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呉銀行

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
音戸銀行から転送)

株式会社呉銀行(くれぎんこう)は、1927年(昭和2年)4月、広島県呉市に設立された地方銀行で、広島銀行の前身行の一つである。

本項目では当行の前身である(旧)呉銀行(1906 - 27年)および呉商業銀行( - しょうぎょうぎんこう / 1900 - 06年)についても併せて述べる。

沿革

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呉商業銀行・(旧)呉銀行時代

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呉銀行の前身である(株)呉商業銀行は、1899年(明治32年)11月1日、資本金100,000円[1]、払込金25,00円をもって安芸郡和庄町(現・呉市)に設立され、翌1900年1月に開業した[2]1906年9月には「(株)呉銀行」と改称(商号変更)し[3]旧呉銀行)、この呉銀行と音戸銀行の合同で1927年(昭和2年)4月1日、新立合併による(新)呉銀行呉市に本店をおき発足した[4]

(新)呉銀行時代

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(新)呉銀行は、1931年3月、(株)阿賀銀行を買収する[4]など経営を拡大し、1937年時点では県下に本店をおく5行の一つとなっていたが、戦時期の国・県による「一県一行」政策に基づき、同じく広島県下の(旧)芸備銀行広島合同貯蓄銀行備南銀行三次銀行とともに(新)藝備銀行の新立に参加し、1945年5月1日の同行設立に際して解散した[4]。当行の解散により呉市内に本店をおく銀行は消滅した。

年表

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  • 1899年(明治32年)11月1日:安芸郡和庄町に呉商業銀行が設立。
  • 1900年(明治33年)1月5日:呉商業銀行の開業。
  • 1906年(明治39年)9月15日:呉銀行と改称(商号変更)。
  • 1927年(昭和2年)4月1日:呉銀行と音戸銀行の新立合併により(新)呉銀行が呉市に設立。
  • 1931年(昭和7年)3月1日:阿賀銀行を買収。
  • 1945年(昭和20年)
    • 4月25日:当行および(旧)芸備銀行・広島合同貯蓄銀行・備南銀行・三次銀行の5行合併による(新)芸備銀行の新立合併認可。
    • 5月1日:芸備銀行の新立合併・開業にともない解散。

当行に統合された銀行

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音戸銀行

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(株)音戸銀行(おんどぎんこう)は、愛媛県の(株)中山銀行(1898年3月3日設立、同年4月15日開業)[5]が、広島県に転出して(株)工商銀行への改称(1907年3月29日)[6]を経て、1909年7月22日に改称した[7]ものであり、本店は安芸郡音戸町(現・呉市)におかれた。

阿賀銀行

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(株)阿賀銀行(あがぎんこう)[注釈 1]は、1899年(明治32年)4月14日に大阪府に設立された(株)北河銀行が賀茂郡阿賀町(現・呉市)に本店を移し1909年3月4日に改称したものである[9][10]

歴代頭取

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店舗

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呉市の本店は広島合同貯蓄銀行本店(のちの広島銀行銀山町支店)も手がけた地元建築家の豊田勉之(1891~1950)の設計によるものであったが、現存しない[11]

脚注

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注釈

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  1. ^ 同名の銀行として1906年1907年に存続したものがあるが、この銀行はのち呉起業銀行→呉第一銀行への改称を経て1927年9月に(旧)芸備銀行買収され解散した[8]

出典

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  1. ^ 岡崎哲二・浜尾泰・星岳雄「戦前日本における資本市場の生成と発展:東京株式取引所への株式上場を中心として」掲載の「表5 東京株式取引所上場会社の規模分布(公称資本金)」に拠れば、1900年の東京株式取引所上場会社の公称資本金は、次の通り。最大値:66,000千円、最小値:80千円、Obs.:96
  2. ^ 銀行図書館 銀行変遷史データベース「(株)呉商業銀行」(2019年1月閲覧)。
  3. ^ 銀行図書館 銀行変遷史データベース「(株)呉銀行(明治39-昭和2)」(2019年1月閲覧)。
  4. ^ a b c 銀行図書館 銀行変遷史データベース「(株)呉銀行(昭和2-昭和20)」(2019年1月閲覧)。
  5. ^ 銀行図書館 銀行変遷史データベース「(株)中山銀行」(2019年1月閲覧)。
  6. ^ 銀行図書館 銀行変遷史データベース「(株)工商銀行」(2019年1月閲覧)。
  7. ^ 銀行図書館 銀行変遷史データベース「(株)音戸銀行」(2019年1月閲覧)。
  8. ^ 銀行図書館 銀行変遷史データベース「(株)阿賀銀行((明治39 - 明治40)」(2019年2月閲覧)。
  9. ^ 銀行図書館 銀行変遷史データベース「(株)北河銀行」(2019年1月閲覧)。
  10. ^ 銀行図書館 銀行変遷史データベース「(株)阿賀銀行(明治40-昭和6)」(2019年1月閲覧)。
  11. ^ 設計者は地元建築家 被爆の遺構「旧広島銀行銀山町支店」 豊田氏遺品から確認”. 中国新聞 (2015年12月28日). 2019年2月19日閲覧。

外部リンク

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