御霊神社 (五條市霊安寺町)
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(霊安寺から転送)
御霊神社 | |
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所在地 | 奈良県五條市霊安寺町2206 |
主祭神 |
本殿:井上内親王 南脇社殿:他戸親王 北脇社殿:早良親王 別宮:火雷神 |
神体 | 木造御霊大神坐像 |
本殿の様式 | 三間社流造/桃山様式 |
別名 | 御霊本宮・御霊宮大明神・四所御霊大明神・宇智郡大宮・御霊さん |
例祭 |
4月第4日曜日(太々神楽/祭隔年斉行) 10月8日(節句祭) 10月第4日曜日(例祭) |
御霊神社(ごりょうじんじゃ)は、奈良県五條市にある神社。御霊本宮・御霊宮大明神・四所御霊大明神・宇智郡大宮・御霊さんとも呼ばれる。旧社格は県社。
祭神
[編集]- 本殿:井上内親王(いのえないしんのう)
- 南脇社殿:他戸親王(おさべしんのう)
- 北脇社殿:早良親王(さわらしんのう)
- 別宮:火雷神(井上内親王第三子。伊邪那岐命が生んだ火雷大神とは異なる神)
歴史
[編集]御霊神社の御祭神である井上内親王は、聖武天皇の皇女として養老元年(717年)に生誕した[1]。 5歳で斎王として伊勢皇大神宮に出仕し、のちに白壁王の妃となる。宝亀元年(770年)、白壁王は第49代光仁天皇に即位。しかし政権争いに巻き込まれ、無実の罪により皇太子・他戸親王とともに大和国宇智郡没官の宅に流罪となり、宝亀6年(775年)4月25日逝去[2]。
その後、都に天変地異が起こり悪疫が流行したため、朝廷は内親王母子の怨霊の祟りと恐れ、内親王を皇后に復し、霊安寺を建立し御霊を安め奉る。その頃に御霊神社も創建された[2]。嘉禎4年(1238年)吉原・牧野両豪族の論争に起因し10社に分社[2]したが、その後も宮分けが進み、400年余りの間に20余社の御霊神社が宇智郡(現在の五條市)に分祀された。
関係年表
[編集]- 養老元年(717年):井上内親王誕生。父、聖武天皇。母、県犬飼宿禰廣刀自。
- 養老5年(721年):井上内親王(5歳)、斎王として伊勢皇大神宮に出仕。
- 天平16年(744年):井上内親王(28歳)、斎王解任。
- 天平19年(747年):井上内親王(31歳)、白壁王と結婚。
- 天平宝宇5年(761年):井上内親王(45歳)、他戸親王誕生。
- 宝亀元年(770年):白壁王(62歳)、光仁天皇に即位。井上内親王(54歳)も皇后に。
- 宝亀2年(771年):他戸親王(11歳)、立皇太子。
- 宝亀3年(772年):巫蠱の罪により、井上皇后(56歳)・他戸皇太子(12歳)を廃す。
- 宝亀4年(773年):光仁天皇の姉・難波内親王を厭魅した罪に問われ、井上内親王(57歳)・他戸親王(13歳)、宇智郡没官の宅に流罪幽閉。
- 宝亀6年(775年):4月25日(27日とする説もある)、井上内親王(59歳)・他戸親王(15歳)母子ともに逝去。
- 宝亀7年(776年):都に天災飢饉相次ぎ、母子の祟りと恐れられ、600人の僧に読経が命じられる。
- 延暦4年(785年):藤原種継暗殺の黒幕として早良皇太子を廃し、淡路へ配流中に憤死。
- 延暦19年(800年):葛井王が下向。井上内親王を皇后に復し、早良親王に崇道天皇を追称する。加えて同地に霊安寺を建立。御霊神社もこの頃に創祀されたと考えられている。
- 延暦24年(805年):都で150人の僧が大般若経を読経し、母子の霊を慰める。霊安寺に稲3000束、調綿・庸綿各150斤が下賜される。
- 弘仁7年(816年):霊安寺・御霊神社に太政官符として稲4000束を納む。
- 貞観5年(863年):京都神泉苑にて御霊会が営まれる。
- 天永3年(1112年):大般若経を納む(現在満願寺所蔵530巻)。
- 明治5年(1872年):廃仏毀釈・神仏分離。所蔵の仏像・経文等は満願寺へ。
- 明治8年(1875年):御祭神1100年祭斎行。
- 昭和19年(1944年):社格県社に昇格。
- 平成2年(1990年):鎮守の森コンサート第1回開催。第20回まで続く。
- 平成29年(2017年):御祭神生誕1300年祭を予定。
祭事
[編集]年間祭事
[編集]- 4月第4日曜日:太々神楽祭(隔年斉行)
- 10月9日:節句祭(若宮『火雷大神』が年に一度御渡りして、本社母君『井上大神』と対面され、お祭りを受けられる伝統固有の祭典)
- 10月第4日曜日:例祭 (前日土曜:本社例祭。午後、神輿神幸渡御。五條御旅所宵宮祭。 当日日曜:五條巡幸。午後、霊安寺巡幸。夕刻、還座祭。)
- 2017年10月8日には、井上内親王の生誕1300年祭が開催される予定
文化財
[編集]重要文化財(国指定)
[編集]- 大般若経530巻(天永3年の奥書)。満願寺所蔵。
奈良県指定文化財
[編集]- 本殿:三間社流造。桃山様式。寛永14年(1637)造営の棟札・古文書が現存する。
- 木造御霊大神坐像:平安時代後期。
現地情報
[編集]所在地
[編集]- 奈良県五條市霊安寺町2206
交通アクセス
[編集]脚注
[編集]出典
[編集]参考文献
[編集]- 『御霊神社縁起』
外部リンク
[編集]座標: 北緯34度20分7.8秒 東経135度41分52.6秒 / 北緯34.335500度 東経135.697944度