コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

マリントラフィック

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
MarineTraffic (識別子)から転送)
マリントラフィック
MarineTraffic
URL www.marinetraffic.com
言語 英語スペイン語アラビア語ロシア語ドイツ語フランス語ギリシャ語中国語ノルウェー語オランダ語ポルトガル語
タイプ 船舶位置情報
営利性 一部
登録 選択制
ユーザー数 2,000,000名
開始 2007年
現在の状態 運営中

マリントラフィック(MarineTraffic)は、船舶の位置と動き、港湾内の現在位置に関するリアルタイム情報を提供する[1]ウェブサイトオープンソースコミュニティによるプロジェクトとして運営されており、船舶に関する情報データベースでは、建造された場所や事業者名、船舶の寸法や総登録トン数(GRT)、IMO番号などを提供する。また、登録ユーザーは他のユーザーが評価できる船舶に関する写真を掲載することができる。

船の位置は、Google Maps API[2]海図OpenSeaMapを使用してGoogle マップ上に表示されている。

基本的なサービスは無料で利用でき、有料会員になるとより高度な機能を利用することが可能となる[3]

このサイトは毎月600万のユニークビジターが訪れており[4]、2015年4月には60万の登録ユーザー数を記録している[5][6]

仕組み

[編集]

船舶の位置データは、世界140か国以上の18,000を超える自動船舶識別装置(AIS)受信局の情報がボランティアによって収集されている[7][8]海上移動業務識別コード(MMSI)、位置、速度、指針、進行方向、回頭率、UNIX時間(UTC秒)、喫水、積み荷、目的地、到着予定時刻(ETA)、アンテナの位置(座標)および航海の状態などAIS機器によって提供される固定情報は[9][10]時分割多元接続技術(TDMA)を用いて船舶に設置されたVHFアンテナを通じ送信され、その信号を受信した受信局からマリントラフィックのメインサーバに情報を転送し、Webサイトを介してリアルタイムでの表示が行われている[11]。表示に使用される地図はGoogleマップをベースマッピングとしている。また、AIS信号の到達距離は条件により異なるが、概ねアンテナが取付けられた位置から見渡せる範囲である20~30海里(37~56km)であり[12]、信号が受信できるのは受信機が設置された沿岸地域に限定されているため、洋上では人工衛星受信機も利用し情報を補完している[8]

日本

[編集]

日本国内のAIS送受信に付いては海上保安庁主導により整備が進められ、海上交通センターで使用されるレーダーシステムとAIS情報を融合させた新しい航行支援システムの運用を2004年から開始しており、一部離島地域を除いた全沿岸海域での運用を2009年より開始している[9]

歴史

[編集]
AIS受信機

マリントラフィックは、ギリシャエルムポリにあるエーゲ大学で学術的なプロジェクトとして2006年に開始されている[13][14]

2007年後半、ディミトリス・レッカス(Dimitris Lekkas)教授はこれを試用版として公開した[5]

運営は「MarineTraffic.com」によって行われ、本部はギリシャのアテネに置き[4]イギリスシンガポールに本社を構えており、国際海事機関(IMO)国連貿易開発会議(UNCTAD)などの国際機関のほか、世界各地の港湾団体や、海運企業、石油資本などとも協力関係にある[8]。ギリシャのスタートアップ企業として始まり、ギリシャ国内においてマリントラフィックは過去10年で最も成功した事例となった[4]

コミュニティ

[編集]

マリントラフィックはアマチュア無線家のコミュニティやAISステーションの所有者、写真家翻訳家などに大きく依存している。

脚注

[編集]
  1. ^ Top 3 Websites to Track Your Ship”. MarineInsight. 2020年8月14日閲覧。
  2. ^ Memos, Demitris (January 20, 2015). “MarineTraffic tracks marine vessels with Google Maps”. Official Google for Work Blog. 2020年8月14日閲覧。
  3. ^ Cautiously Optimistic on MarineTraffic Internet AIS – Sail Magazine”. Sail Magazine. 2020年8月14日閲覧。
  4. ^ a b c Greek Australians transforming global shipping and riding on the wave of innovation”. Neos Kosmos (2019年2月3日). 2020年9月6日閲覧。
  5. ^ a b Site gives landlubbers trove of information about ships”. The Virginian-Pilot. 2015年10月31日閲覧。[リンク切れ]
  6. ^ MarineTraffic.com releases new notifications”. All About Shipping. 2020年8月14日閲覧。
  7. ^ Site gives landlubbers trove of information about ships”. HamptonRoads. 30 October 2015閲覧。[リンク切れ]
  8. ^ a b c About Us”. MarineTraffic.com. 2020年9月6日閲覧。
  9. ^ a b AISを活用した航行支援システム”. 海上保安本部 交通部. 2020年8月28日閲覧。
  10. ^ AIS(船舶自動識別装置)”. JRC 日本無線. 2020年8月28日閲覧。
  11. ^ Daniel (2020年3月25日). “Automatic Identification System”. Maritime Manual. 2020年8月14日閲覧。
  12. ^ AISの基礎知識”. FURUNO. 2020年11月27日閲覧。
  13. ^ Marine Traffic – AIS ship tracking”. MARINE TRAFFIC. 2020年8月14日閲覧。
  14. ^ A continent, as drawn by ships (Wired UK)”. The Intenet Archived. 2015年10月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月14日閲覧。

参考文献

[編集]

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]