EBR-I
EBR-I | |
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アイダホ州にある世界初の原子力発電炉、EBR-I。炉は写真中央の建物で、左の2つの建築物は航空機用原子炉実験のもの。 | |
国 | アメリカ合衆国 |
所在地 | アルコ |
座標 | 北緯43度30分41秒 西経113度00分23秒 / 北緯43.51132度 西経113.0064度座標: 北緯43度30分41秒 西経113度00分23秒 / 北緯43.51132度 西経113.0064度 |
運転開始 | 1950 |
運転終了 | 1964 |
原子炉 | |
運転中 | 0.2 MW |
種類 | 高速増殖炉 |
ウェブサイト http://www.inl.gov/ebr/ |
EBR-I(Experimental Breeder Reactor No.1)は、アイダホ州アルコから18マイル(29 km)南東に離れた砂漠の中に建設された高速増殖炉実験炉である。
1951年12月20日午後1時50分、世界初の原子力発電に成功した。そのときの電力は4個の200ワット電球を灯す程度であった。
EBR-Iは、世界初の原子力発電を行った原子炉というだけではなく、世界初の高速増殖炉でもあり、世界初のプルトニウムを燃料とした原子炉でもあった。
その後、1964年に閉鎖されるまで、様々な実験的用途に用いられた。
歴史
[編集]EBR-Iは、アメリカの国立原子炉試験場(NRTS: National Reactor Testing Station, 現在のアイダホ国立研究所)の施設として、1949年末に建設が始められた。原子炉は、アルゴンヌ国立研究所のウォルター・ジン(Walter Zinn)のチームによって設計された。
1951年初頭にEBR-Iは完成し、1951年8月24日に初臨界を達成した。同年12月20日には、初の原子力発電に成功した。
EBR-Iの設計の目的は、原子力発電だけではなく、核物理学が示唆する増殖炉の可能性を証明するためであった。1953年の実験では、増殖炉は核燃料を増殖できるという仮説が正しいことを証明した。
しかし1955年11月29日には、EBR-Iは運転員のミスにより部分的な炉心溶融を起こした。その後の実験のために修理が行われた。
廃炉および現在
[編集]EBR-Iは1964年に稼働を停止し、EBR-IIに置き換えられた。
1965年にアメリカ合衆国国定歴史建造物に[1][2]、2004年にIEEEマイルストーンに指定[3]された。
1976年から、この施設は毎年戦没将兵追悼記念日(5月最終月曜日)から労働者の日(9月第一月曜日)の期間に限って一般公開されている。他に、1950年代の原子力航空機プロジェクトで開発された2つの原子炉も公開されている[4]。
ギャラリー
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初の原子力発電に成功した様子。4個の電球が灯っている
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EBR-1の炉心の建設、1951年
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駐車場から見たEBR-1
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EBR-Iのプレート
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EBR-Iのスクラムボタン
出典
[編集]- ^ “Experimental Breeder Reactor No. 1”. National Historic Landmark summary listing. National Park Service. 2008年2月6日閲覧。
- ^ Blanche Higgins Schroer (June 12, 1976). “National Register of Historic Places Inventory-Nomination: Experimental Breeder Reactor #1” (PDF). National Park Service. 2009年6月22日閲覧。 and Accompanying 4 photos, from 1975. (PDF, 1.43 MB)
- ^ “Milestones:Experimental Breeder Reactor I, 1951”. IEEE Global History Network. IEEE. 3 August 2011閲覧。
- ^ Experimental Breeder Reactor-I (EBR-I) opens for summer tours Idaho National Engineering and Environmental Laboratory
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- Experimental Breeder Reactor-I Idaho National Laboratory Research Fact Sheet
- Idaho National Laboratory facebook
- 海外諸国の高速炉における事故・故障・トラブル(ナトリウム漏えいを除く) - 原子力百科事典ATOMICA