少年自然の家
少年自然の家(しょうねんしぜんのいえ)は、青少年のための日本の社会教育施設。もともとは義務教育の諸学校に在籍している少年対象であったが、一部その上の年齢層も含めて青少年自然の家、青少年交流の家、青年の家と称している施設もある。
日本国内では1970年以降、政府が積極的に国庫補助金を支出して国や地方自治体で設置された。独立行政法人国立少年自然の家が運営していた国立の施設は、2006年、独立行政法人国立青少年教育振興機構への統合を機に、すべて「国立○○青少年自然の家」の名称に統一された。各地方自治体の少年自然の家については、指定管理者を導入する施設が増えている[1][2]。
児童、青少年を自然に親しませ、自然の中での集団宿泊生活を通じてその情操や社会性を豊かにし、心身を鍛練し、もって健全な少年の育成を図ることがその目的とし、自然環境の良い山や高原、湖畔や海岸などに設置されている。そのため、同じ市内であっても、市街地から離れた場所に設置されていることがある。ただし、自然環境の良いところと言っても、学業の休みになる夏休み、冬休みのような長期休暇の時期にのみ開催される臨海学校や林間学校と決定的に異なり、年間を通じて運営されるというのが大きな特徴である。
活動の主要な目標は次の3点である。
主な活動
[編集]少年自然の家で行われる主な活動としては以下のようなものがある。
- 自然観察、植物採集、自然愛護。
- 登山、キャンプ、オリエンテーリング、サイクリング、キャンプファイヤー。
- 飯盒炊爨、バーベキュー、ゲーム。
- スポーツ少年団、ボーイスカウトなど少年団体各種の合宿、子供会のリーダー研修。
専用の宿泊施設を併設しない集団対応型研修施設(いわゆる非宿泊型の青少年教育施設)
[編集]少年自然の家や青年の家などの名称を用いた社会教育施設(いわゆる青少年教育施設)は、当該施設の主催事業や学校等の集団での宿泊研修において、宿泊を伴う活動にも対処できるようにするために、専用の宿泊施設が併設されていることが多い[注 1]が、その一方で、専用の宿泊施設を併設しない青少年教育施設もある。そのような施設は、非宿泊型の青少年教育施設といわれ、施設形態や利用形態も公民館並みであり、都市青年の家によくあるという。当然のことながら、非宿泊型の青少年教育施設の主催事業は、日帰りのみである。しかし、非宿泊型の青少年教育施設は、近年の行政改革等により、廃止されつつあり、なかには公民館に転換された施設もある。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 特に、国立の施設と都道府県立の施設がそれにあたる。ただ、都道府県立の施設でも高知県立塩見記念青少年プラザや高知県立高知青少年の家のように、専用の宿泊施設が併設されていない場合もある。しかし、高知県立高知青少年の家は、ほかの施設(宿泊施設のあるスポーツセンター)と連携して、宿泊施設が併設されていても、専用の宿泊施設が併設されていないものとみなされている。
出典
[編集]- ^ “【千葉市少年自然の家】指定管理者の選定結果”. 千葉市役所 (2019年12月12日). 2020年8月2日閲覧。
- ^ “もじ少年自然の家 指定管理者候補の選定結果について”. 北九州市役所. 2021年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月2日閲覧。
関連項目
[編集]- 社会教育施設
- 国立青少年教育振興機構
- 国立青少年自然の家
- 東毛少年自然の家 - 群馬県立の施設
- 国立青少年交流の家
- 国立オリンピック記念青少年総合センター
- 国立女性教育会館
- 公民館 - 専用の宿泊施設を併設しない集団対応型研修施設(特に、青少年教育施設)は、施設形態や利用形態も公民館並みである。しかし、宿泊施設を併設しない集団対応型研修施設は、近年の行政改革等により、廃止されたり、なかには公民館に転換された施設もある。
- 野外教育 - 野外学校
- en:open air school