金角・銀角
金角・銀角(きんかく・ぎんかく)は、『西遊記』に登場する兄弟魔王。金角大王(きんかくだいおう)・銀角大王(ぎんかくだいおう)とも。金角が兄で銀角が弟。平頂山蓮華洞(へいちょうざんれんげどう)を住処としている。精細鬼(せいさいき)に伶俐虫(れいりちゅう)、巴山虎(はざんこ)に倚海龍(いかいりゅう)と名のついた子分を従えている。
名前が示す字面から、日本では角の生えた姿で描かれることが多いが、叔父や母に当たる者は狐の変化であるため、その正体は狐狸精であることがわかる。
本相は太上老君の金炉と銀炉の番をしている童子たちで、老君の5つの法宝を持ち出して下界に降りて妖怪となっていた。5つの法宝とは、
銀角自身は山を動かす術を得意とし、須弥山、峨眉山、泰山の3つの山で悟空を封じたりした。
エピソード
[編集]三蔵一行が平頂山に辿りついた頃、悟空は猪八戒を懲らしめる意味も含めて偵察に行かせるが、八戒は銀角に捕まってしまう。八戒がなかなか帰ってこないため、しかたなく八戒を探しながら進むことにしたが、山頂で待ち伏せしていた銀角に3つの山で悟空は封じられ、三蔵と悟浄まで捕えられてしまった。
3つの山の神を呼び出して山をどかしてもらった悟空は、仲間を取り戻すために金角・銀角たちと法宝の奪い合いをする。最終的には銀角を紅葫蘆の中に吸い込み、金角を浄瓶の中に吸い込む。
その後、太上老君に5つの法宝を返したところ、紅葫蘆と浄瓶から童子たちが出てくる。実は、童子たちは三蔵一行の試練のため、あえて悪役を演じていたのだった。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 三猿舎『西遊記キャラクターファイル』新紀元社、2007年。ISBN 4-775-30573-5。