21サヴェージ
21 Savage | |
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基本情報 | |
出生名 | Sheyaa Bin Abraham-Joseph[1] |
生誕 |
1992年10月22日(32歳) イングランド ロンドン[2] |
出身地 | アメリカ合衆国ジョージア州アトランタ |
ジャンル | ヒップホップ |
職業 | |
活動期間 | 2013年 - |
共同作業者 |
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公式サイト |
21savage |
21サヴェージ(トゥエニーワン・サヴェージ、英語: 21 Savage、本名: Sheyaa Bin Abraham-Joseph、1992年10月22日 - )は、アメリカ合衆国のアトランタ出身のラッパー、シンガーソングライター、音楽プロデューサーである。イギリスロンドンで生まれ。
2015年に発表したミックステープ『The Slaughter Tape』にて有名になり、その後同じくプロデューサーのメトロ・ブーミンとコラボレーションしたEP『Savage Mode』(2016年)、また同年、Drakeのシングル曲「Sneakin」でコラボレーションをしたことによりアメリカ国内で注目を浴びた。これまでにグラミー賞を1回受賞している。
来歴
[編集]1992年10月22日、ロンドンにあるニューハム病院で、イギリス出身の両親の間に生まれた[3][4]。21サヴェージの両親は早い時期に別居し、7歳の時に母親と一緒にジョージア州アトランタに引っ越した[5]。2005年6月、12歳の時に叔父の葬儀のためにイギリスに行き1ヶ月間滞在した後、2005年7月22日にH-4ビザでアメリカに帰国したが、彼のビザは1年後に失効したとされる[6][7][8]。
2013年10月、親友が亡くなったことをきっかけに21サヴェージはラップを始めた[9]。音楽活動は亡くなった親友の叔父の助けを借りており、スタジオでの時間を得るための資金提供を受けていた[10]。
2015年5月25日、デビュー・ミックステープ『The Slaughter Tapeをリリースする[11]。
2015年7月2日、21 SavageはSonny DigitalとのコラボEP『Free Guwop』をリリースした。12月1日には2枚目のミックステープ『Slaughter King』をリリースする[12]。
2016年6月、21サヴェージはXXLのFreshman Classの1人に選ばれた[13]。7月15日、アトランタを拠点に活動する音楽プロデューサー、メトロ・ブーミンとのジョイントEP『Savage Mode』をリリースする。このEPはBillboard 200で最高23位を記録し、収録曲「X」はアメリカでプラチナレコードに認定されている[14]。
2017年1月18日、21サヴェージはエピックレコードと契約したことを発表する。7月7日、デビュー・アルバム『Issa Album』をリリースし、全米初登場2位を記録する[15]。リードシングル「Bank Account」はBillboard Hot 100で最高12位を記録した[16]。その後、ポスト・マローンのシングル「Rockstar」にフィーチャリングで参加、全米1位を記録し21サヴェージにとって初のナンバーワンソングとなった[17]。同曲は第61回グラミー賞で最優秀レコード賞、優秀ラップ/歌唱パフォーマンス賞にノミネートされた[18]。10月31日、Offsetとメトロ・ブーミンとのコラボレーション・アルバム『Without Warning』をリリースする[19]。
2018年12月21日、2作目のスタジオアルバム『I Am > I Was』をリリースし、21サヴェージにとって初の全米ナンバーワンアルバムとなった[20]。このアルバムは第62回グラミー賞の最優秀ラップ・アルバムにノミネートされ、収録曲「A Lot」が最優秀ラップ楽曲賞を受賞した[21]。
2020年10月2日、メトロ・ブーミンとのコラボレーション・アルバム『Savage Mode II』がリリースされた[22]。
2022年11月に彼はドレイクとのコラボアルバム『Her Loss』をリリースした。アルバム10曲目の「Pussy&Millions」にはトラヴィス・スコットが参加している。このアルバムは11月14日付のBillboard200のアルバムチャートで首位に立った[23]。
人物
[編集]21サヴェージは母親と共にアフリカの伝統宗教イファを実践している[24]。
21サヴェージとよく一緒に活動しているアメリカ人ラッパーのYoung Nudyは従兄弟にあたる。
2017年6月、21サヴェージはモデルのアンバー・ローズと交際を開始したが、2018年5月までに別れている[25]。
犯罪
[編集]21サヴェージは7年生の時、銃の所持を理由にデカルブ郡学区内のすべての学校から永久追放された。彼は青少年収容所に送られる前にアトランタ都市圏の学校に通い始めた[26]。中退後、21サヴェージはブラッズ関連のストリート・ギャングに加わり、大麻を販売するフルタイムの売人となった[27]。
また、強盗や車の窃盗などの他の犯罪にも手を染めていたが、運転していた車から密輸品が発見されて逮捕されたのは一度だけであった。2011年、21サヴェージが19歳だった頃、銃撃戦で仲間のラリーを失う[9]。 2013年、21サヴェージが21歳の誕生日に強盗未遂事件を起こした際、ライバルのギャングのメンバーに6発撃たれ、親友のジョニーも殺された[28]。
2014年10月、21サヴェージはジョージア州フルトン郡で重罪の薬物容疑で有罪判決を受けた[29]。
不法入国問題
[編集]2019年2月3日、シングル「A Lot」のミュージックビデオを公開してから2日後、21サヴェージと従兄弟のYoung Nudyと他の2人の男を乗せた車両が警察に引き止められる。Young Nudyと他の2人の男が加重暴行とジョージア州ギャング法違反の容疑で標的にされていたためであったが[30]、21サヴェージは米国移民関税捜査局(ICE)に身柄を拘束された[5]。
この事件の前まで21サヴェージはアトランタ出身のアメリカ国人だと一般的に思われていたが、実はイギリス国人であったことが発覚する[31]。21サヴェージのマネージメントは、2017年からビザを更新しようとしていたと語っている。ICEのスポークスマンは21サヴェージについて「彼の公の人格はすべて偽物だ。彼は実際に10代の頃にイギリスから渡米し、ビザを滞納している。」と述べた[32]。その後、21サヴェージの入出国の経緯が明らかになり、彼の弁護士が期限切れのビザをオーバーステイしていたことを認めたが、彼は自身の経歴を隠そうとする意図はなく、国土安全保障省は2017年に彼がUビザを申請したことを認識していたと述べた(Uビザは犯罪被害者とその家族に提供される非移民ビザの一種で、犯罪行為の捜査または起訴において法執行官を支援する意思のある者に提供される)[5][33]。こうして21サヴェージはICEの拘留から解放されたが、いまだ係争中であり、米国内の移動は許可されているが海外への渡航はできない状態にある[34]。
論争
[編集]2018年、21サヴェージは「Guns Down, Paintballs Up」と呼ばれる運動を始める[35]。これは致死性の銃器の代わりにペイントボール銃を使用することで銃暴力を減らすことを目的としたものであった。しかし、ペイントボール銃による負傷者を出したり、ペイントボール銃を持った大人数の無秩序な行為、警察車両などの破壊行為、暴力的な報復、ペイントボール銃を銃器と間違えるなどの様々な問題が起きたことを受けて、デトロイト警察のジェームズ・クレイグ部長は、この運動を「善意ではあるが、見当違い」と非難した[36]。
2018年6月10日、プールパーティー中に21サヴェージが銃を抜いたことで物議を醸した[37]。21サヴェージは、相手のクルーも拳銃を抜くのを見て友人から銃を受け取っていた[38]。
2018年12月、2ndアルバム『I Am > I Was』の楽曲「ASMR」の歌詞がユダヤ人のネガティブなステレオタイプを表現しているとして炎上した[39]。21サヴェージは「悪気はなかったんだ、みんなを怒らせてしまったならごめん、決してそんなつもりはなかったんだ、僕はすべての人を愛しているんだ」と述べている[40]。
ディスコグラフィー
[編集]スタジオ・アルバム
[編集]- Issa Album (2017年)
- Without Warning (2017年) (Metro Boomin、Offsetとの共作)
- I Am > I Was (2018年)
- Savage Mode II (with Metro Boomin) (2020年)
ミックステープ
[編集]- The Slaughter Tape (2015年)
- Slaughter King (2015年)
EP
[編集]- Savage Mode (with Metro Boomin) (2016年)
受賞歴
[編集]脚注
[編集]- ^ “21 Savage: Cardi B backs campaign to free rapper”. The Guardian (2019年2月5日). 2019年8月20日閲覧。
- ^ “Birth certificate suggests rapper 21 Savage was born in London”. Reuters (2019年2月5日). 2019年8月20日閲覧。
- ^ “21 Savage: Cardi B backs campaign to free rapper” (英語). the Guardian (2019年2月5日). 2020年10月31日閲覧。
- ^ “Rapper 21 Savage born in east London, birth certificate reveals” (英語). Evening Standard (2019年2月4日). 2020年10月31日閲覧。
- ^ a b c News, A. B. C.. “21 Savage describes fears of deportation, says he was 'definitely targeted' by ICE in first interview since his release on bond” (英語). ABC News. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “21 Savage says his lawyers believe he was targeted by ICE for rapping about immigration control” (英語). The FADER. 2020年10月31日閲覧。
- ^ Brett, Jennifer. “21 Savage’s lawyers say ICE “provided incorrect information”” (English). ajc. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “"We got Savage": Rapper 21 Savage describes arrest by ICE” (英語). NBC News. 2020年10月31日閲覧。
- ^ a b Hine, Samuel. “21 Savage: From Robbin’ Season to Role Model” (英語). GQ. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “21 Savage Chops It Up With Seth Rogen” (英語). Interview Magazine (2018年4月26日). 2020年10月31日閲覧。
- ^ “21 Savage - The Slaughter Tape Mixtape Hosted by Hoodrich Keem” (英語). LiveMixtapes. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “Slaughter King” (英語). HotNewHipHop. 2020年10月31日閲覧。
- ^ June 13, XXL StaffPublished:. “2016 XXL Freshman Class Cover - XXL” (英語). XXL Mag. 2020年10月31日閲覧。
- ^ November 22, Max WeinsteinPublished:. “21 Savage Gets His First Platinum Record With "X" - XXL” (英語). XXL Mag. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “21 Savage & Haim Debut in Top 10 on Billboard 200 Albums Chart” (英語). Billboard. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “Hot 100: Niall Horan's 'Slow Hands' Enters Top 15, 21 Savage's 'Bank Account' Top 20” (英語). Headline Planet (2017年8月8日). 2020年10月31日閲覧。
- ^ “21 Savage”. Billboard. 2020年10月31日閲覧。
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- ^ “21 Savage”. Billboard. 2020年10月31日閲覧。
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- ^ “米ビルボード・アルバム・チャート】ドレイク&21サヴェージ首位獲得、Jojiが5位に初登場”. billboardjapan. 2023年3月18日閲覧。
- ^ “No Joke, You Should Definitely Watch 21 Savage's Entire 'Breakfast Club' Interview” (英語). www.vice.com. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “Amber Rose and 21 Savage Split After Nearly 2 Years of Dating” (英語). PEOPLE.com. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “Everything You Need To Know About 21 Savage” (英語). HotNewHipHop. 2020年10月31日閲覧。
- ^ James, Andy. “The Brutal Story Behind 21 Savage's Dagger Face Tattoo” (英語). DJBooth. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “Meet 21 Savage, Atlanta’s Most Respected New Rapper” (英語). The FADER. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “Grammy-Nominated Rapper 21 Savage in US Immigration Custody” (英語). NBC Boston. 2020年10月31日閲覧。
- ^ Strauss, Matthew. “21 Savage’s ICE Detention Allegedly Instigated by the Arrest of His Cousin Young Nudy” (英語). Pitchfork. 2020年10月31日閲覧。
- ^ SFGATE, Katie Dowd (2019年2月3日). “Rapper 21 Savage arrested by ICE, which alleges he is actually British” (英語). SFGATE. 2020年10月31日閲覧。
- ^ Kreps, Daniel (2019年2月3日). “ICE Apprehends 21 Savage, Claims Rapper Is British and Overstayed Visa” (英語). Rolling Stone. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “ICE is trying to 'intimidate' 21 Savage into leaving the country, lawyer says” (英語). NBC News. 2020年10月31日閲覧。
- ^ Greenburg, Zack O'Malley. “Freeing 21 Savage: Inside The Effort That Got A Rapper Released From ICE Detention” (英語). Forbes. 2020年10月31日閲覧。
- ^ May 1, Adriana Diaz CBS News. “"Paintball wars," initially intended to curb gun violence, linked to 2 deaths” (英語). www.cbsnews.com. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “Detroit police cracks down on citywide "paintball wars"” (英語). www.cbsnews.com. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “21 Savage Draws Gun During Atlanta Pool Party Brawl” (英語). Billboard. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “21 Savage Pulls Out A Gun During A Brawl: Watch” (英語). Vibe (2018年6月10日). 2020年10月31日閲覧。
- ^ Blais-Billie, Braudie. “21 Savage Apologizes for “Jewish Money” Lyrics” (英語). Pitchfork. 2020年10月31日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/21savage/status/1077429256249061376”. Twitter. 2020年10月31日閲覧。