JIS漢字コード
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(JIS第3水準から転送)
JIS漢字コード(ジスかんじコード)は、日本産業規格(JIS)に収録されている、漢字などの文字コードである。「漢字コード」という名称ではあるが、漢字に限定した文脈でなければ、非漢字、すなわち漢字以外のマルチバイト文字(いわゆる全角文字)をも含むことが多い。
通常はベンダー(発売元)制定の漢字コードや中国・台湾で制定された漢字コードに対してJISとして制定された漢字コードを指すときに用いられる。文脈によっては広義のJIS漢字コードには含まれるが、JIS X 0208:1997において初めて正式に規格に取り入れられた「Shift_JISコード」に対する「JISコード」を指すこともある。
規格
[編集]日本産業規格において定められた漢字コードとしては、
- JIS X 0208 - 非漢字、第1・第2水準漢字
- JIS X 0212 - 非漢字 (0208と重ならず)、補助漢字(0208と重ならず)
- JIS X 0213 - 非漢字(0208を包含)、第1・第2水準漢字(0208と同じ)、第3・第4水準漢字
- JIS X 0221 - 国際符号化文字集合(Unicode、0208・0212・0213の文字を全て含む)
がある。ただしこのうちJIS X 0221は、国際規格であるISO/IEC 10646 (Unicode) の翻訳にすぎないため、JIS漢字からは除外される。
それ以外は、制定(または改正)された年によって次のような通称で呼ばれることもある。
- 78JISまたはJIS78:1978年に制定されたJIS C 6226:1978
- 83JISまたはJIS83:1983年に制定されたJIS C 6226:1983(1987年3月1日にJISに分類記号「X」の情報部門が新設されたため、それ以後はJIS X 0208:1983)
- 90JISまたはJIS90:1990年に制定されたJIS X 0208:1990(同時に制定された補助漢字の規格であるJIS X 0212:1990を含める場合もある)
- 97JISまたはJIS97:1997年に制定されたJIS X 0208:1997
- 2000JISまたはJIS2000:2000年に制定されたJIS X 0213:2000
- 2004JISまたはJIS2004:2004年に制定されたJIS X 0213:2004
JIS X 0208及びJIS X 0213の各年版ごとの収録文字数はそれぞれ以下の通りである。
制定年 | 第1水準漢字 | 第2水準漢字 | 第3水準漢字 | 第4水準漢字 | 非漢字 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
1978年 | 2,965字 | 3,384字 | - | - | 453字 | 6,802字 |
1983年 | 3,388字 | 524字 | 6,877字 | |||
1990年 | 3,390字 | 6,879字 | ||||
1997年 | ||||||
2000年 | 1,249字 | 2,436字 | 1,183字 | 11,223字 | ||
2004年 | 1,259字 | 11,233字 |
異同について
[編集]制定年の違いにより同じ形状の文字が他のコード番号に割り振られるケースがあったが、検証によると158例に異同はJIS漢字案でのミスを訂正した結果の異同が22例、異体字を再配列したための異同が65例、印刷におけるフォントの差が51例、誤植など新たなミスを犯してしまったと思われる異同が18例、その他の異同が6例となっている。[1]
関連項目
[編集]出典
[編集]- ^ 安岡孝一. “JIS漢字案(1976)とJIS C 6226-1978の異同”. 2021年2月15日閲覧。
外部リンク
[編集]- 改定常用漢字表に対するJIS漢字コード規格の対応状況について(経済産業省)[リンク切れ]
- 小林龍生、「情報交換用符号化文字集合と人名用漢字使用の実情」『情報管理』 2012年 55巻 3号 p.147-156, doi:10.1241/johokanri.55.147, 国立研究開発法人 科学技術振興機構