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欧州連合官報

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
EU官報から転送)
The Official Journal of the European Union (欧州連合官報)
デンマーク語で書かれた告示編 (C series) の刊行表紙
種別官報 (日刊)
発行者欧州連合
設立1952年12月30日 (1952-12-30)
政治的傾向中立
言語欧州連合の公用語 (24言語[1])
ウェブサイトeur-lex.europa.eu/oj/direct-access.html
欧州連合
欧州連合の旗
欧州連合の政治

欧州連合官報 (おうしゅうれんごうかんぽう、EU官報: The Official Journal of the European Union、略称: OJ) は欧州連合 (EU) が発行する官報である[2]。2013年7月1日以降、EUが公布した法令のうち、EU官報の電子版 (略称: e-OJ) に掲載された版のみが公式と認められている[2][3]EU公用語全ての言語版で提供されており (24言語) [注 1]、土日祝日を除いて毎日発行されている[注 2]。EU官報の電子版はEUR-Lexのサイト上で無料公開されている[3]

EU官報の前身は、欧州石炭鉄鋼共同体官報 (ECSC官報、1952年 - 1965年発行) と欧州共同体官報 (EC官報、1958年 - 2003年発行) である。1993年にマーストリヒト条約が発効してECからEUへの転換した後も、2003年に発効したニース条約まではEC官報の名称が使われてきた[5]

EU官報の見方

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EU官報は以下の構成をとっている[6][5]

  • 法令編 (L series) -- 英語のLegisrationの頭文字。法的拘束力のある全ての文書[7]
    • L I -- EU法は規則、指令、決定の3種類に分類されるが、EU官報には全て掲載されるほか、予算などもL Iに含まれる。
    • L II -- 国際条約、勧告、ガイドライン、欧州連合内の各組織間の手続など、通常のEU立法を経ないものがL IIに分類される。
    • L III -- EEAに関連する法令。
    • L IV -- 2009年のリスボン条約以前に採択された法令。
  • 告示編 (C series) -- フランス語のCommunicationsの頭文字[4]
    • C I -- 仲裁、勧告、法的拘束力のない意見書。
    • C II -- 欧州連合内の各組織間の合意、共同宣言、情報発信など。
    • C III -- 可決前の法案や政策目標など、立法化される前の予備的資料。
    • C IV -- 通知 (EU内だけでなく、他国から発信された通知も含む)。
    • C V -- その他お知らせ (職員募集など[7])。
  • 政府調達情報 (S series) -- LおよびCと異なり、附録 (Supplement) の位置付け[7]

本編が現在のようにLとCで二部構成されるようになったのは、1968年1月以降である。1952年から1958年4月にかけてはまとめてA series (フランス語のAntérieur) と呼ばれており、1958年5月から1967年末まではP series (フランス語のPostérieur) が使われていた[2][4]。また、EU官報が紙媒体から電子媒体にシフトする1999年8月31日から2014年3月31日にかけては、CE seriesも使われていた。これは電子版 (英語のElectronic) を意味するが、2014年4月以降は使用されていない[4]

現在のLとCにはそれぞれサブシリーズがあり、A (英語のAnnex) は他の官報公示内容に附属する文書、I (英語のIsolated) は単発で他の公示から独立した文書を意味する。これらに3桁の連番を組み合わせることで、「OJ L 011I」(単発のEU法 001番) や「OJ C 019A」(法的拘束力のない附属文書 019番) といった参照番号体系になっている[4]。なお、OJから始まるEU官報番号とは別に、EU官報を掲載しているウェブサイトEUR-LexでもCELEX番号という独自の番号体系を用いている[4]

関連項目

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注釈

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  1. ^ 2020年6月現在、24言語が公用語として認められている[1]。このうちアイルランド語については特例に基づき、一部のみがEU官報で提供されている。具体的には主要立法、および国際条約の一部のみである[4]。なおイギリスがEUを離脱しても、英語はアイルランドとマルタの公用語の一つであるためEU公用語にとどまる[1]
  2. ^ 緊急の公示情報がある場合のみ、土日祝日でも発行される[2]

出典

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  1. ^ a b c About the EU > EU languages” [EUについて > EU公用語] (英語). 欧州連合. 2020年1月16日閲覧。 “The EU has 24 official languages. These are: Bulgarian, Croatian, Czech, Danish, Dutch, English, Estonian, Finnish, French, German, Greek, Hungarian, Irish, Italian, Latvian, Lithuanian, Maltese, Polish, Portuguese, Romanian, Slovak, Slovenian, Spanish, Swedish”
  2. ^ a b c d Official Journal”. EUR-Lex. 2019年9月21日閲覧。
  3. ^ a b Official Journal - Legally binding print editions”. EUR-Lex. 2019年9月21日閲覧。
  4. ^ a b c d e f Frequently asked questions”. EUR-Lex. 2020年1月16日閲覧。
  5. ^ a b EU(欧州連合)法令資料、判例資料、議会資料”. リサーチ・ナビ. 国立国会図書館 (2019年1月22日). 2019年9月21日閲覧。
  6. ^ Structure of the Official Journal – Adaptation following the entry into force of the Lisbon Treaty” [EU官報の構成 - リスボン条約発効に伴う] (英語). EUR-Lex (2010年6月). 2019年9月21日閲覧。
  7. ^ a b c Foster, Nigel (2012-06-28). EU Law Directions. オックスフォード大学出版会. pp. 161–. ISBN 978-0-19-963980-9. https://books.google.com/books?id=LpBT01TgaxwC&pg=PT161 

外部リンク

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