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電波型式の表記法

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
電波の型式から転送)

電波型式の表記法(でんぱかたしきのひょうきほう)とは、電波監理委員会規則電波法施行規則(以下、「施行規則」と略す。)第4条の2に規定する、電波変調方式ラジオ放送で言えば振幅変調(AM)、周波数変調(FM)等の違い)や占有帯域幅を表す表記法である。 電波法令およびこれに基づく行為にはこの規定により表記される。

表記法

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1979年(昭和54年)の世界無線通信主管庁会議(WARC79)で採択されたもので、日本では1983年昭和58年)7月1日に施行された[1]。但し、アマチュア局については、2004年平成16年)1月13日に施行された[2]。なお、無線局免許状の表記については、同規則附則にある経過措置により[3][4]、免許の有効期限内は書換えを必要としなかった。

電波型式の表記法
一字目   二字目   三字目
搬送波の変調形式
主搬送波を変調する信号の性質
伝送情報
無変調 N 変調信号なし 0 無情報 N
振幅変調 両側波帯 A 副搬送波を使用しないデジタル信号の単一チャンネル 1 電信聴覚受信 A
単側波帯 全搬送波 H
低減搬送波 R
抑圧搬送波 J 電信(自動受信)・印刷電信(RTTY) B
独立側波帯 B 副搬送波を使用するデジタル信号の単一チャンネル 2
残留側波帯 C
角度変調 周波数変調 F ファクシミリ C
位相変調 G データ伝送、遠隔測定、遠隔指令 D
振幅変調および角度変調であって、同時に、または一定の順序で変調するもの D アナログ信号の単一チャンネル 3
パルス変調 無変調 P デジタル信号の二以上のチャンネル 7 電話音響放送を含む) E
振幅変調 K
幅変調または時間変調 L
位置変調または位相変調 M アナログ信号の二以上のチャンネル 8 テレビジョン映像 F
パルス期間中に角度変調 Q
上記の組合せ、または他の方法 V
上記に該当しないもので、振幅、角度またはパルスのうち二以上を組み合わせて、同時に、または一定の順序で変調するもの W 1以上のアナログ信号チャンネルと、一以上のデジタル信号チャンネルの複合方式 9 上記の組合せ W
その他 X その他 X その他 X

表記例

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占有帯域幅の表記

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無線局の免許申請にあたり、無線設備規則(以下、「設備規則」と略す。)別表第2号の各号が適用され、占有帯域幅の表記を要する場合は、無線局免許手続規則別表第2号「無線局事項書の様式」各号の注[7]による。

占有周波数帯幅の範囲 記載方法
0.001Hz〜999Hz H001〜999H
1.00kHz〜999kHz 1K00〜999K
1.00MHz〜999MHz 1M00〜999M
1.00GHz〜999GHz 1G00〜999G
注1 電波の型式に冠して記載する。
注2 3数字と1文字で表す。
注3 最初の記号に0、K、M、Gを用いない。

無線局免許状の電波の型式にも記載される。

旧表記

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  • 1950年(昭和25年)6月30日 設備規則制定の際に定められる[8]
  • 1961年(昭和36年)6月1日 設備規則から施行規則へ移行した[9][10]
電波型式の表記法(旧表記)
一字目   二字目   三字目
主搬送波の変調
伝送の型式
補足的特性
振幅変調 A 情報を送るための変調の無いもの 0 両側波帯
変調用可聴周波数を使用しない電信 1 単側波帯 低減搬送波 A
一もしくは二以上の変調用可聴周波数の電鍵開閉操作、または変調波の電鍵開閉操作(特別の場合には、電鍵を操作しない変調波)による電信 2 全搬送波 H
周波数(位相)変調 F 抑圧搬送波 J
電話(音響の放送を含む) 3 二独立側波帯 B
ファクシミリ(主搬送波を直接に、または周波数変調した副搬送波で変調したもの) 4 残留側波帯 C
テレビジョン(映像のみ) 5 パルス 振幅変調 D
パルス変調 P 四周波ダイプレックス 6 幅、時間変調 E
音声周波多重通信 7 位相、位置変調 F
上記に該当しない伝送、または複合した伝送 9 符号変調 G

アマチュア無線に関して

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一括記載コード

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アマチュア局に対してのみ、複数の電波型式を一括して表示する一括記載コードが適用される。無線局免許状や無線局事項書(工事設計書を除く。)には指定周波数毎にコードに含まれる電波型式について一括して表記される。

無線業務日誌、交信証の表記

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無線業務日誌(交信ログ)や交信証明書(QSLカード)は、私文書でありこの表記法によることを必要としない。一般的にAM、FM、SSB、CWなどの英字表記[11][12][13]を用いる。

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ 昭和58年郵政省令第9号による施行規則改正
  2. ^ 平成15年総務省令第107号による施行規則改正
  3. ^ 昭和58年郵政省令第9号附則第2項
  4. ^ 平成15年総務省令第107号附則第2項
  5. ^ 放送法15条の"あまねく"(均一な放送)がある為、中波放送と同じモノラルを選択したと思われる。(らじる★らじる(R1(第1)とR2(第2))においてもモノラルを選択したのも同様と思われる。)
  6. ^ 北日本放送ラジオ沖縄琉球放送IBC岩手放送
  7. ^ 昭和58年郵政省令第8号による無線局免許手続規則改正
  8. ^ 昭和25年電波監理委員会規則第5号制定時の第10条
  9. ^ 昭和36年郵政省令第12号による施行規則第4条の4追加
  10. ^ 昭和36年郵政省令第16号による設備規則第10条削除
  11. ^ ログブック記入例交信方法(7L4CWl)
  12. ^ アマチュア無線局業務日誌 書き方(見本) (PDF) 業務日誌(JP1JWF)
  13. ^ QSLカードの書き方 楽しもうアマチュア無線(日本アマチュア無線連盟