国際ソフトウェアテスト資格認定委員会
国際ソフトウェアテスト資格認定委員会(こくさいソフトウェアテストしかくにんていいいんかい、英: International Software Testing Qualifications Board、ISTQB、以下ISTQBと記述)は、ブリュッセルに拠点を置き非営利団体として活動する、ソフトウェアテスト技術者の国際的な資格認定団体[1]。
概要
[編集]ISTQBは、認定資格試験の出題範囲を定めるシラバスを作成して公開し、試験を実施するとともに、各国のソフトウェアテストの関係者が設立したISTQB認定の加盟委員会の間の連携と相互認証を仲介する。ISTQBの認定資格には、ISTQB自身が直接認定する資格と、各国の加盟委員会がISTQBのシラバスに沿って作成した試験により認定される資格があり、ISTQBと各加盟委員会が相手の資格を相互承認しているため、いずれの資格も同等に扱われる。日本におけるISTQB認証の加盟委員会は、日本ソフトウェアテスト資格認定委員会 (JSTQB) であるが、JSTQBは日本語版シラバスおよび試験内容の作成を行い、試験の実施は日本科学技術連盟が担当する[2][3]。
沿革
[編集]2002年、ソフトウェアテスト技術者の育成を図ることを目的に、エジンバラにてオーストリア、デンマーク、フィンランド、ドイツ、スウェーデン、オランダ、イギリスの8か国のソフトウェアテスト関連の委員会が共同で設立。すでに1998年にはイギリスの情報システム試験委員会 (ISEB) が、ソフトウェアテスト技術者向けの認定資格のシラバスを作成し、それに基づく試験を実施していたため、2003年にISTQBは、ISEBのシラバスと同水準の内容のシラバスを作成して認定資格を開始[4]。2010年、ISEBは、ISTQBのイギリスにおける加盟委員会である連合王国テスト委員会(UKTB)と協定を結び、自身のソフトウェアテスト認定資格の試験に代えてISTQB認定資格の試験の実施を開始[5][6]。ISTQB認定の加盟委員会がある国は、2017年12月時点で58か国に達する[7]。日本の加盟委員会は日本ソフトウェアテスト資格認定委員会で、2005年4月に認定された[8]。
認定資格
[編集]2017年12月時点で受験者数は120か国78万5千人、有資格者数は57万人を数える[7]。
認定資格の難易度は、設立時点はFoundation Levelのみであったが、2003年に上級資格のAdvanced Levelのシラバスが作成され、2004年にそれに基づく認定資格試験が開始。2011年には最上級のExpert Levelのシラバスが作成され、2014年に試験が開始[9]。各レベルのシラバスはISTQBのサイドで公開されている。シラバスは改訂が繰り返されており、Foundation Levelに関しては、2018年現在、2011年版が最新版である。
認定資格には、伝統的なテスト手法に対応する基本コースであるCoreに加え、拡張コースとして、アジャイルソフトウェア開発に対応するAgileと専門分野に対応するSpecialistがある。各コースは難易度別にFoundation Level、Advanced Level、Expert Levelに分かれるが、2018年現在、Expert Levelまで受験可能なのはCoreのみで、SpecialistはAdvanced Levelまで、AgileはFoundation Levelまでしか試験は用意されていない[10]。
脚注
[編集]- ^ “資格認定ISTQBはソフトウェア・テストの何を変えたのか? ―― ソフトウェアテストシンポジウム 2013東京(JaSST'13 Tokyo)”. CQ出版社. Tech Village. (2013年2月13日)
- ^ “JSTQB認定テスト技術者資格試験実施要項”. JSTQB. 2018年6月3日閲覧。
- ^ “JSTQB認定テスト技術者資格”. 日本科学技術連盟 SQiP. 2018年6月3日閲覧。
- ^ “History”. ISTQB. 2018年6月3日閲覧。
- ^ “Relationship with ISEB”. ISTQB. 2018年6月3日閲覧。
- ^ “Software Testing and User Experience”. BCS. 2018年6月3日閲覧。
- ^ a b “Facts & Figures”. ISTQB. 2018年6月3日閲覧。
- ^ “JSTQBについて”. JSTQB. 2018年6月3日閲覧。
- ^ “History”. ISTQB. 2018年6月3日閲覧。
- ^ “ISTQB Certification Product Portfolio”. ISTQB. 2018年6月3日閲覧。