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ゴッド・ディスローンド

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
God Dethronedから転送)
ゴッド・ディスローンド
God Dethroned
ドイツ・グレーフェンハイニッヒェン公演(2018年6月)
基本情報
出身地 オランダの旗 オランダ ドレンテ州
ミデン=ドレンテ ベイレン
ジャンル デスラッシュ
活動期間 1990年 - 1993年
1996年 - 2012年
2014年 -
レーベル シャーク・レコード
メタル・ブレイド・レコーズ
公式サイト www.goddethroned.com
メンバー ヘンリ・ザトラー (ボーカルギター)
デイヴ・メースター (リードギター)
イェロン・ポンパー (ベース)
フランク・スキルペロ (ドラムス)
旧メンバー オスカー・カレ (ギター)
イェンス・ファン・デル・ファルク (ギター)
イザーク・デラハイ (ギター)
スーザン・ヘール (ギター)
ダニー・トゥンカー (ギター)
マイク・ファーガソン (リードギター)
レンコ・フルスト (ベース)
マルセル・ブーケフェルト (ベース)
マルコ・アレンズ (ベース)
ビーフ (ベース、バッキングボーカル)
ヘンク・ジンガー (ベース)
アード・デ・ヴェアード (ドラムス)
ルー・サンダース (ドラムス)
アリエン・ファン・ヴェーセンベーク (ドラムス)
ミヒール・ファン・デル・プリフト (ドラムス)

ゴッド・ディスローンド (God Dethroned)は、オランダベイレン出身のデスラッシュバンド

略歴

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1990年オランダ北部の町・ベイレンでヘンリ・ザトラー (VoG)を中心に結成[1][2]。最初期のメンバーは、ザトラー、レンコ・フルスト (B)、アード・デ・ヴェアード (Ds)の3名。このラインナップで、1stデモテープ『Christhunt』を1991年にリリース。翌1992年ドイツのシャーク・レコードから1stアルバム『The Christhunt』をリリースしデビューした[1][2]。当時は、スウェディッシュ・デスメタルに影響を受けたデスメタルバンドであった[2]。尚、1stデモテープリリース後にフルストは脱退しており、オスカー・カレ (G)とマルコ・アレンズ (B)が加入している[注釈 1]。しかし、ザトラーと他のバンドメンバーの間の確執や、レコード会社とのトラブルによって、ザトラーは1993年にバンドを解散する[1][2]。バンド解散後、ザトラーはミニストリー・オヴ・テラー (Ministry of Terror)というスラッシュメタルバンドを結成し、1994年に1stアルバム『Fall Of Life』をリリースしてデビューしている[注釈 2][1]。このバンドには、ゴッド・ディスローンドの初代ベーシストのフルストがギタリストとして在籍していた。しかし、インペイルド・ナザリーンとのヨーロッパツアーの後、ザトラーはミニストリー・オヴ・テラーを脱退[注釈 3][1]。ゴッド・ディスローンドを再結成することになる[1]

2009年

1996年に、ザトラーを中心に新しいメンバーでゴッド・ディスローンドを再結成[1][2]。再結成時のメンバーは、ザトラー、イェンス・ファン・デル・ファルク (G)、ルー・サンダース (Ds)の3名。少し遅れて、ビーフ (B)が加入した。アメリカ合衆国メタル・ブレイド・レコーズと契約して、2ndアルバム『The Grand Grimoire』をリリース[1][2]。同アルバムリリース後には、カンニバル・コープスモービッド・エンジェルといったデスメタルバンド、イモータルマーダックといったブラックメタルバンドとのツアーを経験し、ヨーロッパ、アメリカ合衆国、そして日本でライヴツアーを行っている[1]。その後も、ヴァッケン・オープン・エア等に出演するなど活動を続け、1999年に3rdアルバム『Bloody Blasphemy』をリリース。同アルバムのプロモーションツアーを行っていたが、このツアーの疲れとインヒューム (Inhume)への復帰を望んだことからドラマーのサンダースが脱退[1][2]。この後、ドラマーは中々決まらず、2001年リリースの4thアルバム『Ravenous』は、当時ナイルで活動していたトニー・ラウリーノをサポートに迎えて作成された[1][2]。その後のツアーでは、当時ザ・クラウンで活動していたヤンネ・サーレンパーをサポートに迎えている[1][2]2002年になって、新ドラマーのアリエン・ファン・ヴェーセンベーク (Ds)が加入[1][2]2003年に5thアルバム『Into the Lungs of Hell』をリリース。2004年にファン・デル・ファルクとビーフが脱退し、イザーク・デラハイ (G)とヘンク・ジンガー (B)が加入[1]。この時期のことを、バンド自身はバンドの歴史の中で、最も困難な時期と表現しており、メンバーが長くバンド活動を共にする中で、各々の人生やバンドについて新たな視点を獲得・発展させていったことから、メンバーの交代劇が起こったとしている[1]。デラハイとジンガー加入前までにザトラーとヴェーセンベークの2名で次回作の楽曲制作は終わっており、2名の加入はレコーディング直前に行われた[1]2004年に6thアルバム『The Lair of the White Worm』をリリース。同アルバムは、日本盤がメタル・ブレイド・レコーズ・ジャパンよりリリースされ、6枚目にして日本デビュー盤となった[2]。リリース後も多くのライヴツアーに参加し、ザ・ホーンテッドボルト・スロワーとも共演している[1]。ボルト・スロワーとのツアー終了とともに7thアルバム『The Toxic Touch』の制作に着手[1]2006年にリリースされた。リリース後は、ヴェイダーとのツアーを敢行するが、ザトラーの家族の問題により活動休止状態に陥った[1][2]。この間、ヴェーセンベークがエピカにセッション参加し、そのままゴッド・ディスローンドを脱退し2007年にエピカに正式加入した[2]。更にデラハイもヴェーセンベークの伝手でエピカにセッションを経て正式加入し、ゴッド・ディスローンドを脱退している[2]2008年中頃にザトラーが復帰し、二人目のギタリストは不在のまま、元メンバーのルー・サンダース (Ds)が再加入して新アルバムが作成された。2009年に8thアルバム『Passiondale (Passchendaele)』をリリース。リリース後のツアーでは、初めて南アメリカを訪れている[1]。また、サンダースはアルバムリリース後に脱退してしまい、新たにミヒール・ファン・デル・プリフト (Ds)が加入。またこの頃は女性ギタリストのスーザン・ヘール (G)が在籍していたが、短期間でバンドを離れドイツ出身のギタリスト・ダニー・トゥンカー (G)が加入している。2010年に9thアルバム『Under the Sign of the Iron Cross』をリリース[1]2011年からフューネラル・ツアーを行い、2012年2月のアメリカでのライヴを最後に解散した[1]

2013年に、ゴッド・ディスローンドが所属していたメタル・ブレイド・レコーズ・ヨーロッパでマネージャーをしていたミヒャエル・トレンゲルトの葬儀が行われ、参列したザトラーは音楽業界の知人と再会する[1]。これが切っ掛けとなり、ザトラーはゴッド・ディスローンドを再々結成することを決意する[1]2014年に、実際に再結成する。再結成時のメンバーは、ザトラー、イェロン・ポンパー (B)、プリフト (Ds)の3名。2015年リードギタリストのマイク・ファーガソン (G)が加入。2017年に復活作となる10thアルバム『The World Ablaze』をリリース。2019年3月に、ヨーロッパツアーにマイク・ファーガソンが参加できないことが発表され、代わってデイヴ・メースター (Lead G)がツアーに参加することが発表された[3]。その後、12月に11thアルバム『Illuminati』のリリース予告の際、マイク・ファーガソンが正式に脱退しており、デイヴ・メースターが後任となっていることも併せて発表された[4]2020年初頭に、プリフトが脱退し、2021年にフランク・スキルペロ (Ds)が加入した[5]

メンバー

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現ラインナップ

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バンドの中心人物でありリーダー。別名「T.S.K.」。ミニストリー・オヴ・テラー、ローズ・オヴ・ザ・ストーン、グランド・スプリーム・ブラッド・コート、ウィンター・オヴ・シン、ソウルバーン等のバンドでも活動している。他バンドではベースを担当することもある。
アポフィスでも活動。
  • イェロン・ポンパー (Jeroen Pomper) - ベース
アブソーブド、アイコンズ・オヴ・ブルータリティ等のバンドでも活動している。他バンドではボーカルを担うこともある。
  • フランク・"スキルペロ"・シルペルールト (Frank "Skillpero" Schilperoort) - ドラムス
シャイニング、ザ・スカーレット・クロウ、アルター、デヴィアスなどでも活動。

旧メンバー

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マイク・ファーガソン(G) 2017年
ミヒール・ファン・デル・プリフト(Ds) 2017年
  • オスカー・カレ (Oscar Carré) - ギター
リーダー等のバンドでも活動。
  • イェンス・ファン・デル・ファルク (Jens van der Valk) - ギター
オータム、カンタラ、エンレイジド、シージャー等のバンドでも活動。他バンドでは、ボーカルやベースを担う場合もある。
  • イザーク・デラハイ (Isaac Delahaye) - ギター
エピカマヤン、パノプティカム等のバンドでも活動。エピカではハーシュ・ボーカルも担当している。
  • スーザン・ヘール (Susan Gerl) - ギター
キル・ディヴィジョン、ディセンシタイズド、クリテーター等のバンドでも活動。グロウルによるボーカルを担当するバンドもある。
  • ダニー・トゥンカー (Danny Tunker) - ギター
ドイツ出身。アブホレント、アルカロイド、フォーム、アボーテッド、デトネーション、フュールブラッデッド、プロスティテュート・ディスフィギュアメント、ザ・サトゥルニン等のバンドでも活動。
アメリカ合衆国出身。デトネーション、ドッグハウス・ギャロウズ、ピクチャー、Kutschurft等のバンドでも活動している。
  • レンコ・フルスト (Remco Hulst) - ベース
ミニストリー・オヴ・テラーでも活動。
  • マルセル・ブーケフェルト (Marcel Beukeveld) - ベース
  • マルコ・アレンズ (Marco Arends) - ベース
  • ビーフ (Beef) - ベース、バッキングボーカル
  • ヘンク・ジンガー (Henk Zinger) - ベース
マッシヴ・アサルト、グラインド・マインデッド等のバンドでも活動。
  • アード・デ・ヴェアード (Ard de Weerd) - ドラムス
ローズ・オヴ・ザ・ストーンでも活動。
  • ルー・サンダース (Roel Sanders) - ドラムス
インヒューム、キル・ディヴィジョン、Asphyx等のバンドでも活動。
  • アリエン・ファン・ヴェーセンベーク (Ariën van Weesenbeek) - ドラムス
エピカマヤン、カルマフロー、HDK等のバンドでも活動。
  • ミヒール・ファン・デル・プリフト (Michiel van der Plicht) - ドラムス
ペスティレンス、アポフィス、ウィンター・オヴ・シン、デトネーション、プロスティテュート・ディスフィギュアメント、カタファーク、トキソカラ等のバンドでも活動。

サポートメンバー

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  • ダニー・サーヴェス (Danny A. "Goatlord" Servaes) - キーボード
2ndアルバム『The Grand Grimoire』、3rdアルバム『Bloody Blasphemy』、4thアルバム『Ravenous』、5thアルバム『Into the Lungs of Hell』、8thアルバム『Passiondale (Passchendaele)』に参加。
ローズ・オヴ・ザ・ストーンで活動。
2ndアルバム『The Grand Grimoire』に参加。
  • ローランド・ヴッブス (Roeland Wubbs) - ピアノ
3rdアルバム『Bloody Blasphemy』に参加。
  • ニーンケ・デ・ヨン (Nienke de Jong) - クリーンボーカル
3rdアルバム『Bloody Blasphemy』に参加。
オータム、ハー・エンチャントメント等で活動。カレニッシュ・サークルのアルバムにゲスト参加したこともある。
  • トニー・ラウリーノ (Tony Laureano) - ドラムス
4thアルバム『Ravenous』に参加。
ナイル、インシディアス・ディズィーズ等で活動。
  • ブライアン・パーソンズ (Brian Parsons) - ボーカル
7thアルバム『The Toxic Touch』に参加。
  • ヨルグ・アーケン (Jörg Uken) - キーボード
7thアルバム『The Toxic Touch』、8thアルバム『Passiondale (Passchendaele)』、9thアルバム『Under the Sign of the Iron Cross』に参加。
ナイトフォール、ストームウォーリアー、マンドレイクなどでも活動。ドラマーとしても活動している。
  • マティアス・リーディガー (Mathias Riediger) - キーボード
7thアルバム『The Toxic Touch』に参加。
  • マルコ・ファン・デル・フェイデ (Marco v.d. Velde) - ボーカル
8thアルバム『Passiondale (Passchendaele)』、9thアルバム『Under the Sign of the Iron Cross』に参加。
ジ・ウーンデッド等のバンドでも活動。ギタリストとしても活動している。
  • ミドリ・ハス=カヤヌマ (Midori Hass-Kayanuma) - 語り手
8thアルバム『Passiondale (Passchendaele)』に参加。1曲目の「The Cross Of Sacrifice」において、日本語の語りを担当している。
  • ヤンネ・サーレンパー (Janne Saarenpää) - ドラムス
4thアルバム『Ravenous』リリース後のツアーにサポート参加。
ザ・クラウンエンジェル・ブレイク等のバンドで活動。
  • イアン・ジェケリス (Ian Jekelis) - ギター
2010年2015年のライヴにサポート参加。
アビゲイル・ウィリアムズ、アボーテッド、アビスマル・ダウン等のバンドで活動。

ディスコグラフィ

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  • The Christhunt (1992)
  • The Grand Grimoire (1997)
  • Bloody Blasphemy (1999)
  • Ravenous (2001)
  • Into the Lungs of Hell (2003)
  • The Lair of the White Worm (2004)
  • The Toxic Touch (2006)
  • Passiondale (Passchendaele) (2009)
  • Under the Sign of the Iron Cross (2010)
  • The World Ablaze (2017)

コンピレーション

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  • The Ancient Ones (2000)
初期音源(デモテープ)やライヴ音源を集めたコンピレーションアルバム。

デモ

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  • Christhunt (1991)

注釈

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  1. ^ ただし、マルコは短期間の在籍に留まり、新たにマルセル・ブーケフェルトが加入している。
  2. ^ ちなみに、本アルバムはザ・ギャザリングが所属していたファウンデイション2000からリリースされた。
  3. ^ 文献によっては、解散させたとの記述もある[2]が、ゴッド・ディスローンドの公式ウェブサイトでは、バンドを離れたという記載に留まっている[1]

脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y Bio”. God Dethroned Official Website. 2018年1月7日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 渡辺清之『パッションデイル』(CDライナー)ゴッド・ディスローンド、メタル・ブレイド・レコーズ・ジャパン、2009年。MBCY-1106。 
  3. ^ Unfortunately Mike Ferguson cannot join us playing at the European tour.”. God Dethroned Official Facebook (2019年3月24日). 2019年12月21日閲覧。
  4. ^ "Freemasons, occultists and conspiracy theory...”. God Dethroned Official Facebook (2019年12月13日). 2019年12月21日閲覧。
  5. ^ When Michiel announced his departure from GD early 2020...”. God Dethroned Official Facebook (2021年7月11日). 2021年7月29日閲覧。

外部リンク

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