コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

ブラーフーイー語

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
BRHから転送)
ブラーフーイー語
بروہی brāhūī
話される国 パキスタンの旗 パキスタン
アフガニスタンの旗 アフガニスタン
イランの旗 イラン
地域 バローチスターン州
民族 ブラフーイー族英語版
話者数 約30万人
言語系統
表記体系 アラビア文字ナスタアリーク体
公的地位
公用語 なし
統制機関 Brahui Language Board (Pakistan)
言語コード
ISO 639-3 brh
図・左上(Brahui)、他のドラヴィダ語族の言語と離れている。
テンプレートを表示

ブラーフーイー語(-ご、بروہی brāhūī)またはブラーフイー語ドラヴィダ語族北部ドラヴィダ語派に分類される言語の1つ。主に、パキスタンバローチスターン州北東部および、アフガニスタンカンダハール州南部に話者がいる。イランの一部にも少数の話者がいるといわれる。

現在ドラヴィダ語族に属する言語の話者の大多数がインド南部にいるが、ブラーフーイー語の話者の多くはそれとは地理的に遠く離れたパキスタン西部で生活している。またこの地域以外にも、カラチカラートハイデラバードなどにも話者がいる。話者は大多数がその地域の優勢言語であるバローチー語などとの多重言語話者であるためにその人数は正確に把握しづらい。エスノローグによれば約240万人とされているが、これは多分に第二言語としての話者が多く見積もられており、ブラーフーイー語の母語話者は約30万人と推定されている。ブラーフーイー語の話者は大多数が居住地域で広く使われる言語、とりわけバローチー語などインド・ヨーロッパ語族イラン系諸言語との併用話者である。そのためブラーフーイー語は他のドラヴィダ諸言語には見られないイラン系言語からの影響を受けており、イラン系言語(バローチー語やペルシア語など)やアラビア語から大量に語彙を借用しているほか、文法にもその影響が見られる。書記されるようになったのは最近のことであるため文学は発達していない。

正書法

[編集]

アラビア文字

[編集]

ブラーフーイー語話者はイスラム教徒が多く、そのため言語の書記にはアラビア文字が用いられている。ドラヴィダ語族の中では、ブラーフミー系文字以外を用いて書かれるのはブラーフーイー語のみである。ブラーフーイー語は本来口語であったが、20世紀後半よりアラビア文字によって書かれるようになった[1]。イラン、パキスタン、アフガニスタンでは、ナスタアリーク体によって書かれる。

ラテン文字

[編集]

Brolikvaと呼ばれるラテン文字正書法がバローチスタン大学ブラーフイー語部門によって開発されている。タラールという現地の新聞はこれを採用している。

下記は新しく作られているBráhuí Báşágal Brolikva正書法である:[2]

b á p í s y ş v x e z ź ģ f ú m n l g c t ŧ r ŕ d o đ h j k a i u ń ļ

ダイアクリティカルマーク付きの文字は長母音、後部歯茎音、反り舌音、有声軟口蓋摩擦音、無声歯茎側面摩擦音である。

音韻

[編集]

母音には長短の区別が有り、短母音 /a, i, u/ と長母音 /aː, eː, iː, oː, uː,/ が存在する。また二重母音として /aɪ, aʊ/ が存在する。

子音
両唇音 唇歯音 歯音 歯茎音 後部歯茎音 そり舌音 硬口蓋音 軟口蓋音 声門音
非側面音 側面音
破裂音 無声音 p ʈ k ʔ
有声音 b ɖ g
破擦音 無声音 t͡ʃ
有声音 d͡ʒ
摩擦音 無声音 f s ɬ ʃ x h
有声音 z ʒ ɣ
鼻音 m ɳ
接近音 l j w
はじき音 ɾ ɽ

言語名別称

[編集]
  • ブラーフイー語
  • ブラーフーイ語
  • ブラーフィー語
  • Birahui
  • Brahuidi
  • Brahuigi
  • Kur Galli
  • Brahuiki
  • Brahudi

方言

[編集]
  • Sarawan (brh-sar)
  • Kalat (brh-kal)
  • Jharawan (brh-jha)

脚注

[編集]
  1. ^ Бесписьменный язык Б.”. 2018年9月23日閲覧。
  2. ^ Bráhuí Báşágal, Quetta: Brahui Language Board, University of Balochistan, (April 2009), https://sites.google.com/site/brahuilb/home 2010年6月29日閲覧。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]