GNU宣言
GNU宣言(グヌーせんげん、GNU Manifesto)は、リチャード・ストールマンが書き、1985年のDr. Dobb's Journal of Software Tools, Vol. 10, No. 3に掲載された[1]、GNUプロジェクトの目標を定義し説明し、支援と参加を呼びかける文書である。フリーソフトウェア運動 において大勢の人々が、基本的な哲学の祖と考えている。当初は、GNUプロジェクトのプロダクトであったGNU EmacsなどのGNUソフトウェアに同梱されて広まった。初期の日本語訳に、『GNU Emacsマニュアル』(共立出版)に収められたものがある(pp. 205-213)。現代では全文が、ウェブで閲覧できる[2]。最初の数年間は、開発状況に対応して少しずつ変更があったが、1993年以降、変更はない。
背景
[編集]GNU宣言の一部は、1983年9月27日にリチャード・ストールマンによってGNUプロジェクトの宣言として、Usenetニュースグループに投稿された[3]。プロジェクトの目的は、コンピューターのユーザーに自由を与え、彼らが、ソフトウェアを共同して開発し、提供することによって、自らのコンピュータを制御できるようにすることであった。これはストールマンのソフトウェアの自由というアイディア(ただし、1986年2月の時点まで、はっきりと書かれた定義は存在しなかった[4])に基づく。宣言は、より多くの人々にこれらの概念や考え方を知ってもらうための手段として書かれ、また、プロジェクトへの貢献や資金的援助、プログラムやハードウェアのサポートを得ることなども意図していた。
上述のように、その後GNU宣言は、1985年にその名前が定まり、文章もより完全な形となった。その後、1987年にはマイナーな変更が加えられている[5]。
出典
[編集]- ^ Stallman, Richard (March 1985). “Dr. Dobb's Journal”. Dr. Dobb's Journal 10 (3): 30 2011年10月18日閲覧。.
- ^ Stallman, Richard (March 1985). “The GNU Manifesto - GNU Project - Free Software Foundation (FSF)”. gnu.org. GNUプロジェクト. 2011年10月18日閲覧。
- ^ Stallman, Richard. “Initial announcement of the GNU Project” (英語). www.gnu.org. 2019年2月7日閲覧。
- ^ Stallman, Richard M. (February 1986). “GNU's Bulletin, Volume 1 Number 1”. Gnu.org. p. 8. 2019年2月8日閲覧。
- ^ Stallman, Richard (March 1985). “The GNU Manifesto”. GNU Project. 2019年2月9日閲覧。