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15-クラウン-5

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
C10H20O5から転送)
15-クラウン-5
Skeletal formula
Ball-and-stick model{{{画像alt1}}}
識別情報
CAS登録番号 33100-27-5 チェック
PubChem 36336
ChemSpider 33416 チェック
EC番号 251-379-6
MeSH 15-Crown-5
ChEBI
ChEMBL CHEMBL156289 チェック
RTECS番号 SB0200000
バイルシュタイン 1618144
Gmelin参照 3897
特性
化学式 C10H20O5
モル質量 220.26 g mol−1
精密質量 220.131073750 g mol-1
外観 Clear, colorless liquid
密度 1.113 g cm-3 (at 20 °C)
沸点

116 °C, 389 K, 241 °F (at 240 Pa)

log POW -0.639
屈折率 (nD) 1.465
熱化学
標準生成熱 ΔfHo -881.1--877.1 kJ mol-1
標準燃焼熱 ΔcHo -5.9157--5.9129 MJ mol-1
危険性
安全データシート(外部リンク) msds.chem.ox.ac.uk
GHSピクトグラム 急性毒性(低毒性)
GHSシグナルワード WARNING
Hフレーズ H302, H315, H319
Pフレーズ P305+351+338
EU分類 有害 Xn
NFPA 704
1
2
0
Rフレーズ R22, R36/38
Sフレーズ S26
引火点 113 °C (235 °F; 386 K)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

15-クラウン-5(15-Crown-5)は、化学式(C2H4O)5クラウンエーテルである。エチレンオキシドの環状五量体で、ナトリウムイオン[2]カリウムイオン[3]等のカチオンと複合体を形成するが、ナトリウムイオンに選択性を持つ。

性質

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18-クラウン-6アナログとして、15-クラウン-5はナトリウムイオンと結合する。従って、この物質で処理すると、ナトリウム塩はしばしば有機溶媒に溶解するようになる。

第一列の遷移金属のジカチオンは、15-クラウン-5の空洞にぴったり収まるが、18-クラウン-6に対しては小さすぎる。遷移金属カチオンとの結合により、横方向と上下方向の水分子との間に複数の水素結合が形成され、非常に結晶性の高い固体の超分子ポリマーが単離される。この形で単離される金属塩には、Co(ClO4)2Ni(ClO4)2Cu(ClO4)2Zn(ClO4)2 等がある。7配位の種が最も一般的で、クラウンエーテルが水平平面を占め、上下に水分子が配位する[4]

複合体[Co(15-crown-5)(H2O)2]2+の構造

15-クラウン-5はまたオキソニウムイオンの塩を単離するためにも用いられる。例えば、テトラクロリド金(III)酸の溶液から、オキソニウムイオン[H7O3]+ が塩[(H7O3)(15-crown-5)2][AuCl4]として単離される。中性子回折法による研究で、酸性プロトンのO-H結合(1.12Å)がかなり長く、OH・・・Oの距離(1.32Å)が非常に短い水分子の鎖を持つサンドイッチ構造が明らかとなった[4]

[(H7O3)(15-crown-5)2]+イオンの構造

15-クラウン-5の誘導体であるベンゾ-15-クラウン-5は、塩[K(benzo-15-crown-5)2]+としてアニオン複合体を作るのに用いられる[4]

関連項目

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O4:
12-クラウン-4
クラウンエーテル O6:
18-クラウン-6

出典

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  1. ^ 15-crown-5 - Compound Summary”. PubChem Compound. USA: National Center for Biotechnology Information (16 September 2004). 11 October 2011閲覧。
  2. ^ Takeda, Y., et al. (1988). “A Conductance Study of 1:1 Complexes of 15-Crown-5, 16-Crown-5, and Benzo-15-crown-5 with Alkali Metal Ions in Nonaqueous Solvents”. Bulletin of the Chemical Society of Japan 61 (3): 627–632. doi:10.1246/bcsj.61.627. https://doi.org/10.1246/bcsj.61.627. 
  3. ^ Chen, Chun-Yen, et al. (2006). “Potassium ion recognition by 15-crown-5 functionalized CdSe/ZnS quantum dots in H2O”. Chem. Comm. (3): 263–265. doi:10.1039/B512677K. http://www.rsc.org/publishing/journals/CC/article.asp?doi=b512677k. 
  4. ^ a b c Jonathan W. Steed; Jerry L. Atwood (2009). Supramolecular Chemistry, 2nd edition. Wiley. ISBN 978-0-470-51233-3 

関連文献

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外部リンク

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