イスラエル参謀本部諜報局
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(AMANから転送)
イスラエル参謀本部諜報局(イスラエルさんぼうほんぶちょうほうきょく、ヘブライ語:אגף המודיעין של צה"ל、英語:Military Intelligence Directorate、略称:アマーン (אמ"ן))は、イスラエル国防軍参謀本部に所属する情報機関。イスラエル情報コミュニティーのメンバーで、軍事情報を担当する。
歴史
[編集]第一次中東戦争直後の1948年に、ハガナー情報局解体に伴い創設された3つの情報機関の1つ。当初は、参謀本部作戦局の諜報課(マフレケト・モディーン)だったが、1953年12月、現在の名称に改称された。他の2つは外国情報を担当するイスラエル外務省政治局、国内治安を担当するイスラエル総保安庁であった。
2023年のハマスによるイスラエル攻撃については事前に警告・阻止できず、翌年4月22日、アーロン・ハリヴァ局長が後任の決定次第、引責辞任することが発表された[1]。
機構
[編集]情報収集部門、情報分析部門、監督部門の主要3部門から成る。
情報収集部門
[編集]情報収集手段に応じた、各部署を有する。
- 8200部隊:アラブ諸国の電話の盗聴を含むSIGINT
- 9200部隊:偵察衛星又は偵察機からのIMINT。イスラエル空軍諜報部と密接に協力する。
- 504部隊:アラブ諸国のエージェント網を通したHUMINT
- ハツァブ:インターネットを含む電子出版物からのOSINT
情報分析部門
[編集]軍諜報部最大の部門で、3,000〜7,000人の職員を有し、情報収集部門や他の諜報機関からの情報の分析に従事する。
- ツィラ・ツェフォニト(ツィツァプ):北部領域(レバノン、シリア)
- ツィラ・メルカツィト(ツィマル):中央領域(イラン、イラク、ヨルダン北部、サウジアラビア)
- ツィラ・ドロミト(ツィダル):南部領域(エジプト、ヨルダン南部)
- ツィラ・テロル(ツィタル):テロ領域(中近東のテロ組織)
- ツィラト・コル・ハ・オラム(ツィカ):世界領域(全世界からの脅威情報の分析)
- ツィラ・テクノロギト(ツィト):技術領域(技術情報の分析)
監督部門
[編集]監督部門は、イプクハ・ミスタブラと称され、長官に直属する。当部門は、特定の事件について、単一情報源への依存を避けるために、あらゆる種類の評価を担当する。
参考資料
[編集]- Ephraim Kahana, "Historical dictionary of Israeli intelligence", The Scarecrow Press, Inc. Oxford, 2006
- Ian Black & Benny Morris, "Israel’s Secret Wars: A history of Israel’s Intelligence Services", Grove Press, New York, 1991
- 河合洋一郎訳『イスラエル情報戦史』並木書房、2015年
- 落合浩太郎編著『インテリジェンスなき国家は滅ぶ 世界の情報コミュニティ』亜紀書房、2011年
脚注
[編集]- ^ “イスラエル諜報局長が引責辞任 ハマス攻撃防げず「任務果たせなかった」”. BBC. (2024年4月23日)
関連項目
[編集]- イスラエル諜報特務庁(モサド)
- サイェレット・マトカル:参謀本部直属の特殊部隊