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2A46 125mm滑腔砲

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2A46から転送)
2A46M-1 125mm滑腔砲

2A26/2A46ロシア語: 2А26/2A46)は、ソビエト連邦で開発された後装式滑腔砲東側諸国第3世代主力戦車における戦車砲デファクトスタンダードとなっている。

なお、2A26/2A46とはロシア軍制式のGRAUコードであり、企業(現在は第9連邦国営単一企業)側の呼称はD-81T/D-81TM/D-81K(D-81Tは2A26/2A26M-2/2A46、D-81TMは2A46-1、D-81Kは2A46-2に対応)となっている。

概要

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本砲は、T-62及びT-64で採用された2A20/21 115mm滑腔砲の後継砲として開発された。火力強化のため大口径化が行われた他、自動装填装置(2A20では自動排莢装置)も新型化された。T-64に搭載されていた2A21において採用されていた6ETs10(ロシア語:6ЭЦ10)型自動装填装置は、可動部の動作範囲が大きい垂直方式を採用していたために乗員を死傷させる事故を多発させたことから、2A26(L51)と2A46(L48)では6ETs10から機構を変更し装置の可動範囲を減少させた6ETs15(ロシア語:6ЭЦ15)型自動装填装置を導入した後、可動範囲の狭いドラム方式を採用した新型の6ETs40(ロシア語:6ЭЦ40)型自動装填装置が導入された[注釈 1]

6ETs40型自動装填装置においては、砲弾と装薬がドラムに収容されており、ドラムが回転して弾薬を装填位置に移動させたのち、アームが砲弾・装薬をそれぞれすくい上げて、閉鎖機内に装填する。装填プロセスの所要時間は弾薬の位置により異なり、3-18秒である。なお、T-64Bに搭載された2A46-2からはガンランチャーとしての性格も備えており、2A46-2では9M112 コブラ対戦車ミサイルを、改良型の2A46M(L51)以降では9M119 レフレークスを発射することができる。

2A26はT-64Aの初期型、2A26M-2(L51)はT-72の初期型や輸出型、2A46-1/2A46-2はT-64シリーズの中期型、2A46MはT-64シリーズの後期型とT-72、2A46M-1(L52)はT-80、2A46M-2(L51)と2A46M-4(L55)はT-80UM、2A46M-5(L55)はT-90Aに搭載されているほか、東側諸国で開発された主力戦車においても、多くが本砲の系列や派生型を採用している。

派生型として、2S25スプルート-SDの主砲である2A75や、T-14の主砲である2A82-1Mなどがある。2A45 125mm牽引式対戦車砲は、2A46系と弾薬を共通化している。また、中国は2A46Mを基にZPT-98 48口径125mm滑腔砲を開発した。

諸元・性能(2A46)

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諸元

作動機構

性能

砲弾・装薬

  • 弾薬: 分離装薬筒


搭載車両

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西側規格の120mmL44滑腔砲と同等の火力でありながらコストが安いため、搭載している車両は120mm滑腔砲を搭載する車両より多い。

ただし、APFSDSは弾芯の長さに比例して貫通力が向上するため、西側諸国は砲口径はそのままに弾芯の長さを可能な限り長くして貫通力を増すという手法で火力強化を行い易いのに対し、T-72系列の戦車をはじめ本戦車砲を搭載する戦車の多くが砲塔や車体の構造やスペースの問題で分離式砲弾を採用していることと自動装填装置の機械的制約から、弾芯延長が困難であり、砲弾を含めた西側の120mm砲との総合的な性能の比較では若干不利となっている。

参考文献

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  • ATEN (2008年). “2A46 / D-81TM” (英語). 2011年10月2日閲覧。

脚注

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注釈

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  1. ^ なお、日本の文献ではT-64より採用されたソビエト/ロシア戦車の自動装填装置は"コルジナ"および"カセトカ"の名称で記述されていることがあるが、これらはどれも砲弾の収納方式や装填方式からつけられた通称であり、そのような制式名称の自動装填装置が存在しているわけではない。「コルジナ(корзина)」は"籠"、「カセトカ(кассетка)は"小箱のようなもの" "個別に分けられたもの"を意味する(カセータ(кассета)の縮小辞形)ロシア語で、それぞれ「弾薬を砲塔バスケットに搭載する」「装薬カートリッジを個別に装填する」ことから生まれた通称と見られる。

出典

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関連項目

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