し、封印されていた邪神像を強奪した。驚異の剛剣「邪神剣」と鉤爪が武器。
- 邪忍王と言う呼び名は『忍者龍剣伝』の邪鬼王を、ジョウを負かしてリュウと因縁を持つという点は同作のブラッディ・マルスを彷彿させる。
四殺重鬼王
[編集]前作で戦ったマルバス、ドーク、アルマなどの重鬼卿より更に高位な存在である魔神。封印されていたはずだが再びこの世に甦る。過去龍の一族との戦いに敗れたことにより、その子孫である隼一門の忍者達も激しく憎悪している。
- 電撃のアレクセイ
- 声:緑川光
- ニューヨークに魔物を発生させた四殺重鬼王の一人。美形の外観を持ち、電光を纏って雷を自在に発生させる魔神。美しい物を愛する性格で、自由の女神とソニアには丁重に接している。一方でリュウに対しては蛆虫呼ばわりするなど敵意を剥き出しにする。
- 嵐のヴォルフ
- 声:郷里大輔
- 西欧の水の都を拠点に手下である人狼の集団を支配する四殺重鬼王の一人。ヴォルフ自身も四本の腕を持つ巨躯の狼男で常に強者との戦いに飢えている。
- 炎のゼドニアス
- 声:柴田秀勝
- 北欧の街で戦車を率いる軍隊を一瞬にして全滅させた四殺重鬼王の一人。翼の生えた悪魔の外観を持ち、体術の他に龍の一族とて破った者は居ないと豪語する強力な火炎攻撃を繰り出す。胸元が開くと強力な熱線を放射する。原始の時代、人類に火を授けたと語っており。そのため人類を猿と呼び見下している。
- 血のエリザベート
- 声:鶴ひろみ
- 普段は血の色をしたスーツを纏う美女。幻心に隼の城を襲撃させ邪心像を奪った。ダグラダイの命を受け、邪心復活のため幻心と行動を共にする。正体は蝶の羽を持つ魔神で、操った血液と尻尾を使った攻撃が得意。富士山火口でリュウに敗れ死亡した幻心を魔神として復活させる。
- 兇魔皇帝ダグラダイ
- 声:飯塚昭三
- 四人の重鬼王を束ねる老人。邪神復活のための儀式を執り行う。元々は賢者であったが、遥か昔に遠い旅路の果てに辿り着いた冥界の地の底で邪神の眼光に触れ、額に第三の目を開かせ大いなる悟りを得る。その後兇魔皇帝として変貌したダグラダイは邪神に等しい猛威を奮い、冥界を四分に天変地異を起こすほどの争乱を起こしていた重鬼王たちを服従させたとされる。雷や火の術を得意とし、背中から生やした四本の触手や光る剣を武器に戦いを挑んでくる。リュウに敗れた後は自身の血肉を邪神に捧げ果てた。
- 『忍者龍剣伝II』にも同じく邪神復活を目論む兇魔天帝アシュターが登場しているが、邪神の贄となる末路は邪鬼王に近い。
邪神
[編集]- 邪神ヴァーズダー
- 本作のラストボス。四殺重鬼王達が復活を目論んでいる邪神(詳細は用語の項にて)。かつてリュウの先祖である龍の忍者によって富士の奥深くへと封印された。自らを捧げたダグラダイにより復活したが、贄となる人間の生き血が足りなかったためにまだ不完全な蛹の状態であった。一度はリュウによって倒されたものの、この戦いでリュウが腕に負った傷から流れた血の一滴が邪心の骸へと零れ落ち、皮肉にもこれがきっかけで完全体に復活してしまう。完全体の容姿はゼドニアスに近いが体長はその3倍近くある。蛹の状態では『忍者龍剣伝』『忍者龍剣伝II』のラストボスだった別の邪神に近い姿であり、流れた血で復活するという点は『忍者龍剣伝II』の邪神と同じである。
用語
[編集]- 邪神(じゃしん)
- 人類が歴史に登場するよりはるか太古の時代に、原初の神々はこの世の覇権を争い狂乱の戦いに明け暮れていた。その中で純粋な憎悪から生まれた存在。邪神は強大な力で激戦を制し世界を憎悪の混沌へと引き込みつつあった。しかしあるとき、蛇の姿をした創造の神が13頭の龍を生み出し邪神へ戦いを挑み、ついに邪神は地底深くへ封印される。このとき13頭の龍の中で最も位の低い黒い龍が劣等の念から憎悪の念を呼び込んでしまい邪神側へ寝返ってしまったため、結果憎悪の命脈は現代になっても保たれてしまう事になった。
- 龍の一族(りゅうのいちぞく)
- 邪神との戦いの後に龍たちの血を引いて生まれた古代氏族。魔神たちとの長い長い戦いを続け、ついには四殺重鬼王らをも封印した。隼一門はこの龍の一族の末裔にあたる。
- 隼一門(はやぶさいちもん)
- 龍の一族の末裔である忍者の集団。富士山のどこかにあるという隼の里で邪悪なる者共との戦いに欠くことの出来ない大いなる遺産(龍剣や龍の勾玉等)を守り、また邪悪なる者共との戦いを代々続けている。戦いの場は日本だけでなく世界に及び、リュウの何代か前と思われる忍者がさる北方の国で民を苦しめる狂王と配下の魔神を暗殺し、黒衣の超人と呼ばれ救国の英雄とされている記録も残っている。里の中には安土城を模した隼の城がある。ゲーム中の書物によると安土桃山時代に隼電という隼一門の忍者が織田信長と親交があったためとされる。龍の巫女呉葉が住んでいた大きな屋敷もあるがどれも木造で、ビル群が煌びやかにそびえる東京の摩天楼とは対象に現代風の家屋はおろか電灯も見当たらない。一方、武器開発に対しては現代科学を積極的に取り入れ、それらと融合した破魔弓やリュウの忍装束などを作り出している。魔剣黒龍丸や邪神像といった危険極まりない闇の遺産といわれる物も秘匿しているため里自体が邪悪なる者共の標的になることもあり、強大な魔神たちの前に犠牲者が出てしまうこともある。前作でムライが率いていた影一門の拠点は隼の里の近くに存在し、ムライ亡き今屋敷には誰もおらず風雨に晒され荒れ放題となっている。
- 邪神像(じゃしんぞう)
- 邪神を地の底へ封じ、またその配下である四殺重鬼王をも永劫の眠りへ縛り付けた鍵と隼一門に伝えられている像。デザインは『忍者龍剣伝』に登場した物と同一だが別物。普段は隼の城の阿修羅木像内部に隠されている。前作に登場した邪神像も鍵の役割を持つが、扉を開ける為であり像自体もただのレプリカである。
- 地蜘蛛一族(ちぐもいちぞく)
- 前作から登場した闇に属する邪忍の一族。手練に優れ、時に魔神にも似た姿となってリュウに立ちはだかる強猛な集団だが、魔との戦いに優れた隼一門を凌駕し得ない宿命に永く囚われてきた。そのため幻心を始め隼一門への憎悪は根深く激しい。復活した四殺重鬼王たちと手を組み、邪神像を奪わんと隼の里を襲撃する。超巨大戦略爆撃機ダイダロスをさる重工を動かし建造させるなど、裏社会で相当な影響力を持っていると推測される。忍者たちの基本的な武器は刀、鉤爪、手裏剣、弓。また機甲忍者と呼ばれる部隊は刀以外にマシンガンやロケットランチャーを携行している。他にも術を主体に戦う妖忍や、刀や爆破手裏剣を口で使う訓練を受けた忍犬も確認されている。前作では特に忍装束に特徴は無かったが、今作からは装束に蜘蛛の巣の柄が描かれており、一目でそれと判別出来る。戦いの中で手足を失った場合は自爆してでもリュウを仕留めようとする執念をみせてくる。本編道中、行き倒れた地蜘蛛忍者達の遺体から日記帳が手に入る事がある。内容は地蜘蛛忍者にもベテランから若い者まで様々おり、任務に対する決意、隼一門への恨み言や日々の愚痴、悩み、若い忍者へ対する諫言等を細かく綴っている。このため、ゲーム中敵として襲い掛かってくる地蜘蛛忍者とはまた違った一面を垣間見られる。どの忍者にも共通しているのは幻心に対する深い尊敬と畏怖の念を持っている事である。その中には前作で死亡したムライが率いていた「影一門」に所属していた人間もいることが判明する。
- 魔神(まじん)
- 黒龍が邪神と結びつき生み出した邪悪なる者共。羽の生えた悪魔や人狼など様々な姿をしている。中には体長10メートル以上はあろう巨大な魔神も存在する。常人をはるかに凌ぐ体格と力を持ち、性格は総じて獰猛。人にある情や慈悲といった類の感情は一切持ち合わせていない。龍の一族の血を引く者たちに対しては過去の恨みからその血の一滴の臭いを嗅ぐだけで激怒し、狂乱の極みに達するといわれている。地蜘蛛忍者の日記には邪神像の一件で手を組んだとはいえ理性がほぼ皆無なため、分別無く襲ってくる者もいること。また血肉を好み、行き倒れた死体は貪り食われ白骨がみるみる内に露呈して忍者といえども辛抱堪らない光景としたためられている。同じく地蜘蛛忍者の闇の羅刹や牛鬼の兄弟も魔神と思われる異形で蜘蛛と人間を合わせたような大男に変身する。仲間内からは闇属と呼ばれ、やはり狂熱に見境をなくす性格である。冥界に足を踏み入れると魔神化した地蜘蛛忍者や忍犬も登場する。鬼と化した地蜘蛛忍者達は手足が欠損していなくても自爆攻撃を厭わない。
- 冥界(めいかい)
- 魔神たちが復活の聖地と呼んでいる富士山の地底に横たわる禍々しい世界。機械の化物が徘徊する霧深い森、溶岩、砂漠、酸の池や血の海といった正に地獄とも呼べる光景が広がっている。復活を待つ邪神が冥界の深淵に眠り、地上では姿を見なかった多数の魔神や、一度倒したはずの四殺重鬼王たちが待ち受ける。邪神が安置されている祭壇は大きく重く堅い扉で閉ざされており、それを開けるには四殺重鬼王を抹殺しその心臓を捧げなければならない。
登場武器・忍法
[編集]主武器
[編集]- リュウのメインの近接攻撃手段となる武器。龍剣以外は物語を進める過程で手に入る[注 3]。ムラマサに鍛えてもらう事で攻撃力が上がり、使える技も増えていく。
- 龍剣(りゅうけん)
- 龍の一族の末裔によって代々受け継がれてきた超絶の日本刀。太古の龍の牙から削りだされたといわれる刀の切れ味は凄まじく、世に絶える事の無い邪悪な者共を数多屠り続けてきた。隼一門にとっての宝であり、記録に残っている限りでは一族直系の一子のみ振るうことを許されている。前作まではジョウの代理としてリュウが龍剣を振るっていたが、前作の黒龍丸の事件の解決によるリュウの功績を認めたジョウから正統に受け継いでいる。技数が豊富で攻撃力も申し分なく、スタンダードな武器といえる。特徴の一つとして高速突進技である飛燕を三連続で出せる神威飛燕(かむいひえん)が使用できる。
- 真龍剣(しんりゅうけん)
- 龍の巫女が守っている「龍の勾玉」を龍剣の柄の先端へ嵌め込む事で刀身に秘められた龍の霊力が完全に開放された状態を真龍剣と呼ぶ。刀身がほのかに光を帯びるようになり、一線を画した攻撃力は多くの伝説に謳われるほど。ただし、柄を握る者は、強大な霊力に見合う強靭な精神力と体力、そして剣技の冴えを要求され、その力に及ばない者は寿命を奪われるという。その力ゆえに太平の気が掻き乱されることも確かであり、またこの究極の武器が必要になる事態など本来あってはならないとして、平時は龍剣と勾玉は分離されている。性能としては龍剣より攻撃力が上がり、使い勝手の良い技が追加され絶技も変化している。
- 無想新月棍(むそうしんげつこん)
- 月の力を持つと言われる金属製の2メートル以上ある棍。軸材には強靭な柳の木に特殊な樹脂を染み込ませ、この軸を動物(麒麟)の腱で巻き上げてニカワで固め、さらに鋼鉄製の外殻が覆う構造となっている。両端の合金で出来た突起は限界までムラマサに鍛えてもらうと、鎖で繋がるフレイルのような機構に変化し、攻撃時に突起を振り回す事で長いリーチを誇る。複数の敵を巻き込みやすく、また敵の手足を吹き飛ばす欠損率の高い技も多いのでゲーム全編で安定した威力を誇る優秀な武器である。
- 硬殻猛禽爪(こうかくもうきんそう)
- 両手・両足に装着する、忍者由来の「手甲鉤」を進化させた武具。猛禽類の偉力を現している。リーチは短いが刃数を増やすことにより高い殺傷力を持ち、忍者であれば当然体得する打撃体術の全身動作をそのまま斬撃へと変化させる。忍者系の敵に非常に有効な技(突進系の技飛燕から投げ技飯綱落としへ繋げる通称「飛燕飯綱」)を持つ。
- 巌龍・伐虎(がんりゅう・ばっこ)
- 前作の『Σ』から登場。村正が制作したとされる、二本で一対をなす大造りの日本刀。片手で扱うには困難を伴う長大な刀だが、二刀流で用いるための工夫が施されている。宮本武蔵が考案した武蔵鍔には、「なまこ」とよばれる肉抜き穴が開けられており、手元の重量を減らすことで、鋭い剣捌きを可能にしている。二刀流で繰り出される斬撃は龍剣以上に隙の無い連続技となっている。回転系の技が多いため、敵を巻き込みやすい。終盤で龍剣・邪神剣に切り替わる。
- 鎖鎌(くさりがま)
- 鎌の柄尻に鎖分銅を取り付けた形状の武器。操る者の腕次第で変幻自在の攻撃手段となる反面、その制御は難しく、よほどの手錬れでなければ使い物にならない。遠近両方をカバーする攻撃範囲を持ち、専用の投げ技もあるが、技の出始めが弱くやや上級者向け武器となっている。今作に登場する鎖鎌は、宍戸鉄斎という人物が作っており、分銅の重さや鎖の長さを最大限に確保しており、尚更極端な性格を持っている。宍戸は変わり武器の巨匠としても有名だが、ムラマサはどういうわけか、この人物を嫌っている。
- エクリプスサイズ
- 人狼型魔神の間に伝えられてきた大鎌で、その名は「日蝕の大鎌」の意味を持ち、生贄の儀式に由来する。大昔の人狼王の肉体を、煮えたぎるウーツ鋼(ダマスカス鋼)の中に投げ込んで作られた。剛力で叩き出された後、焼き入れは夥しい数の人間に突き刺して行われ、熱が冷めるまで9日もかかったという。嵐のヴォルフが使用しており、彼を倒すことでリュウの武器となる。振りは遅いが広大な攻撃範囲と凄まじい攻撃力を持つ。
- トンファー
- 琉球より伝わったとされる取っ手付きの棍。本作に登場する物も木製ではあるが、高比重高硬度タングステンカーバイドで両端と背面の打撃部位が覆われており、並の武術家では振り回すのも難しいがその分破壊力が増している。リーチこそ短いが、欠損率の高い技が多い。全武器中で唯一、神薙(かんなぎ)という一部の攻撃モーションを裏風(回避行動)でキャンセル出来る技を持っている。
- ヴィゴリアンフレイル
- 刃物が付いた変則的なフレイル。中世ヴィゴル帝国において「ヴィゴル神前闘技」と呼ばれる血生臭い格闘イベントがあり、そこに参加した多くの闘士たちが好んで使用していたと記録されている。使い方を含めてヌンチャクのようだが歴史的には関係がない。攻撃力は低いが、隙が少なく一方的な連続攻撃と手数で圧倒できる。前作でも登場し、リュウはこの武器に関して「悪くない」と評しており、結構気に入っているようである。
- 邪神剣(じゃしんけん)
- 地蜘蛛一族の剛悪な忍者達が代々受け継いできた邪忍王・幻心の愛刀。由来は不明な点も多いが、邪神の息吹によって溶融した隕鉄から打ち出したと言われている。振るう者の力に反応して、今もなお残存する邪神の魔力が赤いスパークとなってほとばしる。刀身には神代文字が刻まれており、解読不能だが一説に「混沌の淵より流れ出した、恐怖なる秩序を讃えよ」と書いてあるという。真龍剣と対にして振るう事で、幻心の技である「冥府落とし[注 4]」を使うことができる。
- 『忍者龍剣伝II』にも同名の剣が登場するが、そちらは『忍者龍剣伝』でリュウに倒された別の邪神の骨から作られたものであって、本作の邪神剣とは別物。リュウが使用する事も無かった。
飛び道具
[編集]遠距離を攻撃する武器。破魔弓の矢と爆破手裏剣は30発の弾数制限あり、ムラマサの店で購入する他に忍者の死体等様々な場所から補給することが出来る。ボタンを押しっぱなしにすることで絶技を使用出来るものもある。
- 手裏剣(しゅりけん)
- 忍者を象徴する武器。今作で使用するのは六方剣と呼ばれる六枚の刃を持った車剣の一種。使い捨ての武器につき、あまり高価な材料は使用していないが、弾道特性を安定させて的中率を上げるために、かなりの高精度で作られている。絶技は使用出来ず威力も小さいが、チスイコウモリなどの小型の敵を倒すときに役に立つ。敵の足止め、連続技の繋ぎやキャンセルにも活用できる。立ち状態では一度に三発まで投げるが、走り中や飛鳥返しの状態では投げる枚数が増える。
- 破魔弓(はまきゅう)
- 二匹の龍の彫像があしらわれた弓矢。静粛性に優れる弓は、隠密行動を専門とする忍者たちにとって現代でも欠かせない武器となっている。隼の里で開発された破魔弓は最新型のコンパウンドボウであり、ライフルにも匹敵する極めて高い命中精度を誇る。超高張力のカーボンケブラーを主材としているため非常に軽量かつ驚異的な射出力を持っている。対人射程は500メートルを優に超え、40ミリの防弾鋼板を軽く貫通する実力を備えている。二段階の絶技で攻撃力と貫通性能が上がる。一人称視点で使用すると一段階のズームが出来る。
- 爆破手裏剣(ばくはしゅりけん)
- 爆薬に刺さりやすくなっている細身の刃を合体させた手裏剣。標的に突き刺さると数秒後に爆発する。三段階の絶技が使用可能で一段階ごとに一度に発射する本数が増える。
- ガトリング水中銃
- 連射式水中銃。オーパーツの一つと言われており、10世紀のヨーロッパで制作された。水に潜り、手でハンドルを回すと高圧ポンプで弾丸を射出する。弾丸は長さ30センチで、流体抵抗の固まりのようだが、スーパーキャビテーション効果によって水中を高速で"飛ぶ"。弾丸には炸薬が詰められており、命中後に標的の内部で炸裂する。ゲーム中では敵にヒットしても派手に爆発するわけではない。前作の水中銃と違い陸上で使用しても何も発射されない。
- 風車手裏剣(ふうしゃしゅりけん)
- 折りたたみ式の四枚の刃が付いた大型の手裏剣。放つとブーメランのように自分の手元へ戻ってくる。射程は全飛び道具で一番短いが、絶技で攻撃力と誘導性能が上がり、複数の敵を一度に倒す事も出来る。
忍法
[編集]道中忍法を記した巻物を入手する事で使用出来る。どれも心強い武器となるが回数制限がある。鬼神珠を使えば回数の上限を、魄封珠を使えば忍法のLVを上げることが出来る。
- 火炎龍(かえんりゅう)
- 念動によって大きな火の固まりを作り出し、前方の標的めがけて追尾するように撃ち出す忍法。この忍法を食らった者の体に燃え広がる炎の勢いはまさに爆発的。龍が吐く炎が由来とされるだけあって、ただの炎ではないらしく、火炎龍によってひとたび火だるまと化したが最後、生き延びた記録は皆無である。初期状態では敵一体しか狙うことが出来ないが、LVを上げると複数の敵を同時に狙い撃つ事が出来るようになる。
- 破魔裂風刃(はまれっぷうじん)
- 鋭い腕の振り回しによって、切れ味鋭い真空波を発生させる忍法。360度に向かって放たれる真空の刃は、周囲一帯をズタズタにし、当然の事ながら多数の敵に包囲された状況においてその真価を発揮する。一点への集中的な破壊力を目的とする忍法ではないため他の術と比べると威力そのものは劣るが、生き残った者は手足を切断され戦闘力の多くを奪い去られてしまっている。LVが上がると真空波が更にが広がるようになる。
- 鳳凰焔舞(ほうおうえんぶ)
- 神鳥鳳凰の霊力を呼び出し、一定時間周囲に火の鳥を舞い飛ばし、近づく敵を燃やす忍法。前作の鬼火の術と用途は近い。瑞鳥である鳳凰は平安を象徴する。これに身を守られれば戦いの最中に平安を感じるかもしれない。
- 暗極重波弾(あんぎょくじゅうはだん)
- 一方向にブラックホールを発射する忍法。攻撃範囲は狭いが、逆に一点集中したエネルギー密度は甚大で、巻き込んだ敵を削り取りながらどこまでも突き抜けていく。LVが上がると射程と攻撃力が上がる。
ゲームシステム
[編集]- 体力ゲージ
- 今作の新システムで、範囲内の敵を全滅させた後に回復可能な青いゲージと回復不可能な赤いゲージが存在。ダメージを受ける毎に赤い部分が増加し、回復可能な最大値が減っていく。赤い部分はアイテムやエッセンスで回復が可能。
- エッセンス
- 敵を倒す、宝箱を開ける、オブジェクトを破壊する等で3色の球が飛び出し、数秒後にリュウ・ハヤブサの身体へ吸収される。ガードモーションを取ることで吸収をわざと遅らせる事も可能。効果は以下の通り。
- 黄色→ゲーム中におけるお金に該当し、ムラマサの店でアイテムを購入したり、武器をレベルアップする時に使用される。
- 青色→体力を回復する。赤くなった体力部分も回復させることが可能。
- 赤色→忍法を使うために必要な気力ゲージを回復する。
- 絶技(ぜつぎ)
- 強攻撃ボタン(Yボタン)を押し続けると2段階のチャージ動作に入り、ボタンを離すことで強力な攻撃を打ち込む事が出来る。チャージ中は特定の攻撃以外にキャンセルされる事がなく。発動すれば技の終了まで全身無敵判定となる。攻撃パターンは武器によって異なり、乱舞技や範囲攻撃、衝撃波を放ったりする。チャージ中に黄色いエッセンスを吸収するとチャージ完了が早くなり、青色、または赤色のエッセンスを吸収した場合はその時点でチャージが完了する。なお、今作では一部を除く飛び道具の絶技も可能となった。
- 滅却の法(めっきゃくのほう)
- 今作の新システム。四肢の一部を欠損した敵に対して強攻撃ボタンを押す事で強制的にとどめを刺す。発動時は武器や敵の状態に応じて専用のモーションが入る。雑魚敵だけでなく一部のボス敵にも決めることが可能で、その時点で必ず敵を倒せる。ボスへのとどめの演出としても使われる。但し、欠損した雑魚敵は自爆など死に物狂いの攻撃を繰り出すようになるため、迅速に滅却を決めなければ逆にピンチに陥りかねない。また、滅却で倒した場合は黄色のエッセンスしか出現しない。
- 殲滅戦(せんめつせん)
- 大量の敵と戦い続けるイベント。前作では発生する場所に足を踏み入れると強制的に戦う事になったが、今作では修羅の独鈷を手に入れた上で挑戦するか選択する事が出来る。戦いの場である修羅道に送られた後は敵を殲滅するまで脱出できない。
スタッフ
[編集]- プロデューサー:板垣伴信
- ディレクター:板垣伴信
- 開発:Team NINJA
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ “2008年12月期決算概況 2009年3月期事業計画(2009年2月16日開催)” (PDF). コーエーテクモホールディングス株式会社 (2009年2月16日). 2011年10月27日閲覧。