インターナショナル・エアロ・エンジンズ
IAE インターナショナル・エアロ・エンジンズ AGは、航空機のエンジン製造を目的としたチューリッヒを拠点とする合弁会社である。1983年設立。
V2500エンジンの開発、販売を目的として設立された。1社単独での開発・生産はリスクが高いため、プラット・アンド・ホイットニー(P&W)とロールス・ロイス・ホールディングス(RR)は単独での参入に躊躇していたが、世界市場でのシェアがほとんどなく航空機エンジンの開発に何としてでも食い込みたい日・伊・西独の各社との思惑が一致して共同で行うことになった。エンジンの部材の製造は出資比率に応じて開発した各社の工場で行っている。
構成
[編集]当初の株式構成比:
- プラット・アンド・ホイットニー(P&W) アメリカ (32.5%)
- ロールス・ロイス(RR) イギリス (32.5%)
- MTUエアロ・エンジンズ 西ドイツ (12%)
- 日本航空機エンジン協会 日本 (23%)
当初は参加を予定していたフィアットアヴィオ(現アヴィオ)は開発の初期の段階で離脱した。V2500エンジンの"V"は数字の5を意味し、当初の5社[1]の共同体制の名残である。2500は当初の推力2500ポンドを意味する。
2011年10月12日、ロールス・ロイス・ホールディングス(RR)はIAEにおける出資分を15億ドルでプラット・アンド・ホイットニー(P&W)の親会社であるユナイテッド・テクノロジーズに売却したことを明らかにし、2012年6月29日に完了した[2]。これにより初期メンバーは3社3か国となったが、株式では離脱したロールス・ロイス・ホールディングス(RR)は今後もエンジンにおける担当部分に関する責任を全うする。
現在の株式構成比:
- プラット・アンド・ホイットニー(P&W) アメリカ (25%)
- Pratt & Whitney Aero Engines International GmbH スイス (24.5%)
- MTUエアロ・エンジンズ ドイツ (25.25%)
- 日本航空機エンジン協会 日本 (25.25%)
製造品目
[編集]エアバスのA320ファミリーとマクドネルダグラスのMD-90に搭載されるV2500エンジンの製造、供給を目的に設立され、現在も継続している。
2005年10月には、同じくA320シリーズに搭載するV2500セレクトのローンチを発表し、2011年にはV2500初の軍用型となるV2500-E5がKC-390(エンブラエルの双発中型軍用空中給油/輸送機)の搭載エンジンとして選択された[3]。A320のneo化にともなうエンジン変更、2019年までのA320ceoの生産中止などにより、V2500の製造数は減少すると見込まれており、KC-390の受注が今後のV2500の製造を巡るキーとなると予測されている[4]。
その他、エアバス A340に搭載する予定だったIAE V2500SF スーパーファンも開発されていたが、中止された。
脚注
[編集]- ^ 日本側参加企業は合弁で日本航空機エンジンを設立したので1社として扱われる。
- ^ History | International Aero Engines
- ^ IAE steps into military market with KC-390 win
- ^ KC-390 Key to Long-Term V2500 Engine Production | Forecast International
リンク
[編集]- IAE International Aero Engines AG - 製品 - V2500 SelectOne™ - V2500 SelectTwo™
- プラットアンドホイットニー (2007年のアーカイブ) - V2500 ENGINE
- ロールスロイス (2007年のアーカイブ)
- MTU (2007年のアーカイブ) - MTU V2500
- V2500 (1998年のアーカイブ)
- Concourse Article on the V2500 (2004年のアーカイブ)
- IAEエンジンファクト (2013年のアーカイブ)