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ソウル郊外線

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
陵議線から転送)
ソウル郊外線
郊外線
基本情報
大韓民国の旗 大韓民国
起点 陵谷駅
終点 議政府駅
駅数 11
開業 1963年8月20日 (全通)
運営者 韓国鉄道公社
路線諸元
路線距離 31.8 km
軌間 1,435mm (標準軌)
線路数 単線
電化方式 非電化
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ソウル郊外線
郊外線
各種表記
ハングル 서울교외선
교외선
漢字 서울郊外線
郊外線
発音 ソウルギョウェソン
キョウェソン
日本語読み: そうるこうがいせん
こうがいせん
英語 Seoul Gyooe Line
Gyooe Line
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ソウル郊外線(ソウルギョウェせん)は、大韓民国京畿道高陽市徳陽区の陵谷駅と議政府市の議政府駅を結ぶ、韓国鉄道公社(KORAIL)の鉄道路線である。 2004年以降は定期旅客運行を休止し、貨物路線として使用されている。「ソウル郊外線」の名称は旅客営業時のもので、旅客営業休止後は郊外線(こうがいせん、キョウェせん)を正式名称としている。

全線非電化単線路線であるが、陵谷 - 大谷間は京義線に、京元電鉄線佳陵付近 - 議政府間は京元線に並行して走る。

概要

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ソウル市北方に京義線京元線連絡線を設ける構想は日本統治時代から存在し、1944年2月に着工されたものの線路竣工前に朝鮮光復を迎えたため未成線で終わった。日本統治時代には、京義線の旅客貨物中央線経由で釜山へ通す役割、及び京元線の列車を京城府に乗り入れることなく車両基地のある水色駅へ回送する役割が期待されていた[1]

現存のソウル郊外線は陵議線朝鮮語: 능의선、ヌンウィせん)として1959年に着工され、1961年7月10日陵谷 - 佳陵間が部分開通、1963年8月20日に佳陵 - 議政府間が開通し全線開業した。開業当初はソウル駅 - (京義線経由) - 陵谷駅 - (ソウル郊外線経由) - 議政府駅 - (京元線経由)- ソウル駅間を環状運転する旅客列車が設定されたが、1986年首都圏電鉄1号線が京元線議政府駅まで延伸されると運行区間は縮小し、ソウル駅 - 陵谷駅 - 議政府駅間のみの運行となった。運行は全て気動車で行われ、1990年代まで日本製気動車が、1997年からは3両編成の9501系気動車が用いられていた。

沿線は全てソウル特別市の北側郊外に位置するが、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に近いことから韓国軍軍事基地が複数存在し、開発規制区域とされていた。そのため、ソウル近郊であるにもかかわらず田園や荒野が広がり、人口は極めて少なく、乗客も少ない状態が続いていた。一方、それにより自然の景観が残ったことから観光客の利用が見込めたため、1994年8月12日からは中国製の新造蒸気機関車を使ったSL観光列車(ムグンファ号)を休日に運行(議政府 - ソウル間直通)していた。しかし、1990年代後半の経済危機やSLの保守が困難なことを理由に、SL観光列車は2000年5月15日限りで運行が取りやめられた。更に、沿線の開発抑制で利用者の増加が見込めないことなどにより、KTXが開業する前日の2004年3月31日をもって定期旅客列車の運行は終了した。以降、郊外線の定期列車は沿線にある韓国軍基地への補給輸送を目的とした貨物列車のみとなったが、これも2013年10月に運行が終了し、事実上の休止路線に近い状態となった。

この事態を受けて2010年代以降、沿線の自治体は郊外線の旅客輸送を再開させるよう国に対し働き掛け、一時は郊外線を電化複線化し首都圏電鉄3号線直通運転する構想が提唱された[2] [3]。だが、費用対効果の悪さから具体的な整備計画は長期にわたって進展せず[4]、2021年8月にようやく旅客輸送再開の具体的な方案がまとまった[5]。2021年に報道された計画によると、沿線自治体が運営負担金を負担し、気動車を使って郊外線の区間のみを1日34往復する予定である。ただし、旅客扱いが再開される駅は大谷元陵日迎長興松湫議政府の6駅で、陵谷駅は車輛の留置施設に転用、大井三陵碧蹄温陵の4駅は閉鎖される予定である。

2024年12月30日、旅客輸送が再開される予定だが、当初使用を予定していた9501系気動車が耐用年数により2023年をもって全廃されたことから、客車型ムグンファ号に計画が変更になった。

駅一覧

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駅名 駅間キロ (km) 累計キロ (km)
等級
駅種別 接続路線 所在地
日本語 ハングル 英語
陵谷駅 능곡역 Neunggok 0.0 0.0 3級 普通駅 韓国鉄道公社 京義・中央線京義線) (K321)・ 西海線 (S12) 高陽市
徳陽区
大谷駅 대곡역 Daegok 1.5 1.5 2級 配置簡易駅 韓国鉄道公社: 京義・中央線(京義線) (K322)・3 3号線一山線) (315)・ 西海線 (S11)
大井駅 대정역 Daejeong 1.3 2.8 無配置簡易駅  
元陵駅 원릉역 Wolleung 2.9 5.7 無配置簡易駅  
三陵駅 삼릉역 Samneung 2.1 7.8 無配置簡易駅  
碧蹄駅 벽제역 Byeokje 4.2 12.0 無配置簡易駅  
日迎駅 일영역 Iryeong 4.7 16.7 無配置簡易駅   楊州市
長興駅 장흥역 Jangheung 2.4 19.1 無配置簡易駅  
温陵駅 온릉역 Olleung 0.8 19.9 臨時乗降場  
松湫駅 송추역 Songchu 3.2 23.1 無配置簡易駅  
議政府駅 의정부역 Uijeongbu 8.7 31.8 2級 管理駅 韓国鉄道公社:1 1号線京元電鉄線) (110) 議政府市

廃駅

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脚注

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  1. ^ 鮮交會『조선교통사 1』BG북갤러리、2012年。ISBN 9788964950357。P421-422。
  2. ^ 교외선 능곡~의정부 35.9㎞, 2020년 전철 개통《연합뉴스》2011.10.20
  3. ^ 손범규 "교외선 예타 대상사업 재선정"《중부일보》2011.11.11
  4. ^ "교외선 복원으로 수도권 순환철도 완성"《OBS 경인TV》2019.01.01
  5. ^ 의정부 교외선, 2024년부터 능곡~의정부 하루 34차례 운행《경기일보》2021.08.09

外部リンク

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