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セゲド/ホードメゼーヴァーシャールヘイ・トラムトレイン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』
（131号線 (ハンガリー)から転送）
セゲド/ホードメゼーヴァーシャールヘイ・トラムトレイン
ハンガリー国鉄131号線
ホードメゼーヴァーシャールヘイ駅に停車する電車（2021年撮影）
基本情報
国  ハンガリー
チョングラード県の旗 チョングラード・チャナード県
所在地 セゲド
ホードメゼーヴァーシャールヘイ
種類 トラムトレイン[1][2]
開業 2021年11月29日[3][4]
運営者 MÁV START Zrt.
使用車両 シティリンク[1][5][6]
路線諸元
軌間 1,435 mm[5][6]
電化方式 直流600 V
（架空電車線方式）
（セゲド、ホードメゼーヴァーシャールヘイ市内）[5][6]
最高速度 50 km/h（路面電車路線）
100 km/h（鉄道路線）[1][5][6]
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この項目では、ハンガリーの都市であるセゲドとホードメゼーヴァーシャールヘイを結ぶトラムトレイン（ハンガリー語: Szeged–Hódmezővásárhely tram-train）について解説する。同路線はハンガリー初のトラムトレインとして、2021年から営業運転を開始した[1][2]。

概要

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ハンガリーの都市であるセゲドとホードメゼーヴァーシャールヘイの間は古くから公共交通機関の需要が高く、2018年の時点で1日160本の都市間バスが運行していたが、渋滞や道路工事等の理由でダイヤが大幅に乱れる事態が多く発生していた。一方、両都市の間にはハンガリー国鉄が所有する非電化の鉄道路線である135号線（セゲド - ベーケーシュチャバ線）も存在するが、各都市のターミナル駅が中心部から離れている事や最高速度の遅さなどの要因で利用率は低かった。そこで、両都市間の公共交通機関の利便性の改善や更なる利用促進を目的に、鉄道網を整備したうえで市内中心部へ直通する路面電車への乗り入れを行うトラムトレインの導入の検討が2007年から進められ、2012年までに実現可能性に向けた調査を終えた後、2018年から本格的な建設が開始された[1][7][8]。

セゲド市内は既存のセゲド市電1号線へ直通するための連絡線が設けられる一方、ホードメゼーヴァーシャールヘイ市内についてはハンガリー国鉄のホードメゼーヴァーシャールヘイ人民庭園駅（ハンガリー語版）から分岐し市内を走行する、6箇所の停留所を含む路面電車路線が新規に建設された。また、双方を結ぶハンガリー国鉄の路線（135号線）も最高速度100 km/hでの走行が可能となるよう線路の交換や一部区間の複線化、橋梁の建て替えといった整備が行われた他[注釈 1]、後述のトラムトレイン用車両の修繕が可能な車両基地の建設も実施された。これらの区間の所要時間は37分、運行間隔は最短15分（ラッシュ時）を想定している[1][2][9][10]。

試運転は2021年5月の時点で既に実施されており、同年11月29日から営業運転を開始した。ただし同日から2022年4月15日までの運賃は無料で、運賃を徴収する形での本格的な運行開始は翌4月16日から行われている[注釈 2][2][3][11][12]。

  • ホードメゼーヴァーシャールヘイ市内に建設中の線路（2020年撮影）
    ホードメゼーヴァーシャールヘイ市内に建設中の線路（2020年撮影）
  • セゲド市電の電車（左）と並ぶ列車（2023年撮影）
    セゲド市電の電車（左）と並ぶ列車（2023年撮影）
  • 併用軌道を走行する列車（2023年撮影）
    併用軌道を走行する列車（2023年撮影）
  • ホードメゼーヴァーシャールヘイ駅で並ぶ列車（2023年撮影）
    ホードメゼーヴァーシャールヘイ駅で並ぶ列車（2023年撮影）

運行形態

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  • セゲド駅 - ホードメゼーヴァーシャールヘイ駅
    ロークシュ駅 - ネープケルト駅間で135号線を経由する[13]。
    2021年内は1時間、以降2022年4月15日までは20 - 30分間隔で運行。以降のダイヤは利用客の動向を踏まえたうえで決定[3][13]としていた。30分間隔での運行をしばらく続けていたが、2023年2月の改正で、平日の午後のみ毎時3本に増発された[14]。

駅一覧

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以下では、トラムトレイン（ハンガリー国鉄131号線）の駅と営業キロ、停車列車、接続路線などを一覧表で示す[3][13]。

  • 種別
    • S：135号線の列車
    • 1：トラムトレイン
  • 停車駅
    • ■印：全列車停車
    • ｜印：全列車通過
路線名 駅名 駅間営業キロ 累計営業キロ
[15] 		S 1 接続路線 所在地
2 セゲド駅 - 0.0 ■ ■

140号線（ブダペスト方面）

チョングラード県 セゲド郡
ガランブ通り停留所 0.2 0.2   ■  
ベーチ環状線停留所 0.4 0.6   ■  
アラド殉教者広場停留所 0.5 1.1   ■  
ショモジ通り停留所 0.3 1.4   ■  
セーチェニ広場停留所 0.3 1.7   ■  
アンナの泉停留所 0.5 2.2   ■ セゲド市電
  3,4系統（タルヤーン方面、ケチケーシュ/ヴァダシュパルク方面）
ロークシュ教会停留所 0.6 2.8   ■  
タヴァス通り停留所 0.3 3.1   ■  
ダムヤニッチ通り停留所 0.4 3.5   ■  
ヴァーシャールヘイ・パール通り停留所 0.4 3.9   ■ セゲド市電
  2系統（ヨーロッパ公園方面）
1 プルズ通り停留所 0.6 4.5   ■  
ロークシュ駅 0.3 4.8 ■ ■
135 アルジェー駅 9.5 14.3 ｜ ■  
131 ホードメゼーヴァーシャールヘイ人民庭園駅 13.0 27.3 ■ ■ 130号線（センテシュ方面） ホードメゼーヴァーシャールヘイ郡
ストランドフュルデー停留所 0.6 27.9   ■  
ヘーセク広場停留所 0.4 28.3   ■  
コッシュート広場停留所 0.4 28.7   ■  
カールヴィン・ヤーノシュ広場停留所 0.8 29.5   ■  
ホードメゼーヴァーシャールヘイ駅 1.0 30.5 ■ ■ 135号線（ベーケーシュチャバ方面）

車両

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非電化区間を走行する406形（2023年撮影）

2017年、ハンガリー国鉄の旅客部門であるMÁV START Zrt.は、スイスのシュタッドラー・レールとの間にトラムトレイン用の車両であるシティリンクを導入する契約を交わした。これはステンレス鋼の車体を有する3車体連接式の部分超低床電車で、セゲドやホードメゼーヴァーシャールヘイ市内は直流600 Vの架線下を走る電車として、双方の都市間はディーゼルエンジンで駆動する気動車として運行することができるバイモード車両である[1][5][6][10]。

当初契約分の8両に加えて2020年には4両が追加発注され、2021年中に合計12両が納入される。また、これらの車両には406形という形式名が付けられる事になっている。主要諸元は以下の通り[1][5][6]。

  • 車内
    車内
  • 運転台
    運転台
  • スゼンテ駅（Szentes）へ輸送された406形（2021年撮影）
    スゼンテ駅（Szentes）へ輸送された406形（2021年撮影）
車種・形式 登場年 総数 軌間 編成 運転台 対応電圧等 軸配置 備考・参考
"シティリンク"
406形 		2021 12両 1,435mm 3車体連接車 両運転台 直流600V
非電化 		Bo'2'2'Bo' [1][5][6][10]
全長 全幅 全高 扉部床面高さ 低床率 車輪経
低床ホーム用 高床ホーム用
37,200mm 2,650mm 3,800mm 550mm 300mm 100% 720mm
最高速度 最小通過半径 着席定員 総定員 主電動機出力 発電機出力 車両出力
100km/h 22m 92人 216人 145kw(x4基) 390kw(x2基) 580kw

今後の予定

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セゲドと各地域を結ぶトラムトレインの一環として、同都市とマコー（英語版）を結ぶ計画も構想されており、2019年時点では両都市を結ぶハンガリー国鉄の路線の整備を含めた検討が進められている段階にある[1]。

→「セゲド/マコー・トラムトレイン（ハンガリー語版）」も参照

脚注

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[脚注の使い方]

注釈

[編集]
  1. ^ 大規模整備が実施された2018年4月から2021年2月までの間、対象となった路線では長期にわたる運休が行われ代行バスが設定された。
  2. ^ 運賃は全区間乗車時は450フォリント、ホードメゼーヴァーシャールヘイ市内は250フォリントとなっている。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j “Épül hazánk első integrált tram-train vonala”. Innotéka (2019年10月14日). 2021年7月9日閲覧。
  2. ^ a b c d “Február 22-től ismét vonatok közlekednek Szeged és Hódmezővásárhely között”. MÁV-csoport (2021年2月3日). 2021年7月9日閲覧。
  3. ^ a b c d Barnóczki Brigitta (2021年11月4日). “November 29-én indul az első tram-train Hódmezővásárhely és Szeged között”. telex. 2021年11月22日閲覧。
  4. ^ “Elindult a tram-train Hódmezővásárhelyről”. infostart (2021年11月29日). 2021年12月1日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g “[1.pdf CITYLINK TRAM-TRAIN MÁV-START Zrt., Hungary]”. Stadler Rail. 2021年7月9日閲覧。
  6. ^ a b c d e f g “First MÁV-START Citylink In Hungary”. Railvolution (2021年1月8日). 2021年7月9日閲覧。
  7. ^ InfoRail 2018, p. 12.
  8. ^ Jancsovics Klaudia (2018年5月28日). “Mától félpályás lezárás van az algyői hídon”. Vásárhely24. 2021年7月9日閲覧。
  9. ^ InfoRail 2018, p. 13.
  10. ^ a b c InfoRail 2018, p. 14.
  11. ^ Szombat Mihály (2021年5月30日). “MFej-fej mellett: Tram-train és villamos”. Vásárhely24. 2021年7月9日閲覧。
  12. ^ Balázsi Levente (2021年11月29日). “Elindult a tram-train Hódmezővásárhely és Szeged között”. index.hu. 2021年12月1日閲覧。
  13. ^ a b c “2020–2021. évi belföldi közforgalmú menetrend vonalankénti bontásban”. MÁV-csoport. 2021年11月12日閲覧。
  14. ^ 2022-2023. évi vasúti menetrend módosítás kézirata – Érvényes: 2023. február 4-től
  15. ^ Vonalak listája

参考資料

[編集]
地下鉄
路面電車
現有
廃止
トロリーバス
ケーブルカー
  • ^1 - トラムトレイン
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