618B型巡邏船
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618B型巡邏船 | |
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海警015 | |
基本情報 | |
艦種 | 巡邏船 (巡視船) |
運用者 | 中国公安辺防海警部隊→海警局 |
要目 | |
排水量 | 約650トン |
全長 | 63.5メートル (208 ft) |
最大幅 | 9メートル (30 ft) |
吃水 | 2.77メートル (9.1 ft) |
主機 | MTU 16V4000ディーゼルエンジン×2基 |
推進器 | スクリュープロペラ×2軸 |
出力 | 4,760馬力 |
速力 | 25.6ノット |
航続距離 | 2,000海里 (3,700 km) |
兵装 |
37mm単装機関砲×1基 (前期型) 30mm単装機関砲×1基 (後期型) |
618B型巡邏船(中国語: 618B型巡邏船)は、中国海警局が運用する巡邏船 (巡視船)。
概要
[編集]2007年より建造を開始し、2011年までに20隻が就役ないし就役見込みとされていた[1]。
中期建造艦以降ではフィンスタビライザーを備えるなど耐航性に配慮しており、風浪階級5級までの海況において任務遂行可能、6級まで安全に航行でき、ビューフォート風力階級10級までの風に抗して航行可能とされている[2]。
日本無線製のレーダーと国産のHEOS-300光学捜索装置[3]を備えており、10km以内の20個の目標を同時に監視できるほか、海警35103など後期建造艦ではOIC室に似た情報中枢区画も設けられている[4]。また武装としては、初期の艦では手動照準式の37mm単装機関砲であったが、海警44103など中期建造艦では光学式の射撃指揮装置(FCS)連接により半自動化され[5]、さらに海警35103など後期建造艦では、やはりFCS連接して自動化を進めた新型の30mm単装機関砲に更新された[6]。
2014年に、西沙諸島に中国海洋石油集団が設置した石油掘削プラットフォームである海洋石油981をめぐり、中国海警局および海上民兵がベトナム当局の抵抗を排除した際には、本型の活躍も大きかったとされている[7]。
同型艦
[編集]# | 舷番号 | 就役 | 配属先 |
---|---|---|---|
1 | 33101 | 2009年4月10日 | 浙江総隊 第一支隊 第二大隊(温州蒼南)[2] |
2 | 12101 | 2009年7月15日 | 天津総隊 支隊(天津浜海新区)[2] |
3 | 13101 | 2009年7月20日 | 河北総隊 支隊 第一大隊(秦皇島)[2] |
4 | 32101 | 2009年11月3日 | 江蘇総隊 支隊 第一大隊(蘇州太倉)[2] |
5 | 37101 | 2009年12月4日 | 山東総隊 第二支隊 第二大隊(日照東港)[2] |
6 | 44101 | 2009年12月9日 | 広東総隊 第一支隊 第三大隊(珠海湾仔港)[2] |
7 | 35101 | 2009年12月23日 | 福建総隊 第一支隊 第一大隊(福州長楽)[8] |
8 | 31102 | 2010年4月12日 | 上海総隊 支隊 第三大隊(上海金山)[2] |
9 | 45101 | 2010年6月2日 | 広西総隊 第一支隊(北海外沙内港) |
10 | 37102 | 2010年7月27日 | 山東総隊 第一支隊 第一大隊(威海環翠)[9] |
11 | 13102 | 2010年8月1日 | 河北総隊 支隊 第二大隊(唐山曹妃甸)[10] |
12 | 015 | 2011年5月13日 | 公安海警学院(寧波北侖)[11] |
13 | 33102 | 2011年7月14日 | 浙江総隊 第二支隊 第一大隊(寧波北侖)[12] |
14 | 32102 | 2011年12月7日 | 江蘇総隊 支隊 第二大隊(南通海門)[13] |
15 | 44103 | 2012年1月8日 | 広東総隊 第二支隊 第一大隊(汕頭金平)[14] |
16 | 21102 | 2011年11月8日 | 遼寧総隊 第二支隊(丹東東港) |
17 | 21101 | 2012年07月21日 | 遼寧総隊 第一支隊(大連甘井子)[15] |
18 | 35103 | 2012年12月21日 | 福建総隊 第三支隊 第一大隊(廈門海滄)[6] |
19 | 45102 | 2013年3月19日 | 広西総隊 第二支隊(防城港港口)[16] |
20 | 46101 | 2012年 | 海南総隊 第三支隊(文昌清瀾港) |
21 | 46102 | 2012年 | 海南総隊 第三支隊(文昌清瀾港) |
22 | 46105 | 2014年 | 海南総隊 第二支隊(三亜三亜港) |
23 | 46106 | 2014年 | 海南総隊 第二支隊(三亜三亜港) |
24 | 21103 | 2015年 | 遼寧総隊 第三支隊(盤錦大窪) |
25 | 35102 | 2015年7月20日 | 福建総隊 第二支隊 第二大隊(莆田秀嶼) |
参考文献
[編集]- ^ 陸易「中国のコースト・ガード組織はどうなっているのか? (特集 中国の海洋力)」『世界の艦船』第747号、海人社、2011年9月、90-95頁、NAID 40018930938。
- ^ a b c d e f g h 広東兄弟 (2010年9月30日). “越来越高級:中国海警最新最強巡邏艇横空出世” (中国語). 2013年4月6日閲覧。
- ^ 中船重工第七一七研究所 (2013年1月). “HEOS-300型船载光电跟踪取证设备” (DOC) (中国語). 2013年4月15日閲覧。
- ^ 厦門网 (2012年12月22日). “海警“东南第一舰”厦门服役” (中国語). 2013年4月6日閲覧。
- ^ 李興 朱志 (2012年1月9日). “公安边防部队装备最先进巡逻舰落户粤东海域” (中国語). 2013年4月6日閲覧。
- ^ a b 中国網 (2012年12月26日). “中国最大級の海警巡視船が就役”. 2013年4月6日閲覧。
- ^ ヒッキー, ジョシュア、エリクソン, アンドリュー・S、ホルスト, ヘンリー「中国の海上法執行海上プラットフォーム」『中国の海洋強国戦略』五島浩司 (訳)、原書房、2020年。ISBN 978-4562057450。
- ^ 中国船舶報 (2010年1月22日). “桂船交付两艘巡逻船” (中国語). 2013年4月9日閲覧。
- ^ 威海日報 (2010年7月28日). “山东海警37002舰列编仪式在威举行” (中国語). 2013年4月6日閲覧。
- ^ sjzabc (2010年8月2日). “第二艘618B型巡逻舰归建” (中国語). 2013年4月9日閲覧。
- ^ 辺防警察報数字版 (2011-05/17). “海警学院举行仪式迎接015训练舰” (中国語). 2013年4月6日閲覧。
- ^ 区広電中心 北侖新聞网 (2011年7月15日). “浙江省最先进海警执法舰艇首航” (中国語). 2013年4月6日閲覧。
- ^ 中国広播网 (2011年12月7日). “中国海警32002舰归建江苏边防总队海警支队” (中国語). 2013年4月6日閲覧。
- ^ 黄育桐 (2012年1月12日). “粤东海域最大海警执法舰列编服役” (中国語). 2013年4月6日閲覧。
- ^ 人民网 (2012年10月8日). “辽宁海警一支队:波谷浪峰党旗红” (中国語). 2013年4月6日閲覧。
- ^ 中国新聞网参与互動 (2013年3月20日). “广西海警新舰列编服役 为该区最先进执法舰之一” (中国語). 2013年4月9日閲覧。