アクティブ・センター・ディファレンシャル
表示
アクティブ・センター・ディファレンシャル (Active Center Differential, ACD) とは、三菱自動車工業が開発したアクティブディファレンシャルの一つ[1]。トランスファーとセンターデファレンシャルの中間に、電子制御の油圧ポンプと多板クラッチを配置し、結合割合を変えるシステム。センターデフ独立で作動するのではなく、ハンドル角、ホイールセンサ、ブレーキセンサ、ヨーレイトセンサの「車両の旋回状況」の情報を専用CPUが統合・制御して差動をコントロールする[2]。
ACDは、他社の一般的なアクティブデファレンシャル「前後車軸へのイニシャルトルク配分自体」を変えるのではなく、前後車軸へのイニシャルトルク配分自体は常に50:50と固定した上で、センターデフ自体の連結状態を変化させ「差動制限の割合(結合度合い)」を変える機構である。前後いずれかのイニシャルトルクが失われる状態(2WD状態)にはならず、減速方向での作動もする。また、直結時の結合力(つまり作動制限力油圧ポンプの動作圧により)は、一般的なVCU式LSDよりも高く設定され、パートタイム4WD車の完全直結から、完全フリーの状態まで結合能力を変化させられる[3]。また、サイドブレーキを引くとセンターデフの作動制限をフリーにすることも可能。
搭載車種
[編集]- ランサーエボリューションVII
- ランサーエボリューションVIIGT-A
- ランサーエボリューションVIII
- ランサーエボリューションVIII MR
- ランサーエボリューションIX
- ランサーエボリューションワゴン
- ランサーエボリューションIX MR
- ランサーエボリューションワゴンMR
- ランサーエボリューションX
- ギャランフォルティスラリーアート
脚注
[編集]- ^ “ACD | 技術ライブラリー | クルマの技術 | 三菱自動車のクルマづくり | MITSUBISHI MOTORS”. MITSUBISHI MOTORS. 2018年10月12日閲覧。
- ^ “三菱テクニカルレビュー(ランエボ関係)まとめと考察 | Enjoy Sports Car”. www.enjoysportscar.com. 2018年10月12日閲覧。
- ^ 「【シリーズ ランエボVIIの開発者にきく】ACDは競技ベースのRSでも絶対選ぶべき一品!! | レスポンス(Response.jp)」『レスポンス(Response.jp)』。2018年10月12日閲覧。