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GTPアーゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
GTP結合タンパク質から転送)

GTPアーゼグアノシン三リン酸(GTP)を結合し加水分解する一群の酵素あるいはタンパク質で、非常に多数の種類がある。

GTPアーゼは正式にはグアノシン三リン酸フォスファターゼまたはグアノシントリフォスファターゼといい、加水分解酵素として分類されるが、一般の酵素のように基質であるGTPが結合後すぐに分解されるわけではなく、GTPおよびその加水分解産物であるグアノシン二リン酸(GDP)が結合した状態が比較的安定に存在し、それぞれが機能を有していろいろな細胞の調節を行う。そのため酵素という名前でなく、GTP結合タンパク質と呼ぶことも多い。EC番号3.6.5。反応の各段階(GTPの結合・GTPの加水分解・GDPの解離)が他のタンパク質、あるいはそれ自身の存在環境によって調節を受ける。

種類

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次のような種類がある。

機能

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チューブリンを除いては、GTPの結合・加水分解に関与する部分にはGドメインと呼ばれる共通性の高い構造がある。いずれもGTPの末端(γ位)のリン酸基を加水分解しGDPにする。この末端リン酸基の結合は高エネルギーリン酸結合であるが、そのエネルギーはATPアーゼのように輸送や運動(分子モーター)に直接用いられるのではなく、タンパク質のコンフォメーション変化に使われていると考えられる。機能からは次のように分けられる。

Gタンパク質と低分子量GTPアーゼは、いずれもシグナル伝達等において分子スイッチとして働き、GTP結合状態(オンまたは活性化状態)から、GTPの加水分解を経て、GDP結合状態(オフまたは不活性化状態)へ、さらにGDPからGTPへの交換を経てGTP結合状態へと、一方向的に移行する。機能的には似ているので両者を合わせてGタンパク質と呼ぶこともある。狭義のGタンパク質はヘテロ三量体として膜上の受容体に結合し、下流の伝達経路へシグナルを送る。低分子量GTPアーゼには、伝達経路の途中で働くもの(がん遺伝子rasの産物)のほか、細胞内の小胞輸送や細胞骨格の調節において機能するものがある。ダイナミンスーパーファミリーも小胞輸送に関与する。

脚注

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