Artificial Intelligence Markup Language
Artificial Intelligence Markup Language(アーティフィシャル・インテリジェンス・マークアップ・ランゲージ、AIML、エーアイエムエル)とは、自然言語ソフトウェアエージェント構築のための XML を応用したマークアップ言語である。
背景
[編集]AIML は Richard Wallece と世界的なフリーソフトウェア・コミュニティにより、1995年から2002年にかけて開発された。当初の目的はELIZAを高度に拡張した "A.L.I.C.E." と呼ばれるシステム向けであり、同システムはローブナー賞を3回受賞し、2004年にはChatterbox Challengeで優勝している。
A.L.I.C.E. のAIMLはGNU GPLライセンスでリリースされたため、多数のAIMLインタプリタがフリーソフトウェアまたはオープンソースで作られ、A.L.I.C.E. のクローンも多数作成された。いくつかの言語用のセット(Free AIML sets)も作られ、ユーザーコミュニティによって利用可能となっている。最近では、JavaベースのProgram DというAIMLインタプリタの開発が活発である。他にも、Ruby、Python、C++、C#、Pascalなどの言語向けにフリーまたはオープンソースのAIMLインタプリタが開発されている。
AIMLの要素
[編集]AIML はいくつかの要素からなる。以下にその主な部分の詳細を解説する。
カテゴリ
[編集]AIMLにおけるカテゴリは、知識の基本単位である。カテゴリには少なくとも、「パターン」と「テンプレート」という要素が含まれる。以下に単純なカテゴリの例を示す。
<category> <pattern>WHAT IS YOUR NAME</pattern> <template>My name is John.</template> </category>
このカテゴリをロードすると、AIMLボットは "What is your name" という入力に対して "My name is John." と応答する。
パターン
[編集]パターンは、1つまたは複数のユーザー入力とマッチすることを意図した文字列である。以下のパターン
WHAT IS YOUR NAME
は大文字/小文字を無視して、"what is your name" といった入力とマッチする。パターンにはワイルドカードを使用できる。例えば、次のパターン
WHAT IS YOUR *
は、"what is your name" にも "what is your shoe size" にも "what is your purpose in life" にもマッチする。
AIMLのパターンの文法は非常に単純であり、正規表現のような複雑な表現はできない。対話用に特化した設計であり、省略表現への対応や誤記への対応は AMILインタプリタ側で対応することができる。
テンプレート
[編集]テンプレートはマッチしたパターンに対する応答を指定する。テンプレートには以下のような単純なテキストを使うこともできる。
My name is John.
テンプレートには変数を使って以下のように表記することもできる。
My name is <bot name="name"/>.
こうすると、ボット名が文の中に組み込まれる。
You told me you are <get name="user-age"/> years old.
この場合、ユーザーの年齢が既にわかっていれば、それを応答の中で使うことができる。
テンプレートでは基本的なテキスト形式が使え、条件付応答(if-then/else)やランダムな応答も設定できる。
テンプレートで srai という要素を使って他のパターンにリダイレクトすることができる。これは、意味が同じで表現が異なる場合に対応する。以下に例を示す。
<category> <pattern>WHAT IS YOUR NAME</pattern> <template>My name is <bot name="name"/>.</template> </category> <category> <pattern>WHAT ARE YOU CALLED</pattern> <template> <srai>what is your name</srai> </template> </category>
1つめのカテゴリは単に "what is your name" という質問に答えている。2番目のカテゴリでは "what are you called" と入力されたときに "what is your name" と入力されたときと同じ応答をするように指定している。つまり、この2つの文はこのシステムでは等価に扱われる。
テンプレートは応答を指定しているものであるため、表示形式などをHTMLで指定するといったことも可能である。
外部リンク
[編集]- aitools.org: AIML schema and specification, free AIML sets, Program D
- alicebot.org: Richard Wallace's "ALICE Foundation"
- A.I.Nexus: A Showcase for Alicebots on the Web
- Virtual Humans Forum
- AIML Forum
- AutoAiml - A Free Online Aiml file creator
- GaitoBot AIML Editor
AIML実装(フリーまたはオープンソース)
[編集]開発進行中:
- Program D (Java, J2EE)
- RebeccaAIML (C++)
- ChatterBean - ウェイバックマシン(2006年8月27日アーカイブ分) (Java)
- Program R (Ruby)
- Program Q (C++, Qt)
- AIMLbot (Program #) (.NET/C#)
冬眠状態: