陰イオン界面活性剤
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陰イオン界面活性剤(いんイオンかいめんかっせいざい、Anionic surfactant)または、アニオン界面活性剤は、陰イオン性の親水基を持つ界面活性剤。
構造・性質
[編集]親水基としてカルボン酸、スルホン酸、あるいはリン酸構造を持つものが多い。
洗浄力が強く、優れた起泡性を持つため石鹸や衣料用洗剤・シャンプー等に使われるが、乳化力は油への溶解性が低いため、非イオン界面活性剤に比べると劣る。
主な陰イオン界面活性剤
[編集]界面活性剤の一覧も参照。
- カルボン酸型 R−COO−M+
- ABS、LAS: R−C6H4−SO3−Na+
- 衣料用洗剤や工業用各種洗剤として使用される。以前はABSを使用していたが、河川の発泡問題による水質汚染を引き起こしたため、生分解性の良いLASに切り替えられた。
- スルホン酸型 R−SO3−Na+
- 硫酸エステル型 R−O-SO3−Na+
- リン酸エステル型 R−O-PO(OH)OM+
合成
[編集]アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
[編集]合成にはフリーデル・クラフツ反応を用いる。 Rはアルキル基。
- 付加
- R + C6H6 → R-C6H5
- 求電子置換反応
- R-C6H5 + H2SO4 → R-C6H4-SO3H + H2O
- 中和
- R-C6H4-SO3H + NaOH → R-C6H4-SO3Na + H2O
石鹸
[編集]- 油脂鹸化法
- 牛脂、ヤシ油、オリーブ油などの天然油脂を水酸化ナトリウムを用いて鹸化する方法。
- R-COOCH2CH(OOC-R)CH2OOC-R + 3 NaOH → C3H5(OH)3 + 3 R-COO-Na
- 以前は炭酸ナトリウムを用いた方法で合成されていた。
- 2 R-COOCH2CH(OOC-R)CH2OOC-R + 3 Na2CO3 + 6 H2O → 3 H2CO3 + 2 C3H5(OH)3 + 6 R-COO-Na
脂肪酸塩
[編集]R-OH + SO3→ R-O-SO3H
R-O-SO3H + NaOH → R-O-SO3Na + H2O
参考文献
[編集]- 「界面と界面活性剤−基礎から応用まで−」(日本油化学会、2004年)